宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

「日本共産党99周年ー『命を最優先』の政治の実現に全力を挙げ、日本の未来を開く決意」

2021年07月15日 | 日本共産党の歴史と役割

 日本共産党はきょう創立99周年を迎えました。「しんぶん赤旗」には各界の著名人の方々のコメントが掲載されました。大変激励されました。15日付「主張」は「コロナ感染拡大と政府の失政によって国民が重大な苦難を強いられる中、日本共産党は『命を最優先』の政治の実現に向け全力を挙げています。日本の未来を開くため、役割を果たす決意です」と「決意」を表明しました。

 私は、戦前の党活動の経験はありません。この間、地区党学校で「党史」を担当しました。組み尽くせない戦前の先輩たちの活動と教訓が日本共産党の原点だということを改めて学びました。そいした思いから、「綱領」の第1章の一部を紹介させていただきます。

 日本共産党の綱領の第1章「戦前の日本社会と日本共産党」の冒頭部分には、次のように記述されています。

「日本共産党は、わが国の進歩と変革の伝統を受けつぎ、日本と世界の人民の解放闘争の高まりのなかでに、1922年7月15日、科学的社会主義を理論的な基礎とする政党として創立された

「侵略戦争は、2千万人をこえるアジア諸国民と3百万人をこえる日本国民の生命を奪った。この戦争のなかで、沖縄は地上戦の戦場となり、日本本土も全土にわたる空襲で多くの地方が焦土となった。1945年8月には、アメリカ軍によって広島、長崎に世界最初の原爆が投下され、その犠牲者は2十数万人にのぼり(同年末までの人数)、日本国民は、核兵器の惨害をその歴史に刻み込んだ被爆国民となった」

「ファシズムと軍国主義の日独伊三国同盟が世界的に敗退するなかで、1945年8月、日本帝国主義は敗北し、日本政府はポツダム宣言を受諾した」

「反ファッショ連合国によるこの宣言は、軍国主義の除去と民主主義の確立を基本的な内容としたもので、日本の国民が進むべき道は、平和と民主的な日本の実現にこそあることを示した。これは、党が不屈に掲げてきた方針が基本的に正しかったことを、証明したものであった」


「学術会議会員任命拒否、新型コロナ問題ー日本共産党の存在意義かけるたたかいの局面」

2020年11月11日 | 日本共産党の歴史と役割

 日本共産党の小池晃書記局長は10日、通内通信を通じて全党に「緊急の訴え」を行いました。党員向けの「訴え」ですが、「しんぶん赤旗」11日付に全文が掲載されました。「訴えの冒頭」と「学術会議問題」に関する部分を紹介させていただきます。

【冒頭部分】

「今日、緊急に全党の同志のみなさんに直接訴えることにしたのは、日本学術会議の会員任命拒否のたたかいでも、新型コロナから国民の命とくらしを守るとりくみでも、いま日本共産党が、その存在意義をかけて立ち上がるべき、重要な局面を迎えているからです」

「この2つの国民的課題で運動を起こし、来るべき総選挙を、政権奪取の歴史的選挙にしていくために、総選挙を前面に、党員拡大を根幹とする党勢拡大を中心に、全党が一斉にうってでて、党躍進の勢いをつくりだそうではありませんか」

【学術会議問題でたたかいの先頭に】

「日本学術会議への人事介入問題では、衆参予算委員会の論戦で、4日に志位和夫委員長、6日に私が、質問に立ちました。志位委員長は、菅首相による日本学術会議会員の任命拒否について、そもそも拒否の理由が成り立たないこと、日本学術会議法にも、憲法23条の『学問の自由』にも違反すること、科学者の戦争への総動員という歴史を繰り返してはならないこと、表現・言論の自由の侵害につながる全国民の問題であることを、一つ一つ具体的に明らかにして追及しました。菅首相はまともに答弁できず、任命拒否の根拠は”総崩れ”となりました」

「私の質問では、菅首相が『今回は推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らなかったものが生じた』という新たな説明をもちだしたことについて、会員の選考と推薦の段階から政府が介入するという『露骨な政治介入宣言』だと追及しました。日本学術会議元会長の大西隆氏は、『首相の言う”調整”が”推薦名簿の変更”を意味するものであれば、調整した事実はない』ときっぱり反論しています」

「首相の突然の言い訳は、学術会議側に責任をなすりつけて、任命拒否を合理化しようとする卑劣なウソであることは明確です」

全党のみなさんに訴えたいのは、いま広がっている学会や団体のみなさんの抗議に連帯し、菅政権を徹底して攻め抜いて、国民の世論と連帯で包囲しようということです。菅政権は、さまざまなウソを言い募り、日本学術会議を『閉鎖的』『既得権益』などと攻撃し、国民と科学者の間に対立と分断を持ち込み、卑劣きわまりない姿勢をあらわにしています」

「この問題は、任命拒否された6人だけの問題でも、日本学術会議だけの問題でもありません。日本国民全体にとっての大問題です」

「戦前、滝川事件、天皇機関説事件など、学問の自由がはく奪されていった結果、何が起こったか。科学者は戦争遂行のための軍事研究に総動員され、さらにすべての国民の自由の圧殺へとつながり、侵略戦争の破滅へとこの国を導いたのです。この歴史を決してくりかえすわけにはいきません」

「日本共産党は、戦前の天皇絶対の専制政治の時代から、侵略戦争に反対し、国民の自由と人権をかちとるためにたたかいぬいた政党です。誇りある歴史をもつ党として、国民的たたかいを広げる先頭に立って、奮闘しようではありませんか」

 


「本物の社会主義の自信。具体的で哲学があった」-元公明党副委員長 二見伸明さん

2020年07月23日 | 日本共産党の歴史と役割

「しんぶん赤旗」23日付は、志位和夫日本共産党委員長が15日行った、「記念講演」に対する反響が掲載されています。私も早速読まさせていただきました。2人の方の感想の「要旨」(私の主観で大変申し訳ありません。全文を是非、同紙でお読みいただきたいと思います)を紹介させていただきます。

【本物の社会主義の自信満ちあふれる。すごく具体的で哲学があった】-元公明党副委員長 二見伸明さん

「『新自由主義の破たんがすっかり明らかになった』という出だしからすごかったからね。本質をついたスケールの大きな話で、すごく具体的で哲学があった」

「コロナ危機について語りながら、浮き彫りになった格差の拡大、医療崩壊など危機の根底にある新自由主義を真っ向から批判し、『資本主義という体制そのものが問われている』と喝破しました」

「『うーん』とうなったのは、アメリカの経済誌『フォーブス』の記事を紹介したところ。米国の1000人の調査で、『社会主義に賛成』が『資本主義に賛成』を上回ったというものだ。若い柔軟な発想で、自分の未来への希望を率直に表明したんだね」

「志位さんが語る根本的解決の展望。人権の尊重、格差を是正し環境を守る。本物の社会主義・共産主義にたいする自信に満ちあふれていたね。一方で、中国の覇権主義を厳しく批判した、旧ソ連や中国がいう『社会主義』とは全然違う」  

「世の中を変えるには、根本の考え方を変えなきゃだめなんだよ。新自由主義をちょっと修正して切り抜けようだなんてムリだね。志位さんの話を聞いて、オレ、そう思ったから」

【『当たり前』がきちんとできている党。時代が共産党に追いついてきた】

 ー思春期アアドバイザーあかたちかこ さん

「まずはこの党創立記念講演という大きな場で、『ジェンダー平等』が世帯主規定の廃止とともにきちんと語られたことを、口では『当たり前だろ』と言いながら、内心とてもうれしく思います。わたくしたちのこの国では、その『当たり前』が、ずっと蔑ろにされ続けてきたらです」

「この、共産党の大きな特徴のひとつである、『当たり前に行われているべきなのに全然できていないことが、きちんとできている』は、今回の記念講演でも遺憾なく発揮されていました」~中略~

「相変わらず、共産党は徹頭徹尾『まとも』です。コロナで時代は否が応でも進み、その結果、時代が共産党に追いついてきました。そんな中で迎えた98周年。 共産党が、なによりも『人』を大切にしている政党であることを、そして、わたくしもそこに加担していることを誇りに思いながら、この98年という1年を世界を観察し続け、自分を観察し続け、学び続け、対話し続ける1日1日として、積み重ねていきたいと思いました」

 

 

 

 

 


「共産主義が正当に評価されるべき時が来ている」ー憲法学者 小林 節さん

2020年07月16日 | 日本共産党の歴史と役割

 日本共産党は昨日、党本部で党創立98周年記念講演会を開き、志位和夫委員長が「コロナ危機をのりこえ、新しい日本と世界をー改定綱領を指針に」と題して講演しました。私もオンライン中継で視聴しました。新しい提案を含む大きな構想の講演だと感じました。「しんぶん赤旗」16日付では、要旨が報道されましたが、明日以降の「講演」内容の掲載に期待しています。

 昨日の記念講演会では、憲法学者の小林節さんら4名の方々からのビデオメッセージが紹介されました。以下、小林節さんのメッセージ内容を、「赤旗」紙から紹介させていただきたと思います。

「98歳おめでとうございます。あと2年間で100歳ですけど、それまで頑張ってぜひ政権に入ってほしいと願っています。最近の選挙を見てますと、肯定的な話をすれば、かつては夢物語だった野党共闘の形が見えてきた。そしてその中における共産党のイニシアチブ(主導)が高まってきたのが事実です」

「ただいつも惜しいと思うのは、よいたたかいをしている最後にいわゆる反共宣伝が出てきます。いろんな現場で拝見して、私は知ってるから反論しますけど、党員による反論が少ない。そういう批判を無視すると見ている中間層の人がひいてしまいますので、ぜひ言いがかりには反論してほしいと思います」

「共産党の最近の政策を見ていると、明日でも与党ができるような立派な政策を掲げています。大事な点は、共産主義という言葉は、国の富の目的を国民の福祉のために向ける、とてもいいことだと私は最近気づいています」

「それに対して資本主義とは、国の富の目的は資本家の喜びのために富を自己増殖する。あしき資本主義がいま花開いているじゃないですか」

「いまこそ共産主義が正当に評価されるべき時が来ていると思います」

「あと2年間、大変でしょうけれどもめげずに頑張って、すばらしい100年目を迎えてほしいと思っております」


「科学的社会主義の革命政党の誕生は、日本の社会進歩の事業に大きな意義をもった」

2020年07月15日 | 日本共産党の歴史と役割

 全国で豪雨災害で亡くなられた方に心からお悔やみ申しあげます。また、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。

 日本共産党は98年前の7月15日創立されました。創立大会は、東京渋谷の民家で開かれ8人が参加したと記録されています。不破哲三さんは、「日本共産党史を語る」(上)のなかで次のように述べています。

