◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/10月1日~10月10日

2024-10-01 18:05:47 | Weblog
自由な投句箱/10月1日~10月10日

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。


         🌰 🌰 🌰 🌰 🌰 🌰 🌰 🌰
        今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
    名前の右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
     名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句
 
〇10月10日
★鶏頭の十四五本もありぬべし       正岡 子規(まさおか しき)
〇10月9日
★とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな    中村 汀女(なかむら ていじょ)
〇10月8日
★ふりかへる秋風さやぎ已(すで)にとほし   中村 草田男(なかむら くさたお)
〇10月7日
★飛騨の國をうつろとなして霧湧けり    水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし) 
〇10月6日 
★燈台は低く霧笛は峙(そばだ)てり    高浜 虚子(たかはま きょし)
〇10月5日 
★鶏頭を三尺離れもの思ふ         細見 綾子(ほそみ あやこ)
〇10月4日
★きしきしときしきしと秋の玻璃を拭く   三橋 鷹女(みつはし たかじょ)
〇10月3日
★露草の青い空気へ車椅子         堀 佐夜子(ほり さよこ)🌸
〇10月2日
★水澄んで遠くのものの声を待つ      谷野 予志(たにの よし)
〇10月1日
★われにつきゐしサタン離れぬ曼殊沙華   杉田 久女(すぎた ひさじょ)
コメント (43)
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今日の秀句/10月1日~10月10日

2024-10-01 18:04:08 | Weblog
10月10日

※該当句無し

10月9日(1句)

★赤き実の芝生に落つる寒露かな/桑本栄太郎
「寒露」は、二十四節季のひとつで、草花に冷たい露が降りる頃、10月8日ごろになる。晩秋の季語。冷たい露が降りる日、芝生に落ちた赤い実が目に鮮やかに映る。実が落ちることも、それが赤であることも、寒くなっていく季節をよく感じさせてくれる。(髙橋正子)

10月8日(1句)

★谷あいのくつきり青く秋気満つ/桑本栄太郎
青い山と青い山がせまる谷あいがくっきり見える。谷の合間は秋の澄んだ空気が目に見えるかのように満ちている。(髙橋正子)

10月7日(1句)

★ゆるやかな坂の果なり秋の雲/川名ますみ
ゆるく上り坂になって、その果てに秋の雲が浮かんでいる。単純な景色に浮かぶ秋の雲に、思いが集中し、またそこから思いが広がる。秋の雲に寄せる楽しい思いが読みとれる。(髙橋正子)

10月6日(1句)

★雨やめば鵙の高音の始まりぬ/多田有花
鵙はよほど晴れた日が好きらしい。晴天の日は朝から鵙が猛々しく鳴いている。雨が止むのを待つかのように、雨が止んだらすぐ鳴きはじめる。この鵙の高音は縄張りのためとのこと。11月ごろまでこの縄張りの声が聞かれる。(髙橋正子)

10月5日(2句)
★窓枠に星の散りゆく夜さむかな/弓削和人
★お神楽や秋の湖底に谺して/弓削和人
二つの俳句について、「窓枠、」「湖底」は日常的に使う言葉であれば、飛躍がある(不正確)と言えるが、この二つは一句のなかの詩語としての象徴性をもった言葉として解釈する。
第1句は、寒く、ガラス窓のガラスを意識させないほど空気が澄んだ夜、窓枠の内に星が散っている、という北国のメルヘンのような景色。
第2句は、里神楽の笛の音などが、静かな湖底まで響いているような感じがする情景を詠んだ句。(髙橋正子)

10月4日(2句)

★秋蝉の力あふるる声聞こゆ/小口泰與
秋蝉はか細い声で鳴くと思われているかもしれないが、最後の力をふり絞って力強く鳴いている蝉の声を耳にした。力強さが、かえって切ない気持ちを呼び起こしている。それが「秋蝉」である。(髙橋正子)

★わが影の刈田に遠く映りおり/多田有花
刈田に自分の影が長く伸びている。その影は遠いところまで影が伸びているのだ。それが「遠く映り」なのだ。「遠く」に意外性が、面白い。(髙橋正子)

10月3日(2句)

★街川に小さき群の渡鳥/廣田洋一
街の川にも小さい渡鳥の群が来て、しずかに泳いでいるのを見ると、嬉しくなる。渡り鳥を迎えた気持ちがさらりと詠まれているのがいい。(髙橋正子)

