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■中小企業とイノベーション

2024-01-10 | ●北條語録

■■■■■■中小企業経営とイノベーション■■■■■■■
  
北條俊彦
経営コンサルタント・前 住友電工タイ社長

■■中小企業経営とモノづくりイノベーション
🔵現代は,第四次産業革命の時代といわれ
人口知能
・仮想通貨、
・ロボット、
・ナノテク、
・生物工学、
・量子コン
ピュータ、
・IOT
など,多岐に渡る技術革新を柱として
最終的に究極の人類進化の
ステージに進んで行くの
であろうが、私には全く想像のつかな
い世界である。

そして人工知能やコンピューターと一体化した人類は,神の領域
を侵してどこへ向かって行くのであろうか? 

産業革命は、18世紀から19世紀にかけて起こった産業変革と
石炭利用によるエネルギー革命、そして
それに伴う社会構造の変
革をいう。
企業も産業革命と同じプロセスを経て成長を重ねる。
・科学技術を基盤とした『技術革新
・コア事業で蓄積
された『資本』そして豊富な資質を有する従
 業員『
財力』の融合が企業システムの変革と爆発的な成長
 を誘引するのである。

19世紀以降,資本主義経済の基盤である「製造業(モノづくり)」
は日本の最も得意としてきた領域であり,
製造業の拠点が他のア
ジア諸国へ移動しつつあるが、
モノづくりのDNAは 日本の中小
企業にしっかりと継承
されている。


    (出典:AIが人類を脅かす可能性とその対策japan.cnet.com)

🔵現代, ビジネスの最先端では,ソフトウエアと ハードウエアの
融合が進み,これまでに存在し得なかった
新たな価値が, ソフトウ
エア主導によって次々と生
み出され、技術、製品だけでなく社会
システムの
変革までもが, ソフトウエアの先導する時代と なって
いる。
そのためテクノロジー思考と、柔軟な発想力を
持つモノづくり人
財の育成こそが、ハードウエアの基
盤である製造業にとって喫緊
の課題であろう。

🔵モノづくり力とはヒトづくり力であり、ヒトの脳力(無から有
を生み出す力)と可能性を最大限に
引き出す力であり、企業の要
求と従業員の欲
求をうまく融合させてくれる。
企業にあって「モノづくり」は 製品を創るという行為、即ち、
付加価値を製品に吹き込む行為で
ある。そこには 創造性や改良、
革新という「つくり
手の思い」が大きく関わっており「モノづく
り」は
つくり手を育てる行為、「ヒト中心の価値創造」である。

ヒトは試行錯誤と創意工夫を重ねることで
技術力の向上と“つく
ることの楽しさ”を実感する
ヒトの脳力は計り知れず,ヒト本来
の脳力を最大
限引き出すために 技術進化を積極的に取り入れ、
ソフトウエアとの融合効果で,付加価値の連鎖を生み出せる新た
なモノづくりシステムを創り上げる
こと,そして新しい価値の創
造に挑戦し続けること
で,我が国のモノづくり企業は持続可能な
成長を
遂げることができるであろう。


           (出典:世界を揺るがすーより良い未来のためのモノづくりBBCニュス)

🔵日本の中小企業は, 随分とスマートで小粒になってきたが ,恐
らく欧米の投資家(巨大金融資本)が
企業の経営指標を欧米基準
に適合させようとして
いるからであろうが、たとえ 欧米基準の
落ちこぼれと
なっても トップの強い意志と逞しさ、そして不断
の努
力があれば, 先行き不透明で予測困難な時代を乗り切ること
は十分に可能である。

また、モノづくりには「旺盛な知的好奇心」が必要だ。研究開発
(R&D)が、その成果によって優位な市場
環境を導き出す「成長
力の源泉」「企業成長のエン
ジン」と、モノづくり(製造業)に
おいて最も重視されて
いるように。
研究開発の目的は、基礎研究によって確立した新知識や新技術を
商品に応用することであり、既存の
技術や製品に別の改良を加え、
新しい価値を生み
出すことでもある。


当然、企業により資金力、リソーセスの過不足はあるが、
基礎研究」→「応用研究」→「開発研究」と,段階
的にてロード
マップを描き、組織的、そして体系的に研
究開発を進めねばなら
ない。

また、全体を俯瞰し、且つ組織を横断的に繋げられる強力なリー
ダーシップも求められる。「
基礎研究」は、仮説や理論を形作
るため、理論的、
且つ実験的な研究で技術を知的財産として、蓄
すること。中小企業では基礎研究力が脆弱で、その強化こそが、
今一番重要な課題で、コア技術のメカ
ニズムを体系的に整理し、
明確な理論を構築させる
ことが肝要。

応用研究」は,基礎研究で得た知識を活用し実用化の可能性,
及び既存技術への応用化を探索する
研究(目的は事業推進化)
開発研究」は,応用研究で生まれた技術を複数組み合わせ既
存製品の改良、汎用化を目指す。