「創立大会というと、かなりの数の人が集まった会合を想像するかもしれませんが、そうではないのです」(同書26頁)「集まったのは8人の共産主義者でした。研究者が調べて、その8人は、堺利彦、山川均、近藤栄蔵、吉川守圀、橋浦時雄、浦田武雄、渡辺満三、高瀬清だったことが分かったいます。ほんとんどが明治以来の社会主義者でした」(同書27頁)

【科学的社会主義の革命政党の誕生の意義】

 不破さんは、日本共産党誕生の意義について、次のように述べています。

「8人からなる創立大会でしたが、科学的社会主義の革命政党が日本に生まれたということは、日本の社会進歩の事業にとってものすごく大きな意義をもちました」

「それまでは社会主義の運動はありましたが、主な活動は社会主義の一般的な宣伝におかれていました。ある人は、宣伝パンフレットをつくって行商でそれを売って歩く活動をする、少しすすんでくると雑誌をつくって宣伝する、こういう活動が主になっていました。こんどは、そこから抜け出して、この日本に社会主義・共産主義の社会をつくることを目的とし、そのための運動に取り組もうという革命政党が初めて誕生したのです」(同書32頁)

 日本共産党の現在の綱領(2020年1月改定)は、「第1章 戦前の日本社会と日本共産党」~「第5章 社会主義・共産主義の社会をめざして」で構成されています。多くの方に「そのまんま」全文をお読みいただきたいと思っています。

 私は、多くの戦前の先輩の方々に心から敬意を表しながら、綱領第1章の最後の部分を紹介させていただきたいと思います。

「ファシズムと軍国主義の日独伊三国同盟が世界的に敗退するなかで、1945円8月、日本帝国主義は敗北し、日本政府はポツダム宣言を受諾した。反ファッショ連合国によるこの宣言は、軍国主義の除去と民主主義の確立を基本的内容としたもので、日本の国民が進むべき道は、平和で民主的な日本の実現にこそあることを示した。これは、党が不屈に掲げてきた方針が基本的に正しかったことを、証明したものであった」


「半世紀余の闘争の歴史的経験を踏まえた『新しい踏み込み』」-志位委員長の「改定綱領講座」より(1)

2020年03月23日 | 日本共産党の歴史と役割

 今月14日(土)に志位委員長が行った「学習講座ー改定綱領が開いた新たな視野」の講義内容が、3月22日(日)付の「しんぶん赤旗」に1回目が掲載されました。(毎週日曜日掲載予定ー4回連続)文章化された志位さんの講義を読み、私自身の活動が整理されました。以下、私が主に学んだ部分を紹介させていただきます。

【今回の綱領改定の意義ーー半世紀余の闘争の歴史的経験を踏まえた『新しい踏み込み』】

「わが党は、1960年代以降、ソ連と中国という『社会主義』を名乗る国の大国主義・覇権主義、人権侵害への批判に取り組んできました。ただそれは、どれも相手が『社会主義国』だということはみとめたうえでーー当然の前提として、その『社会主義国』の中に生まれた、社会主義の理念に反した誤りへの批判として行ったものでした。批判のなかで、わが党は、『社会主義国』であるかぎり、誤りはいずれ克服されるという大局的な期待も表明してきました」

 ~ 中略 ~

【対外的に覇権主義の行動をとるものは、国内で社会主義をめざすと判断する根拠なし】

今回の綱領改定は、これまでの批判とは違います。中国にあらわれた大国主義・覇権主義、人権侵害を深く分析し、『社会主義をめざす新しい探求が開始』された国とみなす根拠はもはやないという判断を行ったのであります。そうした判断をした以上、『社会主義をめざすかぎり長い目でみれば誤りは克服される』という期待の表明も当然しておりません」

「中国という『社会主義国』を名乗る国が現存するもとで、そういう判断をしたのは、『社会主義』を名乗る国の大国主義・覇権主義との闘争を始めて以来、今回が初めてのことであります。『新しい踏み込み』があると言ったのは、そういう意味であります」

「なぜそうした『踏み込み』が可能になったのか。大会の綱領報告では、『そうした新しい踏み込みを可能にした根本』には、『自主独立の党としてのたたかいの歴史的経験と蓄積』があるとのべました」

「ここでのべた『歴史的経験』とは何か。端的に言いますと、『対外関係において社会主義の道に背く大国主義・覇権主義の行動を多年にわたって行っているものは、その国の国内においても社会主義をめざしていると判断する根拠はなくなる』ということです」

「わが党は、ソ連覇権主義との闘争において、こうした『歴史的経験』を見をもって体験してきました。対外的な覇権主義は、国内的な社会主義と無縁の専制主義と一体のものだった。このことを私たちは体験しました。そうした自主独立の党としての闘争の歴史的蓄積が今回の判断を可能にしたということを、理性と勇気をもってこのたたかいに取り組んだ先輩たちへの敬意をこめて、強調したいと思うのであります」

(つづく)


2019年参院選挙の歴史的意義を考えるー大激動時期の初戦で大きな勝利を

2019年06月28日 | 日本共産党の歴史と役割

 2019年参院選挙が、7月4日公示、同21日投開票日で実施されることが決まりました。 この参院選をどう考えるかについては、すでに志位委員長の発言を紹介しました。 

 今後の政治日程から文字通りの歴史的意義を考えさせれれています。 安倍政権が内政、外交あらゆる分野で行き詰まり、その犠牲を容赦なく国民に押し付ける立場であることが、日ごとに明らかになっています。

