阿部慎一という漫画家がいて,その内容と絵に惹かれていました。
30年以上前の話しです。今でも好きです。そのシャープで独特の線画が好きです。時々絵がヘタにもなりますが,そこも魅力的。
ガロという漫画月刊誌があって,本をバラして,彼の作品を集めて,自分で製本もしてみました。その手作りの本と内容の目次です。「なんで阿部慎一の作品集が出ないんだろう?」とずっと疑問に思っていました。
最近ネット検索で,その「阿部慎一」の作品集が,出版されていることを知りました。株式会社まんだらけの出版で,限定1000部の限定本です。タイトルは「悲しみの世代」。作者のサイン入り。会社へ電話して在庫を確認してから,紹介のページの手続きに沿って,郵便振替で送金しました。
私に届いたのは限定1000部のうちの「411」なので,まだ在庫の余裕はあります。3,500円+税(175円)。出版は2001年5月です。巻末に,まんだらけの古川益三と阿部慎一と,その奥さんでマンガの女性のモデルでもある美代子さんとの対談がありました。この2001年の時には,阿部慎一は統合失調症となり治療を受けているようです。お酒は止めたけど,煙草は1日80本吸っています。マンガが描けなくなったのは,病気も原因かもしれないけど,美代子さんが写真のモデルを嫌がるようになったこともあると話しています。美代子さんは,従業員を雇って縫製業をしています。たくましい!
巻頭には,油彩画が価格付きで沢山カラーで印刷されてギャラリー風になっています。2000円からありますが,もう申し込みの締め切りの時期はとっくに過ぎていました。
その「悲しみの世代」のページの中に,彼の作品集のページもありました。
気になって,このひとつひとつをネットで当たってみました。ほとんどがもう売り切れで,販売終了でした。が,ただひとつ,「北冬書房」の「私生活」が引っかかって来ました。限定480部,高価ですが,デザインや製本もきれいだし,この冊数だとこれくらいはしても仕方無いでしょう。迷いましたが,買うことにしました。
「北冬書房」のホームページの売り場でカートに入れて,確認のメールを待ちましたが,1分経っても,1時間経っても反応はありません。そこで電話をしてみみると,「メールは受け取れるけど,返信ができない状況なんです」とのことでした。そこで,口座番号を聞き,郵便振替にして,希望の本のタイトルと冊数を書き,料金を郵便局から振り込みました。3日後にこの本が到着しました。限定480部のうちの「469」。もうすぐ売り切れだ。
20歳頃の作品集とのことですが,全部まだ読んだことのないものでした。うれしい。私はほとんど色っぽい体験のない20歳頃でしたが,当時の社会情勢や若者の雰囲気が,作品の中によく描かれています。悲しくて暗いことが美しいと思っていた時代です。
ということで,ここ数日は,うっとりして本を触っています。もったいないので,チビチビ読んでいます。ついでに自慢すると,昔,荻窪の画廊で,ガロの編集長の長井さんから買った,阿部慎一の色紙も持っているのだ。確か,5000円だったかなー。いやっ,もっと安かったかなー。記憶ももう定かではないくらい昔だ。
コタツに何故か後ろ向きのヌードの女性が入っていて,窓から桜の花びらが舞い込んでいる水彩画です。この画像は見せません。悪しからず。私だけのものなんだ!
(追記・09:04)かしこさんからコメントをいただいて,更に検索してみました。コメントの方だと,アドレスがリンクされないので,こちらにもその一部をコピーします。
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また検索してみると,手頃な値段のも同じ出版社にありました。
私生活 阿部慎一短編集<新版>
コミック コミック-青年コミック
発行年月:2007年7月
価格(税込):1,575円
出版社:北冬書房
http://www.tsutaya.co.jp/item/book/bl_ks00000001.zhtml?pdid=40659343&srkbn=S
悲しみの世代
安部 慎一
945円(税込)
■サイズ:130x188/■ページ数:309P/■簡易製本・カバー無し・新装丁版
試し読みもできますよ(^o^)/。
出版社:青林堂
http://www.comicpark.net/cat/detail.asp?sitekey=garo&content_id=COMC_ASE00205
ここでは彼の絵や,病気の経過など沢山紹介されています。
「時々絵がヘタにもなりますが,そこも魅力的。」とするか、「そこが、許せない!」とするかは、おおきな分かれ目。自分は後者で、結局なんにもできませんでした。それにしても自家製本の美しい事!この上なし、ですね。
同病人なんだぁ。
読んでみたいけれど、高いですねぇ。
なんか読むと、胸が苦しくなりそうな私生活
6畳一間のボロアパートとか出てきます?
げげっ,また検索してみると,手頃な値段のも同じ出版社にありました。
私生活 阿部慎一短編集<新版>
コミック コミック-青年コミック
発行年月:2007年7月
価格(税込):1,575円
出版社:北冬書房
http://www.tsutaya.co.jp/item/book/bl_ks00000001.zhtml?pdid=40659343&srkbn=S
悲しみの世代
安部 慎一
945円(税込)
■サイズ:130x188/■ページ数:309P/■簡易製本・カバー無し・新装丁版
試し読みもできますよ(^o^)/。
出版社:青林堂
http://www.comicpark.net/cat/detail.asp?sitekey=garo&content_id=COMC_ASE00205
ここでは彼の絵や,病気の経過など沢山紹介されています。
http://plaza.rakuten.co.jp/ekatocato/diary/200310090000/
だめだ。検索していると,更に欲しくなってくる。気持ちを切り替えて,仕事しなくては。
発病の年齢も1年違い、
子どもも3人
家出のくだり、
なんか自分に似ている感じです。
ガロは若い頃2回くらい買ったと思いましたが、
なかなか書店に沢山は置いていなかった記憶です。
当時はアングラにはまっていたので、
当時読んでいたら面白かったかも。
当時は心地よくて心のよりどころでしたが
今思うと精神衛生上あまりよくなかったなぁと思います。
そういえば、陰丸さんは黒テントの近くですか?
諦めの早い方なので,マンガは止め,その後さし絵の方に変更し,色んな経過を経て現在に至っています。
「美代子阿佐ケ谷気分」は私も読んでみたいです。
そうそう,アングラの時代がありました。絵の仲間の女の子も,暗黒舞踏の系列で踊っていました。その多くが暗黒舞踏では生活できないので,ヌードショーとかSMショーとかレズショーとか,副業でしていました。
その彼女が名前は忘れてしまいましたが,「あの○○さんと,レズビアンショーをしたんだよー」と誇らしげに話していたことを思い出しました。早稲田の大学祭の公演も一度見に行きました。全身白塗りで,小さなフンドシ一丁で,生きたニワトリの首を食いちぎるとか,熱演していました。
と,うちは黒テントとも紅テントとも無縁の,練馬です。まだまだ畑も多くあります。
風呂ナシ6畳一間でした。
でも陰丸さんの漫画面白いですよ~