◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

4月4日(木)

2013-04-05 08:17:28 | Weblog
●小口泰與
利根川の流れ荒ぶや山桜★★★
はくれんや白磁の花瓶本床に★★★
大木の根方の雪解まんまるよ★★★

●黒谷光子
青空へ枝を広げて白木蓮★★★
畑に採る茎立ち近き法蓮草★★★
葉の奥に花芽を宿し法蓮草★★★

●多田有花
木漏れ日を親しと思う四月かな★★★
見晴るかす嶺に展開山桜★★★
頂を囲みし三葉躑躅かな★★★

●河野啓一
丘染めて桜花朝日に耀けり★★★★
丘を埋めて咲く桜が朝日を受け、曙色に染まり耀くばかり。素晴らしい眺めを呈してくれる。(高橋正子)

野の池にさくらの姿淡く揺れ★★★
うぐいすを捕るとて網を持ちたる児★★★

●桑本栄太郎
花あはれ夜半に嵐の音を聞く★★★
風に舞い風を染め上げ花の塵★★★★
散り敷いた桜の花びらが風に舞い上がるときは、「風を染め上げ」の言葉通り。花の塵さえも美しい。(高橋正子)

花ももの紅白分かち乱れけり★★★

●藤田洋子
街騒の柳の岸に流れくる★★★
柳青みて水に照り水に垂る★★★★
「柳青みて」の上七に力強さがある。以下「水に照り水に垂る」の五・五と続く五音のリズムも力強い。柳はしなやかなものとして詠まれることが多いが、この句は柳を力強く詠んで成功した。(高橋正子)

雨あとの空より落花はじまれる★★★

●小西 宏
旅の途のひとつのけじめ桜散る★★★★
旅の途にあっても、桜が散るときが来て散る。「散る」を「ひとつのけじめ」として受け止めるのも、旅の思い。(高橋正子)

花覆い日々青みゆく楓の芽★★★
蒲公英の日影に咲いて陽の光★★★

●藤田裕子
もどり来し山路ゆかしき山吹よ★★★
静かなり桜は今を咲き誇る★★★
陽の包む山裾やさし朝桜★★★
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする