寒櫻
またも一つの春みつけ
今日は大晦日である。
とは言っても、旧暦の十二月三十日。明日は正月元旦と言う事である。
古典を学ぶ以上、旧暦で物を考えることにしている。
午後から何もする事が無いので、上野でも行こうかと考えて、光悦展を観に行く事とした。
平日なのに、上野公園は人が多く、どうして?と思っていると、旧暦の正月は、中国では春節なのだと初めて気がついた。当たり前の事だが、その辺が抜けている。
公園を歩くと、小松宮彰仁親王像の前で、桜が咲いていたので、よくよく樹標をみるとカンザクラとあった。
公園を歩いて、チューリップも咲いていた。これからどんどん花が咲いていく春を実感した。
先日降った雪も残雪として残っており、紅白の小梅が花を咲かせていた。早春ならではの光景だ。
中国、台湾、韓国の方々には、本阿弥光悦は、あまり関心が無くて助かった。
台湾故宮博物館の至宝、蘭亭序の時は、この場所から100m列をなした。
唯一写真撮影が許された大画面では、光悦筆の百人一首
前大僧正
慈圓
おほけなく
浮世の
民に
おほふか
な
我立
杣に
と蓮下絵百人一首和歌巻断簡などを映していた。散らし書とこう言うものか?
本阿弥光悦の本業は、刀の研ぎ師で、刀の鑑定家でもあった。光悦が鑑定した折り紙(折り紙付きの語源)など国宝の名刀もあったが、観覧者の関心は、俵屋宗達絵本阿弥光悦筆の鶴下絵三十六歌仙和歌であった。渋滞していたので、4回並び直し、ゆっくりと鑑賞した。
舟橋蒔絵硯箱
東路のさのゝ(ふな橋)かけてのみ思渡るをしる人のなき(後撰集 源等朝臣)
は、ポスターになっていたが、わりとみんなあっさりと鑑賞だった。
私も本和歌と、花卉鳥下絵新古今集歌3回、松山花卉摺下絵新古今集巻2回並び直して鑑賞した。
俵屋宗達のたらしこみ( 一色の絵の具を塗って、乾かないうちに 別の一色を垂らし、滲みの効果を出す技法)も十分鑑賞した。
焼き物の楽焼については、茶碗を回す訳にもいかないので、自分が回り、目線を下にして、茶道の教本通り、茶器を鑑賞した。結構茶道をする人が観に来ていて、同じ動作をするので、茶道界でも名物と知られているのだと思った。もちろん、どこが良いのか分かりませんが、黒楽茶碗 銘 時雨(重文)は、景が分かった。雨雲(重文)、村雲、乙御前(重文)、紙屋(重美)、毘沙門堂(重美)、白狐、冠雪、弁財天、加賀(重文)、無一物(重文)、万代屋黒、木下、鵺(重文)。
う~ん、これで御茶を飲んでみたいかな?猫に重文だな。