※神戸弘陵
中盤や後方の選手は全般視野が広く効果的なサイドチェンジからチャンスを広げていく場面が目立った。前線の選手は難しい体制からでも枠をしっかり捉えたシュートが打て、相手に脅威を与えていたが、ミドルレンジからのシュートはやや粗っぽく、課題を残したがシュートに対する積極的な姿勢と意識の高さには見るべきものがあった。何より感心したのが走ることに対する姿勢。相手がマイボールになると決めつけ走るのを緩めてしまっても、最後まで諦めず全力でボールを追いかけたことにより、さらに相手に脅威を与えた場面が幾度となくあった。試合終了後、相手よりはるかに顔が苦しさにゆがんでいたのがその象徴であり勲章であろう。守っても序盤こそ相手に主導権を握られたが、以降は相手に決定的な場面を全く与えなかった。常に相手と激しく泥臭く競り合い、接点の攻防で殆ど勝ったことが要因かと思われる。最終ラインや中盤の選手のパスセンスが高く前線にもテクニックやスピード、体そのものの強さといったそれぞれ特徴を誇る選手を揃えているだけに、キーパーからのつなぎの意識をもっと高めていけば、ボール支配率を意識した相手に、それを特別意識したサッカーをせずしてボール支配率で勝ることが出来ただけに、もっと安定したサッカーをすることが出来、プリンスでの戦績も安定して、プレミアをも視野に入れることができるかと思われます。今日の内容見ると、今日がプリンス初勝利とは思えぬ内容だったが、前節からスタメンを何人か入れ替えており、テコ入れも功を奏したのかもですね。
イチオシプレーヤー
※神戸弘陵
DF山口5:CBの位置からの精度の高い前線へのクロスや、目先を変えるサイドチェンジが効果的で、しばし攻撃の起点になっていた。
DF大濱6:左サイドからのドリブルスピードと相手の複数の選手の寄席を鋭く切り裂くテクニックには目を見張るものがあった。そして何よりよく走った!最後ついに足が釣ってしまったのは勲章であろう。
MF多田18:前半40分に先制ゴールを決める。スピードとテクニックが印象に。
MF下山7:ボランチらしく相手の目先を変えるサイドチェンジからチャンスを演出するなど、視野の広さが光った。
MF坂口8:下山とは対照的に強さが前面に出たボランチ。左足からのシュートは相手に寄せられた中でも強烈かつ枠を捉えており、相手に脅威を与えていた。
MF土井9:右サイドで強さを発揮し、相手に囲まれても倒されない粘りを見せていた。
FW河田14:前線でテクニック、スピードを披露。体の強さが出てくれば、得点できるFWになるであろう。
MF高久保22:後半から出場して左サイドをドリブルで切り裂き、交代の期待に見事に応えていた。
MF安達16:先制ゴールをアシスト。ゴール前で相手を切り裂いた鋭いドリブルテクニックが光った。
FWベハラノ10:前線での強さとオフザボールの動きに見るべきものがあった。
※大阪桐蔭
GK上田1:前節に続き大敗でもおかしくないゲーム内容の中、前節に続きファインセーブ連発でゲームを引き締めた。こうもファインセーブが出来る要因のひとつに、手の出し方の基本、がしっかりしていることが挙げられるかとおもわれる。日本は野球の文化のため、時に野球で言うところの逆シングルのような手の出し方をするGKがいるがこのGKは自分から見て右に打たれれば右手を、その逆なら左手を素直に出すことが出来ていた。前半40分の失点は完全に崩されてのもの、GKの責任でなど到底ない。今日もキックフィールドに長けた側面を存分に発揮し、2列目の選手の胸元へロングキックを吸い込ませていた。ただミスもあったため今後はさらに精度を上げることかと思われます。いつ見ても存在感が際立つキャプテンは、チームに欠かせぬ存在であろう。
DF黒川2:左のサイドバックの選手だが今日は特に後半、ボランチの位置にまで切れ込んで、存在感を示していた。
DF實井4:CBとして序盤の決定的なピンチを最後の最後、体を張って相手に自由にシュートを打たせず相手の先制ゴールを阻止した。
DF植田3:特に後半、相手との競り合いの中で体の強さと足さばきでディフェンスでの役目だけでなく、攻撃の起点となるパスを前線にフィードしていた。
MF福島裕16:今日も左サイドをドリブルで仕掛けるスピードに見るべきものがあっただけでなく、今日は体の強さでも存在感を示しており、FWで使っても面白いのではないかと感じた。いつ見ても光るプレーを見せており、ピッチに欠かせぬ選手だと思うがどの試合も試合の半分しか出場出来ていない。何かしら原因があるのであろう。課題を克服し、大差でリードでもない限りは、フル出場させてもらえる選手に、早くなってほしい。
MF遠藤9:今日もボランチらしい柔らかいボールタッチを見せる。いつ見ても光るものを見せる選手で、この選手もまた、勝利が決まらない限りは、ピッチに欠かせぬ選手だと思われ、実際にここまでフル出場を果たしている。今後はチームに勝利をもたらす働きが期待される。
FW川辺11:今日も前線で強さを発揮し、途中から左の2列目にまわり、後半途中で交代。いつ見ても光る強さを見せており、大勢決しない限りはピッチに欠かせぬ選手だと思うが前節に続き途中交代。何かしら課題があるのであろう。フル出場させてもらえる選手に、一日でも早くなってほしいですね。
大阪桐蔭は上記に載せた選手以外の選手も含めて個々は粒ぞろいですが、チームとしてのサッカーはまだまだ。インターハイ予選までにどこまでチームとしてのサッカーの質を高めることが出来るかですね。そこが上がってくれば、ここ数年、あと一歩のところで届かないプレミアへの道が開けるかもですね。
以上です