新古今和歌集の部屋

読癖入清濁付伊勢物語 四段 我身一つ 蔵書

月や
 あらぬ
春やむ        もとの
   かしの     身
 はる         にし
   ならぬ        て
 我身ひとつは

 

 

 

 

四昔、ひんがしの五条に、おほきさいのみや、おはしましける。西のたいにす

む人有けり。それをほいにはあらで、心ざしふかゝりける人、行とふらひけるを
            ほか
む月の十日ばかりの程に、外にかくれにける。有所はきけど、人の行か

よふべき所にも、あらざりければ、なをうしと、思ひつゝなん有ける。又の年

のむ月に、梅の花ざかりに、こぞをこひて、いきて立て見、ゐて見、み

れど、こぞににるべくもあらず。うちなきて、あばらなるいたしきに、月の

かたふくまでふせりて、こぞをおもひ出てよめる
古今
  月やあらぬ春やむかしの春ならぬわが身ひとつはもとの身にして

とよみで、夜のほの/\とあくるに、なく/\かへりにけり

コメント一覧

jikan314
@chisei 遅生様
業平の心余りて詞足らずの有名な歌で、後の新古今にも大きな影響を与えたもので、私も大好きです。
私の蔵書は、上巻のみ、下巻のみの半端者ばかりですが、今後48段まで3日に1~4段の割合でアップしていきます。東下りも筒井筒も入っていますので、又御覧頂ければ幸いです。
拙句
年やあらぬ我が身の歳も暮れてゆく
chisei
「月やあらぬ・・・」は、能「井筒」の中で、しみじみと謡われ、とても印象深い和歌ですね。
小鼓で囃すときも、情感がこもる場面です。
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