◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/5月1日~10日

2017-05-05 10:16:17 | Weblog

※当季雑詠3句(春の句・夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
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今日の秀句/5月1日~10日

2017-05-05 10:16:00 | Weblog

5月10日(2句)

★頂の空はわがもの夏燕/多田有花
山頂の空は限りない。その空を自在に夏燕が飛ぶ。自由そのもの。(高橋正子)

★睡蓮や平和の鐘を次々と/谷口博望 (満天星)
平和の鐘が睡蓮の花をひとつひとつ揺らすように鳴っている。平和への願いに睡蓮が一層清々しい花に思われる。(高橋正子)

5月9日(3句)

★連休の明けて高かり桐の花/多田有花
連休が明けると夏らしさが増してくる。高々と薄紫に咲く桐の花が初夏の点景として眼に映る。(高橋正子)

★飛騨川へ傾ぐ若葉の大樹かな/古田敬二
水量を増やした飛騨川へ若葉の大樹が幹を傾けている。若葉の大樹も飛騨川も自然の風格を感じさせてくれる。(高橋正子)

★我が影に浮き上がりくる目高かな/小口泰與
自然に泳いでいる魚は人影を察すると逃げる。飼いならされた鯉や目高は餌を貰えると知ってか人影に寄って来る。目高との親しさがうれしい。(高橋正子)

5月8日(2句)

★店先で釣りし烏賊食ぶ夏の朝/廣田洋一
釣ったばかりの魚は烏賊に限らず美味であるのだが、烏賊となれば、夏の朝に相応しい、涼しげなものである。(高橋正子)

★風清く神田祭の幟立つ/川名ますみ
神田祭りは5月のゴールデンウィークが明ける11日ごろ始まる。「風清く」は、風薫る季節をよく言い当てて、祭りを心待ちにする気持が句に出ている。神田祭は、江戸三大祭り、日本の三大祭りの一つに数えられる。神田明神へは、普段の日に出かけたが、祭りの込み具合が想像できるようだった。(高橋正子)

5月7日(2句)

★木曽飛騨の雪解集めて川太る/古田敬二
下五の「川太る」がいい。早春の「雪解」の水を集め、「川太る」のである。木曽飛騨の奥深きところからの「雪解水」である。(高橋信之)

★通学の子ら一列や若楓/小口泰與
写生句だが、作者の気持ちが伝わってくる。下五の「若楓」が単なる季題に終わらず、そこに作者の詩情が込められている。(高橋信之)

5月6日(4句)

★実桜や仄かに浮かぶ昼の月/谷口博望(満天星)
実桜の生るころの空には、詩情がある。昼の月の仄かな白さもいい。(高橋正子)

★春泥の耕運機洗う山の水/古田敬二
春泥に塗れて働いた耕運機を山の水で洗う。耕運機は山の田畑で活躍したのだ。ねぎらうようにきれいな山の水で洗った。(高橋正子)

★利根川に満ちきし夏の光かな/小口泰與
利根川に夏の光が満ちてきた。利根川はますます力強く流れる。「満ちてきし」に、立夏の趣が感じ取れる。(高橋正子)

★新緑に映えて流れる川の水/廣田洋一
川の淵まで新緑が押し寄せている。川は新緑の光に力を得たように流れている。(高橋正子)

5月5日(3句)

★囀に囲まれ昼食の用意/多田有花
野外での食事のたのしみは、格別だ。のどかに囀りが聞こえる中で、空気の美味さ、新緑の鮮やかさを目にしながらの風景が目に浮かぶ。(高橋正子)

★鯉幟雨に打たれて色濃かり/廣田洋一
鯉幟が雨にもしまい忘れられて泳いでいる。雨に濡れれば、鯉幟の色が濃くなる。当たり前のようだが、発見だ。鯉幟への様々の思いが添えられた句となった。(高橋正子)

★こつ然と音失せにけり雲雀落つ/桑本栄太郎
空の中心で鳴き続けていた雲雀が忽然と鳴き止んだ。空は音を失った。とたん雲雀は礫のように落ちた。声を失った空の静寂と広さを知る。(高橋正子)

5月4日(2句)

★夏隣る山に響きし子らの声/多田有花
よく見かける風景だが、作者の実感が読み手に伝わってくる。下五の「子らの声」に作者の実感を読む。いい句だ。(高橋信之)

★新聞に包みし鯉や佐久の春/小口泰與
下五の地名「佐久」が効いた。リアルで、いい句だ。(高橋信之)

5月3日(3句)

