![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/2d/73f48e3f4f17cf4262b51884df6f8859.jpg)
■■■■■■■■■■■世界のことば事情■■■■■■■■■■■
■「言葉の文化」
●言葉が通じない程、難儀なことはない。意思が通じないとなると、物事
は進まない。道を聞いたりは、身振り手振りで良しとするも、仕事となる
と、ほぼ無理と言っていい。
遥か昔、鎖国から開国へ。 かっての江戸から明治の開国のとき、先達は、
まずは共通言語を学び、それをを活用することで、外国人と意思の疎通を
図り、外交や貿易や国際交流で、国力を伸ばしてきた。そのご苦労足るや
大変だったと想像する。
言葉を介して多くの事が進む、
言葉によって意思が通じ、お互いの事が判る。
そして仲良しになる。
やがて新しい社会が形成される。
言葉は人と人との接着剤の役割を果たしてきた。
●私たちが、タイとの国際交流事業を始めた時、今から20年前に遡るが、
タイ語の素養は全くなかった。しかし、たれとなくタイの文化は、言葉の
文化だと聞いて、大変興味を抱いていた。
しかし最初は、全て通訳頼みで緊張したものだ。特に当時のチェンマイは、
大多数の人がタイ語しか話さない。
実感として、タイ語がそんなに奇麗いな言葉には感じとれなかった。
最初に聞き覚えたタイ語は「サワディ カ」(今日は)と「マイペンライ」
(お構いなく)だった。
よく旅行ガイドには、現地の文字が、少しでも読めるようになると、世界が
広がると書かれていた。まさに正論で、「立ち入り禁止」の標識が読めて、
バスの行き先がわかり、市場の果物の名前や値段が読めるようになると、心
に余裕が生まれて旅が楽しくなるという。
言葉を話せない外国生活の決め手は、いささかの冒険心と好奇心に尽きる。
●最近、こんな話を聞いた。僅か1年で株価が5倍に上がった上場企業の
逸話である。その上場企業の名は、ソースネクスト、
ソフトウエアーの開発や販売の専業企業である。社員は145名、社長は
平素は東京本社を離れ米国西部のシリコンバレィに住むという。
ここで開発して売り出したのが「ポケトーク」(pocketalk)という携帯
型の翻訳器が爆発的に売れた。世界の55の言語の音声とテキストの翻訳
に適応する。まさしく夢のマシーンである。AI(人口知能)で長文の翻
訳もこなすという。値段は僅か3万円弱。
時代とともに、先端技術は進む。 私どもが活動した20年前にこれが
あったらと悔やまれるが、その当時が存在したからこそ、ポケトークが
生まれたと識者は力説する。最新技術は常に歴史の中から生まれる。
まさにその通り。最近の電子技術、IT,AIの進化は著しい。
●私どもが、日タイの国際交流のNPO活動を介した当時は、通信機能は
電話、外国との交信はほぼFAXだった。文書の作成は、ワードプロセッ
サー。その後、瞬く間にパソコンが普及し海外との交信も、メールに代わ
っていった。JTIROは2005年にメールマガジンの配信をはじめ
た。そして2008年にはブログの配信も始め、今に至る。
その後の通信革命は、驚異的だった。特に携帯電話の小型化、通信の国際
化、WIFiの普及、最終的には、AIによる携帯翻訳器の出現につなが
った。翳すだけで、長文の外国文を日本語に翻訳してくれる。夢のような
マシーンだ。
●いま世界には7097の言語が存在するそうだが、多くの学者は、世界
の近代化による主要な言語への移行で約3000の母国語が消滅すると言
う。言語や言葉は、多様な文化や人々を結ぶツールとして、非常に大きな
役割を果たしている。
●過ぎ去った20年ばかりを振り返ると、言葉の障害で折角のプロジェクト
が、うまくいかなかったケースは、山ほどある。特に説明不足や、説得の
不調は、ポケトークがあったら、改善できていたと思う。
科学の進歩、特にITの進化は、あらゆる情報分野で、驚くような貢献を
果たしてくれる。
●そのもとになったのは、人と人の交渉や交流、そのそれぞれの意思を正
しく伝える、共通の言語だったと考えられる。
いま世界の共通言語といえば、ビジネスの世界、特にインターンネットの
使用では「英語」であるが、そのランキングは、次のようになっている。
■「世界のインターネット使用言語ランキング」2019
(順位)(言語名) (使用数) (使用割合い)
・1位 英語 10億5276万人 25,3%
・2位 中国語 3億3789万人 8,1%
・4位 アラビア語 2億1904万人 5,3%
・5位 ポルトガル語 1億6915万人 4,1%
・6位 インドネシア語 1億6875万人 4,1%
■「響きあう言葉」
・言葉と政治信条、
・言葉と国の歴史
・言葉と伝統文化
・言葉と習慣、
・言葉と宗教
世界の国を一瞥するとき、言語による識別が可能かというと、そうでもない。
伝統国家は,かたくなに自国語を守りぬいてきたという歴史的な一面がある
が、植民地支配が長きになきにわたった国などは、欧米の洋風化で主国語に
変わった国もある。
戦後独立したことで、その主国語の英語が、何かと情報社会で役立つている
という国もある。これはまさに人と同様、その国の運としか言いようがない。
またその国の言語は、その国の歴史を語り継いできた伝統文化の側面をもつ。
日本の場合も、タイの場合も同様だが、伝統文化の母国語をしっかり守りな
がら、第2言語の世界共通語の英語を全国民が体得し、存分に活用していく
事が、IT時代の重要な課題である。
そのためには、決して言葉の危機があってはならない。
そんな思いを込めて、お互いの国々の平和のために、響きあう言葉の未来を
探り合う努力が必要だと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます