◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

12月21日~12月31日

2024-12-21 19:28:50 | Weblog
12月31日(4名)

小口泰與
山風や冬鳴く鳥の声かすれ★★★★
猟犬の山懐を駆けにけり★★★★
表札も古りし我が家や冬の星★★★★

桑本栄太郎
玄関に飾りをつけて年おさめ★★★
外に出れば年末帰省の家族かな★★★
日差し受け鉢に水遣る大みそか★★★★

多田有花
車窓より富士くっきりと小晦日★★★
門松立つ国技館の門前に★★★
年の瀬の快晴の空へスカイツリー★★★

弓削和人
暖房のぬくさののこる家路かな(原句)
「のこる」がどこに残っているのははっきりさせる方が良いと思います。(髙橋正子)
暖房のぬくさ身にある家路かな(正子添削)

東北に来てひさかたに霜やけて★★★
湯豆腐のくずれるままに宵の友 ★★★

12月30日(3名)

小口泰與
草原の八千草枯れし冬さなか★★★
冬ぬくし我柔らかく絵具塗る★★★★
山峡の雪に埋もれし山家かな ★★★

桑本栄太郎
年用意今日はぬくきや玻璃磨く★★★
煤掃きの仕上げとしたる正午かな★★★
着衣ごと皆洗濯に煤おさめ★★★★

土橋みよ
寒きにも咲くアスパラ菜に励まされ★★★
掛け替えしカレンダーより思い新た ★★★

12月29日(4名)

小口泰與
大雪や鳶のやすらう森ふかし★★★
安けくて暖炉の間より雪見酒★★★
あけぼのの沼にやすらう真鴨かな★★★★

多田有花
置き薬入れ替えに来る年の暮★★★
年越しの旅の用意をしておりぬ★★★
年深し本年最後の洗濯す★★★

桑本栄太郎
煤掃きやすればするほどキリも無く★★★
冬日背の眠くなりたる昼餉あと★★★
冬雲に出入り激しき日差しかな★★★

上島祥子
年の瀬や杖つく足も速くなり★★★
大掃除終えてスリッパ新しく★★★
古暦晦予定は多く晦日まで(原句)
「古暦予定は多く晦日まで」?

12月28日(5名)

小口泰與
安けくて雪の浅間を拝みける★★★★
枯庭へ雨音高き石畳み★★★★
一面の雪にやすらう社かな★★★★

多田有花
数え日の時刻表を確かめる★★★
年用意髪をすっきり切りにけり★★★
葉牡丹の植替えをするボランティア★★★

廣田洋一
整髪の予約を入れる年の暮★★★
年の暮お酒一本賜りし★★★
魚屋の大声通る年の暮★★★★

桑本栄太郎
ひと風に落葉駆けゆく坂の道★★★★
こつ然と想い出うかぶ綿虫よ★★★
校庭の静寂となりぬ冬やすみ ★★★

弓削和人
水禽の湖面の揺れに合わせけり
「水禽」は「湖面の揺れ」に何を合わせるのですか。それをはっきり示す必要があり、省略はできないです。視点はとてもいいです。(髙橋正子)

手袋のあるとこになし外暮れて(原句)
「あるとこになし」は読みにくい欠点があります。面白い視点です。(髙橋正子)
手袋のあるところになし外暮れて(正子添削)

マスクして特急を待つ星の数 
「マスクして特急を待つ」と「星の数」の関係をはっきりさせましょう。発想や視点はいいです。(髙橋正子)

12月27日(4名)

小口泰與
上州の風にかしずく冬の山★★★
雪覆う利根源流の流れかな★★★
山裾の雪をかぶりし御社★★★

多田有花
よいお年をと言いて別れし年惜しむ★★★
仰向いて懐炉を背骨に当てている★★★
門松立つ昨日ツリーのありし場所★★★

桑本栄太郎
稚けなきいろはもみじの落葉踏む★★★★
綿虫や想い出忽と浮かび居り★★★
寒風に実を晒しけりさるすべり★★★

弓削和人
雪うさぎ突と車を横切り来★★★
セーターに隠れるような切符かな★★★
白鳥の雪片になり舞い降りぬ★★★

12月26日(6名)
多田有花
着膨れて平均台をしておりぬ★★★
駐車場にたい焼き移動販売車★★★
白南天の実のほのかなる黄色★★★

小口泰與
蜜柑盛る笊や卓袱台祖母の物(原句)
蜜柑盛る笊置く卓袱台祖母の物(正子添削)

もぎ取りて貰う蜜柑の日の温み★★★★
風の吹く様子は如何に冬赤城★★★

土橋みよ
クラリネット聴けば軽井沢の夏★★★
クリスマスケーキ果物だけ食べおり★★★
正月へ孫待ちて人参切り飾る★★★

桑本栄太郎
踏みしだき片方に寄りぬ落葉かな(原句)
踏みしだくのは自分で、片方に寄るのは落葉 と言う意味になっています。(髙橋正子)
踏みしだかれ片方に寄る落葉かな(正子添削)

