「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

「ジャパネットたかた」高田社長と長崎昇格の因果関係を考えてみたいです。

2017年11月19日 12時08分32秒 | サッカー選手応援
J2での、Vファーレン長崎の自動昇格決定は見事ですが、驚きでもありました。しかし、J2に参入してから今年を除く4シーズンのうち半分、2回昇格プレーオフに進んでいた実力チームといえます。

したがって自動昇格権獲得は決してフロックでも何でもないことがわかります。チームの力を維持することがいかに難しいか、あとの2シーズンは14位と15位に沈んでいることが証明しています。

その長崎ですが、今シーズンはじめは経営問題に揺れていたクラブです。Jリーグの監査を受けて経営陣が交代するも、新たな問題が発覚して経営危機に陥っていたのです。

一時は英会話教室を展開するNOVAホールディングスの出資を得る方向性が決まりかけたところ、クラブの筆頭株主であるジャパネットホールディングスがクラブを100%子会社化する意向を示し、急転直下「ジャパネットたかた」創業者・高田明氏がクラブ社長に就任した経緯があります。

高田社長の就任が決まった4月後半、リーグ戦は9節まで進んでいましたが、チームは経営問題に惑わされることなく昇格プレーオフ圏をキープしていました。

その後も大崩れせずにリーグ戦を戦い抜き、ついに9月中旬、33節終了時に2位に浮上、以降の8試合、福岡、名古屋との激しい順位争いに屈することなく自動昇格というゴールテープを切ったのです。

昇格が決まった翌日午前に放送されたテレビ東京FOOT×BRAINに出演した高田社長は、キャスター・勝村政信さんからの「高田社長はどのような手を打ったのですか?」という問いに答えて「私が選手の皆さんに話したことは一つ、資金面の心配をせずにプレーに集中できるように約束しますので頑張ってください、ということだけ」だと言います。

その放送では、高田社長が自らスタジアムでサポーターの人たちと交流する様子が紹介されていました。確かに、表面的にはチームとして、あるいは各選手が経営問題という騒音に煩わされることなくプレーに集中できる環境が整ったという要因があると思います。

私はそれ以上に、Vファーレン長崎が名実ともに地元のシンボリックなチームになったという潜在意識が、チーム全体、サポーターを含めた地域全体に生まれたことが、有形無形の後押しになったのではないかという気がします。

長崎に生まれ、あくまで長崎から全国区に成長することにこだわった高田社長の姿そのままに、Vファーレン長崎も、ここから全国を目指すんだという空気になっていった、そういう効果が大きいのではないかということです。

もともと指揮官としての高木琢也監督の力量は折り紙つきでしたし、冒頭紹介しましたとおり、過去4シーズン中、2回昇格プレーオフに駒を進めていたチームですから、そこに選手たちの潜在力、サポーターの後押しといったパワーが加われば、自動昇格も不思議でないチームだったということかも知れません。

でも、そういったことは、よく政治的な雰囲気で使われる「ふわっとした民意」と同じで、なかなか検証しにくい要因だと思います。

シーズン当初の経営問題というネガティブな要素を跳ねのけて、見事自動昇格を成しえた要因、この「ふわっとした民意」に加えて、あとどのようなことが言えるのか、いろいろと分析してくださる専門家の方のお話しを待ちたいと思います。

その文献なり論評を見つけましたら、またこの欄でご紹介しようと思います。
遅ればせながら、長崎の皆さん、昇格おめでとうございます。







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