JUNSKY blog 2015

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日本共産党 4中総・結語

2007-05-20 11:27:15 | 政治
 しんぶん「赤旗」5月20日号に、4中総での討論を受けた志位委員長の「結語」が掲載された。 Web版 

 今回の4中総で、憲法改悪阻止に向けての何か斬新な戦略見直しがあるかと思ったが、それほど期待はしていなかったとはいえ、あまりにも旧態依然の方針提起でがっかりした。

 末端党員の活動参加者が少ない(選挙最終盤でも5割程度?)ことを強調する前に、何故活動参加者の比率が3割程度に留まって居るのかの抜本的検証が必要である。
『四中総決定を、どれだけのスピードで全党員のものにし、どれだけのスピードで勝利をめざす活動に全党が踏み出すか、初動のスピードがたいへん重要になってきます。』結語から
4中総を読めば活動参加者が増える、ということにはならない。

党員や支持者や護憲派の心を動かすアピールが弱い!
 護憲勢力を勇気付ける提起がほとんど為されていない。
 護憲派の協同を嘱望する多くの国民の期待に応える戦略を出せていない。
 憲法改悪をこうすれば阻止できる、という確信ある戦略も戦術も無い。
 特に若い人びとを結集できる魅力有る提示ができていない。
ここを打開しないと活動参加者は減るばかりではないかと思う。

しかるに、4中総での志位委員長の結語にいう
『 もちろん、選挙戦で残念な後退をした場合などは、選挙戦に責任を負った党機関の自己分析ということが必要になってきます。
ただその場合にも、直面する参議院選挙に党組織が団結し、結束して立ち上がるうえで必要不可欠な問題について、きちんと明らかにする。
「あらゆる角度から総括して、そのうえで参議院選挙に」ということにはしないということです。』 結語全文は、ここをクリック

 すなわち、地方選挙敗北の(また一部では貴重な勝利の)全面的な検証はしないで、当面を切り抜けるポイントだけを検討しようということだろう。

 そういう小手先の戦術検討の“積み重ね”が、三度にわたる国政選挙敗北を築き上げてきたのではないだろうか?

 私が、この結語を読んで真っ先に感じた印象は、『失敗した経験は無視して(学ばずに)元気の出る経験だけに依拠して「頑張ろう」』というもので、科学的社会主義政党にあるまじき、精神論だと思った。
 このままでは、参議院選挙連続敗北も推測され、護憲派がますますガッカリするであろう。

 3万3千字におよぶ中央委員会報告と6千字におよぶ結語は、空虚に響く。

 ジェームス三木氏の講演でも「長く書けば書くほど印象は薄れる」と本質を突いた話をしていたが、「内容が空虚だからこそ多くの修飾語で本質をそらしているというもの」に見えるのは私だけだろうか?!

 この文書を全ての党員に読んでもらおうと言う訳である。
【2中総では、決定の読了(ビデオ視聴も含む)は3割台、党勢拡大への参加支部が3割台・参加党員は数%と書いてある。】

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「参院選での『平和共同候補』を求める運動について」1周年

2007-05-20 10:42:48 | 政治
 当方の一つ前の記事に、【ペガサス・ブログ版】さんからトラックバックを頂いた。

 タイトルは【「平和共同候補」運動への赤旗の批判について 】というものである。日付は2006年6月14日となっている。

 今日、5月20日は、【「平和共同候補」運動】だけではなく、護憲勢力の協同を作り出そうという動きに日本共産党が絶縁状を突きつけた1周年記念日である。
 この絶縁状については、一昨日の当ブログでも取上げた。

その部分をもう一度転載すると・・・
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【 日本共産党は、昨年5月20日付「しんぶん赤旗」に 「参院選での『平和共同候補』を求める運動について」 という論文を掲載しました。そこでは「市民運動」を名乗るこの運動が、新社会党の応援団ではないのかということを率直に指摘しました。また、日本国憲法を守るということを強調しながら、そのために必要な憲法擁護のたたかいの輪を広げることではなく、問題を国政選挙の「選挙共闘」に矮小化(わいしょうか)し、「市民運動」にあるまじき策略的な手口をろうしていることなどを批判しました。
 「9条ネット」は、この「市民運動」の流れを受け継ぐものですが、どちらも新社会党の「別働隊」のようなものです。】 
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【ペガサス・ブログ版】さんの当該記事に、
『また,この文章は非常にアンフェアな議論の仕方をしている.公開されたこの運動の正式のマニフェストである「2006平和への結集の訴え」という文書には一言も触れず,批判の対象は,もっぱら,この文章の読者のだれも検証することができない,この運動の代表者たちの記者会見での片言隻句である.』
とある。同感である。

 上に、赤旗記事を引用したとおり『「9条ネット」は、この「市民運動」の流れを受け継ぐものですが、どちらも新社会党の「別働隊」のようなものです。』という決め付けである。
 その上、この運動からの協議申し入れを門前払いし、「一端協議してから、合意に至らなかった」という紳士的な対応もしていない。
この運動に解放同盟が関与しているとか新社会党だとかは、運動の側面の一面だけを見たものだ。
 当ブログは、だからと言って解放同盟や新社会党を支持する立場ではない。

また、【ペガサス・ブログ版】さんは、その前段で
『さて肝心の内容だが,要約すると,「平和共同候補」運動は,市民運動による無原則的な政党への介入であり,憲法改悪反対闘争において「選挙共闘」しか視野に入れておらず,事実上,特定政党の応援団という疑念がある,というものだ.
かといって,ではどのような憲法改悪反対闘争をやれば勝てるのか,という方針や展望が示されているわけではない
選挙共闘にかんしても,「国政選挙での共同を実現する条件——政策的一致と共闘の意思をもった政党は存在しない、という判断をしています」で終わっている.
結論らしいものは,第三パラグラフの最後の,「いま,憲法改悪反対の運動を発展させるためになによりも必要なことは,『選挙共闘』問題などではなく,広範な国民各層のあいだで憲法改悪反対,憲法擁護の声を広げることに可能なあらゆる努力をつくすことではないでしょうか」というフレーズだ.
要するに「がんばりましょう」としか言っていないのだ.「平和共同候補」運動が戦略・戦術上の具体的な提案をしているのに対し,これでは全くお話にならない.』
これにも同感です。

日本共産党党員や、支持者や、日本共産党に多少なりとも期待している多くの人々が日本共産党に意見を送り、ブログに意見を書いてみてはいかがでしょうか?

e-mail: info@jcp.or.jp

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憲法改悪阻止で展望を示せない 日本共産党・4中総

2007-05-20 00:29:48 | 政治
 日本共産党は、2007年5月17日
第四回中央委員会総会
を開催し、志位和夫委員長が幹部会報告を行ないました。

 この全文が、5月19日付しんぶん「赤旗」と赤旗Web版に掲載されました。
Web版へのリンクは、ここをクリック

 私個人の感想としては、何も新しい展開はなく、選挙勝利の展望も「精神論」に留まっています。
第一章・第2【どんな反共シフト・反共攻撃にも負けない不屈性、戦闘性の発揮】
第四章【奮闘いかんでは参院選で前進し、目標を達成する客観的条件は存在する】
都道府県・地区委員長会議【がんばれば前進できる】ここをクリック

 第三章は、貧困・格差問題、憲法改定問題――選挙戦の2つの焦点について
となっていますが、【憲法改悪反対の論戦と運動について】を最初に論じるのではなく、章の最後に回され、かつ内容も安倍内閣の策動の説明が大半となっていて、憲法改悪を阻止する協同については全く触れず、
改憲阻止の展望としては、ただ
【 改憲派がどんな仕掛けをつくろうと、国民の多数が「ノー」といえば憲法改定はできません。現にすすめられている憲法改定を先どりする一つひとつの動きに反対する運動を強めながら、憲法改悪に反対するゆるぎない国民的多数派をつくるために、力をそそごうではありませんか。】
と書くことしかできていません。
『憲法改悪反対の論戦と運動について』の言及は本当にこれのみです。
そして、
【参議院選挙のたたかいが重要であります。安倍首相は、「参院選で憲法問題を争点とし、自民党の『新憲法草案』の内容を訴えてたたかう」とのべています。わが党はこれを正面から受けてたち、改憲派をおいつめる論戦を堂々と展開します。みなさん、参議院選挙を日本共産党の前進で、安倍「靖国」派政権のすすめる改憲策動に痛打をあたえる選挙にしていこうではありませんか。】
と続きますが、日本共産党の目指す議席獲得目標が「比例5議席+α」であり、ここには、改憲提案を阻止できる国会の3分の1を獲得する展望は無く、上の“呼び掛け”は、説得力がありません。

 マスコミも金で買われる「改憲手続法」が成立しているのに、日本共産党などの運動だけで、国民の過半数を「改憲反対」に結集できると考えているのでしょうか?

 選挙区では、勝利の展望も無い選挙区も含めて全選挙区立候補の方針を『堅持』しており、護憲派間で協同を目指す意志は皆無のようです。
【四十七都道府県のすべての選挙区で、候補者のみなさんがその個性や魅力を存分に発揮して、全有権者を対象にしたダイナミックな選挙戦にとりくみ、勝利をめざして意気高く、のびのびとたたかうことは、比例代表選挙での党の前進の大きな力ともなります。重要なことは、選挙区のたたかいの最大の目標を、比例での前進に貢献することにおき、政治的訴えでも、組織戦でも、その立場をつらぬくことであります。】

 社民党批判を控えたことくらいしか、新しい視点を提供できない「第四回中央委員会総会」報告でした。

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4中総特集ページ

4中総への幹部会報告Movie