じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

金光大阪 大阪桐蔭

2019-07-27 15:30:14 | 高校野球

✳投手力

金光大阪:エース右腕鰺坂選手で来るかと思いきや背番号14の小柄な左腕辻本投手を先発マウンドへ。球威あるストレートは力で押してくる、今期の大阪桐蔭打線が得意としている?タイプの投手と思いきや、3回のピンチの場面で相手の左の中軸に対しベース付近からたて割れする変化球とストレートのコンビネーションで斬ってとりピンチ脱出。こうして緩急つけてコースを丁寧につく投球で7回1失点と好投。8回から登板のエース右腕の鰺坂選手、秋のように押してばかりでなく、こちらもまた、押したり引いたり、が出来ていました。この投手起用、及び二人とも期待に応えた投球をしたことが勝因に見えました。守備は秋と違い内野だけでなく、外野もよく鍛えられて見えました。

大阪桐蔭:中田投手の投球は素晴らしいの一言でした。腕振りなど力入れて見えなくとも球速そのものを感じさせるストレートを投げることができ、スライダーの切れ、出し入れも申し分なく、緩急もよく使えてました。最後は一瞬、勝ったと思い、相手も無死一二塁、2点差を追い付くことがさほど難しい事ではないことが、頭から消えてしまったのかも知れません。が、それまでの試合状況を考えると、だとしても責めることはできません。プロに行くべき投手だと思いますし、志望届けが出されれば、プロは彼を指名すべきだという思いに変わりありません。

 

✳打力

金光大阪:秋同様、打線は全国を狙うには、やや不安が残るように感じました。

大阪桐蔭:とにかく打てなかった事が最大の敗因。摂陵戦、大冠戦共にしっかり引き付けて打てていたケースが目立っていたため、秋からの課題に見えた球速特別でなくとも球筋を感じさせるストレートを投げることができ、変化球も交えて緩急自在にコースを丁寧に投げるタイプの投手が相手でも同様に出来るようになっていると期待しましたが、残念ながらそうしたタイプの投手を前にすると秋春と同様でした。そうした球を下半身等でしっかり我慢して引き付けてガツンと弾き返す体の強さが、例年と比べてやや足らなかったのかも知れません。そうした球を待ちきれなかったり崩されたりが、年間通して目立ったように見えました。

 

✳金光大阪

課題の得点力を投手陣を中心としたディフェンスでカバーしきれるかどうかが、12年ぶりの夏切符への鍵かと思われます。

 

✳大阪桐蔭

序盤に仲三河選手、吉安選手、二人の左の強打者が相手の左に手玉にとられ、相手が遅かれ早かれ右のエースに代えると分かっていても先に彼らを下げざるを得なくなり、それでも何とか先取点を奪うも次の1点が捕れずに直後の守備で西野選手がやらかしてしまう。事なきを得たもののバッティングでも精彩を欠いたところで右にスイッチされ右の強打者まで下げざるを得なくなる。こうして、1-0で逃げ切りにかかる形に、いわばもっていかされた格好になった大阪桐蔭。そのまま逃げ切れれば良かったが9回に追い付かれてしまう。采配が終始後手後手にまわってしまい攻めていかなければならない場面で攻め駒の多くをベンチに下げてしまっており、加えて投手に代打を出すべき場面で他に投げさせられる投手がおらずそのまま打席に向かわせざるを得ずと、いわば9回終了時点で手詰まり感が強い中でしかも先攻という中で、よく14回まで持ちこたえたと思います。その粘りたるや、賞賛に値すると言っても、過言ではないと思いました。3年生の力で、そこまで粘れたのだと思います。新チームが甲子園に出る。さらにはそこで大きな結果を出せるかは、入学初日からの積み重ねがどれだけのものかどうか、藤江投手はじめ2年生投手陣がいかに奮起するか、等々かと思われます。