 この戦後最悪の安倍政権を打ち倒し、新しい政治をつくるための大きな市民と野党の共同の発展も新たな重大な時期に入ったことを踏まえたたたかいがをどう進めるのか、私自身も様々な方々との意見交換をしていきたいと考えています。 このたたかいに必ず勝利し、次のたたかいの発展のなかで、野党連合政権構想の議論と合意、その実現の時期をどう展望するか。

 そうした展望のなかに、今後の主な政治選の日程を重ねて見ました。

 2019年 統一地方選、参院選、天皇退位・即位

 2020年 東京オリンピック、パラリンピック、 東京都知事選、日本共産党第28回党大会(予想)

 2021年 総選挙(これ以前の可能性も)

 2022年 参院選、沖縄復帰50周年・同知事選、日本共産党創立100周年

 2023年 統一地方選、

 2024年 

 2025年 総選挙(これ以前の可能性も)、参院選

 こうした日程が国際情勢との関係も含めてどう展開するか、予断をもっていいきれませんが、この5~6年が日本の政治が大激動の時代に入りつつあるということではないでしょうか。 その最初のたたかいとして、2019年参院選に勝利することはきわめて重要になっていると考えます。 勝利に全力を尽くす決意です。

 

 

 


第3回南北首脳会談を考えるー「民族自決」「民族自主」(1)

2018年09月24日 | 日本共産党の歴史と役割

 ブログの掲載がパソコンの故障などで2カ月近く休止になってしまいました。 この間、国内外の情勢は新たな進展を続けています。こうした情勢の変化、進展の原動力はどこから生まれているのでしょうか。

 この大きな課題を考えるテーマとして欠かせない出来事の一つが、今回の第3回南北首脳会談であることは間違いないと思います。

 日本共産党の志位和夫委員長は南北首脳会談について、9月19日「平和と非核化に向けた重要な前進ー南北首脳会談と『9月平壌共同宣言』を心から歓迎する」という談話を発表しています。(全文は「しんぶん赤旗」20日付に掲載)

 志位談話で直接触れていない部分で私が注目していることについて、述べてみたいと思います。

 「しんぶん赤旗」22日付に、「南北首脳会談どうみるー識者に聞く」が掲載されました。そのなかで、「慶南大極東問題研究所・准教授 趙 眞九さん」が次のように述べています。(ソウル=栗原千鶴)

 「個人的に一番注目すべきだと思っているのは、『民族自主』『民族自決』を確認しあったことです。文大統領が、北朝鮮に同調したかのように解釈する人もいますが、そうではないと思います」

 「分断、戦争、停戦、終戦宣言に向けた努力など、朝鮮半島は、周辺諸国の影響を受けていろいろな困難がありました。それは仕方のないこともありましたが、これからはそれらの教訓から、朝鮮半島のことは南北の当事者が決め、翻弄されないようにしていこう、さらに東アジアの秩序の形成にもイニシアチブを発揮していこう、文大統領の意思表明ではないかと感じています」

 同日、同欄の同紙の記事で、元外務省国際情報局長 孫崎 享さんは次のように述べています。

 「北朝鮮が核実験やミサイル発射実験をやったのは、米韓軍事演習に一つの起点があり、米国に韓国が同調することで北は追い詰められてきました。 米韓が一緒になっていることに大きな危険があった」

 「韓国が米国と一体に北を脅迫することをやめ融和を進めるなら、米国側に敵対的雰囲気が残っても、北朝鮮は韓国と連携することで、朝鮮半島の緊張を減らし経済発展もできるという別のシナリオができてきます」

 今年4月27日の「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言は、次のように述べています。

 「両首脳は、朝鮮半島でこれ以上の戦争はなく、新しい平和の時代が開かれることを8000万わが民族と全世界に闡明した」

 「南北関係を改善し発展させることは、全民族の一途な願いであり、これ以上遅らせることができない時代の切迫した要求である」

 「南と北は、わが民族の運命はわが民族がみずから決定するという民族自主の原則を確認し、すでに採択された南北共同宣言と、すべての合意を徹底して履行することによって、関係改善と発展の転換的局面を開いていくことにした」

 あれから5カ月、新たな局面を迎えています。

 

 


”過渡期は未来社会をきずく創造に満ちた一時代”ー党の歴史と役割を考える(7)

2018年07月27日 | 日本共産党の歴史と役割

 日本共産党の綱領第16節は、人類が社会主義・共産主義の未来社会に進む前に、過渡期が存在し、過渡期の探究の諸課題を明らかにしています。 この時代について次のように指摘しています。

 「社会主義的変革は、短期間に一挙におこなわれるものではなく、一歩一歩の段階的な前進を必要とする長期の過程である」

 そして、この過渡期をすすめる上でも決定的な役割を果たすのが、多数者革命論であり、その実践です。 この点につても次のように述べています。

 「日本共産党は、社会主義への前進の方向を支持するすべての党派、人びとと協力する統一戦線を堅持し、勤労市民、農漁民、中小企業家にたいしては、その利益を尊重しつつ、社会の多数の人びとの納得と支持を基礎に社会主義的改革の道を進むよう努力する」

 この過渡期論についての、「革命論研究」(下 298~299頁)の説明を見て見たいと思います。

 「人類史をふりかえれば、どんな社会構成体でも、上部構造である国家の力だけで成り立った社会構成体はありません。 奴隷制社会にしても、奴隷制帝国がさきにあってその社会をつくりだしたわけではなく、原始共産制の社会のなかに、奴隷制経済が生まれ、それが社会全体で支配的な力をもつまでに成長・発展したときに、氏族制度をくつがえし、それを奴隷所有者の国家でおきかえたものでした」

