◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/4月11日~4月20日

2023-04-12 17:18:40 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之




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今日の秀句/4月11日~4月20日

2023-04-12 17:14:59 | Weblog
4月20日(2句)

     グラバー園
★つつじ咲き海ひたすらに青さ増す/多田有花
つつじが燃えるように赤くさくと、海の青がますます青くなる。平戸躑躅の名があるように、長崎につつじはよく似合う。(髙橋正子)

星江ノ電の窓を開けたり春暑し/廣田洋一
江ノ電沿線の景色は楽しい。初夏を思わせる春の日には窓を開けると心地よい風が窓から入り、これもまた、小さな旅が味わえてたのしい。(髙橋正子)

4月19日(1句)

グラバー園
★うららかや長崎湾に船が入る/多田有花
グラバー園からの眺め。長崎湾に船がゆったりと入って来る様子がよく見える。うららかな景色である。(髙橋正子)

4月18日(1句)

★文机に春の苺の置いてあり/小口泰與
文机で読書していた作者だが、少し文机をはなれたのだろう。その間に妻が苺を置いていった。そんな場面が想像できた。(髙橋正子)

4月17日(1句)

★天つ日をたまわる棚田つばくらめ/小口泰與
棚田は天に近い。天の日をたまわる棚田を自由自在につばめが飛ぶ。すきな景色だ。(髙橋正子)

4月16日(1句)

★軒下の汲み置く水へ春の鳥/小口泰與
軒下に汲み置いた水に春の鳥が水を飲みに来た。そっと観察するかわいい仕草に癒される。(髙橋正子)

4月15日(1句)

★菜種梅雨窓の明かりに推敲中/桑本栄太郎
自画像として面白い。菜種梅雨にどこにも行けず、窓の明かりに寄って俳句を推敲している最中なのだ。(髙橋正子)

4月14日(1句)

★青空へ軽トラ白しいとざくら/弓削和人
絵本の画のような景色。いとざくらは、エドヒガンのうちの枝垂れ桜。白い軽トラックと青空の対比が春らしくていい。空想すれば、白い軽トラックは白い雲のようで、小回りが利いて空を走って行きそう。(髙橋正子)

4月13日(1句)

★花楓葉先の風のうすみどり/桑本栄太郎
深紅の花が咲いている楓は、まだ若緑。そのこずえの先を吹く風は、楓の色に染まったように「うすみどり」に感じられる。(髙橋正子)

4月12日(1句)

★すかんぽの茎の伸びたる雨一日/桑本栄太郎
雨の日はとくに野の草は良く伸びる。すかんぽの茎も雨にすくすくと茎を伸ばし、昔から変わらぬすかんぽに故郷を思い出す。(髙橋正子)

4月11日(2句)

★星影の時々消えて朧かな/廣田洋一
「時々消えて」に朧な空の感じがよく出ている。「星影」「朧」がローマン的。(髙橋正子)

★まさおなる分校の空黄水仙/弓削和人
「まさお」「黄水仙」の二つが作るイメージが鮮明。分校の空の汚れなさ、それだけにさびしさも。黄水仙は分校の子供たちのようでもある。(髙橋正子)

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4月11日~4月20日

2023-04-12 17:10:46 | Weblog
4月20日(4名)

小口泰與
春ばらの風になびきし鳥の声
「なびきし」は「鳥の声」にかかっています。

河原鶸聴きて野原の快楽かな★★★
山径を歩き疲れや河原鶸★★★

多田有花
<グラバー園三句>
つつじ咲く海ひたすらに青さ増す(原句)
つつじ咲き海ひたすらに青さ増す★★★★(正子添削)
春暑し木陰に舐めるソフトクリーム★★★
快晴のグラバー園の八重桜★★★

廣田洋一
体感の温度下げたり春の風★★★
江ノ電の窓を開けたり春暑し★★★★
春の風今日は優しく包まれて★★★

桑本栄太郎
覚めても夢の何処かに春の雷★★★
午後からは日射し極むる穀雨かな★★★
山藤の一木被い垂れにけり★★★★

4月19日(4名)

