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テロ特措法で平行線 シーファー・前原、小沢の術中に嵌る!

2007-08-09 19:08:07 | 戦争と平和
 きのうは、ゆっくりブログに取組む時間がなかったので、コピペで手抜きをしましたが、きょうは、ちょっとコメントを書きます。

 この会談が実現するきっかけとなったのは、シーファー駐日米大使が、参議院で多数を占めた野党を懐柔するため、野党の筆頭である民主党の小沢一郎代表を“言いくるめよう”と画策した ことに始まるようです。

 小沢氏が数年前に書いた著書を読んでいたシーファー駐日米大使は、小沢氏の自論をくすぐれば、容易に“口説き落とせる”と、目論んだのでしょう。

 小沢氏は、一先ずこの会談を断りました。

             

 ここからが、シーファー駐日米大使の“腕の見せ所”です。

 シーファー駐日米大使は、かねてから懇意でアメリカ盲従派の“軍国主義者”である民主党・前原前代表を通じて、小沢氏に取次ぎを頼んだ のです。
 シーファー駐日米大使は、会談の設定(日時・場所・出席者など)は小沢氏の希望通りにするとの条件を出して“下手に”出ました。
 前原前代表は、おそらく自分が取り次げば、小沢代表も無碍に断れないだろうと踏んだのでしょう。

 小沢氏は、前原前代表には「この機会を再起のチャンスにしようと思惑がある」のを承知の上で、一応前原氏の“顔を立てて”会談には応じました。
そして会談の設定を
① 民主党本部で
② 2007年8月8日に
③ 会談の全体を報道陣に公開

という条件を付けました。
 いわば、『背水の陣』を引いて、「米国の圧力に屈しない!裏取引はしない。」ことをメディアを通じて国民に知らしめた訳です。
 また、アメリカ大使館や、国会内や、高級ホテルではなく、民主党本部という自らの陣地 に訪問させると言うのも、戦略家たる小沢氏ならではのもので、自民党には真似のできないことでしょう。

 シーファー駐日米大使は、会談の設定は一任することを条件にした手前、事実上 民主党を“表敬訪問する”形になり、且つマスコミが入るという状況設定 を拒否できない結果となりました。

 小沢流のしたたかさを見せてくれました。

 そういう条件設定の中で、「アフガン戦争はアメリカが国際社会の合意を待たずに勝手に始めた戦争であり、日本が協力する筋合いではない」 ことを明確に示した意義は大きいと思います。

 これは、ある意味では「国民に対する民主党の公約」にもなります。

 小沢氏は、前原前代表の“顔を立てる”振りをして、彼をとんだ ピエロ役に仕立てあげ『前原前代表の考えは党の方針では無い』事を見せつけ、事実上 追い落としを図った 訳です。
 前原氏に再登場の芽はなくなったと言わなければなりません。
 これを苦も無くやり遂げた小沢氏は、相当なツワモノと言わなければなりません。

 一方のシーファー駐日米大使は、民主党に『軽くあしらわれた』ことを憤ってか、マスコミの取材に応じ、「国連決議も為されているので理解を求めたい」云々と未練たらしく発言していました。
 しかし、その国連決議とやらは、アフガン戦争「開始」にお墨付きを与えたものではなく、2007年3月に現状での国際的支援活動を容認したものに過ぎないのです。

 小沢氏の論理の方に筋があります。
 自民党なら、この“説得”に簡単に納得してしまったでしょうが(その証拠が、この会談に先立つ8月7日の小池国防相のアメリカ訪問を前にした迎合発言です)、さすが腰の座った小沢氏の対応だったと思います。

 自民党の協力推進派の中からも「インド洋でガソリンスタンドをやっている意味があるのか?」という意見も出ているとのこと。 

 私は、米国を中心とする有志同盟のアフガンへの派兵が、あの地域を危機的状態に追い込んでいると認識していますので、自衛隊の撤兵は必ず成し遂げて欲しいと思います。

 国民は、今回のこの小沢氏の『公約』を、見守る必要もあると思います。

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【西日本新聞】 8/9 朝刊記事

テロ特措法延長 小沢氏、米大使の要請拒否
   軍事活動「国連の承認ない」


 民主党の小沢一郎代表は8日夕、党本部でシーファー駐日米大使と会談した。インド洋で海上自衛隊が米艦船などに給油活動するためのテロ対策特別措置法が11月1日で期限切れとなることを踏まえ、大使は「秘密の情報が必要なら、どんな情報でも提供する準備がある」として延長に同意するよう要請。小沢氏は「米国を中心とした活動は、直接的に国連安全保障理事会からオーソライズ(承認)されていない。活動には参加できない」と拒否、延長に反対する考えを明確に示した。

