JUNSKY blog 2015

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フジコ・ヘミング ショパンのピアノ協奏曲を弾く

2006-11-02 23:35:04 | 音楽レビュー
一昨日に引続き、アクロス福岡でのコンサート。

今日は、フジコ・ヘミングがモスクワ・フィルハーモニー交響楽団と
ショパンの「ピアノ協奏曲第1番」を弾くと言う興味深い組み合わせ
指揮はユーリ・シモノフ

以前、フジコ・ヘミングのチケットは即日完売だったが、当日券が僅かに残っていてそれをGET!(¥15,000)

前座は、ロシアの作曲家グリンカの幻想曲「カマリンスカヤ」
もちろん初聴きであった。

続いて、本命のイングリット・フジコ・ヘミングによる
ショパンの「ピアノ協奏曲第1番」

紋付和服へのオマージュと思わせる黒をベースの特殊な衣装で登場。(本当に紋がついている)
インターネットで検索しても年齢はわからず。
実弟の俳優大月ウルフが1934年生まれというから、1930年ごろ生まれたとすれば、76歳というところだから、結構ご高齢ではある。

その演奏方法は自由奔放というか、自在にというか、思いのままというか、テンポが大きく揺れて『歌う』という演奏法で、指揮者もオケも必死で合わせている感じであった。
ソロ部分のテンポは相当ゆったりと取っており、意の向くままに弾いているという感触を受けた。
ミスタッチも少なくはなかった。

フジコは、TVのインタビューで次のようなことを言っていた。
「いつも同じで、ミスも無く完璧に弾くのなら機械に任せておけばいいのよ。ミスもするし、いつも違うのが生演奏じゃないの」と(要旨:表現は正確ではありません)

その通りである。
そう言う揺らぎやミスがありながらも、「魂の声」を聴くことができ、聴衆に感銘を与えることができるのが、フジコ・ヘミングたる由縁であろう。

第1楽章が終わると拍手が来た。彼女の演奏会ではどうやら定番らしい。
拍手を早まった!とすぐに鳴り止むのではなく、鳴り続く拍手!
ようやく第2楽章に。

ソロが中心の、その第2楽章では、繊細な表現に聴衆みんなが惹き込まれていた。
2楽章が静かに終わると、ここでも長い拍手。
指揮者も、その辺は心得ているようだった。
通常この曲は、第2楽章と第3楽章をアタッカ(休み無し)で演奏するのだが・・・

3楽章はフィナーレだけあって、テクニックと迫力満点の曲であるが、ここでもテンポはゆったり目。オケだけでの演奏場面ではスピードを上げていた。
第3楽章が終わったとき、ブラボーが出たのはもちろんだが、聴衆の感動の波動が会場全体に堰を切ったようにあふれていた。

協奏曲が終わり何度目かの拍手による連呼に応えて、
フジコ・ヘミングはお祭り法被風の赤字に白抜きの大柄のサクラをあしらった衣装に着替えて登場し、
ショパンの練習曲2曲と、みなさんお待ちかねのリストの「ラ・カンパネラ」を演奏。
アンコール演奏と言うよりは、ソロ・リサイタルであった。オケは後ろで待機。

「ラ・カンパネラ」もテンポはゆったりめであるが、それでもこんなに細かく早いパッセージがあったのかと驚く。あまりに早弾きだと、そういうディティールが聴こえて来ないところを、明瞭に聴かせることで、この曲の難曲ぶりが浮き上がる演奏となった。

休憩をはさんで、オケの演奏は「白鳥の湖」。
これは、次の記事にする。

イングリット・フジコ・ヘミング公式ホームページは、ここをクリック

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