宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

河野外相ー韓国徴用工個人請求権「消滅していない」、共産党・穀田恵二議員に答弁

2018年11月15日 | 日本の情勢論

 昨日の衆議院外務委員会で、日本共産党の穀田恵二議員の質問に、河野太郎外相は、1965年の日韓請求権協定によって、個人の請求権は、「消滅していない」と答弁しました。 以下、「しんぶん赤旗」15日付記事を紹介します。

 「大法院(韓国の最高裁)判決について、『日韓請求権協定に明らかに反する』としてきた安倍政権の姿勢が根本から揺らぎました。 穀田氏は外務省が日韓請求権協定第2条について『個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたものではない』(柳井j俊二条約局長1991年8月27日、参院予算委員会)と答弁したことを示し、河野氏の認識をただしました」

 「河野氏は『個人の請求権が消滅したと申し上げるわけではありません』と明言しました」「また穀田氏は、大法院判決で原告が求めているのは、未払い賃金の性急ではなく、朝鮮半島への日本植民地支配と侵略戦争に直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制労働への慰謝料だとしていると指摘」

 「これに関し柳井条約局長が92年3月9日の衆院予算委員会で日韓請求権協定により『消滅』した韓国人の『財産、権利、及び利益』の中に『いわゆる慰謝料請求というものが入っていたとは記憶していない』としたことをあげ、『慰謝料請求権は消滅していないということではないか」とただしました」

 「外務省の三上正祐国際法局長は『柳井局長の答弁を否定するつもりはない』、『権利自体は消滅していない』と答弁しました」

 「穀田氏は、『個人の請求権は消滅していない』と強調。 日韓双方が被害者の尊厳と名誉を回復するという立場で冷静で真剣な話し合いをすることがきわめて大切だ、と求めました」

 「しんぶん赤旗」は同日付2面で、「ソウル=時事」の記事も掲載しています。

 「韓国の李洛淵首相は13日、日韓関係の専門家ら12人をソウル市内の首相官邸に招き、最高裁が日本企業に元徴用工への賠償を命じた判決などに関し、意見を聴取し、対応を検討するため委員会を設置する方針を決めました」

 「李首相は、席上、『政府は当面、水面下で静かに動く』と表明しました」

 安倍政権は、10月30日の韓国大法院判決に関して、判決直後から冷静さを欠いた、発言を繰り返してきましたが、穀田議員の国会質問でようやく、幾分冷静さを取り戻した感があります。 しかし、両国の話し合いが始まったわけではありません。

 外交問題には、大きな歴史的かつ国際的視点、冷厳な事実の検証に向き合う真剣な姿勢が強く求められます。 そうした点から考えてみて、私は、穀田質問は大変重要だったと感じています。

 


政府は憲法前文、13条、97条を生かし交渉を=韓国最高裁判決を考える(4)

2018年11月10日 | 日本の情勢論

 河野太郎外相は6日の記者会見で、「『1965年の(日韓)請求権協定で完全かつ最終的に終わった話』としたうえで、『暴挙』『国際法に基づく国際秩序への挑戦だ』と批判した」(「朝日」7日付)

 菅義偉官房長官は8日の記者会見で「韓国の李洛淵(イナギョン)首相が日本側の対応を批判したことに反論した」(「産経デジタル」8日付)「菅氏は『判決は日韓請求権協定に明らかに反しており極めて遺憾だ。 韓国政府がどのような対応を講じるか見極めていきたい」(同前)

 韓国の李洛淵首相は「判決は、1965年の韓日基本条約を否定したものではなく、条約を認定しながら、運用範囲がどこまでかを判断したものだ」「私はこの問題に関する言及をできるだけ自制し、政府関連部署と民間専門家らの知恵を集めて対応策を用意しようと努力している」(「ソウル=時事」 「しんぶん赤旗」8日付)と表明しています。

 こうした、日韓両政府の応酬が続いていますが、私は、次の報道にも注目しています。(以下、「朝日」7日付)

 「日本政府が6日、企業に内容を説明した。 説明会は日韓経済協会の主催で、企業や経済団体から30人が参加。~外務省の説明に対し、企業側から、『経済、文化交流を進めていきたい。 政府も支援を』『(日韓関係に悪影響が出ないか)心配だ』といった声が出たという」

 「日韓経済協会の是永和夫専務理事は会合の終了後、『日韓は民間ベースでいろいろな困難を乗り越えてきた。 これまで築いたものを壊したくない』と語った」

 「朝日」10日付は、次のような記事を掲載しました。

 「河野太郎外相は9日の記者会見で、韓国大法院(最高裁)判決について、『日韓両国の国民の間の交流に影響がでるべきではない。 交流はこうしたことにかかわらず、しっかり続けてほしい』と語った。~ 河野氏は判決について『暴挙』などと批判してきた。 これに対し、韓国側では反発が広がっている。 この点に河野氏は『コメントしない』と述べた」

 徴用工問題に関する韓国最高裁の判決を受け、日韓両政府が、どう対応すべきか。 日本共産党は志位氏の見解でその解決方向を提起しました。 

 私は、この問題をもっと国民レベルで議論すべきではないかと考えています。 その基本に憲法を据えることが重要ではないかと思います。

 第1に、憲法前文です。 「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる」

 第2に、第13条です。 「すべて国民は、個人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に関する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」

 第3に、第97条です。 「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」

 日本共産党は戦前、朝鮮や台湾等の植民地の解放をかかげ、支持してたたかった政党です。

 「党は、日本帝国主義の植民地であった朝鮮、台湾の解放と、アジアの植民地・半植民地諸民族の完全独立を支持してたたかった」(「日本共産党綱領―第1章第2節」)

 こうした、先人のたたかいの歴史も憲法には刻みこまれていると思っています。

 


人間個人が発展の主体、徴用工=韓国最高裁判決を考える(3)

2018年11月07日 | 日本の情勢論

 (その3) 1986年の国連総会で、「発展の権利に関する宣言」が採択されました。 その宣言は次のような内容です。 以下、「綱領教室―第2巻 144頁より)

 【発展の権利に関する宣言】(1986・12・4、国連総会採択)

 「第1条 (人権としての発展の権利)1 発展の権利は、譲ることのできない人権である。 この権利に基づき、それぞれの人間およびすべての人民は、あらゆる人権および基本的自由が完全に実現されるような経済的、社会的、文化的及び政治的発展に参加し、貢献し、これを享受する権利を有する」

 「第2条(発展の主体としての人間) 1 人間個人が、発展の中心的主体であり、発展の権利の積極的参加者及び受益者であるべきである」

 志位氏は、この「発展の権利」について次のように語っています。 (同書 144~145頁)

 「『発展の権利に関する宣言』では、一人ひとりの人間が、発展に参加し、発展による成果を享受する、一人ひとりの人間が、経済的にも社会的にも文化的にも発展に参加し、その成果を受け取る権利をもっていることがうたわれています。 『人間個人が、発展の中心的主体』であり、『発展の権利の積極的参加者及び受益者になるべきである』ということを高らかに宣言しています。

 「この宣言からは、新しく独立した諸国の人々の切実な願いが込められたものとして、きわめて新鮮な息吹を感じるではありませんか」

 (その4) 1993年に、国連総回の決議に基づいて、世界人権会議がウィーンで開催され、171カ国が参加し、全会一致で「ウィーン宣言」が採択されました。

 「この宣言は、今日の世界における国際的な人権保障の到達点といってよいものだと思います」(同書 145頁)

