■■■■■■■■■■平和と戦争の狭間■■■■■■■■■■
■■[平和とのジレンマ]
🔵日本の戦後、79年が経つ。日本は、屈塾の敗戦後、世界に冠た
る「平和憲法」を制定し,再び戦争はしないと世界に誓った。
しかし世の中は、想定通リにはいかない。至近では,無謀プーチンが
仕掛けた「ウクライナ戦争」が,3年目を迎えて,まだ停戦の目途
が立たない。
(出典:JIJI,ウクライナの戦車)
アジアでは中国の台湾侵攻が、ささやかれて久しい. 台湾侵攻が現
実味を帯びてくると, 米国は,それを阻止するために当然、乗り出す
事になる。日米共同防衛戦略が始まる。約80年の長きに亙り続い
た日本の平和路線が、くずれる事になる。
軍事専門家によると「中国の不動産不況からすれば、国を挙げて戦
争できる時ではないが、常識が通じない国だけに、楽観は許されな
い」という。
🔵先週、石垣島でリゾートを経営する知人が来阪、久方に歓談した。
ここ数年来の南西諸島の防衛体制は、驚くほど強吾になったという。
頼もしい限りだ。
仮に無謀な戦いが始まれば、まず台湾在住1万5千人の邦人と,南西
諸島群に住む日本人を、速やかに強制送還することが優先する。
🔵この10年来、日本の地政学的なリスクは、思いのほか加速する。
・米中緊迫による「台湾有事」
・朝鮮半島の緊張、
・北朝鮮による核ミサイルの恐怖、
・中国の海洋進出、尖閣海域の領海侵犯
・太平洋島礁国を巡る米中の対立、
これらの混迷を深めるアジア情勢をどう見るか。専門家のみならず、
日本国民の判断が、求められている。
しかし前の世界大戦「大東亜戦争」を知る日本人(少なくとも90
歳以上、敗戦当時10歳)は、毎年激減しており、日本人の大半が
「戦争を全く知らない国民」に,なろうとしている。
とびぬけた言い方をすれば「戦争を知らず,平和三昧に暮してきた人
達」が殆どだという事になる。
🔵「地政学」の権威によると,地政学的に見た国際情勢の判断基準
は、「通り道」に尽きるという。資源に乏しい日本の場合, 中近東
からの石油を運ぶ海路」の安全確保が生命線になる。
( ●出典:JIJI,日本のオイルタンカー)
何しろ巨大石油タンカー数百隻が, 毎日列をなして南シナ海からマラ
ッカ海峡をすり抜け, インド洋から中近東を往復する。安全で平静な
南の海が、日本の平和を確かに守っていると言っていい。
🔵いま,たけなはの米国の大統領選挙では,バイデンが退き,トランプ
の台頭を予測する気配だ. 世界経済、特に半導体では、米中の対立
が拡大する. そして世界における米国の単独行動主義が、高まるとい
う。
中国は、独自戦略で米国を太平洋から排除する事を狙っており「台
湾有事」と含めて、日本の国防常識の転換が、求められる所以だ。
⚫️因みに、第2次世界大戦後,戦争をしなかった国は、世界193ヶ国
(国連加-盟国)の中で,日本を含め,わずか8ヶ国しかない。
・アイルランド (北 欧)
・フインランド (北 欧)
・スエーデン (北 欧)
・ノールウエィ (北 欧)
・デンマーク (北 欧)
・スイス (欧 州)
・ブータン (アジア)
・日 本 (アジア)●
還り見るに,世界大戦後の米ソ対立など、戦争要因といえるのは、
・「民族の対立」
・「宗教の対立」
・「経済的な貧困」
・「政治体制の未成熟」
しかし,これら平和国家には皆無だった。中でも、永久平和国家スイス
を除くと、殆どが北欧の国である。なぜ北欧の国が戦争に巻き込まれ
なかったのかというと,地政的に戦争の要因になるものがなかったとい
つていい。しかし ウクライナ戦争で情勢は一変する。
スエーデンも、NATO陣営に加盟し,ロシアの脅威を防ぐ態勢だ。
🔵アジアの日本は, 戦後,不戦を宣言した国として、既に79が年経つ。
しかしその周囲には,異端の国々が存立し,かろうじて米国の傘のもと、
平和を守ってきた。
それは、戦後の過酷な復興を体験した事で「戦争は、割にあわない事
