※関西学院(兵庫)
思いのほかフィジカルの強いチームでした。
※静岡学園(静岡)
ポゼッションサッカーのこだわりの強さを感じました。そうしたサッカースタイルはともすればシュートの決断力を鈍らせ決定力不足へとつながったりもするものですが、同校の場合一方で相手の少しの隙も逃さず難しい体勢からでもシュートを放ってゴールする個々のクオリティーの高さも感じました。準決勝で青森山田に0-4の大敗でしたがサッカースタイルの相性からのものにみえ、点差程の力の差は感じませんでした。
※青森山田(青森)
まるでユースか大学生のチームを見ているようでした。ポゼッションサッカーができるだけのテクニック、パスワークがありながら準決勝の静学戦ではキーパーがほとんどパントキックでしたのでここは静学のように自分たちのサッカースタイルにこだわるのではなく勝つことに最大のこだわりをもってプレーするチームと思ってみてましたが、決勝の米子北のような堅守速攻型の相手でも同様に前に前にと圧をかけ続けていましたので、静学がポゼッションならこちらはハイプレスサッカーへのこだわりを感じさせ、それを可能にするだけの体の強さ分厚さも十二分に感じさせるものがありました。その様はまるでドイツサッカーを見ているようでしたが、であるがゆえに力では明らかに勝ると思われた米子北相手に徳俵まで追い詰められたのかなと思ってみてました。
※米子北(鳥取)
パッと見の強さは全くと言っていいほど感じませんでしたが決勝で青森山田に敗れたとはいえ徹底した堅守速攻で絶対本命をとことん苦しめた様は、見栄えがしないにも関わらず鮮やかそのものでした。単にブロックを形成するだけでなく相手が自陣で少しでも休みにかかると逃さずハイプレスに転じゴールに迫り、相手に少したりとも精神的休息を与えていませんでした。特別上手くなくとも、特別体が大きく分厚くなくともやりようによって全国トップクラスと堂々と渡り合えるということをインターハイで示し、日本中の高校サッカー男子に希望を与えたかもしれません。
※静学、青森山田、米子北を見てるとまるで昭和から平成10年頃までのフランス、ドイツ、イタリアの相性相関図を見ているようでした。キーパーから丁寧につなぐフランス(静学)はそんな彼らに、彼らにとっての自陣めがけて猛然とプレスを仕掛けるドイツ(青森山田)に自陣でボールを奪われショートカウンターで畳み掛けられ勝てない。ドイツ(青森山田)のようなハイプレスサッカーはイタリア(米子北)のようなカウンターサッカーのチームにハイプレスの背後を突かれ勝てない。イタリア(米子北)のように引いてブロックを形成するサッカースタイルのチームはフランス(静岡学園)のように後ろからじっくりパスをつないでくる相手に誘き寄せられ徐々にブロックを崩され勝てない。そんな関係の高校サッカーバージョンを見ているようでした。
※大阪桐蔭は上記学校、特に静岡学園、青森山田と比べると諸々差が感じられ、現時点では全国制覇を狙う力はまだないと感じましたが、怪我か何かしらの事情でピッチに立てていない主力級の選手が戻ってきて、外から見て感じられるベストメンバーを組めることができれば、てっぺんへの期待も現実味を帯びてくるかと思われます。