★曼殊沙華家路の子らへ夕陽かな/弓削和人
絵本にあるような光景。曼殊沙華が赤く咲いて、家へ帰る子供たちが夕陽に染まっている。曼殊沙華も子供たちも大きな夕陽の中に一つの世界となっているのがいい。(髙橋正子)

10月2日(1句)

★青空に旗火あがりぬ体育祭/桑本栄太郎
「旗火」は、広辞苑にはないので、この呼び方で通用するかは疑問であるが、
音だけの花火のこと。青空に音花火が上がり、体育祭の開催を知らせている。青空に響く音に、心がわくわくと逸る。(髙橋正子)

10月1日(1句)

★登り来て秋のダム湖を一望す/多田有花
散文のようであるが、5-7-5の快いリズムがある。秋のダム湖は澄んだ水がしずかに湛えられ、ダム湖に続く山にはうす紅葉が見られる。「一望す」には、すっきりとしたダム湖の景色が読みとれる。(髙橋正子)
コメント (8)
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10月1日~10月10日

2024-10-01 18:00:51 | Weblog
10月10日(3名)

廣田洋一
登山道閉鎖されたり秋の山★★★
秋の山錦纏いて華やげる★★★
野分後の落ちぬ林檎を売り出しぬ★★★

多田有花
チェンバロに音色を変えて弾く晩秋★★★
鹿鳴の夜毎聞こえる里に住み★★★
快晴や鵯の声する真昼★★★

桑本栄太郎
青空を背ナに撮り居り銀杏黄葉★★★
棘ばかり目立つ茎とや秋の薔薇★★★
まっすぐに煙棚引く刈田かな★★★

10月9日(4名)

小口泰與
静けさの中の水輪や秋の沼★★★★
風に乗り木木の葉舞いて沼の秋★★★
撮影の準備済ますや秋の雨★★★

廣田洋一
スターカットてふ輪切りの林檎食む★★★
縁結び神に祈りて後の月★★★
丹沢の稜線伸びる秋の山★★★

多田有花
薄き霧流れてはるか小豆島★★★
秋の蜂樹液求めて木の根元★★★
秋の山浅葱斑の飛び交いぬ★★★

桑本栄太郎
歩みゆく朝の静寂や草ひばり★★★
雲影の山膚走る秋の嶺★★★
赤き実の芝生に落つる寒露かな★★★★

10月8日(4名)

小口泰與
日表に居るも辛し庭の秋★★★
朝まだき玻璃から来たる秋日影★★★★
片隅の朝の木槿の咲きにける★★★

多田有花
複雑な長き夢より覚め寒露★★★
秋晴れの全域望む播磨灘★★★
秋の峰連なる彼方遠き橋★★★★

廣田洋一
縁結び君と行きたる紅葉狩★★★
クレーン立つ空高々と渡り鳥★★★★
どこからか木の葉飛び来る暮の秋★★★

桑本栄太郎
谷あいのくつきり青く秋気満つ★★★★
もみづるや遅速のありぬ木々の葉に★★★
コンビニに入り菓子買う秋曇り★★★

10月7日(6名)

小口泰與
眠りても秋翡翠の居りにける★★★
身にしむや巌巻き流る秋の川★★★
髪の毛の長き人と居る秋夕べ★★★

多田有花
萩咲くや古木の肌を背景に★★★
秋の朝窓辺に集う雀たち★★★
いざ跳べと蓮の実促す葉の大き★★★

廣田洋一
夜食にとお握り結ぶ夕餉時★★★
不用品の片づけ終えて暮の秋★★★
神木の身の引き締まり暮の秋★★★

桑本栄太郎
あじさいのうなだれ居りぬ秋寒し★★★
<病院の待合室より>
中庭の三角天井秋の色★★★
ぱつくりと開き弾けり椿の実★★★

川名ますみ
爽やかや瞼を透けてくる朝陽★★★
工場に若木植えられ秋高し★★★★
ゆるやかな坂の果なり秋の雲★★★★

弓削和人
昏昏と枕に沈む竹の春★★★
椎の実の転がっている開き戸かな★★★
猿注意岳人のいる秋の山★★★

10月6日(4名)

多田有花
雨やめば鵙の高音の始まりぬ★★★★
桜紅葉いずれも虫の食みし跡★★★
芒揺れる築地塀の向こうより★★★

桑本栄太郎
秋晴れの妻の指示出す模様替え★★★
合歓の実や青空あおくかざし居り★★★
秋気澄むテニスコートの弾む音★★★

小口泰與
製法の仕組み伝えし鳥渡る(原句)
製法の仕組み伝えば鳥渡る(正子添削)

