◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/2022年1月1日~10日

2022-01-02 11:28:29 | Weblog
※当季雑詠3句(新年・冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
代表:高橋正子・管理:高橋信之
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今日の秀句/2022年1月1日~10日

2022-01-02 11:27:39 | Weblog
1月10日(1句)

★山眠るうえに蒼空あるばかり/多田有花
おおらかでシンプルな光景。「蒼空あるばかり」の「あるばかり」がこの句を詩として成り立たせている。蒼空の存在感を改めて知る。(髙橋正子)

1月9日(2句)

★市立つや小振りの達磨贖えり/小口泰與
達磨市が立って達磨を買い求めに大勢が集まる。大きいものではなく、小振りなものを買った。小振りな達磨を買おうと思う心持に頷ける。(髙橋正子)

★早梅の白さをみたり花舗の前/廣田 洋一
花舗の前を通り過ぎるとはやくも梅の枝が差してある。その梅の花の白さにはみずみずしく驚くほどだ。(髙橋正子)

1月8日(1句)

★早梅に湘南の日矢柔らかし/廣田 洋一
湘南の日差しのやわらかさを実感するのは、ちらほら梅が咲き出してからのことであろう。「日矢柔らかし」と梅の配置がいい。(髙橋正子)

1月7日(1句)

★あけぼのの風の氷柱の奏でける/小口泰與
あけぼのの風が氷柱を研ぎ、通り過ぎるとき氷柱が鳴る。きびしい自然のなかにも美しさがある。(髙橋正子)

1月6日(2句)

★枯蓮の池の水面や空の青/桑本栄太郎
枯蓮の池にはあちこち小さな水面が見られる。水面は平らで動かず、空を映している。鏡のような水面は、青空を美しく反射する。枯蓮と空の青の対比美しい。(髙橋正子)

★葉の陰の実もつややかに藪柑子/川名ますみ
藪柑子は丈が低くて、葉の陰にも赤くてつややかな実がついている。葉陰にも拘わらず、そのつややかさ、可愛さは魅力。それを見つけた。(髙橋正子)

1月5日(1句)

★ひと筋の没日の映ゆる冬の沼/小口泰與
荒涼とした冬の沼に、ひと筋没日が差し込むと、沼は静かな華やぎに満ちた。
没日が差し込むほんの一時をしっかりと受け止めて句となった。(髙橋正子)

1月4日(1句)

★青空に真白き富士よ初暦/多田有花
富士山の写真は、カレンダーに実によく使われる。富士山のいろいろな姿は、日本一と思わせる魅力がある。今年もめでたく、真白い雪をかぶった富士山の暦から始まった。当たり前ながらの、すがすがしさ。(髙橋正子)

1月3日(2句)

★水落ちる隙間残して滝氷柱/廣田洋一
滝に水が流れるままのような氷柱が下がっている。すっかり凍ってしまったのかと思うが、水が落ちる隙間が残って、水が落ちている。それを発見したとき、滝が生きているように思えたのだろう。(髙橋正子)

★破魔矢持つ人と出会いぬ田道かな/桑本栄太郎
田道を歩くと、すでに初詣を済ませ、破魔矢を手にした人と出会った。行きずりの人の破魔矢に年があらたまったことを実感した。(髙橋正子)

1月2日(1句)

★流れゆく川が映せる初御空/多田有花
元日の空は特別でふり仰ぐと淑気に満ちた感じがする。流れる川はと言えば、元日の空が映り、川の流れと共に流れて行くようだ。すがすがしい空である。(髙橋正子)

1月1日(4句)

★駈け寄りて胡坐にふわり春着の子/小口泰與(上州)
★瀬戸内の雪の元朝珍しや/多田有花(瀬戸内)
★早梅や産土神の参道に/廣田 洋一(湘南)
★湯に浸かり遥か遠くに除夜の鐘/桑本栄太郎(京都)

それぞれの句にお住いの土地に対する感覚があるのだと、感じました。
本年もよろしくお願いします。(髙橋正子)

コメント (12)
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2022年1月1日~10日

2022-01-02 11:20:59 | Weblog
1月10日(4名)

小口泰與
一月の山は多弁や川は黙★★★
独り居の友へ寒紅届けける★★★
奥利根の宿の女将や雪眼鏡★★★

廣田 洋一
宝船重ね枕の良き眠り★★★
煮凝りをそのまま乗せる熱き飯★★★
氷柱溶け雪を穿てる軒の下★★★★

桑本栄太郎
寒晴や鉄塔連なる嶺の空★★★
一天の雲の無き日や寒の晴れ★★★
逃げもせず啄み居たる寒すずめ★★★

多田有花
腰かけて日向ぼっこのふたりかな★★★
山眠るうえに蒼空あるばかり★★★★
おおらかでシンプルな光景。「蒼空あるばかり」の「あるばかり」がこの句を詩として成り立たせている。蒼空の存在感を改めて知る。(髙橋正子)