入日背に雨の上がりぬ冬の虹★★★
波の花ふるさと想う日本海★★★

廣田洋一
花舗の前紅く光れる実南天★★★
千両が店を明るく年の内★★★★
賜りし暦並べて年の内★★★

上島祥子
氷上の靄吹き飛ばすフェイスオフ★★★★
冬空を隠す大樹や城址跡★★★★
旅先の泥を落として冬日和★★★

12月25日(5名)

小口泰與
寒雷や帯のようなる峠道★★★
ようやくに赤城鍋割雪景色★★★
枯れきって沼の顕わや山の径★★★

多田有花
バッハ弾きバッハを聴いてクリスマス★★★
生きてこそ幸いあれとクリスマス★★★
行く年のひと日ひと日を楽しみぬ★★★★

廣田洋一
土までも乾きて白き冬野かな★★★
冬の野に水青々と遊水池★★★★
約束の検診残す年の内★★★

桑本栄太郎
先急ぐ老いの人ゆく息白し★★★
白き実をからす啄む霜の晴れ★★★
早々と投函したり賀状書く★★★

弓削和人
冬将軍峠のさきに居座りぬ★★★
米兵の祝う聖樹や三沢基地★★★
ブラックを飲みほし越えん冬山路★★★

12月24日(4名)

小口泰與
赤城より物狂いして空っ風★★★
深山の古木ふとぶと青鷹(もろがえり)★★★
枯草や誤算だらけの人の世よ★★★

弓削和人
竜の玉冬の厳しさ耐えており★★★
雪原や沓のあとさき消え去りぬ★★★
軽トラの雪野かなたへ融けており(原句)
軽トラの雪野のかなたへ融けており(正子添削)

廣田洋一
喪中通知無きを確かめ賀状書く★★★
良い年をと声掛け合える年の暮★★★
俳句一句慎ましく添え賀状書く★★★★

桑本栄太郎
それぞれの想い出めぐり賀状書く★★★
約束の君は来ずなりイブの夜★★★
カップルの街にくりだす聖夜かな ★★★
 
12月23日(5名)

小口泰與
山の沼冬翡翠のもとおり来(く)★★★
利根川の河原もとより空っ風★★★
もののふの顔して釣らる冬鯰★★★

桑本栄太郎
路面濡れ光る朝やしぐれ虹★★★
しぐれ雲あがり白きや嶺の膚★★★
冬日背に思案して居り句の推敲★★★

土橋みよ
自動ドア踏み出す足元枯葉舞う★★★
サンタ服子ども歩けば人とまる★★★
謙信平/冬空澄みて/新宿見ゆ(原句)
新宿見ゆ/冬空澄める謙信平(正子添削)
俳句は一般的に、三段切れといって、一句のなかで切れが二か所になるのを嫌います。(髙橋正子)
新宿見ゆ冬空澄める謙信平(正子添削)

廣田洋一
川に沿い川を見下ろし冬野行く★★★
数え日や産土神へお礼参り★★★
数え日や入れ歯の型を整えし★★★

上島祥子
冬晴れや鳶は十迄数えたり★★★★
冬座敷猫の爪痕そのままに★★★
冬の朝鈴音さやかに地域猫★★★★


12月22日(5名)

小口泰與
もどかしく青空見やぐ冬の夕★★★
利根川も荒荒しきや空っ風★★★
忽然と風の物言い冬深し★★★

弓削和人
寒鴉降りてましろき原野かな★★★
除雪機の壊れしままに雪根づく★★★
言の葉をのこして冬のベンチかな★★★

廣田洋一
街の川細く流れて冬野かな★★★
多摩川の煌めく光冬野かな★★★
納め句座一つを残す年の内★★★

多田有花
冬至南瓜さっくり割って塩蒸しに★★★
冬至過ぎ夜明けはさらに遅くなる★★★
雲低く但馬は雪と思う午後★★★★

川名ますみ
落つる日を待ちて冬至の富士黒し★★★★
凩を追ってぴくりと猫の耳★★★
聖橋渡り冬紅葉の街へ★★★

12月21日(5名)

小口泰與
位ある古木に鷹の止まりけり★★★
冬の沼藻屑の中に魚住めり★★★
空風や集いし人はみんな黙(原句)
空風や集いし人のみな黙る(正子添削)

多田有花
やや雲の多かり一陽来復の朝よ★★★
雲晴れて冬至真昼の陽がさしぬ★★★
たっぷりと蕾蓄え山茶花は★★★

廣田洋一
浮かびたる柚子をかき分け湯に入る★★★
冬至とて早めに門灯灯しけり★★★
気が付けば夕日落ちてる冬至かな★★★

桑本栄太郎
濯ぎもの干すや眩しき冬至の日★★★
枯木なるあまた鴉の止まりけり★★★
まんさくの枯葉のままに冬芽かな★★★

弓削和人
重ね着の子らのてのひら白きもの★★★
霜夜なり玄関の戸を開け放ち★★★★
底冷の廊下のさきの灯しかな★★★
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自由な投句箱/12月11日~12月20日

2024-12-12 00:53:23 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 

       🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
  名前の右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
     名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句

