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■チェンマイ余情

2020-07-14 | ●チェンマイ慕情

■■■■■■■■■■■■■■チェンマイ余情■■■■■■■■■■■■■
■「古都郷愁
タイのコロナ防御作戦は、国際空港の封鎖にとどまらない。
国の四方が隣国と陸続きのため、国境封鎖は厳重を極めるという。特に
国境
警備は、国軍が担当する。
外国人が、チェンマイに滞在する最大の魅力は、陸続きの隣国ラオス
ミヤンマーに、いとも手軽に旅をする事ができるからだ。
また古都チェ
ンマイには、週末には、陸路中国南部から大型観光バスを
連ねて、家族
ずれの観光客が大挙して押し寄せる。
    
旧正月には、観光バス数百台が一挙に古都を目指すという。ざっと人口
16万人の古都チェンマイは、途端に人口が2割ほど膨れあがる。

ところが武漢コロナの異変で、国境と空港が閉鎖されると、陸路からも
空路
からもインバウンドは、一挙に中断した。世界的に著名なソンクラ
ン(旧正月)は、いつになく淋しい
地元のお祭りになってしまった。

以来、タイを縦貫する高速道の南北回廊や東西回廊など、国境をまたぐ
国際産業道路は全て、国境線での封鎖が続いている。

  
チェンマイからの情報では、チェンマイの街の表情は、平素の活気が
せて、いまや物静かな旧い昔の南国の街に立ち戻った感じだという。

1ヶ月ほど前、世界の名門フライトと言われたタイ国際航空(TG)
が、コロナによる集客不振で、経営破綻した事を新聞報道で知った。
20年前からチェンマイに行く際には、必ずといっていいほど関空発の
TG623便を利用していた。いつもの機種は、世界最新鋭のエアーバス
A380(500人乗り) 実はこの機種を選んで、頑なにこのTG623便
を愛用
していた趣が有る。

平素は普通席だが,自分へのお礼返しのために、少し高額になるが、時折
ロイヤルシルクと
いう上級席を利用した。フーストクラスには届かない
が、ゴージャスそのもので
で、まさに王様気分である。
そして、この席を奮発した時は、チェンマイでの
仕事が、不思議と上手
く行くような気がしたものだ。
何はともあれ、懐かしい思い出の一齣と
言っていい。

 
そんな名門フライトが破綻した。まさにコロナ憎しである。
とはいえ、前々からタイ航空の放漫経営は指摘されていた。例えば業績
不振にもかかわらずエアーバスのような最新機材をどんどん導入したり、
他にも王国フライトに胡座(あぐら)する経営陣のおごりがあったという。

また最近では、バンコクを拠点とする格安航空会社LCCのノックスク
ート航空
も経営破綻。425人の社員は全員解雇されたと言う。
これまた武漢コロナが直接の要因の様だが、空路による観光客が主体の
観光
王国タイにとっては、大変な事態と言っていい。


タイの極意
●このような非常時に、観光王国タイのコロナ発症数の少なさが、世界
から
注目を浴びている。年間のインバウンド4000万人、その内、
武漢コロナの隣国中国から、
年間1000万人を超える観光客がタイを訪れ
にもかかわらず、コロナの発症数が少ないのが至って不思議だと言う。

主な国別コロナ感染数対象表」  2020年7月15日現在
(国名)    (コロナ発症数)人 (同死者)人    (人口)万人(在留邦人数)
日本     22508   984   12686
タイ      3232    58    6963  75647
ベトナム     373     0    9646  22125
マレーシア   8729   122    3195  26555
シンガポール 46879    26     580  36624
インドネシア 78572  3710   27062  19612
ミヤンマー    337     6    5458   2776

カンボジア    165     0    1601   3934

中国        83611  4634  143378 120076
インド   936181 24309  136642   9838
(出所 国連2020年5月)(在留邦人、外務省調査018年10月)

世界の 観光大国を標榜するフランス、スペイン、イタリアは、いず
れも
コロナ発症数で、世界のベスト5に位置するもかかわらず、タイは
そのランキング20にも名前を見せない。今や世界の不思議にもなって
いる。
しかもメコン諸国のタイをはじめミヤンマー、ベトナム、カン
ボジアは、世界的に見て類をみない程、武漢コロナの
発症数が少ない。
タイでは、このところ連続40日間、市中感染ゼロが続く。経済活動の
大幅な緩和も予測される。その理由は、タイの地方に根ずいて活動する
全国規模(100万人)の「村の保険ボランティア」と呼ばれる陰のヒー
ロー的な団体の活躍だった。古くからタイの社会貢献活動は、世界的な
モデルと言われる所以だ。
主婦が中心になり高齢者の見回りや、全国1130万世帯をくまなく
個別訪問を繰り返し
て、地域の医療を補完したと言う。

