宇宙のはてから
じゃんけんっ!
という声がする
思わず
ぐー)を出す
ぱー)という声が からから響く
負けたような気もする
うわむいて空を見る
空は つゞいている
次の 声を待とう
まだ 勝負は終わらない
じゃんけんは
三回勝負だ
コンパクト
トランジスターグラマー
そら
充実している気もする
次の 誰かの声を待つ、
たった一人で
R3.6.22
宇宙のはてから
じゃんけんっ!
という声がする
思わず
ぐー)を出す
ぱー)という声が からから響く
負けたような気もする
うわむいて空を見る
空は つゞいている
次の 声を待とう
まだ 勝負は終わらない
じゃんけんは
三回勝負だ
コンパクト
トランジスターグラマー
そら
充実している気もする
次の 誰かの声を待つ、
たった一人で
R3.6.22
ぬいぐるみのムクさんが、
ふいに むくむくっと成長し
本物の、熊になった
本物は 黒か茶色なのに
シロクマのように、白だった
運動不足は 体に悪いので
ムクさんと、川べりを散歩し
ムクさんの肩に 片手をおき
走ろうとするのを、とどめ
ゆっくり ゆっくりと念じた
川面は きらきらと輝いていた
川上まで 辿ると、
森 の入り口、まで来てしまった
(ぼく、森に帰りたい)
ムクさんは、そう呟いた
あれだけ抱いて
あれだけ一緒に睡ったのに
それは、ないでしょうと思ったが
悲喜こもごも
彼の首輪を はずした
ぎゅーっ として、
(あなたに
会いたい時だけ
森に来てもいい?)と聞いた
(もう、きみは ぼくがいなくても、大丈夫
今まで ありがとう
ここで 別れよう)と
シロクマは、振り返り振り返りして 森へ入って行った
逆に わたしが、ムクさんから離れたら
彼は辛いだろう と
黙って、見ていた
帰り道も
川面は きらきらと輝いていた
ムクさんは 成長した、
わたしも 成長しなければ
成長とは 断固として哀しいものと
きらきら 輝く川面をみつめた
ゆっくり ゆっくり
R3.6.18
ポストに、「どうつぶ」からの手紙が入っていた
ごつごつした空色の封筒を 開封すると
なつかしい なまぐさい匂いがする
緑色の便箋に、徹底的に不器用な文字で
(じぶん・このように・生きてる
げんき?)とあった
「どうつぶ」の住処
あの岩穴に、ペンはあったのか
郵便屋さんは なぜゆえ わたしの住所を知っていたのか
ともかく、躍り上がった
返信はできなかった
「どうつぶ」の住所は、書かれておらず
わたしは もう、「どうつぶ」と出会った
あの草原の場所を 忘れていた
「どうつぶ」が、振り返ってくれた!
その意味は、
「どうつぶ」とわたしで、創ればいい
「どうつぶ」が 岩穴から這いだし
日溜まりのように あたゝかな場所にいてほしかった
「どうつぶ」を選ぶには
何かを、捨てる必要があった
が それは、後回し
それからの夜更け
毎夜 毎夜、
わたしは 「どうつぶ」の火を吐く吠え声に
耳を傾けた
そして
ただ 返信することに決めた
呟く
(わたし・ここに・いる)と
その時
誰よりも、 幸福だった
R3.6.17