12月20
★冬菊のまとふはおのがひかりのみ     水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし)
12月19日
★枯草の一人の幅の径下る         篠原 梵(しのはら ぼん)🍁
12月18日
★たっぷりの真水に冬菜解かれけり     脇 美代子(わき みよこ)🌸
12月17日
★玻璃越の凩の顔とわかれたり       加藤 楸邨(かとう しゅうそん)
12月16日
★今ぬぎし足袋冷やゝかに遠きもの     細見 綾子(ほそみ あやこ)
12月15日
★立ちしものに光りを注ぎ冬満月      碇  英一(いかり えいいち)🌸
12月14日
さむきわが影とゆき逢う街の角       加藤 楸邨(かとう しゅうそん)
12月13日
★冬曙六人の病床うかびそむ        石田 波郷(いしだ はきょう)
12月12日
★咳の子のなぞなぞあそびきりもなや    中村 汀女(なかむら ていじょ)
12月11日
★きしあとわが白息の豊かなる       橋本多佳子(はしもと たかこ) 
コメント (43)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の秀句/12月11日~12月20日

2024-12-12 00:49:32 | Weblog
12月20日(1句)

★湧水の音絶え間なく年迫る/廣田洋一
本格的な句。年が迫りあわただしい世間に対し、湧水はこんこんと湧き出し、水音も絶えない清浄な世界がある。(髙橋正子)

12月19日

※該当句無し

12月18日(1句)

★柚子の黄の日向占め居り庭の隅/桑本栄太郎(正子添削)
庭の隅の柚子の実が冬の日が受けて、冬の日を一人占めするかのように明るく照っている。(髙橋正子)

12月17日(1句)

★冬の駅汽笛は線路を走りけり/弓削和人
とくにローカル線の冬の駅は、寒々としてホームに立てば線路が遠く続くの見える。汽笛は「線路を走りけり」の印象で、汽笛の音は線路づたいに抜けていく。空気の緊張感も感じさせて、言い得ている。(髙橋正子)

12月16日(1句)

★短日の入日が窓を輝かす/多田有花
「短日の入日」だけで、詩になっている。「窓を輝かす」は作為がないのがいい。(髙橋正子)

★吹かれきし木の葉も共に掃きにけり /廣田洋一
枝についている枯葉も、落葉のも「木の葉」と言う。吹かれてきた木の葉を今掃いている木の葉と一緒に掃く。せっかく掃いたところへ、また飛んでくる。誰のものでもない木の葉の掃除はこの季節の仕事。(髙橋正子)

12月15日(1句)
友と居て言葉飛び去る空っ風(原句)
「友と居て」の部分は、「友」を意識すれば当然そこに「友が居る」ことになるので、「居る」が必要かどうか考えないといけないです。(髙橋正子)

★空っ風友の言葉を奪い去る(正子添削)
「空っ風」は、晴れた日に吹く北西の乾燥した季節風で、北陸に雪を降らせ山を越えて上州や関東に吹き下ろす。
空っ風が吹いてきて友の言葉がよく聞き取れなかったのだろう。空っ風が友の言葉を奪い去った。空っ風には非情な部分もあるのだ。(髙橋正子)

12月14日(1句)

★外套のまま召し上がれ中華そば/小口泰與(原句)
外套のままに食うなり中華そば/小口泰與(正子添削例)
原句は、面白い視点で詠んでいる。外套のままに着ぶくれて、湯気に顔を埋めて食べる姿に、庶民の哀歓が見える。(髙橋正子)

12月13日(1句)

★古釘を少し磨きて注連飾る/廣田洋一
古釘は注連飾りを取り付けるために、取り外さないで打ち付けたままなのだろう。それが古釘になって錆が付いている。新年を迎える気持ちが、錆を少し落として注連を飾らせるのだ。「少し」が自然体で好もしい。(髙橋正子)

12月12日(2句)

★ジャングルジムの中より見上げ冬の空/多田有花
ジャングルジムの内側に入って空を見ると、空に交錯する線が引かれているように見える。線描画のような、都会的な景色が見える。冬空が一番似合う。(髙橋正子)

★山眠る湖底のウグイもこんこんと/弓削和人
魚類は水温が5度C以下になると仮眠状態になるという。これを魚の冬眠とも言っている。湖水の水温が下がり、あるい氷が張っているのかもしれないが、湖の山が眠るそばで、湖底ではウグイも眠っている。冬の寝息の聞こえるようなひそやかな世界。(髙橋正子)

12月11日(1句)

★溝川のこぼこぼ落つる冬田べり/桑本栄太郎
「ごぼごぼ」落ちる溝川の水が、冬田のへりで力強く聞こえる。ものが枯れるなかの、水のいきいきとした力強さである。(髙橋正子)
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月11日~12月20日

2024-12-12 00:45:07 | Weblog
12月20日(5名)

