源氏物語 須磨帖 須磨にはいとゞ心づくしの秋風 に海はすこし遠けれど行平の中 納言の關吹き越ゆるといひけむ浦 波夜々はげにいと近くきこえて又 なくあはれなるものはかゝるところ の秋なりけり。 お前にいと人少なに てうち休み渡れるに獨り目をさ まして枕を攲てゝ四方のあらし をきゝ給ふに浪たゞこゝもとに立ち 平成29年4月15日 4丁點參壱