◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/10月21日~10月31日

2024-10-21 19:29:32 | Weblog
※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。

         🌰 🌰 🌰 🌰 🌰 🌰 🌰 🌰
        今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
  名前の右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
     名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句

10月31日
★わが触れて来し山の樹や秋深し    中村 汀女(なかむら ていじょ)
10月30日
★鰯雲甕担がれてうごき出す      石田 波郷(いしだ はきょう)
10月29日
★朝霧の晴れて港に外国船       安増 恵子(やすます けいこ)🌸
10月28日
★菊活けられ水の硬さに茎立ちぬ    脇 美代子(わき みよこ)🌸
10月27日
★啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々    水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし)
10月26日
★雁一聯窓の一画截り去ぬる      臼田 亞浪(うすだ あろう)
10月25日
★朴の葉の落ちをり朴の木はいづこ   星野 立子(ほしの たつこ)
10月24日
★桐一葉日当たりながら落ちにけり   高浜 虚子(たかはま きょし)
10月23日
★露草を踏みつけ朝の測量に      加納 淑子(かのう としこ)🌸
10月22日
★爛爛と昼の星見え菌生え       高浜 虚子(たかはま きょし)
10月21日
★朝霧の玄関声が先に入る       日野 正人(ひの まさと)🌸
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今日の秀句/10月21日~10月31日

2024-10-21 19:28:16 | Weblog
10月31日(1句)

★コスモスや風に任せて乱れ咲く/多田有花
もとの句は「コスモスや風に吹かれて乱れ咲く」だったので、「コスモスや風に任せて乱れ咲く」と添削した。作者は違う感覚だったかもしれないが、俳句を詩として成り立たせるためには、自分なりの見方が必要。(髙橋正子)

10月30日

該当句無し

10月29日(2句)

★曇りいて更に明るき銀杏黄葉/桑本栄太郎
銀杏黄葉は背景が青空であっても、明るく映えるが、曇っていても、灰色の空には黄葉がよく映る。「更に明るき」と感じるほど、色彩がくっきりしている。(髙橋正子)

★斜張橋白く濡れたり冬近し/廣田洋一
美しい白い斜張橋が濡れている様子を、「白く濡れたり」と、感覚的に映杭イメージ捉えている。表現に無駄がなく、「冬近し」が感覚としてよくわかる。(髙橋正子)

10月28日(2句)

★薄紅の秋雲夕餉の四畳半/小口泰與
もとの句は季語がなかったので、「雲」を「秋雲」にした。
早い夕餉であろう。まだ夕焼け雲が薄く紅色に染まっている。こじんまりとした四畳半のささやかで幸せな夕餉の様子が想像できる。(髙橋正子)

★飛行機雲やがてほぐれてうろこ雲/多田有花
勢いよく引かれた飛行機雲はやがてふわふわとほどけて、うろこ雲になる。雲の姿が変わるたのしさがある。(髙橋正子)

10月27日(1句)

★手のひらを開くや秋の日の温み/小口泰與
縁側などに座っていて、手のひらを開くと、秋の日が差してほのかな温みを感じる。このほのかな温みを生きている温みとして読み手は感じ取ることができる。(髙橋正子)

10月26日(2句)

★秋草を紐解く如くわけ進む/小口泰與
晩秋のころになると、秋草も枯れるものが混じる。人が通らねば,互いに絡んでくる。そんなところを通ろうとすれば、紐を解くように草を分けて進まねばならない。自然のままの姿が見える。(髙橋正子)

★露草の小径はどこも憩うとこ/弓削和人
散歩に出たのだろう。小径を辿ると露草が咲いている。しばらく歩くとまた露草が咲いている。露草が咲くところは、心休まるところ。憩うところ。(髙橋正子)

10月25日(3句)
★陽は明るく紅葉かつ散る桜なり/多田有花
「紅葉かつ散る」には、秋のかげりを感じるが、この句の良さは、「陽は明るく」で、桜もみじが明るく透き通るように詠まれていることである。(髙橋正子)

★修繕の畳ふすまや秋一日/桑本栄太郎
今も、畳や襖の張替えなど家に出向いてしてくれる職人がいるのだろうか。その仕事は、一日仕事である。子どものころ、畳職人が泊りがけで畳表を張り替えていたことを思い出す。子どもには面白いものであったが。(髙橋正子)

★朝寒や廊下に引き戸の音響き/弓削和人
昭和的な香りのする句。寒さを覚える朝、廊下の引き戸を引く音が、拭き磨かれた廊下に響く。静かな暮らしの良さが偲ばれる。(髙橋正子)

10月24日(2句)

★群れて咲く黄花コスモス陽を招く/多田有花
コスモスと言えば優しい色合いのピンクや白、紅色の花を思うが、この頃はオレンジ色や黄色の黄花コスモスをよく見るようになった。たくさんの花が風にそよぐと陽を招いて明るい印象である。(髙橋正子)