小口泰與
指先に痛さ募りし冬の朝★★★
氷柱より落つる水滴池の端★★★
目裏に沼の氷柱を仕舞いけり★★★

多田有花
ここからはまた蘇り明日冬至★★★
雲晴れて初雪輝く北の峰★★★
疼痛に冬という字のありにけり★★★

桑本栄太郎
白き実の揺れるばかりの冬木かな★★★
大ぶりなポプラ落葉を踏み行けり★★★
宍道湖に水鳥来たる石鼎忌★★★

廣田洋一
湧水の音絶え間なく年迫る★★★★
地蔵堂慈悲の祈りを冬空に★★★
積もりたる銀杏落葉の光りおり★★★

弓削和人
岩ぶろに雪深深(しんしん)と隣客★★★
白樺の群落吹雪に抗しけり★★★
新雪の古雪に陸ぶ銀世界
「陸ぶ」はよく使いますか(髙橋正子)

12月19日(3名)

小口泰與
鳥も来て冬芽萌え出づ朝まだき★★★
園児らの髪の毛乱る虎落笛★★★
銀杏降る赤き鳥居の周りにも★★★

多田有花
風呂上がり皹の踵にクリームを★★★
パネルヒーターに膝入れて極楽に★★★
昼前の運動も兼ね日向ぼこ★★★

桑本栄太郎
寒風のあおぞら見上げ歩き行く★★★
冬菊の金網塀をこぼれ咲く★★★
満天星つつじの燃える如くや冬紅葉★★★


12月18日(4名)

小口泰與
赤城より誘いに来たる虎落笛★★★
鳥の来て冬芽つんつん朝まだき(原句)
朝まだき冬芽をつつく鳥の来て(正子添削)

蜜柑もぐ悪餓鬼どもの集う間に★★★

土橋みよ
用水路辿れぬ先の落ち葉かな(原句)
用水路先の辿れぬ落葉かな(正子添削)

冬ぬくし贈られし手に脳パズル(原句)
修飾語の「贈られし」は、「脳パズル」にかかるので、なるべき近く(すぐ前)に置くと意味がはっきりします。(髙橋正子)

冬ぬくし手に贈られし脳パズル(正子添削)

多田有花
霜の田のまだ陽を浴びず眠りおり★★★
大霜や車の列が橋渡る★★★
手袋をつけて打ちけるキーボード★★★

桑本栄太郎
踏みしだき路の片方に落葉かな(原句)
落葉から見れば、「踏みしだかれ」の受身形になります。「落葉が踏みしだく」わけではありませんから。(髙橋正子)
踏みしだかれ路の片方に落葉かな(正子添削)

冬日背に歩みつづける遊歩道★★★
柚子の黄の冬日占め居り庭の隅(原句)
「冬日占め居り」の意味がよくわからないのですが、添削すると以下のような意味ですか。(髙橋正子)
柚子の黄の日向占め居り庭の隅(正子添削)

12月17日(5名)

小口泰與
背中にも懐炉を貼れり旅の朝★★★
枝垂れ木にこぶの如きや寒雀★★★
羽ばたきし鴛鴦の雄見事なり★★★

多田有花
しみじみと師走も半ば訃報知る★★★
極月の月を見上げて夜の散歩★★★
白金懐炉布団に入れて眠りけり★★★

桑本栄太郎
裸木のなりて雄々しき銀杏かな(原句)
裸木なりて雄々しき銀杏かな(正子添削)

ひと風に吹き寄せらるる枯葉かな★★★
ゑのころの枯れて彷徨う風の向き★★★

廣田洋一
公園のラジオ体操息白し★★★
ビル谷間透き通りたり冬の月★★★★
逝きし人の面影浮かべ冬の月★★★

弓削和人
息白し眼鏡の玻璃の照るかな(原句)
息白し眼鏡の玻璃の照れるかな(正子添削)

冬駅の汽笛は線路を走りけり
「冬駅」は言葉として、普通に、馴染んでいないので、「冬の駅」とします。
冬の駅/汽笛は線路を走りけり(正子添削)

各停のまくら木昏き枯葎
「各停のまくら木」は飛躍しすぎです。状況をもう少し整理するといいと思います。(髙橋正子)

12月16日(4名)

小口泰與
背中にも懐炉を貼るや旅の朝★★★
枝垂れ木にこぶの如きや寒雀★★★
羽ばたきし鴛鴦の雄見事なり★★★

多田有花
朝快晴なれど寒気の雲の午後★★★
水仕事にお湯は使わず真冬にも★★★
短日の入日が窓を輝かす★★★★

桑本栄太郎
せせらぎの底に落葉や高瀬川★★★
南座にまねき上がりぬ酢茎買う★★★
渋滞の川端通りの冬木かな★★★

廣田洋一
何事か声かけながら木の葉散る★★★
吹かれきし木の葉も共に掃きにけり★★★★
回転寿司まず取りたるは鮪鮨★★★

12月15日(3名)

小口泰與
沼の面に夕日まだある冬の風★★★
夕暮れの髪膚に浴びし空っ風★★★

友と居て言葉飛び去る空っ風(原句)
空っ風友の言葉を奪い去る(正子添削)

廣田洋一
マンションの二階の窓や聖樹の灯★★★
てっぺんに金星光る大聖樹★★★
電飾のトナカイ走るクリスマス★★★

多田有花
捨てるべきものは捨て去り日短か★★★
口中に溶ける冷たきチョコレート★★★
スーパーに車びっしり年の暮★★★

12月14日(4名)