 「封建制国家が奴隷制国家にとってまわったときにも、資本主義国家が封建制国家にとってかわったときにも、同じことが起きました。 その過程を、マルクスは、『奴隷制の経済諸法則の自然発生的な作用』が『農奴制の経済諸法則の自然発生的な作用』とおきかえられた過程、あるいは『農奴制の経済諸法則の自然発生的な作用』が『資本と土地所有の自然諸法則の自然発生的な作用』とおきかえられた過程と呼びます」

 「社会構成体のこうした交替の時機は、それぞれが人類史のなかの『過渡期』にあたりますが、どちらの場合にも、新しい経済体制が、その経済的諸法則の自然成長的な作用によって存立・存続・発展する地点に達し、古い経済体制に全面的にとってかわるまでには、『新しい諸条件が発展してくる長い過程』--数世紀にわたる時間が必要でした」

 「そして、マルクスは、現在の『資本と土地所有の自然諸法則』の自然発生的な作用を、『自由な結合的労働の社会経済の諸法則』の自然発生的な作用でおきかえる過程、すなわち、資本主義社会から共産主義社会に革命的に転化する現代の過渡期も、過去に人類が経験した過渡期と同じように、『新しい諸条件が発展してくる長い過程』となることを結論ずけたのです」

 そして、不破氏は、次のように述べています

 「新しい社会を生み出してゆくための、探究と開拓の巨大な課題が横たわっています。 マルクスが指摘した諸課題の解決は、将来、新しい社会の建設にあたる未来の諸世代の肩に大きくゆだねられているのです。 この過渡期が、未来社会をきずく、探究と開拓の無数の創造的努力に満ちた人類史上の一時代となることは、疑いをいれないところでしょう」(「革命論研究」(下 301~302頁)

 


「多数者革命は新しい時代の革命の形態」-党の歴史と役割を考える(6)

2018年07月25日 | 日本共産党の歴史と役割

 私も若い時代に不破さんたちの革命論研究に出会い、党の綱領路線に確信を深めた記憶があります。 そのなかに、「革命の諸形態」のエンゲルスの説明が今も鮮明に残っています。 それは、次の内容です。 以下、「革命論研究(下)不破哲三著」より。(148頁~150頁)

【エンゲルスの分析、説明文は「1895年3月のマルクスの著作『フランスにおける階級闘争』への『序文』から】

 「エンゲルスは、普通選挙権の活用によって、階級闘争の新しい諸条件が開かれ、それとともに、革命の形態が大きく変わってきたことを指摘します。~エンゲルスは、過去の革命論の諸形態を整理して、次のように説明します」

 「(一) 少数者の革命。 『これまでの革命はいずれも、結局は、一定の階級支配を排除し、他の階級支配がこれに代わることであった。・・・そのときどきの革命の具体的な内容を度外視すれば、それらの革命の共通の形式は、みな少数者の革命であったということである。 多数者が革命にくわわった場合でさえーー知ってにしろ、知らないでにしろーーそれは少数者に奉仕したにすぎない』」

 「(二) 多数者の利益のための少数者の革命。 『社会主義をめざす革命は、これまでの革命とは違って、『多数者の本来の利益のための革命』を目標にしたものだった。 しかし、1848年の革命の当時は、マルクス、エンゲルスをふくめて、革命を起こすのは、その目標を明確に理解した少数者の指導だと考えていた。 この少数者の思想は、大衆がまだ理解しないで、わずかに漠然と感じているにすぎない要求を『明白に合理的に表現しているもの』だ、そうである以上、多数者は、最初ははっきりと理解していないとしても、『実際に実現の途上で自分の眼で見て納得し、たちまちはっきりとそれを理解するにちがいない』とされた。 こうして、『少数者の革命』は、革命の発展の途上で、『多数者の革命に転化』するという見通しがあるとされた」

 「(三) 目標を自覚的につかんだ多数者の革命。 エンゲルスは、普通選挙権を活用しての政治闘争の意義を論じた後半部分で、48年革命以来の半世紀近い変化をふまえて、こう言います。 『国民間の戦争の条件も変化したが、それに劣らず階級闘争の諸条件も変化した。 奇襲の時代、無自覚な大衆の先頭にたった自覚した少数者が遂行した革命の時代は過ぎ去った」

 「では、新しい時代の革命とはどんな革命なのか。 それは、多数者が目標を自覚的につかんでおこなう多数者の革命です。 『社会組織の完全な改造ということになれば、大衆自身がそれに参加し、彼ら自身が、なにが問題になっているか、なんのために彼らは肉体と生命をささげて行動するのかを、すでに理解していなければならない」

 「このことをこそ、最近50年の歴史がわれわれに教えてくれたのだ。 だが、大衆がなにをなすべきかを理解するためーーそのためには、長いあいだの根気づよい仕事が必要である。 そして、この仕事をこそまさにいまわれわれがおこなっており、しかも敵を絶望におとしいれるところの成功をおさめつつあるのだ』」

 「エンゲルスは、ここで、ドイツで最初にまず切り開かれてきた新しい闘争方法に、たんに階級闘争の『一つの武器』というにとどまらない、新しい、そしてより深い意義づけを与えています。 それは、この活動こそ、多数者革命が必要とする『長いあいだの根気づよい仕事』だということ、すなわち、普通選挙権を活用した選挙=議会闘争が、ほかならぬ多数者革命を準備する重要な形態だという、いわば戦略的な意義づけです」

