◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/4月1日~4月10日

2023-04-02 15:40:31 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之
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今日の秀句/4月1日~4月10日

2023-04-02 15:40:00 | Weblog
4月10日(1句)

★ぜんまいの渦巻きゆるまず湖の風/弓削和人
「ぜんまいの渦巻きゆるまず」がまさ寒さの残る空気感を感じさせてくれる。湖とぜんまいの取り合せがいい。(髙橋正子)

4月9日(2句)

★オルガンの音色戸外へ復活祭/桑本栄太郎
「オルガン」に教会を思う。復活祭の教会からもれてくるオルガンの音色は、明るい。(髙橋正子)

★花冷えや一指を象牙の鍵盤に/川名ますみ
象牙のピアノの鍵盤はいまではとても貴重。花冷えと同じように静かに冷えているのだろう。一指を落として響いた音は。聞いてみたい。(髙橋正子)

4月8日(2句)

★朝寝して鴉の声に起こさるる/小口泰與
朝寝をして、鴉のとぼけたような鳴き声に起こされるのも、のどかでいい。(髙橋正子)
 
★花冷えやおもわず遠く歩きたり/弓削和人
花冷えの中は、どんどん歩きたくなる。歩いて寒すぎることもなく、暑いこともない。「おもわず遠く」がいい。(髙橋正子)

4月7日(2句)

★盛岡や朝寝うつつに旅立ちぬ/弓削和人
盛岡から新幹線に乗るのか。朝寝のうつつのままに旅立つ。仕事の旅であっても、どこかのどか。(髙橋正子)

★さっぱりと花終わらせる雨の降る/多田有花
「さっぱりと花終わらせる」は、有花さんらしい。さっぱりとしたいい気性の有花さんならではの句。(髙橋正子)

4月6日(2句)

★花辛夷獣穴の笹倒れおり/小口泰與
山には辛夷が咲いて、獣穴の前の笹が倒れている。笹を踏んで穴を出入りしていることは容易に知れる。山の春は、獣が身近なのかもしれない。(髙橋正子)

★清明や入念に拭く古机/廣田洋一
「清明」。日はほがらかになって、気持ちがいい。使い込んだ古い机を入念に拭いた。きれいにさっぱりとなり、机上の仕事も捗ろうというもの。(髙橋正子)

4月5日(3句)

★雪柳素直に咲いて山の風/小口泰與
「雪柳」が「素直に咲いて」は雪柳の本質を言い得ている。納得の一句。(髙橋正子)

★花吹雪高層階まで届きおり/多田有花
地上の桜の花びらが、こんな高さまで舞い上がることよ、の感嘆の句。高層階も花びらに彩られるとは。(髙橋正子)

★山吹の堰水囃す黄色かな/桑本栄太郎
川堰の水が落ちるとき山吹の黄色が揺れる。また逆に、堰水は山吹に囃されるようにどんどん落ちて流れる。そんな川辺の景色が春らしい。(髙橋正子)

4月4日(2句)

★送電線峰より里へ花の雲/桑本栄太郎
送電線が峰から里へと張られいる。その間を埋め尽くすかのような花の雲。(髙橋正子)

★花曇青の自転車赤のバギー/川名ますみ
花曇なので、自転車のピカピカの青。バギーの赤は特に印象的。青と赤の思い切りの良さ。思い切りよい表現が快い。(髙橋正子)

4月3日(1句)

★土筆煮てきたと広げる花の下/多田有花
お花見弁当に煮た土筆がある。四季折々のくらしに野のものを味わう楽しさ。きどりのない素敵な花見。(髙橋正子)

4月2日(1句)

★軽やかな足音聞きつ朝桜/廣田洋一
「聞きつ」の「つ」には気を付けなればいけない。この句では、「聞き(連用形)+つ(近い過去)」と解釈した。
句意は「さっき、軽やかな足音を聞いた。目を遣れば、朝の桜が咲いている。」朝の桜の清潔で透明感のある姿に、人の軽やかな足音が絶妙に配置されている。(髙橋正子)

4月1日(1句)

★風に舞う桜を追いて笑う子ら/友田 修
そのままの情景を句に詠んでいて、多くの人たちも、私も見たことのある光景。花が散るのを楽しそうに、笑いながら追いかける。遊びでもあるが、子どもは、子どもの心で桜を楽しんでいる。(髙橋正子)

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4月1日~4月10日

2023-04-02 15:37:29 | Weblog
4月10日(4名)

