夜更け
「夜ぞ更けにける」とあるが、夜更けとはいつ頃の事を言うのであろうか?
現代の夜型の生活感覚では夜更けは、真夜中、深夜、夜半と22時以降のイメージが強くなったが、気象庁による気象用語としては、一般的な感覚が定まっていない事から、21時から24時を「夜遅く」と言い、午前0時から3時を「未明」と表現している。しかし、古代日本においては、中国から伝わった五更の午後7時ないし8時から(精選版 日本国語大辞典 より)とすべきであろう。古代は、不定時法で、日の出から日没の時間で時刻を決めていたので、夏冬では時間が異なる。旧暦の七夕の時期の8月~9月では8時頃から夜更けとして良いであろう。
気象庁気象用語 一日の時間細分の用語より。
五更 ごこう
古代中国の時刻制度で、一夜の5区分をいい、日本においても用いられた。「更」とは、一更ごとに夜番が交代する義であり、午後7時ないし8時から、順次2時間を単位に、初更(甲夜、一鼓)、二更(乙夜、二鼓)、三更(丙夜、三鼓)、四更(丁夜、四鼓)、五更(戊(ぼ)夜、五鼓)とくぎり、午前5時ないし6時に至る。「更」は「歴(れき)」「経(けい)」ともいった。とくに最後の第五更をさし、また総称として一夜の意を表す場合もある。
精選版 日本国語大辞典