■■■■■■■■■■大海洋時代■■■■■■■■■■
■■「日本の海」
🔵識者の言葉を借りると、仮に日本が資源国だったとしたら国際経
済協定が厳しい折から、幾ら高品質であれ,自動車にしても電気製品
にしても輸入成約の壁に阻まれていただろうという。
ほとんどの資源を海外から輸入し,それを高度に加工、魅力商品にし
て輸出するという絶妙な貿易のバランスがよかったのではないかと
いう。
因みに食糧自給率をとって見ても―――
・日本 38%🔵
・カナダ 264%
・豪州 224%
・米国 130%
・フランス 127%
世界の先進国の中で日本の食糧自給率は極めて低いが、それを価値
ある輸入食品で補うことによって、インバウンドでも評価される
独自で,極めて高度な食文化の日本市場を形成してきたといってい
い。
●日本は海に囲まれている。関連用語に「地政学的リスク」と
いう言葉がある。日本の場合
・東に太平洋、
・西に東シナ海、
・北に日本海、
・南にも太平洋
と国全体が大きな海に囲まれ 他国と陸続きで隣接していないために、
国防安全上も,地政学的にもリスクが極めて低いという恵まれた位置
性にある。
●世界でこんなに多彩な表情を持つ国はない。特に日本の海や山に
関心が集まるが、四季によって千変万化する自然の表情は、また格
別である。
海外から来る観光客の人たちによると、一度訪れるとその魅力の虜
になると言う。日本に住んでいるとその景観はごく当たり前のもの
だが、外国人によって改めてその魅力の真髄を知る事になる。
●日本の海は南北にのびる5つの島(北海道、本州、四国、九州、沖
縄本島)と点在する6847の離島に,排他的経済水域(EEZ)からなる。
しかし日本の国土面積は狭い。約38平方キロ、世界的に見ると61番
目の広さで、タイやミヤーンマーよりも小さい。米国でいえばテキ
サス州の約半分の面積に過ぎない。そこに1億2千500万人が住う。
●「国際法で決まる国の領空,領海、領土の定義」
⬛️「世界の国の領土ランキング」
(順位)(国名) (領土面積)
1位 ロシア 1710
2位 カナタ 998
3位 米国 963
4位 中国 960
5位 ブラジル 851
6位 豪州 769
61位 日本 38 ●
⚫️しかし,その領海と排他的経済水域(EEZ)は、国土面積の約12倍、
約447平方キロで、世界第6位である。
そして日本には陸の国境はないが、海では 北からロシア、北朝鮮、
韓国、中国台湾、フィリピン、米国(北マリアナ諸島)の国々と(排他
的経済水域(EEZ)で、国境を接している。
⬛️「世界の国の領海とEEZのランキング」
■■「絶海の孤島の役割」
●本州から南へ1800キロ、本土から航空機で約4時間の日本 最東端
の島、南鳥島(東京都小笠原村)には、いま海上自衛隊12人の隊員と
気象庁と国土交通省の人たち20数人が常駐する。
島には、全長1370メートルの海上自衛隊が管理する滑走路があり、
傍らの庁舎には日の丸がはためく。サンゴ礁でできた起伏のない小
さな島だが、この島がもたらす大きな海洋権益を守っている。既に
レアアースなど海底資源の存在が確認されている。
(絶海の孤島、南鳥島)
●日本は南鳥島があるおかげで、周囲43万平方キロ、日本全土より広
い面積の排他的経済水域(EEZ)を持つ。
島の隊長は1年、隊員は2ヶ月交代で絶海の孤島の勤務に当たる。そし
て太平洋防衛の最先端を担っている。
■■「宝庫の海」
⚫️日本近海の海底には、豊富な海底資源が眠る。
新エネルギー源として期待のメタンハイトレードや、レアメタル
が埋蔵される。国産エネルギーの確保は、エネルギー安全保証上
の悲願だが、その埋蔵量は、ゆうに日本の使用ガス量の100年分
に相当すると言われる。
(注)(クエート油田の全埋蔵量に匹敵するという)
●海底掘削技術では、日本が世界一の評価をもつ。
仮に海底2000メートルあたりからのレアメタルの掘削に成功したら
日本はたちまち石油全輸入国から、全エネルギーの生産国転換が で
きる。経済的にも財政的にも外交的にも,この海底掘削の実現の イン
パクトは大きい。
少子高齢化による生産年齢層の減小で,国力の低下が危惧される日本
にとって,それを救済するに足る新たな手立てになる事が期待される。
。
🔵早稲田大学の高谷講師と東京大学の加藤教授の研究チームは、
日本の最東端にある南鳥島(東京都)周辺海域の海底に「レアアー
スが世界の消費量の数百年分に相当する1600万トンがある事を
明らかにした。レアアースは、電気自動車や風力発電機などの磁石
や発光ダイオードの材最先端材料として貴重なもの。中国への依存
度が高いとされて来た。
🔵戦後の日本は、無資源国のため、常に海外から資源を輸入し,そ
の資源を新しい高度な発想で加工し、世界の人々が利便する商品を
創造し生活の質を高めて来た。
🔵中近東から日本まで、列をなして原油を運ぶ マンモスタンカー
自動車、二輪車、列車、造船、住宅、家電、食品、コンビニ、娯楽、
衣料など枚挙にいとまない。そのすべてを生み出すエネルギー資源
も、いま独自の力で開発しようとしている。
■■「北極域の深部も探る」、
🔵日本の海洋研究は太平洋や日本海に止まらない。
海洋研究開発機構(JAMATEC)が,2026年完成する北極域研究船
により、これまで海氷で閉ざされていた北極の空白地帯の観測兼研究
へ挑む。
南極や北極への極限を探る事は、国にとって、明日の世界を探る限り
なく大きな夢と言っていい。
出典:海洋研究開発機構(JAMATEC)
研究船みらいは、97人乗り厚さ1,2メートルの氷を連続で砕き灘
ら航海できる。総建造費339億円。
海中度ドロン 無人探査機、最新の観測機器を備えた海上の科学研研究
拠点となる。高緯度観測や温暖化の影響や海氷面積の変化も計測する。
出典:海洋研究開発機構(JAMATEC)
(南極の海と氷)
(南極探検船しらせ)
南極はもとより北極迄、世界の列強に伍して平和の研究の歩を進める
日本の大海洋政策に注目したい。
世界は、戦争などに巨額の戦費を費やすべきではない。人類のための
資源開発に、こぞって当たれば、まだまだ住みやすく、新しい世界が
見えて来るはずだ。
「日本の海」は、そのような事実を、明確に伝えている。
「日本の海」は、日本はもとより世界にとって「希望の海」である。
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