小口泰與
外套のまま召し上がれ中華そば(原句)
外套のままに立ち食う中華そば(正子添削例)
原句は、面白い視点で詠んでいると思います。「召し上がれ」が惜しいです。(髙橋正子)

冬翡翠の目もあやに岩の上★★★
赤城より強き打球や空っ風★★★

多田有花
賀状書くことの絶えたり幾年ぞ★★★
陽を浴びる落葉を踏みて歩く道★★★
聖樹立つひと年長くも短くも★★★

桑本栄太郎
木枯やみずいろ宙のどこまでも★★★
あおぞらに点すようなり木守柿★★★
寒波来る朝の夢見のつづきけり★★★

廣田洋一
マフラーを二重に巻きて外出す★★★
寿司折りの鮪一貫際立てり★★★
生垣の山茶花映える大手門★★★

12月13日(4名)

小口泰與
冬霧の湧き出で谷間桃源郷★★★
妻目ざとく冬翡翠を見つけたり★★★
群竹を縦横無尽に空っ風★★★★

多田有花
退任の人に花束忘年会★★★
冬晴れに窓開け放ち掃除する★★★
稜線の日ごとに透けて冬なかば★★★

廣田洋一
古釘を少し磨きて注連飾る★★★★
神棚の榊取替え注連飾る★★★
日めくりの暦売りたる古本屋 ★★★

桑本栄太郎
厨より水音聞こゆ花八つ手★★★
想い出の遠くなり居り冬かすみ★★★
敷き詰める銀杏落葉の芝生かな ★★★

12月12日(5名)

小口泰與
丘の沼雪にまみゆる事も無し★★★
あけぼのの枯葉ににじむ朝日かな★★★★
この朝の深山はかぶる雪帽子★★★

廣田洋一
バスを待つ人の行列息白し★★★
両隣クリスマスリース飾られし★★★
AIの鳴らす鐘の音クリスマス★★★

小口泰與
冬波の大化けに化く岩畳★★★
焚火せる老いの二人の夕間暮れ★★★
旋回の鳶の光れる沼の上★★★

多田有花
青空や間もなく裸木となれり★★★
十二月の枝に吊られしポットハンガー★★★
ジャングルジムの中より見上げ冬の空★★★★

桑本栄太郎
道の辺に踏みしだかるる落葉かな★★★
嶺の端の茫洋たりぬ冬かすみ★★★★
跳びながら飛び去りゆけり冬の鵯★★★

弓削和人
焼芋を持ちたる指の甘きかな★★★
山眠る湖底のウグイもこんこんと★★★★
水抜を怠るなかれ冬籠 ★★★

12月11日(4名)

小口泰與
夕日射す小枝に溢る寒雀★★★★
枯薄風に背筋をぴんとせり★★★
あけぼのの冬の小沼に鳥の声★★★

多田有花
教会の前庭にクリスマス飾り★★★
葉も少し赤さ加えて実南天★★★★
銀の馬車道赤さを増しぬ実南天★★★

廣田洋一
寒禽や時に河原に降り立ちぬ★★★★
友二人鮪づくしの昼餉かな★★★
香に惹かれ寄り道をする枇杷の花★★★

桑本栄太郎
溝川のこぼこぼ落つる冬田べり★★★★
黄明りの日蔭なればや石蕗の花★★★
冬うららゆるび流るる飛機の雲★★★


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自由な投句箱/12月1日~12月10日

2024-12-02 08:08:31 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 

       🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
  名前の右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
     名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句

12月10
★大根を包む新聞濡らしけり       堀 佐夜子(ほり さよこ)🌸
12月9
★生牡蠣の胸を落ちゆくさみしさ堪ふ   西垣 脩(にしがき しゅう)🍁
12月8日
★髪洗う耳に木枯し届きけり       多田 有花(ただ ゆか)🌸
12月7日
★鴨とほく泛(う)けり睫毛に風おぼゆ   西垣 脩 (にしがき しゅう)🍁
12月6日
★冬の水一枝の影も欺かず      中村 草田男(なかむら くさたお)
12月5日
★霜の墓抱き起こされしとき見たり  石田 波郷(いしだ はきょう)
12月4日
初雪を大きく受けて芭蕉佇つ     安丸 てつじ(やすまる てつじ)🌸
12月3日
大佛の冬日は山へ移りけり      星野 立子(ほしの たつこ)
12月2日
★大根を手に余らせてすりおろす   高橋 秀之(たかはし ひでゆき)🌸
12月1日
★水漬きつつ木賊(とくさ)は青し冬の雨  中村 汀女(なかむら ていじょ)
コメント (43)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の秀句/12月1日~12月10日

2024-12-02 08:07:16 | Weblog
12月10日(1句)

★配達夫来て去りしずか雪の軒/弓削和人
雪の積もった日の生活の静けさが詠まれている。配達夫が来て、配達が済むと去っていく。当たり前のことが、暖かく思われる雪の日である。(髙橋正子)

12月9日(1句)