小口泰與
うららかや俳句とカメラ我が生計★★★
チューリップ片花びらの風の中★★★
雨上がりばらの蕾のほこほこと★★★

廣田洋一
ドラマ一つ見終えて気づく日永かな★★★
句座終えてお茶会となる日永かな★★★
桜貝今日も探して由比ヶ浜★★★★

桑本栄太郎
天空は風のあるらし春の雲★★★
バス道の並木通りや躑躅燃ゆ★★★
風光るバスの車窓のまぶしけり
「まぶしけり」は間違いです。「まぶしかりけり」とするか、「まぶしかり」とします。

弓削和人
水芭蕉昼下りから森静か★★★
春風や湖やわらかに瑠璃の波★★★
ぜんまいの渦巻きゆるまず湖の風★★★★

4月9日(5名)

小口泰與
山里のせせらぎ芹を育てそめ★★★
田畑の燕やせちに反転す★★★
庭も狭に百本の薔薇芽吹きおり★★★

多田有花
花過ぎの南へ向かう旅支度★★★★
イカタコもクラゲも見るや春の夢★★★
鶯の夜明け知らせる声がする★★★

桑本栄太郎
オルガンの音色戸外へ復活祭★★★★
就労の支援施設や花みづき★★★
うぐいすの頻りに誘う藪の中★★★

廣田洋一
桜散る供養の太鼓鳴りにけり★★★
藤の房池に映りて香り立ち★★★
のどけしや参道埋める骨董市★★★

川名ますみ
病牀に今日も長閑という遊び★★★★
曇天に泡立つようにさくら咲く★★★
花冷えや一指を象牙の鍵盤に★★★★

4月8日(5名)

小口泰與
背ぐくまる釣り人の手に春の魚★★★
朝寝して鴉の声に起こさるる★★★★
一望の背向の丘の落花かな★★★

廣田洋一
あちらかと思へばこちら鶯や★★★
松の芯ぴんと伸びたる青き空★★★★
真っ黒な畑に緑杉菜かな★★★

多田有花
足首に音叉当てられ散る桜★★★
風雨再び花完全に終わりけり★★★
ボサノバを部屋に流して春嵐★★★

桑本栄太郎
春月の朝日に沈む西の空★★★
虚子の忌やまた訪ねたき文学館★★★
愛らしき図柄玉子や復活祭★★★★

弓削和人
花冷えやおもわず遠く歩きたり★★★★
くまざさや家移りたる春の苑★★★
鳥ぐもり子の一人暮らしの事始★★★

4月7日(5名)

小口泰與
上枝にて二回三回鳥交る★★★
すべからず山は雪解や鳥の声★★★★
南面は蒼黒きひだ雪解山★★★

弓削和人
紅梅やわびしき納屋に沿いて咲き★★★
木蓮の白く吹かれつ時雨駅★★★
盛岡や朝寝うつつに旅立ちぬ★★★★

多田有花
清明の午後より雨の降り出しぬ★★★
さっぱりと花終わらせる雨の降る★★★★
たんぽぽやコンクリートのひとすみに★★★

廣田洋一
連凧を競ひて揚げる河川敷★★★
新築のビルの狭庭に杉菜かな★★★
アスファルト小さき割れ目に杉菜噴く★★★

桑本栄太郎
淋しさの何時も独りや放哉忌★★★
放れては又寄り添いぬ花いかだ★★★
おちこちの野辺の明かりや菜種梅雨★★★

4月6日(4名)

小口泰與
咲きみちて落花急かせる野鳥かな★★★
花辛夷獣穴の笹倒れおり★★★★
スイートピーそこはかとなくにおうかな★★★

廣田洋一
清明や入念に拭く古机★★★★
入口に敷き詰められし芝桜★★★
雑木林鳥の巣箱の賑はへり★★★

桑本栄太郎
満天星の花の小粒や鈴なりに★★★
くもり来て三つ葉つつじの雨催い★★★★
期日前投票終わり春の雨★★★

弓削和人
雨だれに艶めく桜咲きにけり★★★
盛岡や新幹線は花を越ゆ★★★★
曇り来し湖畔の空き家蕗の薹★★★

4月5日(5名)

