今春めでたく完成した石榑トンネル(全長4158m)を通り、悲哀の廃村である茨川に向かいました。
相棒は愛情そそいでメンテナンスしたHONDAディグリーです。今年で21歳になる老バイクですがその秘めたポテンシャルはオーナーの私ですら驚くばかりです。
久しぶりの始動にもかかわらずセル一発でエンジンが目覚め、水冷ゆえの長めの暖気を行えば適正なアイドリングに落ち着きます。でも、燃料だけは給油しなければと行きつけのスタンドで満タンに。たった4Lで腹いっぱいのようでした。
ついでに空気圧をチェック、標準値よりやや高めの1.6kg/cmに設定すると「カンカン・・」と入るわ入るわ、かなり減圧してたようです。
ディグリーの体調を整えた次はライダーの昼めし調達です。306号沿いのコンビニで弁当を買いレジで支払いを済まそうとしたまさにその瞬間。携帯電話が鳴り出したけどとりあえずは支払いを優先させました。電話の主はSDKで「走ってる?」のお誘いで、河芸まで来ているようだけどバイクがFJRなので丁重に断りを入れました。
306号を北上し宇賀渓方面へ。未だに集中豪雨の爪あとが残る登竜荘を越えてすぐに「石榑トンネル」が現れます。
〔三重県側入口〕
なつかしい気持ちからトンネル手前の旧道へ。
残念ながら、ほんの少し走っただけで全面通行止めでした。
トンネル出口から始まる下り坂の途中から右に入ると「茨川」に続く林道に入ります。
この林道はほぼフラットで先に行くにつれ少しずつ標高が上がって行く気持ちの良いダートが続きます。今回で4度目の挑戦ですが、前回は大木の倒壊で途中で断念しているので今日こそ!」の気持ちが強まります。
しかしあざ笑うかのように林道入口には「国有林清水谷より落石にて通行止め」のダンボール看板があるではないですか。
「いや、きっとバイクなら通れるだろう」と勝手な期待を込めて突入しました。
途中には車が数台。渓流釣りでしょうか、はたまた登山でしょうか。
道に沿って流れる茶屋川は雨の日も濁りの少ない清流です。ここで育った岩魚、アマゴは絶品でしょう。
林道を進むにつれ道端には2歳位の小鹿の屍がいくつか横たわっています。この冬の積雪はかなり多かったようで鈴鹿の山のいたるところで見られるようです。
林道の入口から約7km。岩肌をすべり落ちた大きな岩と木々が完全に道を塞いでいました。今回も廃村跡の侘しくはかない空間はお預けとなります。ん~残念。
気を取り直して国道に戻り滋賀県側から旧道へ。通行車両が少なく気持ち良いワインディングが続きます。竜ヶ岳の雄大な姿を仰ぎ見てたどり着いた石榑峠には「この先絶対に通れません」の丁寧なおことわりまで。
ここでふと気づいたことが・・NTTの電波塔がなくなっている!今はマイクロウェーブから光への時代でしょうか。
またまた国道に戻り石榑トンネルへ突入。トンネルの中で途中下車したことは内緒です。
三重県側に下ってからは、Xから指示を受けたミッションを成し遂げようと山蕗を探しつつ帰路に着きました。