★集落と枯田の中を川流る/多田有花
人の住む、コミュニティのある集落と、収穫が終わり枯れ色を深めた田、その中を時が流れるかのように流れる川。この景色に、人々の営みの遥けさと寂しさを思う。(髙橋正子)

12月8日(1句)

★寒菊を風の中にて切りにける/小口泰與
冬のきびしい寒さのなかで咲く菊には凛としたたたずまいがある。寒風のなかで人の手により、あっけなく切り取られる。ただそれを言っただけの句。読後の思いはさまざまであろう。(髙橋正子)

12月7日(3句)

★師走の空へ薔薇色の薔薇咲きぬ/多田有花
薔薇の色と言えば、すぐ思い浮かぶ色を薔薇色という。年の終わりの師走の空と薔薇色の薔薇の詩情が日常にある喜び。(髙橋正子)

★年忘れ締めは真白き握飯/廣田洋一
年忘れにふさわしく、余計なもののない、「真白き握飯」によって、さっぱりと年が越せそうだ。(髙橋正子)

★水鏡して水仙の今朝の色/小口泰與
水に映った端正な水仙の姿。それがまた今朝は「今朝の色」となっている。(髙橋正子)

12月6日(1句)

★冬菊へ小さき虫の寄り止まる/多田有花
冬菊は寒さのなかに咲き続けている。生き生きとしている。小さい虫が寄り集まっている。本当に小さい光景だが、みんな生きているんだと言う思いがする。(髙橋正子)

12月5日(1句)

★木の葉髪たった一人の批評受け/弓削和人
たった一人からの批評は、貴重であるが、一人だけからと言う寂しさもある。その真偽が本当のところよくわからないと言う不安もある。そんな気持ちが「木の葉髪」と言う季語に重ねられている。(髙橋正子)

12月4日(1句)

★綿虫の想い出すかに浮かびけり/桑本栄太郎
「綿虫」は、アブラムシの仲間で5ミリほどの虫。綿にくるまれたようにふわふわと空中を浮遊し、物にあたるとくっ付く。晩秋や初冬の頃、また初雪のこと現れるので雪虫とも呼ばれている。
「想い出すかに浮かぶ」は綿虫の様子でもあり、作者の想い出の心象でもある。(髙橋正子)

12月3日(1句)

★裸木のさくら枝垂るる威厳かな/桑本栄太郎
花の季節は満開の花枝が枝垂れ優美であったろうに、裸木となっては、威厳のある姿を見せている。(髙橋正子)

12月2日
該当句無し

12月1日(1句)

★樫の木の稀に斜めや雪の郷/小口泰與
樫の木の姿をまず目に浮かべると、堂々とまっすぐに立っている。作者が目にしたのは、雪国の幹が斜めになった樫。きびしい雪国の風雪に幹が斜めになったのであろう。それを思いみている。(髙橋正子)

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月1日~12月10日

2024-12-02 08:04:50 | Weblog
12月10日(4名)

小口泰與
鴨の居て沼の静けさ日曜日★★★
水底へ日の射しにけり冬の沼★★★
手袋の人差し指に穴のあり★★★

廣田洋一
枇杷の花残れる虫を惹きよせて★★★★
蕩けさうな鮪の刺身酒を酌む★★★
朝な夕な木の葉掃きたる両隣★★★

多田有花
山降り来りなば傍らに万両★★★★
冬菊の咲く道をゆく女子高生★★★
誕生日祝うおでんを囲みつつ★★★

桑本栄太郎
ワクチンの七回目とや冬ざるる★★★
松山のことは想い出漱石忌★★★
冬うらら背ナに日差しの昼餉かな★★★

弓削和人
雪嶺のかなたの里に灯しあり★★★
配達夫来て去りしづか雪の軒★★★★
遅番の吾を待ちたる雪明り★★★★

12月9日(4名)

小口泰與
身づくろいしたる浅間や雪化粧★★★
水底に沈みし冬の山の峰★★★★
みずみずし庭の蜜柑をもぎ取りし★★★

桑本栄太郎
河に沿いさくら冬木の坂くだる★★★
うずくまる猫に日差しや漱石忌★★★
こつ然とつむじ巻きたる冬の風★★★

多田有花
陽を透かし冬の紅葉の輝けり★★★
集落と枯田の中を川流る★★★★
枯山の頂に坐し昼ごはん★★★

弓削和人
長靴や雪踏む一歩の弾む声★★★
母は娘の部屋をととのえ冬の草
母は娘の部屋をととのえ」と「冬の草」はどんな関係ですか。(髙橋正子)

雪まろげじっとせずいる秋田犬★★★

12月8日(3名)

小口泰與
水鳥や鯉の尾びれの揺れにける★★★
寒鮒の光る鱗や岩の間に★★★
寒菊を風の中にて切りにける★★★★

多田有花
快晴に残る紅葉を映す池★★★
キャンプ場にテントいくつも冬紅葉★★★
大雪や彩り残る道をゆく★★★

桑本栄太郎
青空にすでに冬木の銀杏かな★★★
補助輪のコキコキ行くや冬うらら★★★
山膚の未だ真つ赤ぞ冬の嶺★★★

12月7日(4名)