小口泰與
豆ほどの畦の蛙や鳥の声★★★
雪柳素直に咲いて山の風★★★★
日輪を跳ね返しおり牡丹の芽★★★

多田有花
花を見てのち天神様に参る★★★
花吹雪高層階まで届きおり★★★★
山桜のともしび山より消えてゆく★★★

廣田洋一
清明の湯煙白し露天風呂★★★★
犬ふぐり玄関前に人を待つ★★★
道の端燃え立つ如き躑躅かな★★★

桑本栄太郎
清明の朝より曇り雨催い★★★
道の辺の片方(かたえ)に淡き花の屑★★★
山吹の堰水囃す黄色かな★★★★

弓削和人
遠山につづく畦道物芽かな★★★
春耕や湖面に映ゆる夕の空★★★
春日を惜しんで急ぐ家路かな★★★

4月4日(6名)

小口泰與
山里のお玉杓子のすだきける★★★
白壁へすじちがいに射す春日かな★★★
渓音に散り込んでくる落花かな★★★★

廣田洋一
桃咲きて歓声上げる女の児★★★
校庭を駆けまわる子ら桜散る★★★
丸き球少し欠けたり八重桜★★★

多田有花
桜咲く彼方に見える播磨灘★★★
穏やかな風あり花びらちらほらと★★★
新幹線満開の花のむこうから★★★★

桑本栄太郎
送電線峰より里へ花の雲★★★★
植込みの紅花金縷梅ホテルまえ★★★
山吹の花の枝垂れや川べりに★★★

川名ますみ
花曇青の自転車赤のバギー★★★★
花明り動物園の格子越し★★★
糊利きし白衣四月の病院に★★★★

弓削和人
若草やひやりと風の吹きすさぶ★★★★
湖を望む畔なり風光る★★★

連なりぬ/真白き山や/蕗の薹(原句)
句が3つに切れています(二段切れ)。これは避けます。
連なれる真白き山や 蕗の薹★★★
「連なれる(連体形)」にして、「(真白き)山(体言」に繋げます。(髙橋正子)

4月3日(5名)

小口泰與
頬白や裾廻の径を猫車★★★
坂道を乱舞の落花夕間暮れ★★★
小綬鶏やシェアハウスなる恋の家★★★

廣田洋一
虚子の忌を忘れず開く紫木蓮★★★
玄関前ぼってりと咲く桃の花★★★
遅き日やレッスン終えて茶を喫す★★★

多田有花
日笠山へ花の弁当提げてゆく★★★★
花見かな塩で栄えし町抜けて★★★
土筆煮てきたと広げる花の下★★★★

桑本栄太郎
花冷えや風に舞いたる花の屑★★★
山吹の七重八重なり植込みに★★★
ひと風の花の吹雪に立ちつくす★★★★

弓削和人
葉柄をかくす濃き葉や座禅草★★★
葉柄をかくす濃き葉座禅草(後)

汀線の紫みやこ忘れかな★★★
ぬくし土つくしんぼうの起きはじめ★★★

4月2日(4名)

小口泰與
飛んで来て枝から枝へ松毟鳥★★★
畦道に忽と鋭声や雉の声★★★
春の丘肩へ舞い下る野鳥かな★★★

廣田洋一
茜色さめ行く空に朝桜★★★
軽やかな足音聞きつ朝桜★★★★
白にも濃淡ありと花辛夷★★★

桑本栄太郎
何処までも赤き垣根や新芽立つ★★★
大正の母想い居り紫木蓮★★★
花蘇芳炎と燃ゆる垣根かな★★★

多田有花
遅咲きの梅も咲きおり土手の道★★★
公園を満開の花が取り囲む★★★
シーソーの上に落花始まるか★★★★

4月1日(4名)

小口泰與
一斉に頬白追いしカメラマン★★★
晴鷽や墓の仏花に来たりける★★★
河原鶸赤城の風に身を丸め★★★★

友田修
寝転びて見る青空と桜かな★★★
見おろせば白くたなびく桜雲(原句)
「桜雲」は普通「おううん」と読み、「さくらぐも」と読みません。五音にしたければ、「花の雲」を使う場合がほとんどです。
見おろせば白くたなびく花の雲★★★(正子添削)

風に舞う桜を追いて笑う子ら★★★★

桑本栄太郎
仰のけに蜜を吸いをり春の鵯★★★
道の辺の脇に小さくすみれ咲く★★★
夕日透き更に色濃くにはざくら★★★

多田有花
花時や陽のあるうちに湯に入りぬ★★★
チューリップいつも並んで咲いている★★★★
桜淡し大宇宙も素粒子も★★★
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