 「私(不破氏)は、、ここには、マルクスとともにドイツの党に理論的、政治的な援助を与えてきたエンゲルスが、この50年の活動の総括からひきだした最も重要な結論があると思います」

 


世界にあまり見られない日本共産党の革命論研究ー党の歴史と役割を考える(5)

2018年07月23日 | 日本共産党の歴史と役割

 不破哲三氏の「革命論研究」(上)「講座を始めるにあたって」読んでみたいとと思います。

 【日本共産党の革命論研究】

 「日本共産党が党の綱領路線を確立したのは、第7回党大会(1958年)と第8回党大会(1961年)を通じてのことでした。 この綱領路線にたって党の活動を発展させてゆく過程で、解決をせまられる理論問題がいろいろと提起されてきます」

 「その過程で、これが道理ある解決だと私たちが考えることと、当時国際的に定説となっていた命題(それらは、しばしばレーニンのマルクス解釈を根拠にしていました)とが矛盾する場合に何度もぶつかりました。 そういう時、私たちはどうしたかというと、マルクス、エンゲルスの革命論そのものに立ち返り、彼らの本来の立場では、この問題はどう扱われていたかということを研究したのです」

 「マルクス、エンゲルスの文献については、私たちは、レーニンの時代にレーニンが読めたよりも、はるかに充実したものを読み、彼らの理論と思想の発展をたどることのできる条件をもっています」

 「私たちは、こういう態度でマルクス、エンゲルスが展開した理論そのものを直接、系統的に研究するとともに、その問題についてのレーニンの解釈や理論だてもあらためてたどりなおし、マルクス、エンゲルスの本来の立場との矛盾や違いが明らかになったときには、その原因がどこにあるか、レーニンの側に、情勢の変化に対応した有意義な発展があったのか、それともマルクスの見解の誤った解釈があったのかを究明するーー私たちは、綱領路線の確定以来、さまざまな問題でこういう研究をずっとやってきました」

 「こうして、長い間、科学的社会主義の革命論の定説とされてきたことで、私たちが、そこにある誤りをただし、マルクス、エンゲルスの本来の立場を全面的に復活させることで問題を解決した、ということは、かなり多くあります」

 「たとえば、革命の方法の問題で、長く定説となっていたのは、マルクス、エンゲルスの革命論は、武力による革命(強力革命)を基本的な立場とし、議会の多数を得ての革命というのは、ごく例外的な場合に認めただけだ、というものでした」

 「また、革命は多数者の支持を得てこそ成功するものだが、革命の前にあらかじめ多数を得るのは無理なことで、政権の獲得後に革命の実績を事実で示してこそ多数者への道が開かれる、こういう命題も一つの定説になっていました」(上 14~15頁)

 「私たちの綱領路線には、こうして練り上げられてきた革命論研究の蓄積が、深く反映しています。 たとえ国際的にどんなに広められた定説であっても、そこに理論的な矛盾や間違いがあれば、十分に研究したうえで大胆にその是正に取り組む、そのさい、マルクス、エンゲルスの本来の立場、科学的社会主義の大道がどこにあるかに必ず立ち返り、それを現代にどう適用すべきか、この大道にたっての現代的な発展はどこにあるかを探究する、これは、いまでは、多年の試練をへて日本共産党の理論的伝統になっています」

 「世界を見ても、党として、こういう努力を多年にわたってつくし、党の理論的伝統としてきた共産党というものは、あまりないように思います」

 私が、党を知り、61年綱領を学習し入党承認されたのは1963年7月13日のことでした。その直後からの旧ソ連共産党からの干渉、60年代後半からの中国毛沢東派からの攻撃、職場での首切り弾圧を含む激しい反共攻撃と一体となった大蔵省当局の労働組合の分裂攻撃。 いま、振り返って考えることは、こうした事態にひるまず、職場、地域の仲間を、広く国民を信じて活動できたこと、その根本に、不破氏らが研究し、到達した多数者革命論を含む科学的社会主義の理論の復活、発展がどんなに現場の党活動を励まし、科学的社会主義の理論の正しさを実証するもになったかを改めて強く感じています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


"自由を求める革命家”マルクスー党の歴史と役割を考える(4)

2018年07月20日 | 日本共産党の歴史と役割

 日本共産党創立96周年記念講演で志位和夫委員長は、生誕200年を迎えたマルクスについて語りました。

 「ドイツのシュタインマイヤー大統領は、マルクス生誕200年の集会で次のように語りました。 『彼にとって重要なことは、大衆の困窮の克服であり、貧困や支配からの解放であり、 絶対的官僚制国家の鉄の手からの解放であった。 彼の作品は情熱的なヒューマニズムに貫かれている』」

 「『そこには、言論の自由、人間的な労働条件と8時間労働時間制、労働者層の教育を求める訴え、そして、自由を求めるたたかいでの女性の役割の高い評価から環境保護の呼びかけまである』」

 「マルクスを生んだドイツの現職の大統領が、マルクスを”自由を求める革命家”として語ったことは、たいへん印象深いものがあるではありませんか」

 日本共産党の綱領は冒頭部分で、「日本共産党は、わが国の進歩と変革の伝統を受けつぎ、日本と世界の人民の解放闘争の高まりのなかで、1922年7月15日、科学的社会主義を理論的な基礎とする政党として、創立された」述べています。

