明月記
元久二年 五月
十二日雨降。夕參殿。今日最勝講定云々。詩歌合事、大略被結番。予可爲御結之由雖被仰、長兼先度合家隆、今度不可然之由申云々。僧正御房又可合資實卿之由御望云々。仍家隆可合御作之由申了。有御許。予憖合長兼。今度歌殊不得風情。定見苦歟。入夜退下。
略
十二日雨降る。夕に殿に参る。今日最勝講定と云々。詩歌合の事、大略結番せらるる。予、御結たるべき由仰せらると雖も、長兼先度家隆に合はすれば、今度は然るべからざるの由申と云々。僧正御房も又資実卿に合はすべきの由御望みと云々。仍て家隆は御作に合はすべきの由申しおはんぬ。御許し有り。予、憖いに長兼合はす。今度の歌殊に風情を得ず。定めて見苦しき歟。夜に入り退下す。
略
元久詩歌合
元久二年六月十五日
五辻殿被講
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