★鯉幟田圃の家に孫眠る/谷口博望(満天星)
風に泳ぐ「鯉幟」に「孫眠る」。「田圃の家」に幸せがあって、いい風景だ。(高橋信之)

★快晴の八十八夜の陽が昇る/多田有花
生活を詠んだ句ではないが、生き生きとした句だ。詠み手の心が「快晴」の朝を生き生きとして迎えた。(高橋信之)

★ちらほらと苜蓿咲く売地かな/桑本栄太郎
田園地帯であろうか。上五の「ちらほらと」がいい。主題の「売地」をしっかり捉えた。「売地」という生活に詩情がある。(高橋信之)

5月2日(3句)

★石楠花の手毬触れれば冷たくて/谷口博望(満天星)
石楠花は眼にはさほど冷たそうには映らない。何かの拍子に花の毬に触れたとき、その冷たさに驚く。石楠花に山気を感じる。(高橋正子)

★黄金週間ジムのプールを独り占め/廣田洋一
黄金週間でいつものジムのプールは閑散としている。閑散としているどころか、独り占めである。プールの広い水。しんとしているが、思い切り、遠慮なく泳げた。少し寂しい気もするが。(高橋正子)

★父母の墓山の若葉に埋もれて/古田敬二
父母は静かに山の墓に眠っている。若葉の季節には、若葉に埋もれて、若葉に抱かれて眠る。大きな静かな時間が流れている。(高橋正子)

5月1日(4句)

★あけぼのの落花盛んよ鳥の声/小口泰與
楽しい句だ。多くを語っているわけではないが、「あけぼの」、「落花」、「鳥の声」と続けば、それだけで充分であって、それが俳句なのだ。(高橋信之)

★妻と居る黄心樹の花匂ふ下/谷口博望(満天星)
上五の「妻と居る」がいい。作者が見えてえくるからだ。(高橋信之)

★メーデーや終りし後は家族会/廣田洋一
「家族会」の団欒が見えてくる。団欒の話し声が聞こえてくる。俳句ならではの、身近でリアルな句だ。(高橋信之)

★青空へ鳥が歌いし四月尽/多田有花
「青空」と「鳥」、そして、それを見ている作者が見えてくる。風景とその季節が鮮明に読者の眼に浮かんでくるのだ。(高橋信之)
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5月1日~10日

2017-05-05 10:13:08 | Weblog

5月10日(5名)

●多田有花
尺八の音色五月の境内に★★★
実り初めし梅に静かな雨の降る★★★
頂の空はわがもの夏燕★★★★
山頂の空は限りない。その空を自在に夏燕が飛ぶ。自由そのもの。(高橋正子)

●小口泰與
様々な鳥語聞こゆや若葉風★★★★
河鹿鳴く里の蕎麦屋の古暖簾★★★
遠き日の下宿の壁の井守かな★★★

●廣田洋一
旅終えし吾を出迎へ夏の雨★★★
草々の葉を広げたる緑雨かな★★★
高々と伸びたるひのき夏の雨★★★★

●桑本栄太郎
バイク音去りて目覚める明早し★★★
風湿り茅花流しと思いけり★★★
風薫るなんじゃもんじゃの花盛り★★★★

●谷口博望 (満天星)
対岸は原爆ドーム青鷺飛ぶ★★★
睡蓮や平和の鐘を次々と★★★★
平和の鐘が睡蓮の花をひとつひとつ揺らすように鳴っている。平和への願いに睡蓮が一層清々しい花に思われる。(高橋正子)

世界からヒロシマ行脚バラ咲いて★★★

5月9日(6名)

●谷口博望 (満天星)
花棕櫚のうしろに黑き九輪塔★★★★
躑躅咲く写真を撮りし良き時代★★★
実桜や観音様に見つめられ★★★

●多田有花
新緑のなかを横切る鳥の影★★★
針葉樹の向こうに若葉の光★★★
連休の明けて高かり桐の花★★★★
連休が明けると夏らしさが増してくる。高々と薄紫に咲く桐の花が初夏の点景として眼に映る。(高橋正子)

●古田敬二
川風に若葉の大樹そよぎけり★★★
飛騨川へ傾ぐ若葉の大樹かな★★★★
水量を増やした飛騨川へ若葉の大樹が幹を傾けている。若葉の大樹も飛騨川も自然の風格を感じさせてくれる。(高橋正子)