 【ウィーン宣言及び行動計画】(1993・6・25 世界人権会議) 第5項を紹介します

 「五(人権の相互依存性及び普遍性)すべての人権は普遍的であり、不可分かつ相互依存的であって、相互に連関している。 国際社会は、公平かつ平等な方法で、同じ基礎に基づき、同一の協調をもって、人権を総体的に扱わなければならない」

 「国家的及び地域的独自性の意義、並びに多様な歴史的、文化的及び宗教的背景を考慮にいれなければならないが、全ての人権及び基本的自由を助長し保護することは、政治的、経済的及び文化的体制のいかんを問わず、国家の義務である」

 志位は、この「宣言」について、次のように意義を語っています。

 「第1は、人権と自由の発展というのは、それぞれの国によってさまざまなプロセスをとるものであって、それを尊重すべきであるということです。 『国家的及び地域的独自性の意義、並びに多様な歴史的、文化的及び宗教的背景を考慮』すべきであって、特定のモデルを、絶対のものとして、外から性急に押しつける態度をとるべきではないということが、第1の原則としてのべられています」

 「第2は、同時に、人権と自由というのは、普遍的性格をもっており、すべての人権と基本的自由を『助長し保護する』ことは、政治的、経済的、文化的体制のいかんを問わず、『国家の義務である』ということが強調されています。 どんな体制をとっていようと、人権と自由を『助長し保護する』ことは『国家の義務』だとされているのです。 これがいわば第2の原則としてのべられています」

 志位はこの「宣言」を踏まえて、2010年の「第40回赤旗まつり」の記念講演で、中国の劉曉波氏がノーベル平和賞を受賞したことにかかわってでの講演内容を紹介しています。

 中国自身も賛成した「ウィーン宣言」を引用して、「中国が、これらの国際的到達点に立ち、人権と自由の問題に対して、国際社会の理解と信頼を高める対応をとることを強く望む」と訴えました。(以上、同書 146~148頁)

 戦後の国際社会は、人権問題をめぐって、大きな発展をしていることを振り返って見ました。 


民族自決権が人権の前提条件、徴用工問題=韓国最高裁判決を考える(2)

2018年11月05日 | 日本の情勢論

 戦後の国連を中心とした国際社会の人権問題について考えてみたいと思います。 この点で大変分かり易い文献として志位和夫氏の「綱領教室 第2巻」が参考になると思います。

 (その1)「世界人権宣言」(1948年12月10日 国連総会採択)-日本では、憲法が公布(1946年11月3日)され、施行(1947年5月3日)された時期です。 同宣言は、次のように謳っています。

 「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利において平等である」(第1条)

 「すべて人は、 いかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる」(第2条)

 志位氏は、「『すべての国が達成すべき共通の基準』を定めたものとして、国際的に保護されるべき人権の内容を初めて包括的に示した国際文書として、画期的な意義をもっている」と述べています。(同書 140頁)

(その2)「国際人権規約」(1966年12月16日 国連総会採択)-この前年に日韓基本条約、日韓請求権協定が締結されました。

 同規約第1条 1は「すべての人民は、自決の権利を有する。 この権利に基づき、すべての人民は、その政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する」と述べています。 この規約は、法的拘束力をもつ多国間条約です。

 志位氏は、同書のなかで、次のようにその意義を語っています。

 「自決権というのは、いわば集団的な人権です。 集団的な人権である自決権を、個人による人権の享受の前提条件に位置づけたのが、国際人権規約でした。 考えてみますと、植民地であれば人権も何もないわけです。 あらゆる人権の土台が奪われている状態にあるのが、植民地です」

 「奴隷貿易もやられた、強制連行もやられた、好き勝手に、また無制限に、人権が蹂躙されたのが、植民地支配でした。 自決権がなければあらゆる人権は空語となってしまう。 そういう立場から、自決権があらゆる人権保障の前提条件に位置づけられて人権という概念が大きく飛躍的に豊かになったのが国際人権規約だということをいいたいと思います」(同書 142~143頁)

 

 


