冬季通行止めも解除された鞍掛峠まで車で出向き、トンネル手前の駐車場で身支度を整えてから駐車場横の登山口から歩を進めました。
鉄製の小橋を渡り、登山届けのポストを横目に山へ入っていきます。鉄塔の巡視路を兼ねた道は所々にこぶし大の石が転がっているものの明るく気持ちのよい上りが続いています。
汗が額に滲み出す頃、旧道の鞍掛峠に到着しました。
峠には小さな祠があり、飲み物とアメが備えてあり自分も山行安全を祈願しました。
左に行くと鈴北岳への登山道のところ、三国岳の標識に沿って右側の山腹道に取り付きました。ここまでずっと上りが続いたので更なる上りは少し堪えましたがひとまず最初の鉄塔を目差しました。
到着した鉄塔下は雑草すら生えずひょっとして強力除草剤でも施してあるのかもしれません。何はともあれ最初の水分補給と休養を取りながら藤原岳の雄大な山容に見とれていました。
ふと気づくと何やら「ジージー、バシッバシッ」と音がしています。耳を澄ますと鉄塔の上から聞こえてきました、絶縁不良によるリークの音です。幾重もの碍子を飛び越して鉄塔へ放電する電圧は何万ボルトに達するのでしょうか。
小休止を終えて先に進むと分岐を持つピークがあり三国岳へはそのまま下り、右の尾根道は焼尾山に続きます。迷うことなく寄り道し一座ゲットしました。
県境尾根に戻るとここからは一気に下り込みになりせっかく稼いだ高度を払い出してしまいました。
三国岳への尾根道はこのようにアップダウンが大きく、前方のピークを何度も山頂かと見間違えるほどです。ただ、踏み跡はしっかりしており危険な箇所も無く、いくつかある急坂もご愛嬌です。
アキレス腱が伸びるほどの登坂を終えると三国岳の表示のあるケルン前で登山者と出合いました。「ここが三国ですかね」と声をかけると、「そのようですが・・」とあいまいなお返事です。地図を確認すると、このまだ先が伊勢・美濃・近江を分ける本来の三国岳のようなので先を急ぐこととしました。
[最高点]
この最高点から一旦下って登り返すとすぐに三国を分ける地点に到着しました。
[三国岳]
時間があれば尾根伝いに烏帽子岳までピストンするつもりでしたが、焼尾山に立寄ったりしたので時間は既に11:30。たまにはゆっくり山頂ランチと決め込み、春の日差しの中でまったりとしたひと時を楽しみました。
恐妻おむすびをほおばったあと、鶯の共鳴を耳にしながら往路を忠実にトレースして帰路についたつもりが、途中なぜか行く手をさえぎる潅木林に突入してしまいました。落ち葉で踏み跡を見失ったらしく、踏み跡だと思っていた場所はイノシシのエサ場だったようです。
軌道修正したあとは、笑う膝をたしなめつつ急坂を下り駐車場手前の沢に到着しました。ここで顔を洗おうとリュックを下ろしたのが間違いで、家に戻ったときには愛用のストックを忘れてきてしまいました。
R306駐車場(20分)鞍掛峠(35分)焼尾山(70分)最高点(10分)三国岳(90分)鞍掛峠(20分)R306駐車場