飛騨川の瀬音若葉を越えてくる★★★

●小口泰與
映りたる木立へ忽と緋鯉かな★★★
我が影に浮き上がりくる目高かな★★★★
自然に泳いでいる魚は人影を察すると逃げる。飼いならされた鯉や目高は餌を貰えると知ってか人影に寄って来る。目高との親しさがうれしい。(高橋正子)


釣り糸に忽と巻き付く鰻かな★★★

●廣田洋一
有珠山を写して静か夏の湖★★★★
千の風清々しきや夏の湖★★★

白き花程よく混ざる葉っぱかな(原句)
白き花程よく混ざる新樹かな★★★(正子添削)

●桑本栄太郎
夕刊を取りにポストへ著莪の雨★★★
発着のバスのしきりにつつじ燃ゆ★★★★
しつとりと降り来る茅花流しかな★★★

5月8日(7名)

●多田有花
夏めきて衣類さらりと入れ替える★★★★
はなみずき空家となりし庭に咲く★★★
藤の花五月の雨に煙るかな★★★

●満天星
英霊の声なき道を桐の花★★★
刑場の跡のお堂や躑躅咲く★★★
まなかいに燕飛びけり瀬戸遥か★★★★

●小口泰與
夏つばめ子供を生さぬ友もおり★★★
雲間より湖へ日矢差す夏薊★★★★
青鷺の水面見続く稚魚の数★★★

●古田敬二
イタドリを揺らして特急通り過ぎ★★★★
飛騨川へ若葉の山から白き滝★★★
初蛙飛騨川河岸の水たまり★★★

●桑本栄太郎
黄沙降る京の都となりにけり★★★
山里の山河つちふる村となり★★★★
さざ波の淀川土堤や風薫る★★★

●廣田洋一
店先で釣りし烏賊食ぶ夏の朝★★★★
釣ったばかりの魚は烏賊に限らず美味であるのだが、烏賊となれば、夏の朝に相応しい、涼しげなものである。(高橋正子)

ペリー像を際立て咲ける黒船つつじ★★★
血脈桜葉も一緒に開きけり★★★

●川名ますみ
風清く神田祭の幟立つ★★★★
神田祭りは5月のゴールデンウィークが明ける11日ごろ始まる。「風清く」は、風薫る季節をよく言い当てて、祭りを心待ちにする気持が句に出ている。神田祭は、江戸三大祭り、日本の三大祭りの一つに数えられる。神田明神へは、普段の日に出かけたが、祭りの込み具合が想像できるようだった。(高橋正子)

窓磨き若葉の丘の新しく★★★
目の覚めてまず聞く音に風鈴も★★★

5月7日(6名)

●多田有花
夏立ちぬ鯖のアヒージョを食す★★★
紋黄揚羽に訪われしランチタイム★★★★
大杉の根元に著莪の咲き乱れ★★★

●谷口博望 (満天星)
鐘楼の被爆の跡や棕櫚の花★★★
日輪をかかげ色づくさくらんぼ★★★
紫に藤の散りたる山の道★★★★

●古田敬二
木曽飛騨の雪解集めて川太る★★★★
下五の「川太る」がいい。早春の「雪解」の水を集め、「川太る」のである。木曽飛騨の奥深きところからの「雪解水」である。(高橋信之)

タラの芽や故郷の空へ美味しそう★★★
笑う山縫って高山行き特急★★★

●小口泰與
通学の子ら一列や若楓★★★★
写生句だが、作者の気持ちが伝わってくる。下五の「若楓」が単なる季題に終わらず、そこに作者の詩情が込められている。(高橋信之)

雷去るや豁然と起つ赤城山★★★
花ぎぼしそそと紅茶を飲みにける★★★

●桑本栄太郎
ミサンガと足爪赤く夏きざす★★★
遮断機を待てば鉄路の陽炎へる★★★
緑蔭の川風に沿う散歩かな★★★★

●廣田洋一
北国の野山けむる黄砂かな★★★
青葉より枝垂れる桜散りにけり★★★
夏草や一望出来ぬ五稜郭★★★★

5月6日(6名)

●多田有花
薔薇色のひかり立夏の地表にさす★★★★
夏に入る山ふところへ向かうかな★★★
夏来る梢に触れし雲一片★★★

●谷口博望(満天星)
実桜や仄かに浮かぶ昼の月★★★★
実桜の生るころの空には、詩情がある。昼の月の仄かな白さもいい。(高橋正子)

棘のない栄螺のわたし瀬戸育ち★★★
意地を張る童女愛らし葱坊主★★★

●古田敬二
春泥の耕運機洗う山の水★★★★
春泥に塗れて働いた耕運機を山の水で洗う。耕運機は山の田畑で活躍したのだ。いたわるようにきれいな山の水で洗った。(高橋正子)

