「しんぶん赤旗」6日付は、参院で審議中の「医療・介護総合法案」の状況を報じています。
「田村憲久厚労相は5日の参院厚生労働委員会で、医療・介護総合法案に盛り込まれた介護保険サービスの利用料引き上げ(1割から2割へ)の論拠について、”負担増の対象者は年60万円の余裕がある”という核心部分を『撤回する』と表明しました」
「小池氏は、『2割負担の論拠を撤回するということは、社会保障審議会での議論も国会での議論もすべて降り出しに戻る。 データのねつ造だといわれても仕方がない重大な問題だ。 法案は撤回するのが筋だ』強調しました」
参院で審議中の医療・介護総合法案は、法案説明の重大ミスに始まり、法案の論拠を撤回するなど、前代未聞の大失態が続出しています。 政府・与党は会期内成立を狙っていますが、廃案にするしかないことが明瞭になっています。
「『60万』という書きぶりは撤回する」-。「田村憲久厚生労働相は5日の参院厚生労働委員会で日本共産党の小池晃議員の質問にこう述べ、審議中の法案説明を撤回する前代未聞の事態になりました」
同紙の解説記事では、次のように述べています。(杉本恒如氏)
「厚労省は、負担増の対象となる年金収入359万円の高齢夫婦について、可処分所得(収入から税・保険料を控除)から消費支出を引くと年に『約60万円が手元に残る』から『負担に耐え得る』(2013年9月25日、社会保障審議会介護保険部会)と説明してきました。 このモデル世帯(年金280万円の夫と国民年金79万円の妻)の可処分所得は年307万円。これから『収入250万円~349万円の階層の平均消費支出247万円』を引くと60万円が残るから負担増に耐えられるとしていたのです」
「ところが小池氏の追及で、『消費支出247万円』の階層の平均可処分所得は197万円にすぎず、負担増モデル世帯の可処分所得(307万円)より110万円も低いことが判明しました。 110万円も可処分所得が低ければ消費支出が少なくなるのは当然です。 60万円が残る根拠にはなりません。 同省は5日の委員会で『やりくりしていただければ』60万円が残るという詭弁しか示せませんでした。 これは、可処分所得が110万円も低い層に合わせて生活水準を落とすよう迫るもので”2割負担の余裕がある”という主張とは完全に食い違っています」
医療・介護総合法案は、社会保障の基本を「自助・自立」とする考え方に基づき、160万人の要支援者に対する訪問・通所介護を保険給付かた外し、「患者追い出し」を招く病床削減を進めるなど”介護難民””入院難民”をさらにひどくする内容です。
日本共産党は、廃案にすべきだと主張しています。