政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が24日発表した見解全文が、「しんぶん赤旗」26日付に掲載されています。同会議の「(2)日本国内の感染状況の評価」に関する一部を紹介します。
「既に、国内の複数の地域から、いつ、どこで、誰から感染したのかわからない感染例が報告されてきており国内の感染が急速に拡大しかねない状況にあります。したがって、中国の一部地域への渡航歴に関わらず、一層の警戒が必要な状況になってきました」
「このウイルスの特徴として、現在、感染を拡大させているリスクが高いのは、対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離)が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされる環境だと考えられます。我々が最も懸念していることは、こうした環境での感染を通じ、一人から多数の人に感染する事態が、さまざまな場所で、続けて起きることです」
政府は、専門家会議の「見解」を踏まえて、25日「基本方針」を決定しました。その大きな課題が、「一般医療機関が患者を受け入れるために必要となる財政措置がについて、言及がない」ことです。
日本共産党の志位和夫委員長は27日、記者会見で、新型コロナウイルス感染症へのいま必要な対策として、緊急に次ぎの2点に取り組むことを提起し、次のように指摘しました。(「しんぶん赤旗」28日付)
「① 来年度予算案を抜本的に組み替え、大胆な財政出動を行う。② 感染症の専門家を国会に参考人として緊急に招致し、科学的知見を共有して与野党を超えて抜本的打開策に取り組む」
「志位氏は、『来年度予算案には新型コロナウイルス対策予算が1円も計上されていない』として、「こんな予算案をこのまま通していいわけがない』『安倍内閣が出した基本方針は、国民に対してさまざま要請をしているが、政府として何をやり、どういう責任を果たすのか、どいう予算措置をとるかが全く書かれていない』と指摘しました」
「『新型コロナウイルスへの政府の対応が後手後手にまわっている。これをいかに先手先手にしていくか。政府の責任が問われている』『現状を打開するためには、専門家を国会に参考人として招致して、科学的知見を共有し、共に抜本的打開策をつくる作業が緊急に必要だ』強調しました」
同紙、27日付には、日本共産党の対策本部長・小池晃書記局長のインタビュー記事が掲載さています。そのなかから財政措置に関する部分を紹介します。
「-共産党は当初から補正予算などの財政措置を求めていましたね」
「小池ー政府が打ち出しているを予備費103億円を含む総事業費153億円では全く足りません。しかし、安倍首相は26日の衆院予算委員会での藤野保史議員の質問に『今の予算措置で対応は可能』と言い放ちました。驚くべきことです」
「アメリカでは大統領が約2800億円の予算措置を認めるよう議会に要求しました。シンガポール政府は約5000億円、香港政府も約4300億円をそれぞれ経済的支援を含む対策費として投入すると発表しています」
「財務省に確認したところ、現時点で今年度の予備費は2743億円残っているということですから、これを全面的に活用すべきです。さらに、来年度予算案には1円も新型ウイルス対策費は入っていません。予算案を修正すべきですし、政府がやらないのであれば、野党として組み換えを提案し、十分な財政投入で対策を抜本的に強化することを強く求めていきます」