じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

大阪桐蔭 近大附属 履正社 大阪偕星 

2019-05-03 08:01:21 | 高校野球

✳投手力

大阪桐蔭:今大会全ての試合で先発してる2年生左腕藤江選手、これまでより球走ってましたしスライダーの切れも良かったです。緩い球投げるときに腕の振りも緩んで置きにいってしまってたのは課題として残りました。7回6失点。6回の4失点は自らのミスを連発でピンチを広げ一死二三塁となり0-0の展開からしてコースヒットの危険性が高まる前進守備をとらざるを得なくなり、その通りに打ち取った内野ゴロが前進守備の影響で抜けてしまい先制点献上。さらに一三塁でこれ以上点はやれないという追い詰められた気持ちと、ここまでまともな当たりはほとんど打たれていないという変な安心感のコラボだったのかどうかは実際は分かりませんが、スーっと中に入れてしまったところをガツンと3ランいかれたことによるもの。それ以外にもそれまでは外角低めワンバンなるスライダーがベース付近から曲がって空振りとるのに有効だったのが、失点した6,7回は6回に遥か手前でワンバンしてWPでピンチを広げたのを皮切りに、本人はボール球のそれで空振りさせるつもりでも中に入ってしまいファウルで粘られる場面が目立つようになる。秋の関大北陽戦でも追い詰められた場面で投げ、その時は膝元にズバッと突くなど度胸を感じた制球力で凌いで見せたがこの日はその時と違って長いイニング投げた末に追い詰められたこともあってかこらえきれず。まだ本当の意味で長いイニング投げる力がないということかと思われます。秋は4,5番手位の扱いでのそうした場面だったので無我夢中でいけたと思われますが、この日は下級生とはいえ主戦格でそうした場面を迎えたがためにこらえきれなかった。秋より成長はしているが大阪桐蔭で主戦格で投げるにはまだまだといったところかと思われます。最後2イニングだけ投げた本格派右腕中田選手、秋から進化した。というよりは、ようやく本来の力を出しつつある。という印象に変わりはありませんが、相手のレベルが上がればまだまだ危なっかしかったです。

近大付属:スリークォーターの本格派右腕のエース梅元君、ストレートの走りは秋ほどではなかったですが、秋より緩急自在で制球も良かった事が、大阪桐蔭を1失点に抑えた要因かと思われます。冬の間に腕のどこかでも痛めた事で秋ほど腕を振って投げれなくなり、その分緩急と制球で勝負が効を奏した。いわば怪我の功名だったりしてと邪推しながら見てました。初球、特にイニングの先頭打者へのそれがほとんどが外角のストレート、それも甘めのところでストライク取りにいってたのはこの日はうまくいきましたが、秋と同様、捕手のリードは課題に見えました。

履正社:切れのあるストレート投げる左腕エースの清水選手が先発し7回1失点。ですが成績以上に打たれた印象で、今後に向けやや不安も残ったかと思われます。割りとカンカン弾き返されてましたので、球威という点で課題が残るのかも知れません。残り2イニングは背番号11のオーバーハンド右腕坂口投手が締める。上体が流れてボールに力が加わっていなく見えた場面がちらほら見られ、この日もフォームに課題を感じました。

大阪偕星:この日の先発はオーバーハンドのエース右腕福田くん。秋と同様、いや、秋以上にストレート力を感じました。リリーフした投手はいずれも強敵相手や大事な試合、場面では難しそうに見えました。            

 

✳打力

大阪桐蔭:秋からここまでを見ていると威力あるストレート等で強く押してくるタイプの好投手には強いがストレートは及第点レベルで緩急自在に制球良く丁寧に投げる投手に3点以内に抑え込まれるケースが目立つように感じています。特に緩い球をしっかり引き付けて打てておらず、振ることは出来ているのにどこかそれが弱々しく見え力のない打球が飛ぶケースが目立って見えます。原因はいろいろ考えられますが、その中のひとつに配球読んで狙い球を絞る事が出来ていないということが考えられるかと思われます。入ってくる球をしばくというだけでは上記のようなタイプの投手は打てないかと思われ、イニングの先頭や一塁に走者がいる場面など、相手が四死球出したくない場面では配球が読みやすいかと思われ、そうした場面でまわってきた打者は特に配球読んで狙い球を絞って打ちにいく必要があるかと思われます。この日の相手バッテリーは初球外のストレート、それも甘めのでカウントとりにきた場面が目立って見えたにも関わらずそれをほとんど見逃してストライク先行されており、いかにどの打者も自分が打ちたい気持ちだけで打席に立っていたということかが、その事からも伺えるかと思われます。相手のあるスポーツで相手の立場に立って勝負に臨めなければ、勝つこと打つことなど出来ないかと思われます。そうした投手は四死球も与えてくれませんからなおさらです。

近大付属:秋同様、しぶとさを感じる打線に見えますが、例年通り、打線には不安が残るかと思われます。

履正社:この日は先日と違って打線がつながって見えました。

大阪偕星:上位には力のある打者もいるがチームとしては淡白さが目立つ。秋からの印象と変わりません。

 
 

✳大阪桐蔭:四球を与えてくれない相手への対応が課題かもと先日までの事で思った事がまさにもろに現実になってしまって見えました。走塁は向上の跡が見えますし守備も良くなってきていると思います。投手は中田投手が今大会短いイニングで発揮したポテンシャルを先発完投しても発揮出来るようになる。仲三河選手が投手として完全復活を果たす。中田投手のところで触れたことが出来る投手が新たに出現する。これらのうち最低2つ果たせてないと投手は夏は厳しいかと思われます。夏は投打に一年生が各1名はメンバー入りするかと推察しています。野手はもう1人くらい入ってくるかも知れません。専任の外野が手薄ですし。

 

✳近大付属

例年より得点力があるかもと秋思ったりもしましたが結局今年もエース中心のチームかと思われます。

 

✳履正社:走塁は先日よりは積極的に勝負出来ていたかと思われます。打つ方は先日よりつながり良く見えましたが、投手は夏も主戦格になるかと思われる清水、植木両選手が共に目立って打たれてはいないもどこかしら恒常的な不安を感じさせて見えることは、今後の懸念材料かも知れません。

 

✳大阪偕星:秋に投手として活躍した坪井君が秋の近畿大会同様何故最後まで投げなかったのかは分かりませんが、この選手が今後も投げないようなら、夏は厳しいかと思われます。坪井君以外の投手の育成という点では福田選手が秋より進化して見えたのは好材料、個々の打力に見合う得点力を身に付けることが課題かと思われた点は、秋から変わってないかと思われます。そこが克服されれば、夏、面白い存在になってくるかと思われます。