青春の日の思い出や春の旅★★★
春の陽に座す老農と村のこと★★★

●小口泰與
利根川に満ちきし夏の光かな★★★★
利根川に夏の光が満ちてきた。利根川はますます力強く流れる。「満ちてきし」に、立夏の趣が感じ取れる。(高橋正子)

夏風邪や原稿用紙氏名のみ★★★
雨後の朝逆光あびる若楓★★★

●廣田洋一
朱に染まる湘南の海夏来たる★★★
新緑に映えて流れる川の水★★★★
川の淵まで新緑が押し寄せている。川は新緑の光に力を得たように流れている。(高橋正子)

さわさわと新緑の香に浸りけり★★★

●桑本栄太郎
たんぽぽの絮の旅立つ野風かな★★★★
さざ波の代田となりぬ青空も★★★
歩みゆく田毎にありぬ揚ひばり★★★

5月5日(5名)

●多田有花
囀に囲まれ昼食の用意★★★★
野外での食事のたのしみは、格別だ。のどかに囀りが聞こえる中で、空気の美味さ、新緑の鮮やかさを目にしながらの風景が目に浮かぶ。(高橋正子)

快晴の夏隣る山正面に★★★
揺れ始む藤を見上げて道登る★★★

●谷口博望(満天星)
夏の鴨田水へ足を滑走す★★★★
石庭や時空を超えて蛙鳴く★★★
山吹や石組落つる水しぶき★★★

●小口泰與
生き生きと声の調う匂鳥★★★★
切岸の落花きらめき蒼き空★★★
ワワにも器量よしあしうららけし★★★

●廣田洋一
子を欲しや親の心よ鯉幟★★★
庭先に小さく泳ぐ鯉幟★★★
鯉幟雨に打たれて色濃かり★★★★
鯉幟が雨にもしまい忘れられて泳いでいる。雨に濡れれば、鯉幟の色が濃くなる。当たり前のようだが、発見だ。鯉幟への様々の思いが添えられた句となった。(高橋正子)

●桑本栄太郎
さざ波の波打つ音の代田かな★★★
こつ然と音失せにけり雲雀落つ★★★★
空の中心で鳴き続けていた雲雀が忽然と鳴き止んだ。空は音を失った。とたん雲雀は礫のように落ちた。声を失った空の静寂と広さを知る。(高橋正子)

山際の一日暮れ行く立夏かな★★★

5月4日(7名)

●川名ますみ
咲く日まで笑っていましょう種袋★★★
風過ぎて上下に揺るる花水木★★★★
咲きてまた雨に濡れたる紫木蓮★★★

●谷口博望(満天星)
広島やマロニエの咲く花まつり★★★
銃口に狙われて飛ぶ河鵜かな★★★
水たまりもう飛ばないと水澄し★★★★

●多田有花
夏隣る山に響きし子らの声★★★★
よく見かける風景だが、作者の実感が読み手に伝わってくる。下五の「子らの声」に作者の実感を読む。いい句だ。(高橋信之)

ため池は遅日の空を湛えたり★★★
芳しき森の香りに春惜しむ★★★

●小口泰與
山風にジャズを奏でる落花かな★★★
新聞に包みし鯉や佐久の春★★★★
下五の地名「佐久」が効いた。リアルで、いい句だ。(高橋信之)

花桷や魚跳ねておる夕まずめ★★★

●廣田洋一
冬コート洗濯に出し四月尽★★★
抜きし草袋に詰めて四月尽★★★
燕の巣空き家のままに四月尽★★★★

●桑本栄太郎
姫女苑のうす紫や風に添う★★★
一枚を脱ぎ新緑の風を受く★★★★
夏隣る今日の入日を惜しみけり★★★

●花子
まどろみに そよ風かおる 若葉かな★★★★
暮れの春 衣一枚 かろやかに★★★
みどりの日 食卓囲む 笑い声★★★
※花子さんへ
下記のメールアドレスに、ご住所、ご本名、電話番号をお知らせください。
kakan01@mail.goo.ne.jp (花冠主宰/高橋正子)

5月3日(6名)

●谷口博望(満天星)
げんげんや愛すべき牛見なくなり★★★
里山の蛙鳴くなり土の声★★★
鯉幟田圃の家に孫眠る★★★★
風に泳ぐ「鯉幟」に「孫眠る」。「田圃の家」に幸せがあって、いい風景だ。(高橋信之)