逆にタイと陸続きのマレーシアやシンガポールその隣のインドネシア
は、
武漢コロナの発症数が格段に多い。なぜなのか。私どももいま盛ん
にその確証を探りつつあるところだ。

 
大方の専門家の話を集約すると、タイをはじめとするメコン諸国は、
中国と
陸続きのため、素早く空港と幹線道路を閉鎖したことで、中国
からの病魔の
侵入を未然に防いだ事がわかって来た。
中でもタイは、欧米と並ぶヘルスツーリズムの先進医療国だが、コロナ
封鎖の決断をどの国よりも早く決断した事と、100万人を超える草の
根の保険ボランティアの活躍が、大きく奏功したと見る識者が多い。


                           (ロングスティヤーの拠点チェンマイプラザホテル)
⬛️「チェンマイ余情
それにしても、いつになく懐かしく思い出すのが、現地チェンマイの
貨幣兌換店と日本居酒屋の存在である。
多くの日本人ロングスティヤーは、日本から送金される年金を円で引き
出すと、この公認の兌換店でバーツに換金して生活する。いわば生活の
よりどころのような存在である。
確かチェンマイプラザホテル横の老舗の名門の蜂蜜屋が兼業していると
聞いた。
我々旅行者もお世話になる。しかもドルとリンクしたバーツを
地元銀行
よりも、時にはレートよく手軽に交換してくれる。
因みに今日のレートは、3,377 ここで1万円をタイバーツに兌換すると、
2960バーツ。15年前は1万円で4000バーツだつたから大変な円安である。
その理由は、国策としての円高による輸出不振を、敢えて円安に誘導する
事で、輸出振興につなげるためだつたと言う。
最近のロングステイヤーの円安から来るご苦労の程が、伝わってくる。

⚫️その近くには,古からの日本居酒屋が健在だ。そのたたずまいは、
日本に戻ったようで郷愁を誘う。硝子戸を開けて中に入ると、壁には
日本文字のお品書きが所狭しと並ぶ。
勿論、酒も焼酎もビールも全て日本製とタイの銘柄が並ぶ、店の大将は、
日本人ロングスティヤーである。在留邦人の動向には、とても詳しい。
 
平素は、チェンマイに進出する日本企業、例えば村田製作所とかの現
地滞在社員のたまり場(情報交流拠点)になっている。いわば日本経済の
最前戦基地の出先のような存在である。しかし見たところ、ロングステ
ィヤーは少ない。やはり円安でロングスティヤーの生活が大変なせいだ
ろうか。
だが酒場の雰囲気は、なかなかのもので文春や産経新聞やチャオという
日本語雑誌などがおいてある。ここえさえ来れば、たれか知り合いに合
えて、一杯飲みながら、情報交換できるというわけだ。
山田洋次監督描く寅さんの下町酒場を思わす風情である。何時までも
健在であって欲しいと願いたい。

                        (観光客のメッカ、ナイトバザール)
今年は、首都バンコクもチェンマイも日本同様、武漢コロナで、お祭りは
全て中止となった。タイの中核観光地のチェンマイとしては、
経済的にも大変だと思う。しかも在留邦人は、事情の如何を問わず全員
足止めされたままだ。3月以降、出る事(出国)も入る事(入国)もでき
ない。戦後初めての事態でもある。

タイがこの50日間コロナの市中感染ゼロを続けるわけは、いち早く
国境封鎖に踏み切った事と、加えてタイ全土に根を張る100万人の民間
ボランティア集団「村の保険ボランティア」の活躍成果だという。
高齢者の見守りや予防活動など、全国1130万世帯を 検温器片手に
くまなく回る。このような陰のヒーローの活躍があっての市中感染ゼロ
が実現したと言う。社会貢献活動が盛んなタイならではの成果に、世界

の保険関係者が挙って注目している。

暫くチェンマイ余情にふけったが、タイの人たちの目指す先は日本同様
アフターコロナをどうするかにかかっている。
タイの人たちは見かけよりも堅実、この20年で、農業国から自動車年産
200万台の先進工業国に変貌した。いまもいささか政治が弱いが、経済
が補完する。タイの医療ビジネスとデジタル能力は、既に先進の域にある。
日本で生まれたLINEは、タイが最大のユーザー数を誇る。
そんな友好国タイが主導するアフターコロナのASEANは、何か非常に
魅力的に映る。 

 

次なる課題は、アフターコロナの世界経済である。その世界経済は、果たして
どうなるのか。多くの学者は、想像もしない新しい
経済社会が到来すると言う。
米中の経済の確執は変わらないにしても、中国がより、台頭するのだろうか。
逆に中国が退潮しASEANなど新興経済圏が、大きく伸びると言う説もある。
日本の明日は、いま後れを取るデジタルの分野を、いかに伸ばすかによつて決
まると言う。世界はいま量から質の第5世代に入りつつある事は確かなようだ。

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