10月も半ばを過ぎると、美しく爆ぜたツルウメモドキの実を見ることができるようになる。
2015年以来、何度となく撮ってきたツルウメモドキ、こんな木が家にあったらなんて素晴らしいのだろう。いく度となく思ったことか。
そして、ついに、路傍に落ちている実を拾い集め、自宅へと取って返し、鉢に埋めたものである。
そう、多分、2016、17年の頃だったと思うのだが。
確かに、数本が発芽し、すくすくを大きくなった。だけどね、鉢のままにしておけばいいものを、何を思ったか北側の杉の木の下に植えてしまったのである。
きっと、木に絡ましたら美しかろうなんて、浅はかな思い付きだったのだろうね。
📷2016年11月26日:狭山市の路傍にて(蔵出し画像) この艶やかな赤、ツルウメモドキだけの赤だね。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
📷2016年11月26日:狭山市の路傍にて(蔵出し画像) タテイチでも、ヨコイチでも絵になる格好の被写体だ。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
皆さん、ツルウメモドキを地植えとするのは、とても ‶大きな覚悟が必要〟となることを肝に銘じておいて頂きたい。
ご存じの通り、ツルウメモドキは落葉つる性木本である。1、2年もすると近くの木々に絡みつき、どこまでもつるを伸ばしていく。
さらに、厄介なのはその根なのである。盆栽の本などを見ると、ツルウメモドキを増やしたいときには根伏せがよいなどとの記事をよく目にする。そう、一度、地植えとすると、どんどんとその根を伸ばしてゆき、驚くほど遠くの方で芽を出してくる。
📷2016年10月23日:花友Tさん宅にて(蔵出し画像)。 オブジェとして玄関に飾ってあった。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
📷2016年10月23日:花友Tさん宅にて(蔵出し画像)。 黒板塀に朱が映える。 (画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰) |
数年後、花を確認し、自前のツルウメモドキの爆ぜた様を確認したのはいいが、あまりの強勢に辟易して根こそぎ掘り返してやろうと企てたが、その根は坪庭の方々へと拡散して大仕事となってしまったのである。
実は、いまでも、どこからともなく芽を萌し、あわよくば失地を回復してやろうとばかりにつるを伸ばし始めるのだ。
📷2022年10月17日:小さな鉢に、こじんまりと住まう現在のツルウメモドキ。
まぁ、それでもウメモドキの爆ぜた姿を間近に見たくて、掘り返したときに未練がましく一部を鉢に幽閉してとっておいた。
📷2022年10月17日:実ができたらできたで、なんとも愛らしいものなのである。
今年、何年かぶりに花を付け、たった三つだけど実を付けてくれた(写真には二つの実しか写っていない)。
小さな鉢に取り籠められて、それでも秋色に染まっていくツルウメモドキ。その、ただ一粒に今年の秋が凝縮されていく。