
■■■■■■■■■■■五輪の行方■■■■■■■■■■■
■「五輪 回想」
●東京オリンピックが終わって1年が経つ。
無観客ながら、開幕に踏み切った日本の見識はよかったと思う。しかし
その後の世界の動静は、予測を超えて慌ただしかった。
特に2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は、世界平和を目指
すオリンピック憲章を裏切るもので、大きな禍根を残した。
加えて7月8日には安倍元総理が凶弾に倒れるという卑劣極まりないテロ
行為が起こった。
世界のほとんど国々が諸手を挙げて協働するオリンピックでさえ、その
平和への意図が浸透しないもどかしさがある。
意図しない出来事が頻発すると、煩わしくも日の経つのが早い。私の如き
仕事を持たない超老人でも、日常の出来事に追われて、東京オリンピック
が遥か遠い昔の出来事のように思えてくる。
私だけではない。これが周辺の年寄りほとんどの実感である。テンポが早
い分、長生きに繋がり百歳時代到来などということになるのではないのか。
今年はお陰さまで、祇園祭と天神祭を拝まして頂いた。3年後には、戦後
80年を飾る日本・関西万博がやってくる。楽しみでならない。
■「初の無観客五輪」(以下1年前の記事回顧)
●開会式は、賛否両論入り混じる中、不安の中で開幕した。
その経過は、多くの媒体で既に語られているが、改めて総括したい。
運営主体の大会委員会や政府は、折角の東京五輪だけに、全世界に向けて
日本のPRを意図したという。その意気込みは、過去10年間に及ぶ。
その誘致獲得合戦や、決定後8年の運営や企画の準備、施設と人手の手配な
ど、長い戦いだったという。
加えてコロナによる開催1年延期、コロナパンデミックによる無観客、初の
五輪という試みの苦労が重なった。いわばこの開幕式は、そのような多くの
人々の暦年の想いが、前後4時間に凝縮された苦悩の産物と言っていい。
●7月23日午後8時、かって例を見ない,オンラインで観戦する未だかつて
ない無観客オリンピックが開幕した。
途中退任を余儀なくされた森会長の「世界の共感を呼ぶドラマがほしい」
との意向でスタートした開会式が始まる。
●6万8000人の巨大ドーム会場には、
・まず950人の国家元首が入場、
・次いで世界205ヶ国、
・約1万8000人の参加国選手の入場行進である。
(すべての写真の出所:Yahoo)
●橋本大会組織委員長と、長いと批判が出たバッハIOC会長の祝辞
その後
・天皇陛下の開会宣言
・次いで選手代表宣誓、
数万羽の鳩が夜空にはなたれ一斉に飛び立つた。(実は疑似鳩)
・大坂なおみ選手により、聖火が聖火台にはこばれ点火される。
●夜空に大会場を囲むように花火が揚がる。
●開会式のハイライトは、ドローン(小型無人機)による夜空高く描かれた
市松模様の五輪エンブレム、それがやがて地球型に、驚きのパフォーマンスである。
使用のドローンは1824台、米国intel社のシステム「ShootingStar」が採用
された。重さは330グラム、ローターの直径が15センチの小型クアッドコ
プターで、LEDで40億色の色を表現するという.相当高度で高価な、最先端
のシステムである。
●開会式の総費用130億円。
・開会式の視聴率 56,4%
・開会式の警備スタッフの数3万6500人
・開会式の警備の警察官の数6万人サイバー攻撃にも対処各地
・異例の無観客、そのための減収30億
●五輪総費用は280万ドル、
2013年の誘致時の予想73億ドル約8050億円の4倍、
当初計画を289%オーバー。
1年延びた事によって2016年リオの2倍、2004年アテネの10倍、
過去最高と「フオーブス」は伝えた。
●「開会式の公式コンセプト」(大会委員会)
・注目度が高い式典であり,世界から集うアスリートや観客を歓待する。
・大会の歴史的意義や社会的意義、招致時のコンセプトも活かしていく。
・互いに認め合い、助け合う共生社会を目指すことを世界に伝える。
・既成概念を超えた新しい可能性を探り人々の意識を変える契機にする。
・次の世代に受け継いでいくべき価値を示す。
・持続可能な社会に向け共存していく新時代のスタートラインとする。
・世界の調和と明るい未来への可能性を示し若い世代への継承の場とする。
●たれのために、何のために、たれのために開催するのか 意味を問い直す。
■「賛否 両論さまざま」
●開会式から既に1週間、内外の評価がほぼ出揃った。
前回五輪の1964年と異り報道の伝達環境が 極度に進化した。開会式の翌朝
には、世界の報道各社の評価が集まる。国内では開会式が進行中に、個人ツ
ィターの評価が集まってくる。恐るべきデジタル時代の反応力である。
