【写真左がアンディ(アン・ハサウェイ)右がミランダ(メリル・ストリープ)】
昨日(12月17日)は、会議の後、同席した会議参加者を博多駅まで相当遠回りして送り届けたものだから、15分で帰れる自宅まで、小一時間掛かってしまい、帰り着いたのは午後8時を過ぎていた。
今週も「硫黄島からの手紙」を見るつもりだったけれど、インターネットで確認すると上映開始が9時なので、晩飯を取っているとギリギリになりそう。
他に見るべきものがないか上映プログラムをみたところ、「プラダを着た悪魔」の一日の上映回数が2回に減っているのがわかり、これは今週で終わるかもしれないと思い、こっちを見ることにした。
晩飯後、シネコンに駆けつけ上映案内を見ると、先週見た「敬愛なるベートーヴェン」 も「プラダを着た悪魔」も今週金曜日でアップの予定ということで、判断に誤りはなかった。ついでに「父親たちの星条旗」 も今週終了予定。
と言う訳で「プラダを着た悪魔」を見ることにしたのだが、普通ならこの手のタイトルの映画は見ない。
先だっての『スマステ』の稲垣・香取の映画ランキングで「期待していなかったが結構面白かった」と高いポイントを得ていたのが、見るきっかけとなったのだった。
で、この映画 大御所メリル・ストリープ演ずる豪腕かつ我が儘丸出しの高級ファッション誌編集長?のミランダと、新任の第二秘書?アン・ハサウェイ演ずるアンディとが繰り広げる『パワーハラスメント』との格闘物語。
アンディの教育係兼辣腕の第一秘書?エミリーにはエミリーブラントが扮する。
出だしからして凄い。ミランダが編集室に来るという情報に、みんな大慌てで準備をしたり片付けたりあれやこれやの大騒動!
ちょうどそこに採用面接にきていたのがアンディ。本当は作家かジャーナリストになりたいのだが、取敢えずの「腰掛け」に、この職場を尋ねたと言う訳だ。
高級ファッション誌に面接に来たのに、いわゆる「イケテナイ」服装(私のようなオジサンには、どう「イケテナイ」のか良く解らないのだが・・・)いわゆる普段着で来ている。
いよいよミランダの登場。決定的瞬間まで顔を写さず、脚や後姿などで舐めるように写すのだが、見ているほうはメリル・ストリープだと、とうに解ってしまっている。
顔が映るや、第一秘書(Senior Assistant)メアリーに機関銃のように指示を連発する。それも一発撮りのようで、全く切れ目無くミランダの指示が発せられる。
さすがメリル・ストリープ様さまだ。キャリア・ウーマンの面目躍如である。
メアリーは、それを余すことなく聞き取り、仕事をこなす。アンディ唖然。
デザイナーの新デザインにも間髪を入れずダメだしをしてゆく。
一秒単位の仕事ぶりと言うところを良く現している。
メアリーは、アンディのダサさも見て、とても採用されるはずは無いと見くびるのだが、ミランダは直接面接する。
その理由は、
「あなた方スタッフに任せて採用した女は、美人でスリムかも知れないが、オツムが空っぽ(Silly)で役に立たず、すぐにやめていったじゃない」
と言うものだった。
晴れて採用と成り、いきなり第二秘書(Junior Assistant)の大役(と言っても、ミランダの好みのコーヒーやステーキの準備や犬の散歩や何やかやの重要な“雑用”なのだが)をこなさざるを得なくなる。
ここからが、公私混同のミランダの我が儘放題、パワハラの始まりである。
アンディは「イケテナイ」センスから、ミランダの右腕と言われるディレクタのナイジェルのコーディネイトで見る見る変身し、最先端ファッションを身に付けるようになる。
この辺の所、それら衣装や靴・帽子などを新たに買うのではなく、倉庫にある使い古し(とは言っても写真撮影用に一回きりしか使っていないものや、没になったものらしい)を使ってコーディネイトするところが面白い。
シンデレラ・ストーリーとマイ・フェア・レディを一緒にしたような急変身ぶり。
そこには、いろいろなエピソードが散りばめられているので見ていただくとして…
メリル・ストリープの演技力にさらに注目させられるのは、
仕事では一秒単位の闊達さで捌いているが、自宅で気が抜けた場面では「老い」が顕わになり、見るからに老人というイメージを演じているところ。
失礼ながら、これが生のメリル・ストリープその人か?!と思わせるほど真に迫った「老いぼれ」ぶりである。
それでも、翌日仕事に出ているときは、やはり闊達なカリスマ編集長なのである。
このギャップも監督が描きたかったことの主要テーマに違いない。
アンディは、そのいずれにも接する中で(ミランダは、そういう「老い」を見られたくはなかったのだが、偶然にも見てしまう羽目になるのだ)、ミランダが「悪魔」ではなく、一人の悩める人間であることを知るのである。
「パリ・コレ」への同行は、ダイエットも含めて準備万端のメアリーを押しのけて、アンディがミランダから指名された。
パリでもさまざまな出来事があるが、そこも見ていただくとして、
アンディは、帰国後自ら辞職(quit)する。パリで何かに気付いたのだ。
パワハラに一旦負けそうになりながらもそれを克服し、その後は元々の希望であったジャーナリストへの転進を図るのである。
(これは、原作者の「いきざま」の投影である)
最後に遠目にお互いを確認し「認め合う」ところでエンディングとなる。
では、映画の公式サイトの紹介文の一部を引用しよう。
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◆ INTRODUCTION ◆
2003年4月、20代の新人女性作家が書いた1冊の本が、刊行と同時にベストセラーになった。タイトルは、「プラダを着た悪魔」。作者は、ヴォーグ誌の女性編集長のアシスタントをつとめた経験を持つローレン・ワイズバーガー。作者自身の実体験が多分に反映されているとおぼしきこの小説は、瞬く間に同世代の女性たちの間で評判を呼び、ニューヨーク・タイムズ誌のベストセラー・リストに6カ月間ランク・イン。世界でも27カ国語に翻訳され、何百万人もの女性たちの熱い支持を集めた。本作は、その待望久しい映画化。華やかにして苛酷なファッション界の裏舞台を垣間見せながら、誰もが社会に出たときに痛感する驚きや迷いをユーモアあふれるタッチで描き出し、たっぷりの共感を味わわせてくれる新感覚のトレンディ・ムービーだ。
監督は、アメリカのTV史上最もファッショナブルな番組として、世界中で社会現象を巻き起こした「セックス・アンド・ザ・シティ」を手がけているデヴィッド・フランケル。衣裳デザインは、同番組のサラ・ジェシカ・パーカーの着こなしを通じて、様々なトレンドを作り上げてきたパトリシア・フィールド。お洒落のツボを心得た彼らは、タイトルのプラダはもとより、シャネル、ドルチェ&ガッバーナ、ジョン ガリアーノ、エルメスなど、まばゆいばかりのブランドのアイテムをふんだんに使い、モードの最前線を心ゆくまで楽しませてくれる。
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【The DEVIL Wears PRADA】公式サイトはここをクリック
この映画に限らず、画像も含めて極めて詳しく解説している
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