多田有花
快晴の八十八夜の陽が昇る★★★★
生活を詠んだ句ではないが、生き生きとした句だ。詠み手の心が「快晴」の朝を生き生きとして迎えた。(高橋信之)

風に吹かれ八十八夜の頂に★★★
沖晴れて八十八夜の播磨灘★★★

小口泰與
雛菊や日の煌々と保育園★★★★
シーソーの天の子落花キャッチせり★★★
ゆさゆさと鳥を包みし桜かな★★★

廣田洋一
憲法の日古希を迎へて読み返す★★★
憲法の日平和の二文字重々し★★★
湘南の海のたりかな憲法記念日★★★★

桑本栄太郎
ちらほらと苜蓿咲く売地かな★★★★
田園地帯であろうか。上五の「ちらほらと」がいい。主題の「売地」をしっかり捉えた。「売地」という生活に詩情がある。(高橋信之)


日の高き天井川や酸葉の穂★★★
憲法記念日の里の門扉や国旗立つ★★★

5月2日(6名)

●谷口博望(満天星)
虫たちの群るる茉莉花の輝けり★★★
石楠花の手毬触れれば冷たくて★★★★
石楠花は眼にはさほど冷たそうには映らない。何かの拍子に花の毬に触れたとき、その冷たさに驚く。石楠花に山気を感じる。(高橋正子)

池の底耀ひながら松の花★★★

●多田有花
ゆったりと空眺めおり春の宵★★★★
あずまやに人の影ありつつじ咲く★★★
参拝の人ぽつぽつと八重桜★★★

●廣田洋一
桜蕊紅く積もれる通り径★★★
黄金週間ジムのプールを独り占め★★★★
黄金週間でいつものジムのプールは閑散としている。閑散としているどころか、独り占めである。プールの広い水。しんとしているが、思い切り、遠慮なく泳げた。少し寂しい気もするが。(高橋正子)

黄金週間車内で浴びる夕日かな★★★

●桑本栄太郎
医科大の緑蔭深き大樹かな★★★★
陸橋の高さに銀杏若葉かな★★★
つつじ燃え特急電車の入り来たる★★★

●小口泰與
ゆさゆさと花きわまりぬ鳥の声★★★★
遠山の極や来鳴きぬ花の朝★★★
雨後の朝山際やかや野春菊★★★

●古田敬二
父母の墓山の若葉に埋もれて★★★★
父母は静かに山の墓に眠っている。若葉の季節には、若葉に埋もれて、若葉に抱かれて眠る。大きな静かな時間が流れている。(高橋正子)

鶯啼く父母の墓碑の後ろから★★★
父母の墓参へ落花の坂登る★★★

5月1日(7名)
 
●小口泰與
あけぼのの落花盛んよ鳥の声★★★★
楽しい句だ。多くを語っているわけではないが、「あけぼの」、「落花」、「鳥の声」と続けば、それだけで充分であって、それが俳句なのだ。(高橋信之)

わなわなと木木のおらぶや花の雨★★★
うららかや産みたて卵食卓へ★★★

●谷口博望(満天星)
妻と居る黄心樹の花匂ふ下★★★★
上五の「妻と居る」がいい。作者が見えてえくるからだ。(高橋信之)

あやめ草烏の歩く遊園地★★★
久々の山陽道や藤の花★★★

●古田敬二
両側に若葉の迫るローカル線★★★★
駅ごとに若葉の木立や高山線★★★
駅ごとに桜蕊降る高山線★★★

●廣田洋一
メーデーやただの祭りになりはてぬ★★★
メーデーや過労死嫌と叫びたる★★★
メーデーや終りし後は家族会★★★★
「家族会」の団欒が見えてくる。団欒の話し声が聞こえてくる。俳句ならではの、身近でリアルな句だ。(高橋信之)

●花子
春の宵今日はひと駅歩こうか★★★★
初蝶や我を何処に誘いらん★★★
八重桜明日も来るよと目をこやす★★★

●多田有花
青空へ鳥が歌いし四月尽★★★★
「青空」と「鳥」、そして、それを見ている作者が見えてくる。風景とその季節が鮮明に読者の眼に浮かんでくるのだ。(高橋信之)

春深し亀が甲羅を干しており★★★
木漏れ日に小枝を拾う四月尽★★★

●桑本栄太郎
花葱の畝に一列残りけり★★★★
植込みにすいと伸び居り酸葉かな★★★
わらわらと風の葉裏や五月来る★★★
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