蜻蛉の鳥の頭へとまりけり★★★
鵯の羽ばたきながら実を食し★★★

弓削和人
置時計秋へ長針指し止まる★★★
二人からひとりになりし秋の暮★★★
秋晴やおもわず湖畔へ忘れ物 ★★★

10月5日(3名)

小口泰與
夕暮れの瑠璃をふるわす秋の雷★★★
流れ行く水はるかなり小鳥来る★★★
上州の秀づる浅間鬼やんま★★★

多田有花
刈りこまれ松の見事に秋高し★★★★
安政の銘ある鳥居木の実落つ★★★
十月の大歳神社に詣でけり★★★

弓削和人
やわらかな音して拾う木の実かな★★★
窓枠に星の散りゆく夜さむかな★★★★
お神楽や秋の湖底に谺して★★★★

10月4日(4名)

小口泰與
爛爛と秋いかづちの仁王立ち★★★
ぶるぶると玻璃を鳴らすや秋の雷★★★
秋蝉の力あふるる声聞こゆ★★★★

多田有花
刈られたる稲の香を浴び歩きけり★★★
暑さ去り曼珠沙華畔に咲きそろう★★★
わが影の刈田に遠く映りおり★★★★

廣田洋一
はじまりの林檎剥きたる朝餉かな★★★★
貧しきもりんごの唄の明るかり★★★
大空に直線引きて鳥渡る★★★

桑本栄太郎
雨雲の嶺降り来たる秋の雨★★★
素十忌の恥ずかしきほど見つめ居り★★★
突然の突風吹くや野分来る★★★

10月3日(5名)

多田有花
今朝の雨秋冷を連れ降りにけり★★★
柿の秋熟れしものより啄まれ★★★
藤袴アサギマダラを呼び咲きぬ★★★

小口泰與
忽然と寒さいや増す秋の朝★★★
爽やかやすそ野は黄金一杯に★★★
かすかなる噴煙錆びて秋浅間★★★

廣田洋一
街の川小さき群の渡鳥(原句)
伝えたい感情をはっきりさせるように添削しました。俳句には「切れ」があるのが効果的ですが、この句の場合は、必ずしも必要ではありません。(髙橋正子)
街川に小さき群の渡鳥(正子添削)

一群の静かに泳ぐ渡鳥★★★
この道を木の葉横切り暮の秋★★★

桑本栄太郎
こつ然と風の尖りぬ野分立つ★★★
秋雨の音に目覚むる寝所かな★★★
芋の葉を傘の代わりや蛇笏の忌★★★
 
弓削和人
秋空へボールあがりぬサッカー場★★★

曼珠沙華家路の子らの夕陽かな(原句)
「子らの夕陽」がやや観念的です。(髙橋正子)
曼殊沙華家路の子らへ夕陽かな(正子添削)

10月2日(5名)

小口泰與
蜻蛉のカメラにとまり睨めっこ★★★
鶺鴒の破壊せしごと尾を振りし★★★
赤城より暖簾ふっくら秋の風★★★

多田有花
秋の山そののち午後のティータイム★★★
秋晴れの一日暮れて一番星★★★★
稲稔る向こうを二両の電車ゆく★★★

弓削和人
塵芥(じんかい)も避けたる節や竹の春★★★
蟷螂や斜め降りの多度の山★★★
花臭木ハングライダーの朽ちし台★★★

廣田洋一
街路樹の秋の剪定終えし空★★★
柿たわわ順番待ちの鳥の群★★★
群なして稲田を攻める雀かな★★★

桑本栄太郎
青空に旗火あがりぬ体育祭★★★★
野辺行けば風の田面や秋深む★★★
遅くまで部活の音や秋の暮れ★★★

10月1日(4名)

小口泰與
虫の音のここを最期と鳴きにけり★★★
虫の音の覆いかぶさる里の沼★★★
虫の音の一声鳴きてそれっきり★★★

多田有花
山路より稲田の広がりを眺む★★★
登り来て秋のダム湖を一望す★★★★
爽やかに空の広がり海見えて★★★

桑本栄太郎
消防車つぎつぎ来たる十月に★★★
秋暑し日差し戻りぬ在所かな★★★
十月や櫨の片方の紅葉初む★★★

廣田洋一
法面を横切る赤や曼珠沙華★★★
花木槿並木をなして華やげり★★★
この道の柿の実赤く色付きぬ★★★
コメント (2)
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