
情報の海へ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
(続)
■「世界の情報列強、日本とタイ」
●殆どの方はご存知ないと思うが、タイ国のデジタル通信の技術能力は、めっぽ
う凄い。世界的な情報国と言えば、米国、ロシア、ドイツ、そして中国次いで日本
と相場は決まっているが、タイは、それに次ぐ位置ずけといっていい。
●タイの首都バンコクには、日本から若いIT技能者が 相次いで就業ビザを取得
して移り住み、IT情報企業を立ち上げ 、タイ人のエキスパートを雇用して、
ASEANに進出する日本企業の情報戦略や情報処理やマーケティングをコンサ
ルティングして成功している。
中には国境を越えて、直接日本の企業とコンタクトし、デジタル情報の仕事をこな
す強者もいるという。タイでの企業経営は、人件費や運営経費など、ランニングコ
ストが日本の約半分以下、優位な経営展開が可能である。
かくして情報は、インターネットによって、国境なきビジネスの世界を 際限なく拡大
しつつある。 これも今をさかのぼる事、わずか4、5年の事である。
ちかじかバンコク訪問の際に、先駆的な日系情報制作企業を訪ねて、最新活動の
実情を詳しく取材させていただく予定だ。
●バンコクで活躍する先駆的な日系情報企業(その一部)
・株式会社e.point http://power-bangkok.com
・株式会社ドットラインワークス http://dotlineworks.com
・株式会社RAWLENS PRODUCTION THAILAND http://rawlens.asia
■「タイを席巻する日本のLINE」
●日本の携帯情報通信会社NHNのLINE(ライン)が、いまや日本を凌いで
はるかタイで、最高の通信契約数を誇っている。
私の知る限りでも、タイの知人たちは、殆どの人が、携帯電話にラインを導入し
ている。その利点を聞くと使用料が無料である事、そして世界と通話が自由に
できるという。
私もそれを聞いてから、すぐさま自分のスマホにラインをインストールして 使用
開始。タイの知人とも無料で話せるから,こんなに便利でお得なものはないと感
謝している。 タイの人たちが、こぞってラインを使うのも、日本以上に情報に目
ざとく、賢いのではないかと、敬服している。
■「人との出会い」
●「250の法則」で著名なジラード博士の研究学説によると、普通の人の場合、
身内や親戚、友人や仕事上のネットワークを通じて、平均1人当り約250人と交
際、交流し、その日常生活や仕事が成り立っているという。
●そして博士の学説によいると、人は、生涯で平均約3万人の人と出会うという。
その中で、
・同じ学校や職場で出会う人の数は、約3000人
・生涯通して、親しく話す人の数は 約 300人
・その中で友人と呼べる人の数は 約 30人
・その中で親友と呼べる人の数は 約 3人
●70億人を超す世界、1憶2千万人を超す日本、その中にあって、人が1人、生
涯寿命をまっとうするに当り、終生接触する総人数が、以外に少ない事を知り驚
いている。
にも拘らず、私どもが、常に世界の日本人という共通意識ををもって、世界の場で
おおきく活動する事ができたのは、いつに、さまざまな情報が、刻々と私たちに届
けられたからだと考えている。
■「人生の明暗」
●終生、人との出会いを大切にする人は、認知症など、どこ吹く風の様だが、一方、
社会的接点の少ない人達は、日頃、人とも会わず、情報も見ない、孤独の果てに、
いつしか認知症になっていくと考えてよい。まさに出会いの数が、人生の明暗を分
かつ事になる。
●いま日本では、社会保障が、大きな社会問題になりつつある。
その本質は、高齢化にある、
・日本の高齢者3450万人
・日本の高齢者おひとり様、600万世帯
・日本の認知症患者数 600万人
・日本の特別擁護老人ホーム施設待ち数、30万人
・政府の社会保障費用、毎年1兆円増
高齢者と、お一人さまと、痴呆症と、介護問題は、それぞれ有機的に関連する大きな
社会的課題であることが、よく判る。
●どうあれ高齢者は、引きこもることなく、どんどん外に出て、人と出会う。
