今日のNHKスペシャルは「同時多発●●」だった。
さて、この●●に何を入れますか?
一般的には「テロ」でしょう。
しかし、今日の番組を見た方は先刻ご承知のように、この二文字には
「火災」 と入る。
首都を襲う、大地震に伴って発生する「同時多発火災」についての詳しいレポートであった。
本来、火災を分離するはずの道路が、運転放棄されて放置された自動車が延焼することで、火災の源泉になる。その上、自動車はガソリンや軽油という火災負荷の大きいものを抱えているし、今や樹脂性が当たり前のバンパーやガラス周りのシールドなど毒ガスを発生しかねないものが豊富にある。タイヤも廃タイヤを燃料にするくらいだから熱負荷が大きい。
道路は避難路ではなく、負荷の大きい火災の道となる。
超高層ビルの超強化コンクリートが熱に弱く、爆裂することも実験を見せて紹介していた。
密度が高いばっかりに、コンクリート中の残留水分が火炎の熱で気化した際に逃げ道が無く、コンクリートそのものを破壊してしまう。
どんどん爆裂で剥離し、遂には鉄筋や鉄骨が露出する。
直火に晒された鉄は弱い。常温では信じられないほど柔らかくなり、荷重を支えることができず、つぶれてしまう。
番組では、大震災発生をシュミレーションした東京消防局での緊迫した訓練の模様が紹介されていたが、台数の限られた消防ポンプ車を如何に状況を見切って配置するか究極の選択が迫られる。
消火できそうもない現場を見限って、より犠牲者が多くでそうな現場に移動するという断腸の決断も求められるのである。
こういう映像を見ていると、自己防衛や自己責任も殆ど効果が無く、命に関わる状況であることが良く解る。
防災の日の翌日の企画としては、優れた番組であったと思う。
*******************************************
【今日も御覧頂きありがとうございます。
このブログを応援して頂ける方ははクリックを!】
*******************************************
番組へのリンクは、ここをクリック
******************************
【1200万人が暮らす大都市・東京。今後30年の間に70%の確率で直下型の大地震が起きるとされている。東京都の想定は、マグニチュード7.3、最大震度6強。
その時、地震直後に各地で起きる火災が、最も大きな被害をもたらすと考えられている。1000カ所以上で同時に発生。密集した市街地で延焼が拡大し、最悪の場合、39万棟が全焼、1万ヘクタールが焼き尽くされる。死傷者は火災だけで2万人以上にのぼるとされている。しかし、被害は想定だけにとどまらず、さらに拡大するおそれがあることが最新の研究で分かってきた。林立する超高層ビル。柱に使われている高い強度のコンクリートが、実は熱に弱いことが明らかになった。「爆裂」と呼ばれる現象が起き、最悪の場合、倒壊につながるおそれがあるという。地下鉄や道路網でも、都市化が生んだ新たな危険が浮かび上がってきている。また、住民の避難や消防の活動も計画通りにはいかない可能性がある。住民は、同時多発火災によって避難ルートを次々と閉ざされていく。消防は、どの地域の消火を優先すべきか厳しい判断を迫られることになる。被害をくい止め、命を守るために何が必要なのか。都市を襲う地震火災の危険を検証する。】
さて、この●●に何を入れますか?
一般的には「テロ」でしょう。
しかし、今日の番組を見た方は先刻ご承知のように、この二文字には
「火災」 と入る。
首都を襲う、大地震に伴って発生する「同時多発火災」についての詳しいレポートであった。
本来、火災を分離するはずの道路が、運転放棄されて放置された自動車が延焼することで、火災の源泉になる。その上、自動車はガソリンや軽油という火災負荷の大きいものを抱えているし、今や樹脂性が当たり前のバンパーやガラス周りのシールドなど毒ガスを発生しかねないものが豊富にある。タイヤも廃タイヤを燃料にするくらいだから熱負荷が大きい。
道路は避難路ではなく、負荷の大きい火災の道となる。
超高層ビルの超強化コンクリートが熱に弱く、爆裂することも実験を見せて紹介していた。
密度が高いばっかりに、コンクリート中の残留水分が火炎の熱で気化した際に逃げ道が無く、コンクリートそのものを破壊してしまう。
どんどん爆裂で剥離し、遂には鉄筋や鉄骨が露出する。
直火に晒された鉄は弱い。常温では信じられないほど柔らかくなり、荷重を支えることができず、つぶれてしまう。
番組では、大震災発生をシュミレーションした東京消防局での緊迫した訓練の模様が紹介されていたが、台数の限られた消防ポンプ車を如何に状況を見切って配置するか究極の選択が迫られる。
消火できそうもない現場を見限って、より犠牲者が多くでそうな現場に移動するという断腸の決断も求められるのである。
こういう映像を見ていると、自己防衛や自己責任も殆ど効果が無く、命に関わる状況であることが良く解る。
防災の日の翌日の企画としては、優れた番組であったと思う。
*******************************************
【今日も御覧頂きありがとうございます。
このブログを応援して頂ける方ははクリックを!】
*******************************************
番組へのリンクは、ここをクリック
******************************
【1200万人が暮らす大都市・東京。今後30年の間に70%の確率で直下型の大地震が起きるとされている。東京都の想定は、マグニチュード7.3、最大震度6強。
その時、地震直後に各地で起きる火災が、最も大きな被害をもたらすと考えられている。1000カ所以上で同時に発生。密集した市街地で延焼が拡大し、最悪の場合、39万棟が全焼、1万ヘクタールが焼き尽くされる。死傷者は火災だけで2万人以上にのぼるとされている。しかし、被害は想定だけにとどまらず、さらに拡大するおそれがあることが最新の研究で分かってきた。林立する超高層ビル。柱に使われている高い強度のコンクリートが、実は熱に弱いことが明らかになった。「爆裂」と呼ばれる現象が起き、最悪の場合、倒壊につながるおそれがあるという。地下鉄や道路網でも、都市化が生んだ新たな危険が浮かび上がってきている。また、住民の避難や消防の活動も計画通りにはいかない可能性がある。住民は、同時多発火災によって避難ルートを次々と閉ざされていく。消防は、どの地域の消火を優先すべきか厳しい判断を迫られることになる。被害をくい止め、命を守るために何が必要なのか。都市を襲う地震火災の危険を検証する。】