起きぬけと寝る前に飲み寒の水★★★

1月9日(5名)

川名ますみ
初写真大きな富士を真ん中に★★★★
しらじらと初富士のより高きこと★★★
初鏡白髪も顔になじみけり★★★

小口泰與
市立つや小振りの達磨贖えり★★★★
達磨市が立って達磨を買い求めに大勢が集まる。大きいものではなく、小振りなものを買った。小振りな達磨を買おうと思う心持に頷ける。(髙橋正子)

穏やかな仏の目鼻冬うらら★★★
一人住む閨秀作家寒牡丹★★★

廣田 洋一
ぽたぽたとうるさき氷柱折られけり★★★
一滴づつ光零して氷柱痩せ★★★
早梅の白さをみたり花舗の前★★★★
花舗の前を通り過ぎるとはやくも梅の枝が差してある。その梅の花の白さにはみずみずしく驚くほどだ。(髙橋正子)

多田有花
これ以上なきほど晴れて寒四郎★★★
ふとん温し夢の余韻のなかにいる★★★
湯たんぽのほのかな温み足に触れ★★★

桑本栄太郎
溝川の丘の流れや冬うらら★★★
連棟のハウスまぶしき寒晴るる(原句)
連棟のハウスまぶしく寒晴るる★★★★(正子添削)
冬耕の土塊白き田道かな★★★

1月8日(3名)

廣田 洋一
煮凝りや独り住まいの台所★★★
早梅や芝にくつろぐ家族有り★★★

早梅に湘南の日矢柔らかし★★★★
湘南の日差しのやわらかさを実感するのは、ちらほら梅が咲き出してからのことであろう。「日矢柔らかし」と梅の配置がいい。(髙橋正子)

小口泰與
火灰埃舞いて大根畑かな★★★★
奥利根の風垣囃す山の風★★★
強面の猿の仕草や冬ぬくし★★★

多田有花
静かなるジャズを流して七日かな★★★★
もぐさの香部屋いっぱいに初やいと★★★
街角に句材を探す松の内★★★
 
1月7日(4名)

小口泰與
湖凪ぐや七草粥を大盛に★★★
贈られし諏訪の真澄や御神渡★★★
あけぼのの風の氷柱の奏でける★★★★
あけぼのの風が氷柱を研ぎ、通り過ぎるとき氷柱が鳴る。きびしい自然のなかにも美しさがある。(髙橋正子)

多田有花
通勤の車列再び人日に★★★
人日やいずれのペンで書くべきか★★★
ペン立てにペンのいろいろ七日かな★★★

廣田 洋一
皿一つ取り残されて煮凝れり★★★
配達の足跡二つ雪の朝★★★
新雪の一足ごとに音立ちぬ★★★★

桑本栄太郎
お代わりの二杯食べ居り七日粥★★★
風無くば茫然たりぬ枯尾花★★★
岸離れ番い集いて浮寝かな★★★★

1月6日(5名)

小口泰與
山峡の没日の沼や小白鳥★★★
残光の森の枯木へ山の風★★★
ゆったりと鰭の動作や冬の鯉★★★

廣田洋一
煮凝や取り残されし夜の卓★★★
福寿草咲き溢れたる黄金色★★★
日の差せる松の根方や福寿草★★★★

多田有花
アヴェマリア電子ピアノの弾初に★★★
夕刻のはっきり遅し寒の入★★★
買初は四割引のワークシューズ★★★

桑本栄太郎
晴れ居ても忽ち雪の在所かな★★★
枯蓮の池の水面や青き空(原句)
枯蓮の池の水面や空の青★★★★(正子添削)
枯蓮の池にはあちこち小さな水面が見られる。水面は平らで動かず、空を映している。鏡のような水面は、青空を美しく反射する。枯蓮と空の青の対比美しい。(髙橋正子)

朽野やにぶき太陽田の面に★★★

川名ますみ
葉の陰の実もつややかに藪柑子★★★★
藪柑子は丈が低くて、葉の陰にも赤くてつややかな実がついている。葉陰にも拘わらず、そのつややかさ、可愛さは魅力。それを見つけた。(髙橋正子)
初雪に濡れてヘルパー挨拶す★★★
アイラインかるく跳ねさす初鏡★★★