★晩秋の青き松葉や蒼き空/小口泰與
晩秋の深い空に、松葉の青が力強く映えている。色変えぬ松であるが、晩秋には、晩秋の趣がそなわっている。(髙橋正子)

10月23日(1句)

★張り替えて障子明るし鳥の声/廣田洋一
「障子」は冬の季語だが、「障子張る」は秋の季語。つまり、冬に備えて、さむくないよう、また正月を迎えることもあるだろう、そのために障子を張り替える。びんと白く張られた障子の内側は明るく、鳥の声が聞こえて来る。なんとも清々しいたのしいひと時であろう。(髙橋正子)

10月22日(1句)

★合掌のマリアの像へ菊の花/多田有花
マリアは、南米だと黒人のマリアとして拝まれたりするように、信仰する人々の国や土地のマリアとなっている。日本のマリア像には菊の花が供えられ、人々の気持ちを表している。(髙橋正子)

10月21日(1句)

★どこまでも風吹き抜ける刈田かな/桑本栄太郎
刈田となった田んぼには、自在に風が吹き抜ける。風は際限なく、どこまでも吹き抜ける。広々とした、秋淋しい刈田の風景が想像できる。(髙橋正子)
コメント (13)
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10月21日~10月31日

2024-10-21 19:26:24 | Weblog
10月31日(3名)

多田有花
柿をもぐ人あり甘柿かと尋ぬ★★★
道の辺の畑の小菊を愛で歩く★★★
コスモスや風に吹かれて乱れ咲く(原句)
コスモスや風に任せて乱れ咲く(正子添削)

小口泰與
水天を割し野鳥や秋の声★★★
秋声を聴けり赤城の風のごと★★★
下り簗利根の閃く流れかな★★★

廣田洋一
餌求め群れ来る鴎暮れの秋★★★
ひつじ田や水の溜まりし雨上がり★★★
曲がる度彩り変わる秋の山★★★

10月30日(4名)

小口泰與
ぴちぴちと小魚跳ねる沼の秋★★★
さらさらと稲の触れ合う田道かな★★★
冷まじや波の穂先の尖りける★★★

多田有花
部屋に籠りぬ晩秋の雨の午後★★★
秋曇遊具に遊ぶひとときよ★★★
紅葉忌恋は金より尊いか★★★

廣田洋一
末枯れを誘う雨なり並木道★★★
この道の銀杏並木や末枯るる★★★
林檎剥く蜜の香りの漂いぬ(原句)
林檎剥き蜜の香りの漂いぬ(正子添削)

Unknown
飛び急ぐ鴉群れなし秋の夕★★★
秋の夜半手紙の返書封はせず★★★
秋の蚊や利き手に留まるを仕留めけり★★★

10月29日(5名)

小口泰與
小魚や秋翡翠の喉ふとし★★★
風も無き葦にとまりし秋翡翠★★★
ゆっくりと沼の小岩に秋の亀★★★

多田有花
秋草の蒼空へ高く背を伸ばす★★★
光陰は矢の如しなり赤まんま★★★
秋の日のジャングルジムを上り下り★★★

桑本栄太郎
帽子ごと拾い来たるや櫟の実★★★
曇りいて更に明るき銀杏黄葉★★★★
橡の葉の繁れどすでに実の在らず★★★

廣田洋一
甲板のありや無きかの秋時雨★★★
船を待つ子ら賑やかに秋深し★★★
斜張橋白く濡れたり冬近し★★★★

弓削和人
行秋の水戸の駅舎に小雨かな★★★
秋風や街灯ひとつ消えており★★★
秋晴を胸いっぱいに低き山★★★★

10月28日(4名)

小口泰與
薄紅の雲や夕餉の四畳半(原句)
薄紅の秋雲夕餉の四畳半(正子添削)
一匹の蜻蛉とまるや沼の葦★★★
蜻蛉と亀の競演沼の岩★★★

廣田洋一
今朝秋の川に佇む鷺一羽★★★
撫でまわし凸凹多き林檎買う★★★
選挙終え悲喜こもごもの秋行けり★★★

多田有花
電車過ぐえのころぐさを揺らしつつ★★★
柿たわわ鈍色瓦の上にあり★★★
飛行機雲やがてほぐれてうろこ雲★★★★

桑本栄太郎
穂すすきの解け波打つ花壇かな★★★
秋草や売地看板埋もりて★★★
野いばらの尖る実生や黄の色に ★★★

10月27日(3名)

多田有花
庭のコキア紅葉して人を待つ★★★
穂をつけてひつじ青さを保ちおり★★★
端正に花びら広げ秋の薔薇★★★

小口泰與
手のひらを開くや秋の日の温み★★★★
へら浮子の垂直に立ち沼の秋★★★
水天を狙いし秋の翡翠ぞ★★★

桑本栄太郎
外つ人の白人多し秋の京★★★
行き交える花見小路や秋日さす★★★
穂すすきの中州占めをり桂川★★★

10月26日(4名)

