「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

閑話2題

2016年05月24日 08時45分05秒 | サッカー選手応援

「閑話」という言葉を辞書でひくと、1 むだばなし。2 心静かにする話。 もの静かな会話、といった意味が出てきます。

一つ目の「閑話」は明らかに「むだばなし」の類いでしょう。

「NHKさん、『疫病神』というわけでもないのに、なぜか・・・」

フランスで行なわれている「ツーロン国際」に参加しているU-23日本代表。第一戦、第二戦とも敗れてグループリーグ突破が絶望的となりました。初戦のパラグアイはリオ五輪出場権を逃している関係で、スタメン全員が20歳以下、10歳台の選手を9人も起用してきた相手でしたが、それでも勝てませんでした。

この大会、NHKさんが深夜時間帯とはいえ地上波で生放送するという力の入れ具合で驚きです。実はNHKさん、2月下旬から3月初めにかけてのリオ五輪女子サッカーアジア最終予選も地上波で、しかもゴールデンタイムにオンエアするという力の入れようでしたが、結果は出場権獲得に失敗しました。

3月5日の書き込みでは「(NHKさんは)完全に裏切られた気分だろう」と書きましたが、それにもめげず今回も地上波生放送。そして2度目の撃沈です。

今回またリスクを承知で地上波に持ってきた理由は、次の2つのうちのどれかではないかと思います。

一つは「そもそもリオ五輪関連の試合は損得抜きで放送するのが基本スタンスです」というもの。日頃のNHKさんの番宣を見ているとリオ五輪関連は手厚く扱いますという考えが伝わってくるからです。

もう一つは、ゲスの勘繰りかもしれませんが、NHKで番組編成のキーマンの人が「サッカー大好き」だからかもしれないというものです。

それにしてもNHKさんが地上波でオンエアした最近の2大会、「疫病神」に憑りつかれたわけでもないでしょうに2連敗です。3度目の正直という具合に、本大会で男子が、準決勝まで進んだ前回大会のような快進撃を見せてくれればいいのですが・・・。

二つ目の「閑話」は決して「むだばなし」ではありません。

皆さんがこのブログを読んでくださった最後に、ブログランキングサイトのバナーをクリックしていただいており、毎回大変感謝しております。そのランキングについては、さる4月26日に「猶もっちゃん、勇蔵クンと激しい首位争い?」というタイトルで取り上げました。

今回、そのタイトルにある勇蔵クンこと、横浜Mの栗原勇蔵選手の栄えあるヒーローインタビューに接して、我が事のように嬉しかったものですから取り上げた次第です。

「Walk on the Wild Side」(マリノスタウンの日常と栗原勇蔵をこっそり見守るブログ」の愛読者の多くが勇蔵クンサポーターだろうと思います。

その方々が、いろいろな形で幸福感に浸っているであろう試合は先週21日の13節、アウェーの神戸戦でした。敵地で相手を完封した上、前半23分に勇蔵クンがあげたゴールを守り切り勝利したのです。

ヒーローは文句なしに栗原選手でした。いつもはこっそり見守っているばかりの「勇蔵クンサポーター」の皆さんも、この時ばかりは目頭を熱くしてインタビューを見たのではないでしょうか。

テレビ観戦した人たちは、その場面をリピート視聴して、余韻に浸りながら早速ブログに書き込み、まだヒーローインタピューの映像を見てない神戸応援組の「早く映像を見たい」という気持ちをかきたてていたようです。

この試合、神戸まで駆け付けた横浜Mサポーターのうち「勇蔵クンをそっと見守って」きたサポーターは果たして何人だったことやら。

おそらく一桁の数ではないかと思いますが、その感動の試合の目撃者となった方たちは、これであと何年間か、仲間うちで胸を張って語れる体験をしたことになります。

お仲間で集まる「飲み会」でもあろうものなら、必ずといっていいほど「あの神戸での試合、私、現場にいたんです」と言える場面が出てくるに違いないからです。その時の周囲からの敬意に溢れた視線を想像してみてください。

何か夢中になれるものを持っていて、それを語れる場面で周囲から羨望と敬意の眼差しを受ける時ほど幸せなことはありません。

こういう私も、かつてサッカーで1試合、野球で1試合、そういう現場体験をしたことがあり、それぞれ10年以上もその話題で「飲み会」を楽しくできた経験があります。

奇しくも2つとも1985年の経験でした。ずいぶん昔の話です。一つは、その年のトヨタカップ、ユベントスのプラティニが放った幻のスーパーゴールの試合です。その後長らくトヨタカップ関連番組で必ず「名場面」にあげられる試合をナマで見たのです。

もっともプラティニのシュートは豆粒のような大きさでしか見てませんので「あぁ、オフサイドか、惜しかったなぁ」程度にしか感じませんでしたが、その後、何かにつけ「あの幻のシュートを現場で見ていました」と語って悦に入っていました。

もう一つは、そのプラティニの試合に先立つこと1ケ月前、西武球場で行われたプロ野球日本シリーズ第6戦西武vs阪神戦、阪神が持ち前のホームラン攻勢で西武を圧倒して悲願の日本一を達成した試合です。

これもまた、掛布、パース、岡田に代表される伝説の強力打線で勝ち取った日本一、しかも関西をはじめ日本全国の大勢のファンを持つ人気チームが優勝を決めた試合だけに、その後、ことあるごとに話題になりました。

私は、その年の夏から東京で暮らし始め、日本シリーズのチケットも第6戦ぐらいがいいのでは想像して早朝から並んで取ったものですが、幸運にも歴史的な試合の現場にいることができました。私が陣取ったレフト外野席はまだ芝生席の時代でしたが、阪神ファンでぎっしりでした。

1回表、はやばやと6番・長崎啓二の満塁ホームランで大量リードしましたから、その後ずぅ~っとお祭り騒ぎだったことを覚えています。そして仕上げは9回表の掛布のホームランです。掛布のホームランボールはレフトポール際に飛んできましたから、ちょうどポールを巻くように軌道を描いて客席に吸い込まれていきました。

帰りの都内に戻る西武鉄道の車内はまるで阪神応援団の貸し切り電車でした。みんな終点・池袋に降り立って三々五々解散するまで、夢心地の夜でした。

なんだか「勇蔵クン」のヒーローインタビューにかこつけて自分の自慢話のようになり、この部分は完全に「むだばなし」でしたが、長くサポーターを続けていれば、一つぐらいはこういう幸運な現場に立ち会えるものですという意味で、お話ししました。


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