を国民がよく知った結果」と言っていい。
しかし,いま日本の場合、戦後79年を経て 戦争を知らない 戦後生ま
れの国民が,ほぼ9割以上を占める事になった。それだけに 今後どの
ように不戦の心を, 後世に伝承し続けるかが,最大の課題となっている。
■■「苦闘する日本」
🔵戦後の日本は、国内に資源がないため,石油資源を海外から輸入し
, それを高度に加工する事によって 高品質の商品を創り出して来た、
そして,それを全世界に輸出し世界第2位の経済大国にのし上がって
きた輝かしい経歴を持つ。
しかし識者の言葉を借りると,仮に日本が資源国だったとしたら,逆に
国際経済協定が厳しい折から, 幾ら高品質であれ、自動車にしろ電気
製品にしろ、厳しい輸入成約の壁に阻まれていただろうと観測する。
ほとんどの資源を海外から輸入し,それを高度に創意加工し,世界にな
い魅力的な商品にして世界の国々に輸出するという,絶妙な貿易のバ
ランス感覚がよかったのではないかという。
🔵しかし一方、世界先進国の中で,日本の食糧自給率は極めて低い。
それを価値ある輸入食品で補うことによって,インバウンドでも高く
評価される日本の食文化の市場を 創造してきた。そしていまや世界
の主要都市に日本食レストランと日本食品がある。
⬛ 世界の食糧自給率(2022年)
(国名) (自給率)
・日本 28% 🔴
・アラブ首長国 0%
・オランダ 10%
・韓国 28%
・台湾 32%
・英国 82%
・中国 99%
・米国 128%
・フランス 176%
・ロシア 184%
・カナダ 202%
・豪州 230%
●今を去る2年前、当ブログ「極上の選択」で, 戦後77年に纏
わる[77」の数字と日本の命運に触れた。
私自身,昭和7年生まれのせいか、「7」という数字になじみ、大切
にして来た。あれから3年、日本万博が開催される来年令和7年は、
・「戦後80年」
・「昭和百年」
という、極めておめでたい年になる。
そこで「80と100」に纏わる、さまざまな数字の事象を収録して
特集でお伝えしたいと、いま想を練っている。こんな気ままな事が出来
るのも,まさに「ブロガー」の醍醐味と言っていい。
🔵まず今日は,いま傾注する[禅]の世界から「数字に纏わる教え」の
一端をご披露したい。中でも中国古典に学ぶ「貞観政要」では,
帝王学の基本である座右の銘として「三鏡」がある。
中でも「何事も,2代目で国が乱れたら,臣下の責任」とした。
「禅語」
・「一日不作、一日不食」(一日なさざれば、一日食らわず)
・「一行三昧」 (なんでもいいから、一つの事に邁進する)
・「一期一会」 (人とは、丁寧に会ってこそいい)
・「一円相」 (円満と拡がりの象徴)
・「一心」 (あなたを消極的にするも積極的にするも,全ては心が原動力)
・「一以貫之」 (一貫して変わらず道を進む事)
・「一華開五葉」(花が実を結んで繁栄する、美しい言葉)
・「三級浪高魚化龍」(目の前の試練、それを超えると,素晴らしい境地が)
・「百不知百不会」(何にも知らなくていい。それは超越した人の事)
・「百尺竿頭に一歩を進む」(目標達成の次は、何処を目指す)
🔵禅とも関わる仏の世界では「六道」という有名な教えがある。
これは,全ての衆生が、生前の業因によって、生死を繰り返すという。
「六つの迷いの世界」とは、即ち、
・地獄
・餓鬼
・畜生
・阿修羅
・人間
・天上
佛界では、この「六つの迷いの世界」を超えて 悟りに至るという事で
6を超える「7」という数字が、大切にされてきた。
仏門で「平和」と言えば、先々いつまでも、平穏で無事という事だ。
争う戦争は、全て避けて通るという。まさしく「破壊行動の中に進歩
はない」と教義する。
未来予測学者の河合雅司氏は、近著の中で、次に起こりうる事象に
ついて、次のように予測している。
🔵「令和の未来年表、20年先までに必ず起きる出来事」
(出典;河合雅司著、未来の年表)講談社刊