多田有花
干し物や下弦の月の空高く★★★
秋真昼ハイビスカスはなお赤し★★★
MRIの轟音の中末の秋 ★★★

桑本栄太郎
稲滓火の煙棚引く山の里★★★
鬼貌となりて仕舞いぬ芙蓉の実★★★
あばたとて持て囃さるる杜鵑草★★★

小口泰與
秋草を紐解く如くわけ進む★★★★
上下するへら浮子ありし沼の秋★★★
へら浮子の微動だにせぬ暮の秋 ★★★

弓削和人
夕雨や車窓をさやぐ蕎麦の花★★★
露草の小径はどこも憩うとこ★★★★
いのこづち野辺から遠く競い合い★★★

10月25日(名)

廣田洋一
上り行く初鴨三羽街の川★★★
土手道や泡立草の花盛り★★★
縄のれん女将の酌で温め酒★★★

多田有花
木の実落つ墓苑にしばし坐しており★★★
秋深し最前列は戦死者よ★★★
陽は明るく紅葉かつ散る桜なり★★★★

小口泰與
十月や賑わい増せり山の幸★★★
満腹の雑魚跳ね出で秋の沼★★★
鵯の嘴よりこぼす赤き実を★★★

桑本栄太郎
朝露の靴ぬらしつつ川辺行く(原句)
朝露に靴ぬらしつつ川辺行く(正子添削)
修繕の畳ふすまや秋一日★★★★
袖ものの濯ぎひと竿秋日和★★★

弓削和人
夕暮に隠れる靴のいのこづち★★★
本棚のぬくみの色の木の実かな★★★
朝寒や引き戸に廊下音響き(原句)
朝寒や廊下に引き戸の音響き(正子添削)

10月24日(5名)

多田有花
低くともわが名は背高泡立草★★★
群れて咲く黄花コスモス陽を招く★★★★
廃屋に蔦の紅葉の始まりぬ★★★

小口泰與
行く秋を長きすそ野に味わいし★★★
晩秋の青き松葉や蒼き空★★★★
秋雲の点となりしや赤城山★★★

廣田洋一
駅前の赤提灯や温め洒★★★
旅空に友と二人で温め酒★★★
沈みたる木の葉艶やか秋の川★★★

弓削和人
夕の宿レモン欠片に身の軽し★★★
栗飯の実のみちみちて友親し★★★
湖の外輪山や薄紅葉★★★

桑本栄太郎
推し活の選挙支援や秋うらら★★★
秋灯の尾灯つづくよ9号線★★★
暮れなずむ嶺の真つ赤ぞ秋入日★★★

10月23日(4名)

小口泰與
銀鱗を光らす魚や沼の秋★★★
ひねもすの草野球なり神無月★★★
鳴きながら秋翡翠の沼の辺を★★★

多田有花
帰天せし人の墓前に菊花かな★★★
異国の人眠れる晩秋の墓所★★★
どんよりと曇りて霜降の夜明け★★★

桑本栄太郎
梢ほど空の明るき銀杏黄葉★★★
休耕の畑のにぎわう泡立草★★★
大木の天に香りぬ金木犀★★★

廣田洋一
張り替えて障子明るし鳥の声★★★★
荒れし跡すっきりしたる秋の川★★★
大玉と小玉を混ぜて林檎買う★★★

10月22日(4「名)

小口泰與
鳥声の途絶えし沼や秋の蝶★★★
四頭の黄蝶遊ぶや沼の秋★★★
ぴょんぴょんと跳ねし小魚秋の沼★★★

多田有花
合掌のマリアの像へ菊の花★★★★
木星が月の隣を通る夜★★★
高く鳴きわれはここぞと鵙の朝★★★

桑本栄太郎
歩みゆくほどに静寂や草ひばり★★★
穴あきの彩の錦や柿もみじ★★★
ゑのころの風の吹くまま逆らわず★★★

廣田洋一
恙なく今日も終えたり温め酒★★★
満遍に霧吹きかけて障子貼る★★★
秋深し逝きたる友に献杯す★★★

10月21日(3名)

小口泰與
なだらかな沼の水面へ紅葉かな★★★
三頭の秋蝶舞えり沼の岸★★★
一斉に小魚跳ねし秋の沼★★★

廣田洋一
縁側に一枚立てかけ障子貼る★★★
最後に霧を吹きかけ障子貼る★★★
昼日中旧友と酌む温め洒★★★

桑本栄太郎
ふるさとの大山想う直哉の忌★★★
秋冷や見るべきほどの事は見き★★★
どこまでも風吹き抜ける刈田かな★★★★
コメント (3)
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