11月21日(火)
水戸室内管弦楽団(Mito Chamber Orchestra)の演奏会をアクロス福岡で聴いた。
水戸室内管弦楽団(MCO)は、水戸芸術館オープン(1990年4月)に合わせて、初代館長・吉田秀和氏(著名な音楽評論家)の提唱により、水戸芸術館専属オーケストラとして誕生した。
吉田秀和氏が総監督を小澤征爾氏が音楽顧問を勤めている。(公演パンフより)
団員は、いずれもソリストとしても通用する約30名の専属演奏家とゲストからなり、本日は20名以上のゲスト演奏家を迎えて50名規模の編成であった。
本日の指揮者は、準・メルクル。ドイツ人ヴァイオリニストを父に、日本人ピアニストを母に持つ音楽家としては恵まれた環境に生まれる。
1959年生まれの46才。
主としてドイツ・オーストリア圏で活躍。
最近、日本でも演奏会を開くようになった。
ここをクリック
今日の演目は、めずらしい曲目だった。
同じプログラムを水戸室内管弦楽団の公式ホームページで紹介
最初は、後期ロマン派を代表する
リヒャルト・シュトラウスの組曲「町人貴族」
曲名を聞いたことはあるが、曲を聴くのは初めて。
Rシュトラウス・サウンドは、あまり聞き取れなかった。
公演パンフによると、当初演劇の中に「劇中劇」として「オペラ」を組み込んだ斬新な企画を試みたのだが、どっちつかずの事態になり、演劇・オペラそれぞれのファンが欲求不満になり、企画は大失敗に終わったらしい。
そこで、オペラと演劇の付随音楽(BGM)に分離し、
オペラの方は有名な「ナクソス島のアリアドネ」(見たことはない)となり、
演劇BGMの方が「町人貴族」となったとのこと。
道理で、聴きやすい(また睡魔を誘う)心地よい音楽だった。
2曲目は、イギリスの現代作曲家ベンジャミン・ブリテンの
セレナード 作品31
ベンジャミン・ブリテンと言えば、我々の世代では中学校の音楽鑑賞の時間に聞いた「青少年のための管弦楽入門(ヘンリー・パーセルの主題による前奏曲とフーガ)」が有名だ。
これも公演解説パンフによれば、ロマン派的な音楽を書きたくてしようがなかったが、時代の制約から、いわゆる「現代音楽風の」音楽を書かざるを得なかった彼が、イギリスの詩に管弦楽とホルン独奏と言う「独創的」組み合わせにテノール独唱という形で超ロマンティックな曲に仕上げたらしい。
ブリテンがピーター・ピアーズ(テノール)とデニス・ブレイン(ホルン)のために書いた(いわば、あて書き)というもの。
デニス・ブレインは、当時世界一のホルン奏者と言われ、カラヤン指揮・フィルハーモニア管弦楽団で、モーツァルトのホルン協奏曲全集をレコーディング(モノラル)していて、私も中学生から高校生の頃には何度もレコード(LP盤)を聴いたものである。
この「セレナード」は、もちろん、初聴きであった。
ホルン・ソロはチェコ生まれのラデク・バボラーク。
先日別の記事 に書いた人。ベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者であり、MCOの団員でもあるとの事。
テノールは、イギリス人のイアン・ボストリッジ。
曲は、いきなりホルンのソロによるプロローグから入る。そのソロはナチュラル・ホルン(原型は角笛)のように、自然倍音だけで出せる音のみで作られている。
その長いソロののちテノールの独唱が始まり、次々とホルンとテノールを中心にオーケストラを伴うコラボレーションが続いてゆく。
曲は、歌詞のないプロローグと最後のエピローグ、および6曲のテノール独唱を伴う曲から構成されており、エピローグはプロローグと同様のホルン・ソロがビハインドステージ(舞台裏)で演奏されて曲を終わる。
“現代音楽的”ではない、解り易い美しい曲であった。公演パンフに詩の原文(英語)と対訳付き。
休憩を挟んで、後半はベートーヴェンの交響曲第8番。
この曲でも、ホルン・ソロの聞かせどころがあり、バボラーク氏が柔らかい音を出していた。
アンコール曲はなかった。
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【最後まで御覧頂きありがとうございました。
ついでにワン・クリックしていただければ嬉しいです。】