深夜便ラジオに耳を傾ける。新聞を読む、スマホで検索する。バスに乗る。街を歩く。
何かと情報に出会うことで、何かが変わって来るはずである。
■「チェンマイの情報人」
●情報といえば、チェンマイの情報人に触れないわけにはいかないだろう。
ロングスティをはじめ、現地の日本企業派遣社員や家族を含めて 日本人が僅か
3800人しかいないタイ北部のチェンマイで、日本語のフリーペーパー(無代誌・
月2回刊)「CHAO(チャオ) を営々と発行し続けて約20年、2月上旬号で累計
356号になる。
発行編集人の名は高橋敏さん。彼も20年来の筋金入りのロングスティヤ—だが、
日本での音楽雑誌の編集者の経歴を生かして、CHAOをいまやタイでは貴重な
日本語情報誌に育て上げた。
●本来チェンマイは、名だたる観光地だけに、古くから英文のフリーペーパーは、
いくつかあったようだが、日本語の生活情報誌(フリーペーパー)は、ほかに1誌あ
るのみで、CHAOの存在は、ゆるぎない。
いま私の手元に、138号(2009年1月10日)と、356号(2018年2月10日)がある。
9年前は、新明天庵と号するロングスティヤ—の谷口さんが、初代の発行人だった。
確か高橋さんが、エディターとして協働していた。
JTIROでは、2000年当時のチェンマイ・ロングスティ創成期の取り組みに際して、
チェンマイ事情に詳しいお二方に、公私ともに大変お世話になった。
●2009年の138号では、16ページ中、カラー8ページに広告が散見されるだけで、
無代誌としては、やりくりがさぞかし大変だったと想像される。 後に若い高橋さんが、
発行人を引き継ぎ、現在に至ると聞いている。
●356号の今号は、16ページ中12ページがカラー頁、表紙から固定の広告が適度
にあふれている。記事の魅力といえば、センター見開きのチェンマイの日本語地図
が、チェンマイを訪れる日本人にとって、最高の利便性があると圧倒的な人気を博し
ている。
また平素、なかなかお目にかかれない北タイの民芸や、秘境の旅情報に加えて様々
な在留日本人の活動など、チェンマイの魅力が存分に伝わってくる。
フリーペーパーとはいえ、デジタル王国のタイにあって、継続して発行していく事は、
さぞかし大変だったと推測出来る。
とはいえ移り変わる情報社会の中で、常に媒体魅力を創り出していく英知と努力が
求められる。 しかも異国での挑戦だけに尚更の事と敬服している。
●私は、日本の定期購読者の一人として CHAOを愛読しているが、毎号これを手
にするたびに、チェンマイの地域情報に触れることができて、想いはチェンマイを駆
け巡る事になる。
●「ちゃお」(CHAO)は、チェンマイ市中のホテルやレストランなどで、たれでも無料
で手にすることができる。
また、当ブログの右欄にある「ブックマーク」の「CHAO」をタップしてご覧いただける。
旧知のせいか、発行人高橋敏さんの異国での孤独の挑戦のご苦労が、他人ごとには
思えない、いつまでもお元気で、価値あるチェンマイ情報を、世界に発信続けて欲し
いと期待している。
■「時空を超える情報力」
●かくして情報の海は、時空を超えて、多くの人々と繋がりを深め、広がりを見せて行く。
そして情報は、私たちの個の世界をつなげて面に拡大し、集積して有為なモノを作り出し
ていく。やがて情報は、ITへ、そしてあらゆるモノをインターネットにつなぐIOTの世界へ
と、無限の広がりを見せようとしている。
●情報を度外視していると、いつしか情報社会から取り残されて、孤独な不幸老人にもな
りかねない危惧が潜んでいるという。
長寿化先進国日本で、人生百歳時代を視野にライフシフトが課題になってきた。
「発見の旅とは、新しい目で見ること」 とフランスの作家マルセル・ブルーストは,いって
いる.年老いたからと言って、とどまっていたら、後退あるのみ、面白くも何もない。まずは
情報の海へ、漕ぎだしてみようではないか。小さいけれど、かけがえのないほど素晴らしい
新世界が、待っている。
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