多田有花
師走の空へ薔薇色の薔薇咲きぬ★★★★
降誕祭待つや銀杏は黄金色★★★
手洗いに小さき聖樹飾られて★★★

廣田洋一
予報通り寒気覆いし東京ぞ★★★
年用意予定と予算立てにけり★★★
年忘れ締めは真白き握飯★★★★

小口泰與
上空を微塵の如き寒烏★★★
水鏡して水仙の今朝の色★★★★
見つけたる長きすそ野の冬赤城★★★

桑本栄太郎
見下ろせば眼下真つ赤ぞ冬紅葉★★★
大雪や風に転がるポプラの葉★★★
ひと風に舞いあがりたる木の葉かな★★★

12月6日(3名)

小口泰與
道の辺の沼へ枯葉の数多なる★★★
丸き輪を嘴よりはきし冬翡翠★★★
道の辺の枯木の株に躓けり★★★

多田有花
冬菊へ小さき虫の寄り止まる★★★★
花好きの家門前に冬の薔薇★★★
冬野菜取り入れている家庭菜園★★★

廣田洋一
土産物買い忘れたり暮の旅★★★
忘れたる友の名前や賀状書く★★★
彩りし木の葉浮かべて冬の川★★★

12月5日(5名)

小口泰與
あけぼのの汀を歩む冬白鷺(原句)
季節感をよりはっきり出すために、添削しました。季語を何にするかが大切です。(髙橋正子)
あけぼのの冬の汀を踏む白鷺(正子添削)

定刻に聞こゆ人声冬散歩
「冬散歩」を季語とするより、例えば「冬の朝」「霜の朝」などを季語とする方が良いと思います。(髙橋正子)
道すがら見し冬翡翠の魚捕るを★★★

多田有花
桜枯れ赤き烏瓜のみ残る★★★
日当たり良好冬菊咲く角の家★★★
生垣の淡紅山茶花咲き初めし★★★

廣田洋一
青空にぽつんと浮かぶ木守柿★★★
神木の大銀杏光る冬の空★★★★
積りたる落葉踏みしめ虚子谷倉★★★

桑本栄太郎
階(きざわし)の眼下真つ赤ぞ冬もみじ★★★
すじ雲の今朝のあおぞら寒波来る★★★
今朝みれば今日は冬木の銀杏かな★★★

弓削和人
木の葉髪たった一人の批評受け★★★★
短日の旅行カバンの重きかな★★★
浮寝鳥湖底に沈む急きごころ★★★

12月4日(5名)

小口泰與
鷹舞て山の小沼の静寂なる★★★
肌を刺す赤城颪や商店街★★★
冬帽の我座し見入る野鳥かな★★★

多田有花
冬うららみな来られたし瀬戸内に★★★
なだらかな播磨の山はまだ眠らず★★★
川波の光り流れる冬の午後★★★

廣田洋一
冬紅葉窓を掠めるケーブルカー(原句)
冬紅葉ケーブルカーの窓掠め(正子添削)
冬黄葉真っ盛りの大銀杏★★★
木の葉を透ける冬日や法の庭★★★

桑本栄太郎
パソコンの背ナ陽当たる冬ぬくし★★★
すすき穂のほどけ波打つ日差しかな★★★
綿虫の想い出すかに浮かびけり★★★★

弓削和人
都どり跳上橋(はねあげばし)の影に揺れ★★★
釣人の穂先は冬日を掠めたり(原句)
「釣人の穂先」の表現は飛躍しすぎです。(髙橋正子)
釣竿の穂先冬日を掠めたり(正子添削)

肩をすぼめ駅を行き過ぐ暖房車
「肩すぼめ駅を行き過ぐ」と「暖房車」との情景を丁寧に言う必要があります。(髙橋正子)

12月3日(3名)

小口泰與
ざあと言う鷹の羽音や沼野辺に★★★
見事なる冬翡翠の羽の色★★★
寒雀とんとんとんととたん屋根★★★

多田有花
ゆで栗を窓辺に食めば冬うらら★★★
瀬戸内の予報は冬晴の続く★★★
日当たればそこは明るし枯芒★★★★

桑本栄太郎
山膚のけぶり棚引く冬もみじ★★★
溝川の楽を歌うよ冬うらら★★★
裸木のさくら枝垂るる威厳かな★★★★

12月2日(4名)

小口泰與
沼沿いの枯れし薄や風の中★★★
ゆったりと水際歩む二羽の鴨★★★
夕凍みの畑より戻る老夫婦★★★

多田有花
つやつやと栗茹であがり十二月★★★
極月の空へがまずみの実の残る★★★
実南天日差し明るき庭にあり★★★

桑本栄太郎
山茱萸の赤き実垂るるあおぞらに★★★
かくしゃくとゲートボールや冬ぬくし★★★
夜の闇をびりりびりりと雪起こし★★★

廣田洋一
居座りて人を眺める冬の鹿★★★
滝の音忙しく流れ冬紅葉★★★
宇治平等院雅楽奏でる冬夜空★★★

12月1日(4名)
多田有花
色彩を野山に残し師走来る★★★
暖かき播磨は盛りの冬紅葉★★★
凩に干せるものみなよく乾く★★★

小口泰與
客人(まろうど)として裏の小池に冬の月★★★
樫の木の稀に斜めや雪の郷★★★★
冬ばらを見入る外つ国人たりし★★★

桑本栄太郎
藁におの冬の田面や大原野★★★
冬菊のよりどころなく傾ぎけり★★★
あおぞらと唖然となりぬ冬紅葉★★★

廣田洋一
冬紅葉芭蕉の句碑を仰ぎけり★★★
神木の煌めく光冬黄葉★★★
山茶花の花びら散りぬ法の庭★★★
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秀句とコメント/11月25日~11月29日分

