(写真は嘉穂劇場 第九練習・女声陣)
12月10日(日)午後1時から5時半まで
リハーサル前の最後の嘉穂劇場「第九」の練習があった。
今日も殆どフルメンバーが参集して、最後の細かい注意事項を復習する練習を行なった。
午後1時から男声の特別訓練。
午後2時から女声の特別訓練。
午後3時5分から5時25分まで合同練習。二重フーガを中心に。
リハーサルは12月15日午後6時半から。
本番は12月16日午後5時開場、午後6時本番です。
ぜひご来場ください。
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話し変わって・・・
しんぶん「赤旗」日曜版12月10日付けの映画・文化情報欄(28面)に
「敬愛なるベートーヴェン」の映画評が出ていたのだが、マイナーな映画のような感じで、いつも行っているシネコンでやっているとは思えなかったが、インターネットで調べてみると今週から上映のようだった。
「硫黄島からの手紙」も今週から公開なので、これに行くつもりではあったが、おそらく、「敬愛なるベートーヴェン」の方は、観客が少なくて1週間で終わるか、夜の上映がなくなりそうに思えたので、今日12月10日は、こちらを見ることにした。
原題は「Coping Beethoven」すなわち「ベートーヴェンの写譜」というような題だ。
主人公は、音楽大学(コンセルヴァトワール)主席の成績で、教授の推薦によって写譜屋に派遣された、作曲家をめざす女性アンナ・ホルス(どこからみても美しい)。
彼女が、ベートーヴェンの自筆譜の写譜担当となり、「第九交響曲」の合唱のパートの写譜を4日後の初演までにしなければならないという筋立てである。
ベートーヴェンの悪筆は有名であり、困難な作業が待っていそうである。
もちろんコピー機などあるはずは無く、竹ペンにインクをつけての手作業である。
本来、コピーとはこういう作業のことを言うのだと理解した。
この話は事実ではないと思うが、いかにも本当らしい話の展開で興味深く見た。
どうしても第九を自ら指揮したいベートーヴェンに対して、オーケストラに隠れて合図を送るアンナの指揮振りと表情が感動的。
特に、第4楽章の合唱がゆったり「星空のかなたに父はおわします」
Über Sternen muß er wohnen.
と歌うところの、陶酔したアンナの表情がゾクゾクする感じをよく現している。
カメラワークもうまく、美しい。
全編ベートーヴェンの音楽が散りばめられている上、「第九」がエピソードの中心であり、また映画の始まりと終わりが弦楽四重奏曲「大フーガ」であることも特別な意味をもっている。
この「大フーガ」によって、ベートーヴェンは、第九でかつて無い「合唱つき交響曲」という音楽の可能性を展開したことに満足せず、さらに新たな地平を切り拓こうとしていたことを象徴している。
この「大フーガ」は当時の人々には全く受け容れられなかたが、エンディング・クレジットの冒頭で、この曲は後世の多くの作曲家に示唆を与えていることが紹介されていた。
その「大フーガ」を睡眠薬代わりに聞いて寝たのだが、確かにすごい曲だ。
もう“現代音楽”と言っても間違いではない。
叫びと言うか雄叫びと言うか激しいくり返しのリズムと不協和音の連続である。
これは、当時の貴族にはもちろん、一般民衆にも受け容れがたかったことだろう。
この「大フーガ」初演の折は(映画の中では)、演奏中に次々と聴衆は去ってしまい、庇護者の大公までもが、「ますます耳が聴こえなくなったようだな」と捨て台詞を残して去って行くのだが、ただ一人残っていたアンナ・ホルスにベートーヴェンが、「君はどう思う?」と尋ねる。
アンナは「私の考えはあなたと違う」と不同意を表明する。
ベートーヴェンは、「それでいい」と、ベートーヴェンの模倣をしがちだった彼女の作曲家としての自立を喜ぶ。
ちょっとネタバレ的にはなったが、おそらく見に行く人も少ないだろうから良しとしよう。
エンディング・クレジットでは、アンナ役のダイアン・クルーガーがTOPであり、ベートーヴェン役のエド・ハリスは4番目であった。
すなわち主役はベートーヴェンでは無くてアンナであるということだ。
イギリス・ハンガリー響作で、女性監督アニエスカ・ホランドのメガホンとのこと。
なんで、セリフが英語なんだい?!という気持ちの悪いところはあったが、それはあったとしても、なかなか見ごたえと聴き応えのある映画だった。
トリアス久山の結構大きい方のスクリーンに観客は7人であった。
(12月10日午後9時45分開演・来週はもうやってないだろうな!)