 また、規約第2条で、「党は、科学的社会主義を理論的な基礎とする」と規定し、科学的社会主義の党であることを明確にしています。

 しかし、科学的社会主義の創設者であるマルクスやエンゲルスの活動と膨大な論考から、革命論を引き出し、理論化する研究には大変な努力が求められてきた分野であることに新ためて注目させられています。

 不破哲三氏が、「マルクス・エンゲルス革命論研究」(上・下)初版本がでたのが、2010年1月です。

 不破氏は、この著作の冒頭部分、「講座を始めるにあたって」のなかの、「革命論の勉強のために」のなかで次のように述べています。

 「マルクス、エンゲルスの教科書的な著作がない。 まず第1の点は、マルクス、エンゲルスの革命輪をまとまった形で説明した著作がないことです。 教科書的な著作といえば、経済学には、『資本論』があり、『賃金・価格・および利潤』があります。 哲学には、『フォイエルバッハ論』や『反デューリング論』があります。 ところが、革命論に関しては、科学的社会主義の大事な構成部分でありながら、これを読めばマルクス、エンゲルスの革命論のおおよそがわかる、という著作がないのです」(上・19頁)

 「マルクス、エンゲルスの理論的な発展が激しい分野。 どんな分野でもそうですが、とりわけこの革命論の分野というのは、マルクス、エンゲルスだって、最初から完成した革命家として出発したわけではなく、志をもって活動に入り、科学的社会主義の理論を生みだし発展させながら、革命運動に取り組んだのです」(上・22頁)

 「そしてそのなかで、1948年の革命にも出会い、革命の戦略・戦術をたて、運動のなかでその検証・総括をおこない、理論と実践の発展をはかる、そういう過程を積み重ねつつ、自分たちの革命論を形成し、成長させ、発展させる道をすすんでいったのです。 その過程には、二人がさまざまな問題にぶつかり、その解決に取り組む劇的なドラマが、無数にふくまれています」(同上)

 こうした、マルクスとエンゲルスのたたかいと理論活動を日本の革命ー日本共産党の綱領路線に生かす努力がどのように行われてきたのでしょうか。

 


”マルクスを学ぶ学問的環境がある日本”-党の歴史と役割を考える」(3)

2018年07月16日 | 日本共産党の歴史と役割

 7月11日付「しんぶん赤旗」は、「日本共産党創立96周年によせて―各界8氏のメッセージ」を掲載しました。

 それぞれ、貴重な思いが表現されたメッセージであり、私も感謝しています。 その中の一人である、内田 樹 神戸女学院大学名誉教授のメッセージに私は特に、心を動かされました。 内田さんのメッセージ全文を紹介させていただきます。 

 「東アジアで最も歴史の古いインドネシア共産党が1920年の創建、次が中国共産党の21年。日本共産党はそれに続く東アジア最古の共産党である。 20世紀に多くの東アジア諸国にマルクス主義政党が生まれたが、その現状はご案内の通りである」

 「その歴史の中に置いてみると、マルクス主義(科学的社会主義)を掲げる政党が国会や地方議会に安定的な議席を有している日本の例外性にはもっと驚いてよい」

 「日本でも『私はマルクス主義者である』と名乗ると周囲に感情的な反応を引き起こすことがあるが、韓国や台湾やカンボジアやインドネシアでそのような名乗りを口にすることは相当のリスクを覚悟しなければならない」

 「あまり言う人がいなから、声を大にして言うが、マルクス主義者として市民社会を生きることが可能であり、マルクスについて自由に学び、語ることができる学問的環境が整備されている点で、日本は例外的な場所である」

 「そして、この環境は何よりも過去100年の日本のマルクス主義者たちの知性的・倫理的な努力がもたらした成果だと私は思う」

 「先人たちからのこの贈り物に対して私は深甚な感謝の念を抱いている。 日本共産党もこの点についての私からの謝意を受け取ってほしい」

 私は、内田さんのこのメッセージを読み、憲法第97条を読み返しました。 同条には次のように書かれています。

 「第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として、信託されたものである」

 私は、この「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」「過去幾多の試練に堪え」の表現のなかに、世界のアジアのそして日本のマルクス主義者の努力も反映していると受け止めています。

 そして、この発展の先の先にある人類の未来社会について、 日本共産党の綱領は、次のように書いています。

 「社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ、搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき、原則として、いっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会への本格的な展望が開かれる」

 「人類はこうして、本当の意味で人間的な生存と生活の諸条件をかちとり、人類史の新しい発展段階に足を踏み出すことになる」

 

 


飯島喜美は故郷(千葉県旭市)の大先輩ー党の歴史と役割を考える(2)

2018年07月12日 | 日本共産党の歴史と役割

 「しんぶん赤旗」10日付は、党創立96周年特集記事を掲載しました。 「戦前の”天皇絶対”政治とのたたかいーー日本国民全体の財産、憲法に実を結ぶ」の頁では、市川正一、岩田義道、小林多喜二の写真とともに、飯島喜美の写真が掲載されました。

 本文の中では、「遺品のコンパクトに『闘争・死』の文字を刻んだ飯島喜美(35年獄死)をはじめ少なからぬ女性党員が不屈にたたかい、命を落としました」とあります。 彼女は栃木刑務所で獄死しました。

 飯島喜美が私の故郷(現旭市)の大先輩、私の母親と同世代の人であることを大分前に知りました。 何度か墓碑を訪れたこともあります。

 「日本共産党の80年」(1922~2002)には次のような記述があります。(47頁~48頁)

