前田家本 方丈記 遷都4 軒を争ひし人の住まひ日を経つつ荒れ行く
をあらそひし人のすまひ日を へつゝあれゆくいゑはこほたれてよ とかはにうかひ地はめのまへにはたけ となる。ひとのこゝろみなあらたま りてたゝみなむまくらをのみ おもくす。...
前田家本 方丈記 遷都3 奉りて大臣公卿皆こと移ろひたまいぬ
たてまつりて大臣公卿みなこ とうつろひたまひぬ。よにつかふ る人たれか一人も故郷にのこり をらん。つかさくらゐにおもひを かけ主君のかけをもたのむほ との人は一日なりとも...
前田家本 方丈記 遷都2 大方この京の始めをきけば
おほかたこの京のはしめをきけは さかのてんわうの御時みやことさ たまりにけるよりのちすてに 数百さいにをよへり。ことなるゆ へなくてたやすくあらたまる へくもあらねはこれ...
前田家本 方丈記 遷都1 この風未の方へうつりゆきて
しらす。このかせひつしのかたへ うつりゆきておほくの人の なけきをなせり。つしかせはつ ねにふくものなれとかゝることや ある。たゝことにあらす。さるへき ものゝさとしかと...
前田家本 方丈記 辻風2 大きなるも小さきも一つとして破れざるは無し
きなるもちいさきもひとつ としてやふれさるはなし。さなから ひらにたうれたるもありけた はしらはかりのこれるもあり。門 のうへをふきはらひてとなりと ひとつになせり。いは...
前田家本 方丈記 辻風1 さしもあやうき世中の家を作るとて
なかにさしもあやうき世中の 家をつくるとてたからをついや すことはすくれてあちきなくそ 侍る。又治承四年卯月のころ、中御門 京極のほとよりおほきなるつ しかせおこりて六条...
前田家本 方丈記 大地震 5 いささか心の濁りもうすらぐと見えしかど
………のにこりもうす …とみし…月日かさなり ……のちは…のはにか けていひいつる人たにな… すへて世中...
前田家本 方丈記 大地震4 三月ばかりや侍けむ。
みつきはかりや侍けん。四大種 のなかに火風はつねに害をな せと大ちにいたりて變をな さす。むかしさいこうのころとか おほないふりて東大寺のほと けのみくしをちなといみし ...
前田家本 方丈記 大地震3 斯く夥しく震る事は、暫しにて止みにしかども
か…おひたゝしくふることは しはしにてやみしかともその なこりしは/\たえす。よのつ ねにおとろくほとのない二三十 とふらぬ日はなし。とをかはつか すぎしかは、やう/\...
前田家本 方丈記 大地震2 盛なる煙の如し
けふりのことし。ちのうこき家 のやふるゝをといかつちにことな らすいゑのうちにをれはたち まちにひしけなんとす。はしり いつれはちわれさく。はねなけれは そらをもとふへか...