小口泰與
渓音に育つ若鮎空は蒼(原句)
「渓音に育つ若鮎」と「空は蒼」の関係がばらばらです。(髙橋正子)
若鮎の育つ渓空あおあおと(正子添削)

水槽の死する諸子魚やひとつ星★★★
渓流に影走りける上り鮎★★★

廣田洋一
霞立ち彼方の海を塗りつぶし★★★
霞立ち冨士道消える高尾山★★★
杉林花粉撒き終へ鎮まりぬ★★★

多田有花
<出島>
春深し阿蘭陀冬至の続きおり★★★
<グラバー園二句>
うららかや長崎湾に船が入る★★★★
巡りゆく洋風建築のどけしや★★★

桑本栄太郎
道に沿いつつじ燃え居りバス通り★★★
メゾンなるエントランスや花みづき★★★
紅花まんさくホテルの前の垣根かな★★★
 
4月18日(5名)

小口泰與
地虫出づ影をともない出にける★★★
文机に春の苺の置いてあり★★★★
村里の火の見櫓や風光る★★★

多田有花
稲佐山展望台から春の夜景★★★
春長けてなんと小さき出島かな★★★★
平戸つつじ旧神学校脇に★★★

桑本栄太郎
からからと風の奏づる春落葉★★★
春風や幼児たんたん歩き初む★★★★
新駅の低き樹高や花みづき★★★★

廣田洋一
春大根厚めに切りて斎の膳★★★
霊気満々長寿を誇る杉の花★★★★
願ひ込め智の輪くぐれり春の昼★★★

弓削和人
春山や白山裾野満たしけり(原句)
白山の裾野を満たし春の山(正子添削)

対岸の家のあかりや春の湖★★★★
角館垂れ桜の武家屋敷★★★

4月17日(4名)

小口泰與
天つ日をたまわる棚田つばくらめ★★★★
奥利根の峡田の畔の黒黒と★★★
蝶蝶の吹き飛ばされし田圃道★★★★

多田有花
眼鏡橋を眼鏡にしたり春の川★★★
カラフルな路面電車よ春の街★★★
長崎にちゃんぽん食べる春の夕★★★

桑本栄太郎
バス停へ急ぐ坂道つつじ燃ゆ★★★
咲き初めて青き愁いや著莪の花★★★
竹林の産みの熱とや竹の秋★★★

弓削和人
春寒や小雨寄りたるキャンプ場(原句)
「寄りたる」が分かりにくいです。(髙橋正子
春寒や小雨降り来るキャンプ場(正子添削)

バス停の時刻を見上げ春の鳥(原句)
バス停の時刻見上げて春の鳥(正子添削)

春惜しみ湖のさざ波まったりと(原句)
「惜しみ・・と」に理屈があります。俳句では、こういう理屈はよくないです。
春惜しむ湖のさざ波まったりと(正子添削)

4月16日(5名)

多田有花
春深き長崎へ向かうふたつ星★★★
「春深き」と「ふたつ星」の関係をもう少し整理するといいと思います。
(髙橋正子)
春の海彼方に雲仙普賢岳★★★
車両とは思えぬ意匠春の旅★★★

小口泰與
つばくろの軒営巣続きけり★★★
軒下の汲み置く水へ春の鳥★★★★
ふらここや大利根の渓越え行ける★★★

廣田洋一
永き日の四方山話はづみけり★★★
天を突く武蔵の塔の影朧★★★
診療所迎へて揺れる桜草★★★★

桑本栄太郎
鈴蘭の園の花壇や日曜日★★★★
花虻の爆音なりぬ棚の下★★★
石垣の風に煽らる春の茱萸★★★

弓削和人
田沢湖や霞たなびき山白し★★★
春寒の飛沫や岩に弾け引き★★★
春雨や対岸の湖藍深し★★★


4月15日(4名)