 「戦前、少なからぬ女性党員が、天皇制政府の弾圧に抗して、不屈にたたかい、社会進歩の事業に青春をささげました」

 「女性の活動や組織化に力をつくすなかで33年5に検挙され、35年に獄死した飯島喜美の遺品のコンパクトには『闘争・死』の文字が刻まれていました。 共青中央機関紙『無産青年』編集局ではたらき、各地に配布網を組織した高島満兎(まと)は、33年3月、活動中特高におそわれ、2階から飛び降りて脊髄複雑骨折の重傷を負い、翌年7月、下半身不随のまま死去しました」

 「『赤旗』中央配布局で『赤旗』の配布をうけもった田中サガヨも弾圧に倒れた1人です。 33年12月に検挙された田中は、獄中でチリ紙に姉への手紙を書き、『信念をまっとうする上においては、いかなるいばらの道であろうと、よしや死の道であろう(と)覚悟の前です。 お姉さん、私は決して悪いことをしたのではありません。 お願いですから気をおとさないでください』としるし、35年5月に生涯をとじました」

 「『3・15事件』(1928年)で検挙された伊藤千代子は、天皇制権力に屈服して党と国民を裏切った夫への同調を拒否し、拷問、虐待にたえてがんばりぬき、翌年、急逝肺炎で亡くなりました。 彼女の女学校の先生だったアララギ派歌人の土屋文明は、言論統制のきびしい戦時下の1935年に、理想に殉じた伊藤千代子によせて『ここざしつつたふれし少女よ新しき光の中に置きて思はむ』とうたいました」

 「彼女たちが、党の若く困難な時期に、それぞれが24歳という若さで、侵略戦争に反対し、国民が主人公の日本をもとめて働いたことは、日本共産党の誇りです」

 同紙は、哲学者の鶴見俊輔さん(故人)の言葉を紹介しています。

 「すべての陣営が、大勢に順応して、右に左に移動してあるく中で、日本共産党だけは、創立以来、動かぬ一点を守りつづけてきた。 それは北斗七星のように、それを見ることによって、自分がどのていど時勢に流されたか自分がどれだけ駄目な人間になってしまったかを計ることのできる尺度として、1926年(昭和元年)から1945年(昭和20年)まで、日本の知識人によって用いられてきた」(「現代日本の思想」久野収氏との共著)

 


日本共産党創立96周年ー党の歴史と役割を考える(1)

2018年07月05日 | 日本共産党の歴史と役割

 日本共産党は1922年7月15日に創立されました。 以来、激動の戦前、戦後平和と民主主義を求め、国民が主人公の日本の実現のために活動し、いま、憲法の完全実施をめざし、さらに国民の合意のもとに人間個人の尊厳を保障し、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会ー社会主義・共産主義を展望して活動しています。

 今年の党創立記念講演会は、7月11日午後6時半から、「なかのZEROホール」(東京都中野区)で開かれます。

 志位委員長の講演テーマが、今日(7月5日)の「しんぶん赤旗」で紹介されました。 「いま日本共産党綱領がおもしろいー激動の情勢のもとでの生命力ー」となりました。 講演の内容に大いに期待したいと思います。 

 内外の激動する情勢のなかで、日本共産党が国民からまた国際的にどのようにうけとめられているのか、最近の「しんぶん赤旗」に紹介されたいくつかの指摘、要望を紹介してみたいと思います。

 【6月24日付―米朝首脳会談の歴史的意義、今後の展望を語るー志位委員長インタビューから】

 「小木曽 東京新聞の『本音のコラム』で文芸評論家の斎藤美奈子さんは、米朝会談について、『日米のメディアは一様に苦虫を噛み潰したような論調だった』けれども、『昨年の一触即発状態に比べたら大進歩じゃない?』とのべ、『もっか国内で米朝会談を評価しているのは共産党だけという異様さ。 西側の秩序が乱されるのが嫌なのかしらね』と語っています」

 【志位委員長のインタビューから】ー4月6日の6カ国政府への要請の際のある大使館との懇談ー

 「志位 関係6カ国のある大使館と懇談したさいに、『(日本共産党は)対話による問題解決を訴え、さらに事態の進展のなかで積極的な提起をしてきた。 こういう政党は日本に他にはない』という評価をいただきました」

 【作家 赤川次郎さん語るー孫・子の世代にいい社会を】(「しんぶん赤旗」7月2日付から)

 「ソ連が崩壊したときに、世界中で左翼陣営が名前を変えてみたりしました。 その中で日本共産党は党の名前も新聞の名前も愚直なほど頑固に変えなかったのは偉いと思います。 変に名前を変えると何の党だかわかなくなりますよね。 頑固に貫いているというのは、人がついてきてくれる一つの要因です。 そういう姿勢は正しいと思います。 もっと多くの人の目が向けばうれしい」と語っています。

 【始まった共闘の時代】(「しんぶん赤旗」7月4日付から)

 「元青森放送アナウンサーの大竹辰也さんが、『安倍政権を倒すには、一貫してぶれなかった共産党のみなさんに力を貸してもらうしかありません』と表明。 『志位委員長には、野党共闘の中心になっていただき、なおかつ一市民としてのお願いですが、あまり堅いことを言っていますとなかなか共闘はできません。 やはり軟らかくなるところは軟らかくなりながら、しっかりその力を発揮していただきたい」と要望しました。