 小沢氏が厳しい姿勢を重ねて示したことから、秋の臨時国会で延長をめぐる論議が難航するのは必至で、政府、与党は難しい対応を迫られる。一方、延長に理解を示す前原誠司前代表ら民主党の外交防衛担当者は10日から具体的な対応について協議を始める予定で、小沢氏の対応に不満が出ることは確実だ。

 約45分間行われた会談は、小沢氏の意向で報道陣に公開された。会談では大使から「(延長は)国際社会、日本の安全にとって重要だ。日本が必要とする石油の90%が活動地域を通る。この問題は超党派で考えてもらう話だ」と切り出し、協力を強く要請した。

 しかし、小沢氏は日本の国際貢献について「国際社会の合意に基づき、国連の活動に参加する」との原則を表明。その上で、アフガニスタン戦争に関しては「米国が国際社会のコンセンサスを待たずに独自に始めた」と指摘。要請を拒否する理由を「日本の平和と安全に直接関係ない地域で米国やそのほかの国の部隊と共同の作戦はできない」と説明した。

 一方で小沢氏は政権を獲得した場合の対応について「できることを米国と分担する。テロとの戦いはどういう手段、方法で参加するか国によって違う」と述べた。

 大使は小沢氏の国連決議に基づかないとの指摘に対し「国連が認めた国際的活動だ」と反論したが、議論は平行線をたどった。

=2007/08/09付 西日本新聞朝刊=
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小沢代表、シーファー米大使が初会談…テロ特措法で平行線(読売新聞) - goo ニュース

シーファー米大使 「特措法延長は世界に重要」 小沢代表を説得へ(産経新聞) - goo ニュース

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小沢民主代表、テロ特措法延長に反対
   駐日米大使と会談

           asahi.com 2007年08月08日22時50分

 民主党の小沢代表は8日、シーファー駐日米大使と党本部で初めて会談した。秋の臨時国会で焦点となるテロ対策特別措置法の対応について小沢氏は「アフガニスタンの戦争はブッシュ米大統領が『米国の戦争だ』と言って、国際社会の合意なしに米国独自で始めた。日本の直接の平和、安全と関係ない区域に米国や他の国と部隊を派遣して、共同の作戦をすることはできない」と同法の期限(11月1日)延長に反対する考えを重ねて表明した。


会談の冒頭、言葉を交わす民主党の小沢代表とシーファー駐日米大使(左)=8日午後5時5分、東京・永田町の民主党本部で
 約50分間の会談でシーファー氏はテロ特措法に基づくインド洋での自衛隊の給油活動について「日本の貢献は非常に重要だ。日本が参加することで、(石油の安定供給など)日本自体の安全保障にも役立つ」と延長に理解を求めた。

 これに対し小沢氏は「米国を中心とした作戦は直接、国連安保理で認められていないという認識だ。国際社会の合意を取る努力を最初にしなければならない」と述べた。

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小池防衛相が訪米へ
   テロ特措法延長で意見交換

           asahi.com 2007年08月07日10時34分

 小池防衛相は7日、防衛相就任以来初めて訪米し、ゲーツ米国防長官らブッシュ政権の高官と会談する。インド洋上で活動する米軍艦船などへの自衛隊の給油活動を認めるテロ対策特別措置法の期限(11月1日)に向けて、延長を求める米側と意見交換する。参院第1党となった日本の民主党は延長に反対している。

 小池氏は7日から11日までの予定でワシントンを訪問し、ゲーツ長官のほか、チェイニー副大統領、ライス国務長官らと会談する。有力シンクタンクでの講演も予定している。

 国会開会中の閣僚の外遊は、衆参両院の議院運営委員会理事会で了承を得る慣例がある。民主党は6日の参院議運理事会で小池氏の国会出席を求め、外遊に難色を示していたが、「最終的には内閣の責任」として事実上了承した。
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