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皆さん、ご訪問とクリックの御協力ありがとうございます。
水戸室内管弦楽団(Mito Chamber Orchestra)の演奏会をアクロス福岡で聴いた。
水戸室内管弦楽団(MCO)は、水戸芸術館オープン(1990年4月)に合わせて、初代館長・吉田秀和氏(著名な音楽評論家)の提唱により、水戸芸術館専属オーケストラとして誕生した。
吉田秀和氏が総監督を小澤征爾氏が音楽顧問を勤めている。(公演パンフより)
団員は、いずれもソリストとしても通用する約30名の専属演奏家とゲストからなり、本日は20名以上のゲスト演奏家を迎えて50名規模の編成であった。
本日の指揮者は、準・メルクル。ドイツ人ヴァイオリニストを父に、日本人ピアニストを母に持つ音楽家としては恵まれた環境に生まれる。
1959年生まれの46才。
主としてドイツ・オーストリア圏で活躍。
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同じプログラムを水戸室内管弦楽団の公式ホームページで紹介
最初は、後期ロマン派を代表する
リヒャルト・シュトラウスの組曲「町人貴族」
曲名を聞いたことはあるが、曲を聴くのは初めて。
Rシュトラウス・サウンドは、あまり聞き取れなかった。
公演パンフによると、当初演劇の中に「劇中劇」として「オペラ」を組み込んだ斬新な企画を試みたのだが、どっちつかずの事態になり、演劇・オペラそれぞれのファンが欲求不満になり、企画は大失敗に終わったらしい。
そこで、オペラと演劇の付随音楽(BGM)に分離し、
オペラの方は有名な「ナクソス島のアリアドネ」(見たことはない)となり、
演劇BGMの方が「町人貴族」となったとのこと。
道理で、聴きやすい(また睡魔を誘う)心地よい音楽だった。
2曲目は、イギリスの現代作曲家ベンジャミン・ブリテンの
セレナード 作品31
ベンジャミン・ブリテンと言えば、我々の世代では中学校の音楽鑑賞の時間に聞いた「青少年のための管弦楽入門(ヘンリー・パーセルの主題による前奏曲とフーガ)」が有名だ。
これも公演解説パンフによれば、ロマン派的な音楽を書きたくてしようがなかったが、時代の制約から、いわゆる「現代音楽風の」音楽を書かざるを得なかった彼が、イギリスの詩に管弦楽とホルン独奏と言う「独創的」組み合わせにテノール独唱という形で超ロマンティックな曲に仕上げたらしい。
ブリテンがピーター・ピアーズ(テノール)とデニス・ブレイン(ホルン)のために書いた(いわば、あて書き)というもの。
デニス・ブレインは、当時世界一のホルン奏者と言われ、カラヤン指揮・フィルハーモニア管弦楽団で、モーツァルトのホルン協奏曲全集をレコーディング(モノラル)していて、私も中学生から高校生の頃には何度もレコード(LP盤)を聴いたものである。
この「セレナード」は、もちろん、初聴きであった。
ホルン・ソロはチェコ生まれのラデク・バボラーク。
先日別の記事 に書いた人。ベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者であり、MCOの団員でもあるとの事。
テノールは、イギリス人のイアン・ボストリッジ。
曲は、いきなりホルンのソロによるプロローグから入る。そのソロはナチュラル・ホルン(原型は角笛)のように、自然倍音だけで出せる音のみで作られている。
その長いソロののちテノールの独唱が始まり、次々とホルンとテノールを中心にオーケストラを伴うコラボレーションが続いてゆく。
曲は、歌詞のないプロローグと最後のエピローグ、および6曲のテノール独唱を伴う曲から構成されており、エピローグはプロローグと同様のホルン・ソロがビハインドステージ(舞台裏)で演奏されて曲を終わる。
“現代音楽的”ではない、解り易い美しい曲であった。公演パンフに詩の原文(英語)と対訳付き。
休憩を挟んで、後半はベートーヴェンの交響曲第8番。
この曲でも、ホルン・ソロの聞かせどころがあり、バボラーク氏が柔らかい音を出していた。
アンコール曲はなかった。
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