1月5日(4名)
小口泰與
どっぷりと硯の海へ筆始★★★
ひと筋の没日の映ゆる冬の沼★★★★
荒涼とした冬の沼に、ひと筋没日が差し込むと、沼は静かな華やぎに満ちた。
没日が差し込むほんの一時をしっかりと受け止めて句となった。(髙橋正子)

冬薔薇の重く固まり風の中★★★

廣田 洋一
煮凝りやぷるんぷるんと海の音★★★
煮凝りのほどけ広がる青き皿★★★
御慶交す人に会ひけり喫茶店★★★★

多田有花
四日はや青空に向け干し物を★★★
小寒や犬に連れられ散歩する★★★★
買初にスマホ画面をクリックす★★★

桑本栄太郎
まんさくの枯葉のままに蕾かな★★★
こつ然と風起こり来るしぐれ雲★★★
白き実を青空に添え冬木立★★★★

1月4日(4名)

小口泰與
年酒の余りにあまる四日かな★★★
妻と酌む四日の酒や置炬燵★★★
棚探し二人にあまる鍋の物★★★

廣田洋一
故郷の土産と共に御慶かな★★★★
その度に立ち上がりたる御慶かな★★★
煮凝りの手羽肉覆ふ琥珀色★★★

多田有花
青空に真白き富士よ初暦★★★★
富士山の写真は、カレンダーに実によく使われる。富士山のいろいろな姿は、日本一と思わせる魅力がある。今年もめでたく、真白い雪をかぶった富士山の暦から始まった。当たり前ながらの、すがすがしさ。(髙橋正子)

穏やかな晴れ賜りぬ三が日★★★
集まって鍋を囲みし三日かな★★★

桑本栄太郎
エンジンの朝の駆動の四日かな★★★★
風無くばあっけんからんと枯尾花★★★
午後よりのきらきら降りぬしぐれ雲★★★

1月3日(4名)

廣田 洋一
水仙の二輪並びて咲きにけり★★★
門燈の如く立ちをる水仙花★★★

水落ちる隙間残して滝氷柱★★★★
滝に水が流れるままのような氷柱が下がっている。すっかり凍ってしまったのかと思うが、水が落ちる隙間が残って、水が落ちている。それを発見したとき、滝が生きているように思えたのだろう。(髙橋正子)

小口泰與
三日もう年始の客の無かりけり★★★
三日はや足裏(あうら)のつぼを押しにける★★★
あながちに年酒余る三日かな★★★

多田有花
年迎う雪照らしゆく陽とともに★★★★
初日影山肌を降り街へ向かう★★★
年新たどこかでボッとガスが点く★★★

桑本栄太郎
破魔矢持つ人と出会いぬ田道かな★★★★
田道を歩くと、すでに初詣を済ませ、破魔矢を手にした人と出会った。行きずりの人の破魔矢に年があらたまったことを実感した。(髙橋正子)

初買のセブンイレブンドーナッツ★★★
三日はや鍋の夕餉となりにけり★★★

1月2日(4名)

小口泰與
朝日差す巍巍の浅間や初景色★★★
初浅間噴煙柔く垂直に★★★★
家長より賜わるならい柳箸★★★

廣田 洋一
嫁きたる子電話で済ます御慶かな★★★
ジムの友かけより交す御慶かな★★★
煮凝りを茶匙で掬ひ白き飯★★★

多田有花
身近な山雪化粧して大旦★★★
流れゆく川が映せる初御空★★★★
元日の空は特別でふり仰ぐと淑気に満ちた感じがする。流れる川はと言えば、元日の空が映り、川の流れと共に流れて行くようだ。すがすがしい空である。(髙橋正子)
初景色初雪となるめでたさよ★★★

桑本栄太郎
ふるさとの訛り懐かし初電話★★★
嶺の端の間に雪の淑気かな★★★★
二日早やうどんの昼餉摂りにけり★★★

1月1日(4名)

小口泰與
初浅間紫紺の雲を産みにける★★★
あけぼのの産土神へ初日かな★★★

駈け寄りて胡坐にふわり晴着の子(原句)
「晴れ着」は季語になりません。「春着」としてください。(髙橋正子)
駈け寄りて胡坐にふわり春着の子★★★★(正子添削)

多田有花
除夜の鐘聞くことも無く眠りけり★★★
昨日とは変わらぬ今日も年新た★★★
瀬戸内の雪の元朝珍しや★★★★

廣田 洋一
限りなく青澄み渡る初御空★★★
初富士の白き山頂仰ぎけり★★★
早梅や産土神の参道に★★★★

桑本栄太郎
湯に浸かり遥か遠くに除夜の鐘★★★★
京都ならではですね。
東雲のうすき明かりや淑気満つ★★★
雪しまく元朝なりぬ今朝の窓★★★
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