2024-11-30 03:41:18 | Weblog
●29日に帰省から横浜の自宅に帰りました。夕方になりかけていましたが新幹線が新富士を過ぎると、冠雪の富士山の全容が見えました。すばらしかったです

●11月25日から11月29日の間、いつもと変わらず、ご投句をありがとうございました。その間の句に★印をつけ、秀句にコメントをつけました。ご確認ください。(髙橋正子)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自由な投句箱/11月30日

2024-11-30 01:00:00 | Weblog
今日の秀句/11月30日(1句)

スケートの子等の目付きの生き生きと/小口泰與
スケートを滑る子供たちは、どの子も喜々として、目が生き生きとしている。「生き生き」が子供らしさを感じさせてくれる。(髙橋正子)

11月30日(4名)
小口泰與
一村の絵画や冬の日煌煌と★★★
スケートの子等の目付きの生き生きと★★★★
水底の魚逃したる小鴨かな★★★

多田有花
冬の夜のわが身で作る影絵かな★★★
冬の雨続く二日の後の晴れ★★★
わが郷の周り彩る冬紅葉★★★

桑本栄太郎
虫食いの桜紅葉や日を透きぬ★★★
赤くなるもの全てが赤く冬紅葉★★★
振り返りふりかえり見る冬もみじ★★★

廣田洋一
忘れずにマフラー加え旅支度★★★
マフラーに顎をうずめし女学生★★★
道沿いの枝に挿されし手袋かな★★★

今日の俳句
★街の色変えつつ落ちる冬夕日  髙橋 句美子(たかはし くみこ)🌸
冬、夕日が落ちてゆく時、夕日の光が街を映し出し、しだいに弱くなり、街が暮れていく。その様子「街の色変えつつ」と詠んだ。 しずかな観照の句。(髙橋正子)
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自由な投句箱/11月29日

2024-11-29 01:00:00 | Weblog
今日の秀句/11月29日(2句)

★ストールをさらりとショートヘアの背に/川名ますみ
ショートヘアのうなじから背にかけて、しなやかな女性の姿が思い浮かぶ。ストールもショートヘアも「さらり」として絵画的な印象の句。(髙橋正子)

★大ぶりのポプラ枯葉や風に添う/桑本栄太郎
ポプラの葉のなかでも特に大ぶりの枯葉が、風に吹かれて運ばれているのだろう。少し吹かれては、止まり、また吹かれては動く。風の気持ちに添うように。(髙橋正子)


11月29日(6名)

廣田洋一
散紅葉しづこころなき城の跡★★★
一陣の風のまにまに紅葉散る★★★
ブロッコリー弁当箱の甘き色★★★★

多田有花
再現の池の面に冬の城★★★
冬浅き夜の野点傘の下★★★★
照明に照らされ残る紅葉かな★★★

小口泰與
眼間の入日まばゆし冬浅間★★★★
羽ひろぐ冬白鷺のまばゆきし
「まばゆきし」は、正しくは「まばゆかりし」となります。(髙橋正子)

この沼の冬翡翠の舞い出でよ★★★

桑本栄太郎
冬ぞらの哀しきほどの青さかな★★★
大ぶりのポプラ枯葉や風に添う★★★★
白き実のあらわとなりぬ冬紅葉★★★

弓削和人
時雨るるやおにぎり片手の駅前バス
「おにぎり片手の」の「の」の使い方は、問題です。「駅前バス」も省略しすぎで、無理な表現です。俳句では、「ひとつ」の事を言おうとしてみてください。(髙橋正子)

夜店急く傘持つ人や町しぐれ
「夜店急く」は省略しすぎの表現。一句を散文を書くように書いて、それから省略できるとことを省略しては、どうでしょうか。(髙橋正子)

木枯をのこして明けの旅切符
この句の場合、「木枯をのこして」を率直に表現されたら、いかがでしょうか。
(髙橋正子)

川名ますみ
聖橋渡り冬紅葉の湯島★★★
低く来てしずかしずかに冬の雷★★★
ストールをさらりとショートヘアの背に★★★★

今日の俳句
★冬空をいま青く塗る画家羨(とも)し/中村草田男(なかむらくさたお)
 画家が冬空を青く塗っているのを見ている。見ているうちに冬空を青く塗る画家の心境を羨ましく思った。おなじところに居ながら、二人は、画家と作者は、反対の心境なのだ。(髙橋正子)
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする