JUNSKY blog 2015

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九電会長口利き再否定 「普通の対応をしただけ」 社会に通じない言い訳

2011-09-24 12:47:02 | 政治
2011年9月24日(土)

 昨夜(きょう未明)書いたブログ記事の続報。

 九州電力の松尾新吾会長は、きのう西日本新聞がスクープした

【親族が創業した福岡市の建設会社が九電関連の多額の下請け工事を受注していた】

ことについて、全く説得力の無い『言い訳』を西日本新聞にしたという。

 その『言い訳』は、昨日報道された域を出ない稚拙なものである。

こんな風に言ったらしい。

【「仕事を回してくれと言ったわけではない」と述べ、口利きの趣旨ではない
ことをあらためて強調、「九電の幹部としてではなく私的な仲介だった」とした】

 九電の下請け・孫請け会社にとって「ドン」である松尾会長の「天の声」が、
『九電の幹部としてではなく私的な仲介』と捉えられるはずも無く、
この「天の声」を無視すれば『仕事を干される』ことは明らかである。

 だいたい、松尾個人の『私的な仲介』など成り立たない。

 まったく影響力の無い人間が仲介することが有り得ないし、
松尾会長ではない、九電の係長クラスの発言であったとしても
下請け・孫請け企業にとっては暗然たる強制力を持つのである。

 ましてや、業界の『ドン』である九電会長の仲介である。
これほど強制力の大きい「天の声」は、他には無いではないか!

 そういう訳で、松尾会長の『言い訳』は世の中では全く通用しないものである。

     ****************

 西日本新聞は、いわゆる識者の見解も載せている。

それを一部引用すると

【識者からは、電力会社は民間とはいえ公益性が高く、厳しいモラルが求められるとして「企業倫理に反する行為ではないか」との声も聞かれた。】

【公益企業である電力会社は、一般企業より厳しい倫理が求められる。松尾氏の対応は違法ではないが、広い意味ではコンプライアンス(法令やモラルの順守)違反といえる。電力の消費者は全家庭であり、世間が納得する説明が求められる】 森岡孝二関西大教授(企業社会論)

【私人としてゼネコンに紹介したと言うが、ゼネコン側はそうは受け取らない。福島第1原発事故後、国営企業並みの権益を受ける電力会社への国民の不信感は強まっている。親族のために連絡した、と開き直る態度は世論に鈍感だ】 新海聡・全国市民オンブズマン連絡会議・事務局長

     ***************

九電会長口利き再否定 「普通の対応をしただけ」
#nishinippon http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/264994

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九電会長口利き再否定 「普通の対応をしただけ」
 西日本新聞 - 2011年9月24日 10:05
 

 九州電力の松尾新吾会長の親族が創業した福岡市の建設会社が九電関連の多額の下請け工事を受注していたことについて松尾氏は23日、記者団の取材に応じた。松尾氏は、社長時代に親族の会社をゼネコンに紹介したことを「仕事を回してくれと言ったわけではない」と述べ、口利きの趣旨ではないことをあらためて強調、九電の幹部としてではなく私的な仲介だったとした。識者からは、電力会社は民間とはいえ公益性が高く、厳しいモラルが求められるとして「企業倫理に反する行為ではないか」との声も聞かれた。

 取材に松尾氏は、親族の男性について「特別扱いしたわけじゃない。親族でなく友人でも同じ。自分が役に立つならと。普通の対応をしただけ」と述べた。親族の会社が松尾氏の社長就任後にゼネコンなどの下請け受注が急増したことは「知らない。もしそうであれば彼の営業努力。その一環で私のところに来たのだろう」と語った。

 ゼネコン側が口利きと受けとめたのではないかとの質問には「(ゼネコンは)重く考えていないかもしれないし、そうじゃないかもしれない。よく分からない」とした。

 これに対し、企業倫理に詳しい森岡孝二関西大教授(企業社会論)は「公益企業である電力会社は、一般企業より厳しい倫理が求められる。松尾氏の対応は違法ではないが、広い意味ではコンプライアンス(法令やモラルの順守)違反といえる」と言う。「電力の消費者は全家庭であり、世間が納得する説明が求められる」とも付け加えた。

 全国市民オンブズマン連絡会議の新海聡事務局長は「私人としてゼネコンに紹介したと言うが、ゼネコン側はそうは受け取らない。福島第1原発事故後、国営企業並みの権益を受ける電力会社への国民の不信感は強まっている。親族のために連絡した、と開き直る態度は世論に鈍感だ」と述べた。

=2011/09/24付 西日本新聞朝刊=   



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九電会長親族の会社 原発関連工事多額受注

2011-09-24 00:43:30 | 政治
2011年9月24日(土)


 当ブログでは、以前

  【玄海町長の弟の建設会社、九電と町から77億円受注】
     2011-07-11 23:34

   と、自治体首長と原発受注企業との関係を書いたが、

 今度は、【九電会長親族の会社 多額受注 原発関連など】
     西日本新聞 - 2011年9月23日 10:06

       を引用することになった!