●2024年(令和4年) ・団塊世代が全て75歳以上になる。
●2025年(令和5年 ) ・65歳以上高齢者世帯主が2103万世帯に。
●2030年(令和12年)・労働人口5683万人、銀行が地方から消える。
●2033年(令和15年)・全国の住宅の3戸に1戸が空き家に。
●2035年(令和17年)・男性3人に1人、女性5人に1人が生涯独身。
●2040年(令和22年)・自治体の半数が消滅する。
●2042年(令和24年)・団塊世代が全て高齢者に、高齢者人口4000万人
■「日本の高齢者の実像」
・百歳の高齢者 6万人に
・百歳以上人口 65785人(2017)島根1位
・90歳以上の人口 206万人(2017) 1.9%
・80歳以上の人口1074万人(2017) 8.5%
・人生90歳の生存割合、男性24.2% 女性48.3%
・高齢者の就業者数807万人
・65歳以上の就業者人口770万人 過去最高。
・2040年就業者数の推計5245万人.(2017対比-1285万人)
・在留外国人が最多の282万9416人(特定技能創設に依る受入)
・在留外国人の内訳、中国78.6万人,韓国45.2万人,ベトナム37.2万人
■■「究極の時流」
🔵いまを去る79年前,日本が戦争に敗れるという,驚くべき局面を,
多くの日本人が体験した。
その時、殆どの人々は、2度と戦争はしないと誓った。
戦争放棄を唄つた「平和憲法」は、占領軍からの貰いものと知り
ながら、最高の国の定めと,殆どの国民が納得したという。
敗戦当時を知る人たちが、迫りくる高齢化で 全人口の2%を切ると
なると、当面,残された人々は、戦争なき平和を伝承して,生き抜いて
いくしかあるまい。
しかし周辺には、何時しか思想信条や国家的利害が異なる,国と人た
ちが増え続けている、当然のように,日本の人たちが考えるほど,安全
とは言いにくくなりつつある。国を挙げての「自衛のための国防」が、
絶対不可欠になって来る所以だ。
民族間や宗教の信条の違いで、何時しか戦争が始まるように,つねに
自衛意識は欠かせない。世界の人たちの中に,平和や安全にたいする
意識の格差があるだけに「平和と戦争のあいだ」を,常に意識しなが
ら、世界の人々と, いつも平等に親しくお付き合いすることが望まれ
る。
所詮,平和とは「国の問題」のようにも思えるが、よく考えると実は、
何処までも「個の問題」である事が判って来た。日本の平和は、
私ども 日本人ひとりひとりの「個の問題」に帰結する。しかも考え
るだけでは平和は,手に入りにくい。 行動するしかない。
🔵なにわともあれ「岸田任せ」「維新任せ」は、絶対によくない。
まず国の政治や経済で,国民参加の機会(選挙)があれば、進んで参加
し清き一票を投じる事だ。
投票行動に参加もしないで, 政策が悪いとか,予算が少ないとか,言う
こと自体,可笑しい。これが国民に理解されるとなれば、国定選挙の
投票率は、ゆうに80%を超える事だろう。
(●出典:ニッセイ経済研究所)
株価は,このところ日経平均39,000円を超えた。景気も回復基調にあ
る。街に出ると,外人観光客であふれかえっている。
とりわけ悪いのは政治だけ。戦後永らく続いた政経の仕組みが崩れ
日本経済の独立性が顕著になってきた。そしていま、世襲的な政治
の仕組みが、根本から機能しなくなった。
この際, 外交や国防に重きをおいた 国際政治の仕組みが,この日本に
育まれるとすれば, 中国もドイツもEUも決して怖くない。
日本からみた「平和と戦争の狭間」に、これから雄飛する日本の経済
と政治の明日があるように思えてならない。(Yama)
🔵「人生の持ち時間は限られている。その中で時間を 忘れるほどの
陶酔をどれだけ多く持ったかで、人生の価値が決まるような気がする」
「人生の流儀」作家,城山三郎
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