手鑑(中村記念美術館蔵) 後鳥羽院宸記
十三日 丁丑 天諸事如列。巳剋陰雲
間發然而不及雨降。午剋令蹴鞠如例。
同二點関白太相国參仰合衆徒事良
久明日可有公卿儀定且仰合比事也。
未剋着狩衣出外小時入内。申剋出馬場。
酉三點入内仰侍從信成所労自昨日
也。平愈然而依無力並未沐浴不參者也。
信成不歴日数平愈殊悦思也。殊信心
余奉祈念神明仍如早速之不念也。
仰今日未剋牛王侯前。子始名謁如例。
十四日 戊寅 天諸事如例。巳三點蹴鞠
如例。伊賀守秀康依母事籠居五十
日過○後今日始出仕。申一點出馬場如
例。今日公卿左右府以下六七人參仰合
山門薗城寺南都衆徒事各不之
着座次第一人ヲ召寄テ内々致公間也。仍
各種々異儀多以申但所詮山門張本
可被召由大累一円也。子剋雨間降。名謁
如例
不明だった天、如、而、仰などの字は、中村祈念美術館「梅庵のたより」(平成7年3月発行)より。
金沢市立中村記念美術館 企画展「館蔵名品百選」にて展示。
期間:平成26年6月1日(日)~8月31日(日)
※7月17日(木)休館
ただし、7月17日に展示替えの際、別葉にするとのこと。