小口泰與
つばくらや奇岩屹立妙義山★★★
河原鶸地より秀つ枝に翔けにける★★★
頬白や滝雲渓へ流れける★★★

廣田洋一
永き日のいつもの店や駅近し★★★
永き日や雑談続く喫茶店★★★
やはらかな風を生みたる春の草★★★★

桑本栄太郎
菜種梅雨窓の明かりに推敲中★★★★
くもりいて早も若葉の寒さかな★★★
山吹の雨のひと日に七重八重★★★

弓削和人
花冷えて出かけ間際や雨に傘★★★
湖風に辛夷の花や踏ん張りぬ★★★★
春寒に遠くの湯舟を恋しかな(原句)
「遠くの湯舟」の「遠く」はどこですか。表現に少し無理があります。「恋しかな」は「湯舟を恋し」となっているので、「恋し」の部分は動詞です。したがって「恋うるかな」となります。(髙橋正子)
春寒にわが家の湯舟恋うるかな(添削例)

4月14日(4名)

小口泰與
上枝より下枝にすいと河原鶸★★★
頬白や木道の背を渡り行く★★★
雨雲や飛燕せわしく袈裟斬りに★★★

廣田洋一
藤の房ゆらゆら揺れる道の端★★★
体感の温度下げたる春の風★★★
花筏岸に寄せられ厚み増し★★★★

桑本栄太郎
藤棚の下で語らう二人かな★★★
紅白の揃い団地に花みずき★★★
信号のテールランプや躑躅燃ゆ★★★

弓削和人
いとざくら園庭に垂れ日影添え★★★
青空へ軽トラ白しいとざくら★★★★
園庭を眺める垂れ桜かな★★★

4月13日(4名)

小口泰與
秀つ枝より周り見まわす河原鶸★★★
鶯の声のみ聞ゆ大樹かな★★★
すいすいと下枝上枝と河原鶸★★★

廣田洋一
知らざりし土筆の先に杉菜とは★★★
切株の割れ目に光る春の草★★★
門燈をつけ忘れたる日永かな★★★

弓削和人
車窓見ゆ風にゆだねる春の鳥
「車窓見ゆ」は「車窓が見える」の意味です。字余りでも「車窓に見ゆ」とすべきです。あるいは五音になるように、他の表現を考えるとか。(髙橋正子)

一面の畑に浮かぶ耕運機(原句)
「耕運機」は季語ではありません。「浮かぶ」の情景がわかるような表現が欲しいです。俳句の基本は写生(描写)です。(髙橋正子)
耕運機春の畑のあちこちに(添削例①)
かぎろいて畑に浮かぶ耕運機(添削例②)

ひとい終え帰りの電車春の宵★★★

桑本栄太郎
棚上を見上げ爆音虻の昼★★★
花楓葉先の風のうすみどり★★★★
つちふるや今日は定期の検診日★★★

4月12日(4名)

小口泰與
背びらより朝日差しけり上り鮎★★★
遠き祖を訪ね諏訪湖や忘れ霜★★★
春灯や盛り塩崩れ仕舞いける★★★

廣田洋一
立話また一人増え日永かな★★★
黒き土覆ひつくせる杉菜かな★★★
尾の長さ整へ揚げる凧★★★★

桑本栄太郎
雨にぬれどさつと眼前に椿落つ★★★
飛花落花雨に濡れたる鋪道かな★★★
すかんぽの茎の伸びたる雨一日★★★★

弓削和人
春湖のたゆたう波やあおみどり★★★
みちのくの空うばい合う百千鳥★★★
アザリアのピンクやピンク数知れず★★★

4月11日(4名)

小口泰與
源流の宿の廃れや上り鮎★★★
辛夷咲く洞より出でる獣かな★★★
百本の春ばら咲くを待ちにけり★★★

廣田洋一
星影の時々消えて朧かな★★★★
マンションの窓の潤みて街朧★★★
春の草引き抜く力入れずとも★★★

桑本栄太郎
しべ赤くしがみつきたる残花かな★★★
春闌くや庭の梢の森めきぬ★★★★
嶺よりの夕日葉を透く遅日かな★★★

弓削和人
まさおなる分校の空黄水仙★★★★
廃校の跡に虎杖芽吹くかな★★★
湿原に白みひかるや水芭蕉★★★
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