「研究開発」は商品に応用できる新しい概念の創造と発展であり、
「技術開発」は研究開発による成果を
商品化するための技術の開
発で、モノづくり企業が、
これらを有機的に結合させ成果を出す
ためには、次の
三点が重要になる。
コア技術の特定(競争優位性のあるコア技術を高める)
技術展開領域の特定(市場価値と技術特性を意識し,自社のコア
    技術
の展開領域を見極める)
外部との技術開発協(技術開発の目まぐるしい変化と中小企業
    にとって
資金、開発リソーセスの不足で自社単独での対応が現
     実的でない場合)
*社内の知見や技術の蓄積を考慮し外部リソ
      ー
セスの依存過剰は避けること。

🔵最後に,企業経営においては企業風土と企業文化という目に見
えぬ, 社員と職場を取り巻く環境や空気の
様なものをマネジメン
トして行くことが大変重要である。

企業風土は社員のやる気やエネルギーに影響を与え、一方、企業
文化は経営戦略に直接影響を与える大
切なものである。中小企業
において企業風土や企業
文化は、良きも悪きも経営者自身の姿勢
が強く反映
されており、経営者自らが変わり(下座と自捨新生
従業員と協働する不断の努力が必要となる。企業風土と企業文化
が形成されて行けば、自然とボトムアップ
の力が湧き出てくる。
そしてトップダウンとうまく結合でき
れば企業は成長に向かって
順調に自走し始めるであろう。

優れた企業風土や文化は企業に大きな利益をもたらすことに 疑
いの余地は全く無い。特に企業文化はそれ
ぞれが,独特で無数の
構成要素から形成されており,
この構成要素を特定することで差
別化された文化が
育まれて行くのである。

 
🔵ジョン・コールマン6つの構成要素を振り返ってみる。
1). ビジョン(VISION or ミッション)・ステートメントは、
     シンプルだが文化の基盤をなす重要な要素であり「トップと
     しての強い意志」を伝える。

     その簡潔明瞭なフレーズ(表現)こそが企業の価値観を導き、
     企業に目的を与え従業員の意思決定を
正しい方向へと繋げる。
     優れたビジョン・ステートメン
トが信憑性に富み、明確な形
     で示されているならば、
企業に関係する6人のステークホル
     ダーを同じ方向に
導いてくれる。

2)  価値観(VALUES)は、企業文化の要でありビジョンの達成
      に必要な行動様式や考え方について一連
の指針を示し,クライ
     アントへの誓約、同僚への接し
方,プロフェッショナルな行動
     規範維持に反映される。

   「思いやり」「敬意」「愛情」「感謝」「社会貢献」等々
     独創性よりも信憑性が大切である。
  
3) 価値観は企業の慣行(PRACTICES)に反映されていなければ
     意味は無い。どの様な価値観であろうが
業績評価や昇進の基
     準に反映され、日々の業務
原則にしっかりと組込まねばなら
     ない。中小企業では
意外と周知徹底されていないようだ。

4)  中核となる価値観を共有する人財(PROPERTY)或いは価値
      観を尊重する意志と能力を持つ人財なく
して、一枚岩の企業
      文化は築けない。

      能力的に優秀なだけでなく、その企業文化に最も適した人財
      を採用し,適切な「文化の担い手」に育てあげ
ることで組織が
      既に有する企業文化を一層、強化
醸成することができる。
    『ヒトは自らが好む文化には大変忠実である』ことを絶対に
      忘れてはならない。
      ヒトを育成する力、ヒトの
良さを引き出す力がなければ人財
       は育たない。
キャリアを採っただけで放置すれば、組織の中

       でその人財はその文化に飢えたまま干上がってしまうのだ。
       人財を活かしきれていない中小企業は実に多い。
       常に従業員一人一人と向き合う経営者の姿勢と努力が何より
       も必要である。

   

5)  根拠のない美辞麗句を並べても無意味であり、成長戦略には
      ストーリー(NARRATIVE)が必要で
ある。そして 机上の
      空論でなく,誰もが成程と腑
に落ちるものでなければならない。
      そして、成功や失敗の繰り返しがその企業の重厚なストーリ
       ーとなるのである。それぞれの企業には独
自の歴史があり、
      その歴史を掘起こし継承できるス
トーリーを紡ぎ出す能力こ
      そが文化形成の核となる。

      経営者は、過去の先人達の伝統を受け継ぐことに経営資源を
      大いに費やすべきである。

6)  場所(PLACE)が文化を形作る。開放的な職場こそが,企業

       における特定の行動様式(コラボレーション)を促進する。
       場所というものはその職場で働くヒト
たちの価値観や行動様
       式に重要な影響を及ぼす。

       経営者にとって大切なのは『自分がどう見られているかでは
       なく、普段着の自分を理解してもらう努力』であり、
『心の
       扉を開く』とは、先ず物理的な形でオープンであ
ることを従
       業員全員に示さないといけないのである。

       閉ざされた社長室など不要なのかもしれない。

  

中小企業が企業風土や企業文化をしっかり育て上げ、ソフトウエア
との効果的な融合とイノベーションオブモノ
づくりによって、
持続可能な新価値創造の事業環境を
創り上げること ができれば
日本の未来は実に明るい

大切な従業員の幸せを実現するため、日夜、奮励努力されて いる」
経営者の皆さまに感謝し、益々のご活躍を心よりお祈りしたい。

 

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