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昼は第九の練習、夜は第九が鳴り響く映画を見て感動を新たにした一日であった。
嘉穂劇場「第九」・番外編(映画評)
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12月10日(日)午後1時から5時半まで
リハーサル前の最後の嘉穂劇場「第九」の練習があった。
今日も殆どフルメンバーが参集して、最後の細かい注意事項を復習する練習を行なった。
午後1時から男声の特別訓練。
午後2時から女声の特別訓練。
午後3時5分から5時25分まで合同練習。二重フーガを中心に。
リハーサルは12月15日午後6時半から。
本番は12月16日午後5時開場、午後6時本番です。
ぜひご来場ください。
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しんぶん「赤旗」日曜版12月10日付けの映画・文化情報欄(28面)に
「敬愛なるベートーヴェン」の映画評が出ていたのだが、マイナーな映画のような感じで、いつも行っているシネコンでやっているとは思えなかったが、インターネットで調べてみると今週から上映のようだった。
「硫黄島からの手紙」も今週から公開なので、これに行くつもりではあったが、おそらく、「敬愛なるベートーヴェン」の方は、観客が少なくて1週間で終わるか、夜の上映がなくなりそうに思えたので、今日12月10日は、こちらを見ることにした。
原題は「Coping Beethoven」すなわち「ベートーヴェンの写譜」というような題だ。
主人公は、音楽大学(コンセルヴァトワール)主席の成績で、教授の推薦によって写譜屋に派遣された、作曲家をめざす女性アンナ・ホルス(どこからみても美しい)。
彼女が、ベートーヴェンの自筆譜の写譜担当となり、「第九交響曲」の合唱のパートの写譜を4日後の初演までにしなければならないという筋立てである。
ベートーヴェンの悪筆は有名であり、困難な作業が待っていそうである。
もちろんコピー機などあるはずは無く、竹ペンにインクをつけての手作業である。
本来、コピーとはこういう作業のことを言うのだと理解した。
この話は事実ではないと思うが、いかにも本当らしい話の展開で興味深く見た。
どうしても第九を自ら指揮したいベートーヴェンに対して、オーケストラに隠れて合図を送るアンナの指揮振りと表情が感動的。
特に、第4楽章の合唱がゆったり「星空のかなたに父はおわします」
Über Sternen muß er wohnen.
と歌うところの、陶酔したアンナの表情がゾクゾクする感じをよく現している。
カメラワークもうまく、美しい。
全編ベートーヴェンの音楽が散りばめられている上、「第九」がエピソードの中心であり、また映画の始まりと終わりが弦楽四重奏曲「大フーガ」であることも特別な意味をもっている。
この「大フーガ」によって、ベートーヴェンは、第九でかつて無い「合唱つき交響曲」という音楽の可能性を展開したことに満足せず、さらに新たな地平を切り拓こうとしていたことを象徴している。
この「大フーガ」は当時の人々には全く受け容れられなかたが、エンディング・クレジットの冒頭で、この曲は後世の多くの作曲家に示唆を与えていることが紹介されていた。
その「大フーガ」を睡眠薬代わりに聞いて寝たのだが、確かにすごい曲だ。
もう“現代音楽”と言っても間違いではない。
叫びと言うか雄叫びと言うか激しいくり返しのリズムと不協和音の連続である。
これは、当時の貴族にはもちろん、一般民衆にも受け容れがたかったことだろう。
この「大フーガ」初演の折は(映画の中では)、演奏中に次々と聴衆は去ってしまい、庇護者の大公までもが、「ますます耳が聴こえなくなったようだな」と捨て台詞を残して去って行くのだが、ただ一人残っていたアンナ・ホルスにベートーヴェンが、「君はどう思う?」と尋ねる。
アンナは「私の考えはあなたと違う」と不同意を表明する。
ベートーヴェンは、「それでいい」と、ベートーヴェンの模倣をしがちだった彼女の作曲家としての自立を喜ぶ。
ちょっとネタバレ的にはなったが、おそらく見に行く人も少ないだろうから良しとしよう。
エンディング・クレジットでは、アンナ役のダイアン・クルーガーがTOPであり、ベートーヴェン役のエド・ハリスは4番目であった。
すなわち主役はベートーヴェンでは無くてアンナであるということだ。
イギリス・ハンガリー響作で、女性監督アニエスカ・ホランドのメガホンとのこと。
なんで、セリフが英語なんだい?!という気持ちの悪いところはあったが、それはあったとしても、なかなか見ごたえと聴き応えのある映画だった。
トリアス久山の結構大きい方のスクリーンに観客は7人であった。
(12月10日午後9時45分開演・来週はもうやってないだろうな!)
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昼は第九の練習、夜は第九が鳴り響く映画を見て感動を新たにした一日であった。
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