国の主権と国民の権利を、徴用工問題=韓国最高裁判決を考える(1)

2018年11月04日 | 日本の情勢論

 志位委員長の見解=「徴用工問題の公正な解決を求めるー韓国の最高裁判決について」が2日付「しんぶん赤旗」に掲載されました。 10月30日の同判決以降判決をめぐって、国会での質問、安倍首相の記者会見、メディア報道が連日のように行われています。 そ うした中での「志位見解」は、徴用工問題の本質と解決の展望を明らかにしたののとして注目されています。

 「徴用工訴訟の韓国最高裁判決」は、どのような判決なのでしょうか。(10月31日付「読売」紙の「判決要旨」から)

 「原告は、未払い賃金や補償金をもとめているのではない。 この訴訟で問題になる原告の損害賠償請求権は、朝鮮半島に対する日本政府の不法な植民地支配と侵略戦争の遂行に直結した日本企業の反人道的は不法行為を前提とする慰謝料請求権だ。 いわゆる強制動員の慰謝料請求権が、請求権協定の適用対象に含まれると見なすことはできない」

 「その理由として、請求権協定は、日本の不法な植民地支配に対する賠償を請求するための交渉ではなく、基本的にサンフランシスコ(講和)条約を根拠に韓日両国間の財政的、民事的な債権・債務関係を政治的合意によって解決するrためのものだった」

 「請求権協定第1条によって、日本政府が韓国政府に無償3億㌦、有償2億㌦の経済協力資金と、2条の定める(日韓両国民の)権利に関する問題解決とが、法的な対価関係にあると見なすことができるかどうかも、はっきりしない」

 「請求権協定の交渉過程で、日本政府は植民地支配の不法性を認めないまま、強制動員の被害に対する法的な賠償を根本的に否定した。 このため韓日両政府は、日帝(日本)が行った朝鮮半島支配の性格について合意に至らなかった。 このような状況で、強制動員の慰謝料請求権が請求権協定に含まれていると見るのは難しい」

 「志位見解」は、こうした韓国最高裁の判決もふまえて、「『被害者個人の請求権は消滅していない』ということでは一致しています。 日本政府、日本の最高裁、韓国政府、韓国の大法院、すべてが一致している。 ここが大切なところです」(「志位委員長の一問一答」)

 そして、同氏は次のように述べています・

 「この一致点でまず解決方法を見だす。 そのうえで日本が植民地支配を反省してこなかったという問題が根本的な問題としてあります。 植民地支配の真摯な反省のうえに立って、より根本的な解決の道を見いだすべきだという、二段構えでの論理」を強調しました。(同前) 

 安倍首相は、「1965年の日韓請求権・経済協力によって、完全かつ最終的に解決している」「判決は国際法に照らしてあり得ない判断だ」と全面的に拒否し、韓国を非難しています。

 安倍首相の発言からは、戦後の国際社会・政治の大きな進歩、発展を理解し活かそうという立場や考えが全く感じられません。

 2001年8月31日~9月8日、国連主催の「人種主義、、人種差別、外国人排斥および関連する不寛容に反対する世界会議」が開かれ、「ダーバン宣言」が採択されました。

 同宣言の第14項では、「植民地主義が起きたところはどこであれ、いつであれ、非難され、その再発は防止されなければならないことを確認する。 この制度と慣行の影響と存続が、今日の世界各地における社会的経済的不平等を続けさせる要因であることは遺憾である」

 ここに、21世紀を迎えた国際政治の到達点があるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 


安倍政治の第5の破たんー自民党員・党友の支持率が34%にとどまった総裁選

2018年10月24日 | 日本の情勢論

 9月20日投開票された自民党総裁選は、何を明らかにしたのでしょうか。 安倍首相は、総裁選の結果を受け同日、記者会見を行い次のように表明しました。

 「6年間の経済政策、外交・安全保障の実績の上に、さらに3年間、国家国民のため、強力なリーダーシップを発せよ、と力強く背中を押して頂いたと考える。7割近い得票を頂くことができた」と「憲法改正」を改めて宣言しました。(「朝日」9月21日付)