  私の「つぶやき」から 

@junsky2010
【西日本】九電会長親族の会社 多額受注 原発関連など5億6千万円 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/264827
原発をどんどん造らせるためにヤラセの説明会で社員などが『賛成』のアンケートを水増しし、九電が工事を発注し、会長のフトコロに金が流れるという『ズブズブの』相関図が描かれる 



 この会社は、いわゆるピンハネ・カンパニー。

一応社員4人ということなので、「ペーパーカンパニー」とは言えないが

事実上そういう類(たぐい)の会社のようだ。

 工事能力もないのに、九電会長の会社だから通さざるを得ない、すなわち

ピンハネすることが解っていても、そこに発注せざるを得ない訳である。

 それを裏付ける証言が、西日本新聞に載っている。

☆工事能力が無い!
【1992年に現在取締役を務める男性(51)が創業した。本社は賃貸マンションの一室で従業員は4人。 調査会社は「工事能力が乏しいもようで外注依存率が高い」と指摘する。】

☆設計図を描けない!
【建設業許可を得た05年から専任技術者になっている男性は「たまに仕事をもらうが常駐していない。給与をもらったことはない。設計図を描ける社員はおらず九電関連の大きな仕事ができる力はない」と話す。】

☆仕事を下請けに丸投げ!
【元請けのゼネコンから約1億8千万円の工事を請け負ったが、実際は孫請けの3社が施工した。】

☆契約の窓口として上から指示あり!
【取材に対し3社は「ゼネコン側から契約の窓口としてこの会社を使うよう指示された」と言い】

☆創業者が九電会長の親族なので!
【玄海原発や川内原発の関連工事でこの会社に複数の下請け工事を発注した商社の元従業員は「創業者が九電会長の親族なので、九電から工事を得るために下請けにした。ただ工事能力はなく別の業者が施工した」と述べた。】


     *****************

 松尾会長は、口利きをしたことは無いと言っているようだ。

その部分を引用すると・・・

【複数の関係者は「創業者が九電会長の親族ということでゼネコンなどの下請けになり、実際の仕事は別の会社がした」と話した。松尾会長は22日夜の取材に「工事をとれるよう口利きしたことはない」と否定。】

 しかし、続いて・・・

【「ゼネコンに(親族の会社を)よろしくと連絡したことはある。九電会長としてではなく親族として伝えた」と述べた。】

 まぁ、何と子ども騙しのような言い訳か! (子ども も騙せない!?)

 九電会長が「(親族の会社を)よろしく」と連絡したのに、

ゼネコン等が、それを「その会社の経営者の親族である“松尾個人”」と

認識するはずが無いではないか!

 何をうろたえた弁解をしているのか! と言いたい。

 九電は、「第三者委員会の報告」に対する『弁解記者会見』にしろ

上記の最高権力者松尾会長の言い訳にしろ全く馬鹿げている。

 まさに文字通り『おバカ』と言う他はない。 

     *****************
 このスクープを退職者も含む周辺取材をきちっとやって、全体像が分かり易い

記事にした「西日本新聞 取材班」 にエールを送りたい。Good Job !

引続き頑張って重要情報を公開していただくように望みます。頑張って!

 なお、Web上では今のところこのスクープの後追い取材をしているメディアは

見当たらない。 それだけ他も追随できない凄いスクープだし、一方では

原発と電力会社の圧力の凄まじさを物語るものでもある。

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【九電会長親族の会社 多額受注 原発関連など】
 西日本新聞 - 2011年9月23日 10:06
 

 九州電力の松尾新吾会長の親族が創業した福岡市の建設会社が、建設業法が義務付ける専任技術者を2005年以降常駐させず建設業の許可要件を満たしていないのに、九電や関連会社が発注した原子力発電所などの下請け工事を同年7月から5年間に少なくとも約5億6千万円分受注していることが西日本新聞の取材で分かった。専任技術者として登録された男性は「名前を貸しただけ」と証言。国土交通省建設業課は「常勤していなければ違法で許可取り消しもあり得る」と指摘、福岡県は近く建設業法違反の疑いで調査を始める。

 複数の関係者は「創業者が九電会長の親族ということでゼネコンなどの下請けになり、実際の仕事は別の会社がした」と話した。松尾会長は22日夜の取材に「工事をとれるよう口利きしたことはない」と否定。一方で「ゼネコンに(親族の会社を)よろしくと連絡したことはある。九電会長としてではなく親族として伝えた」と述べた。

 この会社が県に提出した工事経歴書や民間信用調査会社の調査報告書によると、1992年に現在取締役を務める男性(51)が創業した。本社は賃貸マンションの一室で従業員は4人。特定の大手ゼネコン(東京)などから九電関連の土木や原発構造物建設などの工事を下請け受注し、建築以外を含めた05-10年の受注総額は約13億7千万円。調査会社は「工事能力が乏しいもようで外注依存率が高い」と指摘する。

 県から建設業許可を得た05年から専任技術者になっている男性は「たまに仕事をもらうが常駐していない。給与をもらったことはない。設計図を描ける社員はおらず九電関連の大きな仕事ができる力はない」と話す。

 関係者によると、九電の関連会社が07年に発注した「渡辺通2丁目開発計画北ビル新築工事」では元請けのゼネコンから約1億8千万円の工事を請け負ったが、実際は孫請けの3社が施工した。取材に対し3社は「ゼネコン側から契約の窓口としてこの会社を使うよう指示された」と言い、ゼネコンは「個別の契約については答えられない」と回答した。

 玄海原発(佐賀県玄海町)や川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の関連工事でこの会社に複数の下請け工事を発注した商社の元従業員は「創業者が九電会長の親族なので、九電から工事を得るために下請けにした。ただ工事能力はなく別の業者が施工した」と述べた。

 創業者の男性は取材に対し、自分は松尾会長のいとこの子にあたるとしたが、工事受注の経緯については「九電とも松尾会長とも一切関係はない」とし、受注した仕事は「監理監督を行っており川内原発には人も入れている」とした。

=2011/09/23付 西日本新聞朝刊=
 




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