12月25日付、「神奈川新聞」は、「『空母』 運用機本格検討」と報じ、「読売新聞」同月26日付は、1面トップ記事で、「護衛艦『いずも』空母改修」と報じました。 「しんぶん赤旗」27日付は、「攻撃型空母へ改修検討」と報じ、小池書記局長の記者会見の内容を掲載しました。 また、「朝日新聞」は同月28日付、「社説」で、「空母への改修 なし崩しの方針転換か」の見出しで冒頭に「憲法に基づく専守防衛の原則を逸脱することになる。 容認できない」と述べました。
空母への改修対象とされている護衛艦「いずも」(横須賀基地)、同型艦の「かが」(呉基地)は、海上自衛隊が保有、運用している最大級の護衛艦です。 公表されているデータでは、全長248m、全副38m、基準排水量19500㌧、満載排水量26000㌧、乗員520名、建造費1208億円等とされています。
横須賀基地に接岸中の「いずも」を見た時、大型のコンテナ船を見慣れていた私にとっても、その巨大さに圧倒されました。 20年近く前までは、2~3000㌧級の護衛艦を横須賀港の視察などで目していましたが、いつの間に、これほどの”軍艦”が市民の目の前に現れるようになったのか、と恐怖感をいだきました。
「いずも」は、最大でヘリコプター14機の搭載が可能であり、オスプレーの格納庫も用意されているといわれています。 そして、今回新たに空母への改修で予定されているのが、F35B戦闘機です。 「読売」紙は、「米軍のF35B戦闘機の運用を想定しており、日米連携を強化することで北朝鮮や中国の脅威に備える狙いがある」とし、同機を10機程度搭載できる見通しだと報じています。
米海兵隊は、すでに、岩国基地に「B型」機16機を配備し、朝鮮半島での米艦合同演習に参加させています。
米海軍厚木基地の艦載機部隊が、岩国に移駐を開始していますが、米軍は、「運用上」必要があれば、いつでも同部隊の厚木基地で訓練を行うことを表明し、すでに実行しています。
その上に、横須賀を基地としている「いずも」の空母への改修です。 米海兵隊や、航空自衛隊の「F35B」が厚木基地での訓練を行う可能性が現実のことになります。 1節では、「いずも」の甲板の耐熱補強などをするだけで運用が可能だとも言われています。 また、 航空自衛隊は、空軍仕様のF35A 42機の導入を決定しています。その1部を「B型」に変更し運用することも検討しているといわれています。
日本共産党の小池晃書記局長は、安倍政権が長距離巡航ミサイルを導入しようとしていることや、空母保有を来年の防衛大綱見直しに盛り込むとの観測にふれ、「まさに歯止めなき軍拡の道を進みつつある。 米軍と肩を並べて海外に打って出て戦争に突き進むような大軍拡は絶対に許さないという立場で臨む」と述べました。