 安倍首相の総裁選の得票は、国会議員票329票、地方票224票、合計553票 得票率68%でした。 注目されたことは地方票の結果でした。

 「党員。党友による地方票の投票総数は64万3681票、投票率は61.74%だった」(同紙) 石波氏が安倍氏を上回った県は首都圏の茨城県を含めて10県に及びました。

 地方票の得票数は安倍氏が35万5487票(得票率55%)、石波氏が28万6003票(得票率44%)でした。

 投票率から割り出すと当時の党員・党友は104万2567人と推計されます。 安倍氏の党員・党友の得票率は、34%程度となります

 安倍首相は、「7割近い得票を頂くことができた」と胸を張りましたが、党員・党友の支持はその半分程度に過ぎないことになります。 これが、自民党内の実体ではないでしょうか。 自民党員のなかにも安倍政治に対する不安、疑問が広がり、渦巻きつつあることが想像されます。

 「首相がいま自覚すべきなのは、『1強』が強力になりすぎ、議員や官僚による忖度やおもねりを生んだことだ。 ここでたださなければ弊害は広がるだろう」(「朝日」9月21日付、政治部長 栗原健太郎)

 日本共産党は、昨年の総選挙後に開いた第3回中央委員会総会で、総選挙の結果を総括し、次のように指摘しました。

 「総選挙の結果、自民党と公明党が議席の3分の2を占めましたが、それは安倍政権の政治的基盤が強固になったことを意味するものではありません」として、「第1は、小選挙区制です。 自民党は比例代表の得票率で33%、有権者得票率17%で61%の議席を得ました。 これは大政党有利に民意をゆがめる小選挙区制がつくった『虚構の多数』にほかなりません」

 沖縄の知事選、那覇市長選などの結果は、こうした自民党とその政治の崩壊過程とも重なっているのではないでしょうか。 これは、沖縄だけにとどまるもではないと思っています。

 

 


「安倍暴走政治」は、”古い自民党政治の行き詰まり”ー新しい政治の実現を(2)

2018年10月23日 | 日本の情勢論

 志位委員長は5中総報告で、安倍政治の「大はたん」を4つの角度から明らかにしました。 第1は、「民意無視の強権政治の破たん」です。 「その破たんは、安倍政権が最も野蛮な強権をふるってきた沖縄で劇的な形であわられました」と述べました。 この本質は、安倍政治の民主主義否定政治の立場、理念の破たんと言っていいのではないでしょうか。

 第2は、「ウソ、隠蔽、差別の政治の破たん」です。 「安倍政治のもとで、政治モラルの劣化と退廃は底なし」と指摘しました。 これは、まともな、当たり前の「政治手法」さえ、見失って醜態をさらけ出していることにほかならないのではないでしょうか。

 第3は、「戦争する国づくりの破たんです。 志位氏は、「これまで安倍政権は、『戦争する国づくり』を進めるうえで、北朝鮮の『脅威』を最大の口実にしてきました。 「ところがこの間、朝鮮半島をめぐって、対決から対話への歴史的な転換が起こりました」「首脳間の合意でスタートした平和プロセスは簡単に後戻りするものではありません」「今起こっている歴史的な激動の根本に働いている力は、戦争に反対し、平和を願う世界各国の民衆の力であるということです」と解明しました。 これは、安倍政治の最大の”政治目標”の破たんということではないでしょうか。

 第4に、「経済、外交の総はたん」を指摘しました。 志位氏は「『アベノミクス』と『安倍外交』の二つを自身による大成果として自画自賛しています。 しかし、そのどちらも少しも『自慢』にはなりません」と、2つの『自慢』の破たん状態をリアルに具体的に告発しました。 まさに、安倍政治の基本政策の破たんです。