・ビートタケシさんは「晩年の金、返して欲しい。税金を有効につかうべ
きだ。」総理の独りよがりの姿勢を猛烈に批判した。
・タケシさん曰く「開会式だけで130億円、国民1人当たり1万円の負担
は、無駄使いではないか、やはり総括すべきだろう。
・プロデュサーのスぺクティター氏は「驚きもときめきもない、予算の中抜
がひどすぎる」と酷評した。
・評論家桜井よし子さんは「多くの人が、すざましい努力を重ねて、素晴ら
しい大会になった」と評価した。
・産経は「五輪開催という最後の一線を守りぬいた、五輪史にとり意義がある」
・読売は「数々のトラブルや逆境をあきらめないで、地道に積み上げる事の重
要さを世界に示した。」
・朝日は「高揚感も祝祭気分もない。早く終わつてほしい」と指摘した。
・米国のNBCの視聴率は「1670万で、過去33年で最低」と論評した。
・英国のジャーナル誌は、「4時間は冗長で地味、お葬式の様だった」
・ABCテレビは「会場の中は歓び、外は抗議」と会場外の抗議の模様を伝えた。
総じて賛否両論が交錯した。
海外では本来、オリンピックよりもワールドカップが伝統的に評価が高い。
開会式の構成や演出面でも、思い切つた配慮がほしかった。
●敢えて私見を述べるとすれば、ドローンや花火の演出は良しとして
も開会式の構成演出は、全体的なイメージの統一感がなく特に「挿話」
を繋ぐブリッジの部分に、異質なコメディタッチの芝居が飛び込み、
極めて解りずらかった。
やはり全体的に日本の「和と伝統」にこだわって統一して欲しかった。
日本五輪としては、日本不朽の命題である「和の伝統」を無視したとこ
ろに演出構成上の問題があったとみる。
特に歌舞伎や能狂言や古典芸能を主題に、特に東北復興に因んだねぶた
や日本伝統古来の神楽や山車や陣太鼓を波動的に連ねて、全体が醸す
「動と静」をドキュメントして構成する。それだけで伝統日本独自の美
しさが感動として遺憾なく伝わり、ひいてはアフターコロナのインバウ
ンドにも連動すると考えた。
■「五輪・余談」
●「バッハ第9代会長」68歳ドイツの弁護士、元五輪フェンシング選手、
「バッハ言う国破れても五輪あり」朝日新聞の朝日川柳の一句。
コロナ猛威の最中、無観客を余儀なくされた日本人の苦悩を「知った事か」
とIOCの幹部はうそぶいたと言う。
仏ルモンド紙は「日本はIOCの囚人になっている」と報じている
。
●「1泊250万円、お抱え料理人帯同」(週刊現代)
聞くところではバッハさんの日本滞在ホテル(TheOkuraTokyo)は1泊
250万円、破格というよりも驚愕の価格。IOC貴族の「おもてなし」
を含め7310億円が大会運営費から支出され、そのつけは国民に回ると
言う。
因みにIOCの旅費規定によると 会長の海外宿泊は 1泊4万4000円迄。
●「国歌君が代が聞こえない問題」
連日の日本選手の健闘で、金メダルラッシュが続く。うれしい限りだ。
ところが何か表彰台の様子がおかしい。君が代が小さく短く迫力に欠ける。
前の五輪では金メダルの表彰の時、異常な緊張感があった。
時には正座してテレビの前で国歌を斉唱したものだ。調べてみた。IOCの
指示で2012年ロンドン大会以降、君が代は,45秒早いアップテンポのもの
から13秒短くなったという。
■「東京五輪の行方」
●東京オリンピックは現在快走中である。
何はともあれ東京オリンピックが無観客にしろ、コロナパンデミックが終
息に向かい、パラリンピックが万全に終了することが、当面の目標となる。
願わくばコロナパンデミックが、1日も早く終息するよう期待したい。
●五輪村がある東京都中央区晴海エリアの選手村は 五輪後一部改築されて
新たに建つ50階建ての高層マンションと併せて5600戸の分譲と賃貸
住宅になるという。そして選手村は1万2000人の街に生まれ変わる。
街の名は「HARUMIFLAG」一大構想小都市が誕生するという。
既に来春からの小学校の開校や、交通網の整備も進みつつあるという。
東京五輪は「百年に一度の感動」JOC山下会長談)と言われる。
にも拘らず、私など人生2度もオリンピッックの感動を享受する機会に恵
まれた事になる。幸せ者だと神に感謝している。一にわが国が平和である
事の確証に違いない。
「平和とは、戦争がない事ではなく、絶えず建設されている事である」
現代の格言を通じて、改めて五輪と平和の重みをかみしめている所である。
■「従来の夏季オリンピックの実積表」
■■■■■■■■■■最新の経済指標■■■■■■■■■
■「最近の景気動向」
■「戦後77年、経済の軌跡」
■「世界経済の動向」
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