じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

摂津 大産大附 大阪桐蔭 香里丘

2018-09-17 18:33:19 | 高校野球

✳防御力

摂津:エースの左サイドのストレートはまずまず及第点。時折切れを感じるのがきてたように思いますが、ややぐちゃぐちゃに見えた腕の振りがもう少し投手らしくなれば、そうしたストレートが常時いくようになるかと思われます。何より良かったのが変化球。ベース付近から曲がっていたため、打者は見極めがしづかったのではと思います。リリーフした長身右腕の10番だったと思うのですが、その投手も上手からまずまずの球投げてました。守備は特に外野の一歩目が速くそれが守備範囲の広さにもつながり、、それが相手の進塁をひとつ前で止めていたように思います。

大産大附:背番号10の右のスリークオーター気味のサイド、吉村君?とか呼ばれていたように思いますが、こちらもストレートは及第点。腕が伸びきった感じだったため、もっと肘を使って投げる事ができるようになれば、もっと球の伸び、切れを感じるストレートが投げられるようになるかと思われます。攻略されてしまった最大の要因は変化球。切れも良く制球もされてましたが、曲がり始めが早かった分、相手に食らいつかれてしまいました。もっとベース付近から曲げられるようになれば、この日の相手なら3点以内には抑えられるようになるかと思われます。リリーフした小柄なスリークオーター左腕のエースのストレートも及第点。変化球もベース付近から曲がるのも時折きていたように思います。守備は課題が多く見られました。内野は試合前のボール回しがまだまだつたなく、それが試合にも出てしまい、バントされただけで揺さぶられてしまってました。外野は動きは良かったですが、内外野共に球際やや無難に行きすぎて見え、もう少し勝負に出ていればアウトにできたかもな?ってな場面もありました。これら諸々が、攻略されてしまった要因かと思われます。センター、ショートの動きや送球が良かったです。

大阪桐蔭:主戦と思われる投手陣がまだ公式戦で投げておらずチームとしての投手力は未知数。ややスリークオーター気味のオーバーハンド右腕新井9は以前よりストレートに伸びが感じられるようになっており、スライダーの出し入れが良かったです。オーバーハンド右腕縄田10は15日の堺工科戦ではやや球の走りが悪く見え、その日同様リリーフした香里丘戦でも立ち上がりは今一つでしたが、そこを無難に乗り切ったことでほぐれたのか、回をおうごとにストレートの走りが良くなり、何よりブレーキの効いたカーブが良かったです。香里丘戦で先発した小柄なオーバーハンド左腕河野15はこの日は今一つでしたが、ストレート等ひとつひとつの球はまずまずでした。この日の最後1イニングを任された一年生のオーバーハンド左腕藤江19は以前より球の伸び、球威、切れいずれも増しており、相手に怖さ鋭さを感じさせるボールを投げる事ができていました。内野手の山田5も堺工科戦で投げましたが、この選手は基本はあくまで野手かと思われます。下で踏ん張れない難しい体勢からでもファーストへ正確な送球ができる体の強さ、上半身の強さには見るべきものがありました。守備は堺工科戦ではボール回しからしてひとつひとつの動きが遅くてぎこちなかったですが、2日後の香里丘戦ではその時よりも動きが良くなって見えました。ただ、捕手とニ遊間の連係が今一つで、相手に版で押したように走られていたのは気になりました。これらは実戦経験の少ない世代ならではの課題かと思われ、それを重ねることによって改善していくものと思われます。石井のリードが以前より良くなって見えるのも、明るい材料かと思われます。

 香里丘:強敵相手に大量失点しましたが、華奢なスリークオーター気味のオーバーハンド右腕の背番号10、どっしりとした体型のオーバーハンド右腕エース共に、ストレートなどひとつひとつのボールは決して悪くなかったです。特にエースのカーブの切れとコントロールには見るべきものがありました。守備に特別な印象はありません。

 

✳得点力

摂津:ひとりひとりの打力は非力でしたが、各打者の食らいつく姿勢とバント等での揺さぶりで、強豪私学のディフェンスを攻略しました

大産大附:下位打線に課題は感じたものの、上位打線はなかなか力強く、チームとしての得点力も及第点のものがあるとは思いました

大阪桐蔭:堺工科戦では各打者本来の振りができておらずやや物足りない内容でしたが、経験の少ない世代が初の公式戦を終えてほぐれたか先制されて目が覚めたかそれとも相手投手との兼ね合いかは分かりませんが、香里丘戦では各打者良く振れていました。そして何より、各打者周りで今のストライクやろ❗との声が聞かれる位際どいところをくすりともせず自信をもって見送り、四球選ぶかカウントを自分有利に持ち込んでいた姿には、感心しました。先にも触れたように、香里丘の二人の投手は、一戦級かどうかはともかく、ストレート、変化球共にそこそこの球は投げる事ができており、そうした投手を序盤であっさり攻略したことは、評価に値するかと思われます。

香里丘:昨年は非力さを補う攻めの工夫で勝ち進みましたが、この日は早々に点差をつけられてしまい、それをやることが出来ませんでした。

 

✳摂津

投打共にまずまずレベルですが、非力さを補うベンチワーク等工夫で勝ち進むんで、21世紀枠の権利を得る可能性は十分あるかと思われます

 

✳大産大附

得点力は及第点。投手を含めた守備力を高めていけば、全国レベルのチームになれると感じました。投手も悪いわけではなく、守備も動きそのものは良いので、そうなる可能性は十分あるかと思われます。

 

✳大阪桐蔭

今期も投打に全国クラスでバランスがとれた戦力であるかと思われます。そして、投打共に全国制覇するだけの決め手になりうる可能性を秘めているかとも、思われます。ただ、旧チームの夏のメンバーが二人しかいなかったことによる実戦経験の不足が、特に内野守備に表れており、今後のそれ次第では、この日大産大附がやられたような足元のすくわれかたで、センバツへの可能性が絶たれてしまう危険性もまた、同時にはらんでいるかと思われます。この秋の浮沈は、投打の力強さを前面に出した、まるで夏の戦いのごとき力の野球を強敵相手でもできるかどうか、なのかもしれません。次の金光戦では中田、仲三河かでくるものと思われます

 

✳香里丘

旧チームは秋は銀河系軍団と表された大阪桐蔭に食らいつき、夏もベスト8まで勝ち進む。それに対して今期の秋はさほど見せ場もなく同じく大阪桐蔭相手に力負けしましたが、戦力的には旧チームと同等のものはあるかと思われます。