 こうして、安倍政治は、その政治理念、政治目標、基本政策、その実行手段等すべての面で大はたん状態に陥っています。

 日本共産党第27回大会「決議」(第1章第4節)は、「安倍政治の暴走政治は、古い自民党政治の行き詰まりと一体のものである。 安倍政治を打倒することは、たんに暴走政治をストップすることにとどまらない。 それは自民党政治そのものを終わらせ、新しい日本に踏み出す、大きな一歩となるだろう」

 「安倍政権に代わる政権をどうするか。 この問題については、現時点では、野党間に合意が存在していない。 しかし、野党が本気で、安倍政権と対決する四つの政治的内容(①安保法制を廃止し、立憲主義を回復する、②『アベノミクス』による国民生活破壊、格差と貧困を是正する、③TPP(環太平洋連携協定)や沖縄問題など、国民の声に耳を傾けない強権政治を許さない、④安倍政権のもとでの憲法改悪に反対する)の実現をはかろうとするならば、それを実行する政権が必要になる」

 「また、野党が本気で、安倍政権の打倒をめざすならば、この政権を倒した後に、どういう政権をつくるかを国民に示す責任が生まれてくる」

 そして、次のように、市民と野党、ひろく国民のみなさんに党大会の名でよびかけました。

 「野党と市民の共闘をさらに大きく発展させ、安倍政権を打倒し、自民党政治を終わらせ野党連合政権をつくろう。 立憲主義、民主主義、平和主義を貫く新しい政治、全ての国民の『個人の尊厳』を擁護する新しい日本への道を開こう」

 こうした日本の新しい民主的、平和的な政治を実現する展望が確実に、大きく発展しつつあるように思います。 そして、そのためのいっそうの努力が求められていることを強く感じています。


日本共産党5中総の日本の情勢論ー「安倍政治の4つの大破綻」(1)

2018年10月22日 | 日本の情勢論

 日本共産党は、昨年(2017年)1月、第27回党大会を開催し、日本の新しい情勢と政治対決の構図ー「自公と補完勢力対「野党と市民の共闘」を明らかにしました。 そして、次のような特徴を協調しました。

 「安倍自公政権とその補完勢力に、野党と市民の共闘が対決する、日本の政治の新しい時代が始まった」(決議第1章第1節―冒頭の部分)。 さらに、「日本の政治は、歴史の本流と逆流が真正面からぶつかりあう、戦後かつてない激動的な新しい時代に入った」(同章第1節最後の部分)

 昨年の10月22日は、第48回総選挙の投開票日でした。 総選挙直前には、民進党が希望の党へ合流するという野党間の分断と野党と市民の分断という重大な逆流が生まれました。 支配勢力が牙を剥いたのでした。 この事態にあたって、日本共産党はその存在真価をみごとに発揮したと考えています。

 「今回の総選挙で日本共産党は、市民と野党の共闘を成功させることを大方針にすえて奮闘してきました。 日本共産党、立憲民主党、社民党、の3野党が、市民連合と7項目の政策合意を結び、協力・連携して選挙をたたかいました。 立憲民主党が躍進し、市民と野党の共闘勢力が全体として大きく議席を増やしたことは、私たちにとっても大きな喜びです」(「総選挙の結果についてー10月23日 日本共産党中央委員会常任幹部会」)

 しかし、日本共産党は、比例代表選挙で議席を20議席から11議席に、得票も606万票・11、27%から440万票・7・90%に後退しました。 この結果については、「私たちの力不足にある」(同「声明」)と厳しく反省しました。

 私は、この総選挙を現場でたたかって、党大会の情勢分析の正確性を全身で体験しました。 同時に、日本共産党がこの事態のなかで、揺るがず「市民と野党の共闘」の大義を守り抜いた歴史的で巨大な意義を今の情勢の激動のなかで改めて実感しているところです。