◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/1月21日~1月31日

2025-01-22 00:21:12 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 
    
     🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊 🍊🍊🍊
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
   右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
   名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句
1月31
★しんしんと寒さがたのし歩み行く   星野 立子(ほしの たつこ)
1月30
★身に纏う黒きショールも古りにけり  杉田 久女(すぎた ひさじょ)
1月29
★箸とるときはたとひとりや雪降り来る 橋本 多佳子(はしもと たかこ)
1月28
★餅のかびけづりをり大切な時間    細見 綾子(ほそみ あやこ)
1月27
★寒暁といふ刻過ぎて海青し      谷野 予志(たにの よし)
1月26
★戯曲読む冬夜の食器浸けしまま    杉田 久女(すぎた ひさじょ)
1月25
★厳寒や一と日の手順あやまたず    中村 汀女(なかむら ていじょ)
1月24
★たらちねに送る頭巾を縫ひにけり   杉田 久女(すぎた ひさじょ)
1月23
★水枕ガバリと寒い海がある         西東 三鬼(さいとう さんき)
1月22
★雪残る頂きひとつ国境           正岡 子規(まさおか しき)
1月21日
★かけ通るこがらしの胴鳴りにけり      山口 誓子(やまぐち せいし)
コメント (57)
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今日の秀句/1月21日~1月31日

2025-01-22 00:19:38 | Weblog
1月31日(2句)

★眩しさや枯れの極まる野の光/多田有花
「枯れの極まる」とき、日差しは日々強くなっている。枯野の光は眩しいほど反射している。「枯れ」の「清潔さと明るさ」がよく詠まれている。(髙橋正子)

★春を待つ夕星高く光りおり/廣田洋一
夕星が高くつややかに光っている。そんな夕星を見るにつけ、春への思いが膨らむ。言葉の選び方が、素直なのがいい。(髙橋正子)

1月30日(1句)

★配達夫寒さを問えば雪と答う/上島祥子
品物を配達に来た人に「外は寒いですか」と聞くと、「雪ですよ」と答えてくれた、寒い日の日常の一こまが詠まれている。その日の寒さ、暮らしぶりがよくわかり、自分に置き換えて共感できる。「答う」は、「言う」と、定型に収めてよさそうなものだが、しっかり「答う」で終えられているところも汲みとるべき。(髙橋正子)

1月29日(2句)

  藤本観音山古墳にて
★冬日差す古墳に足止め風を聞く/土橋みよ
藤本観音山古墳は長さが100mほどもある大きな前方後円墳。栃木の五座にもなっているという。「風を聞く」が自然なのがいい。古の人々の声を聞くかのように足と止めている(髙橋正子)。

★寒椿落ちゆくならば淡海/弓削和人
寒椿は落ちてゆくなら、淡海に落ちてゆきたいものだと。また寒椿は淡海に落ちて子と相応ししと言う思いを詠んだ句。寒椿と淡海の取り合わせに妙がある。「淡海」は「おうみ」と読むのなら字足らず。出来るなら、定型にする方が、句に格調が生まれると思う。(髙橋正子)

1月28日(1句)

★主治医との面談コート着たままに/上島祥子
主治医と話すとき、コートを着たままは失礼になる場合もあり、違和感を感じているのが作者。感じた「違和感」を誠実に鋭く句に詠んでいる。重要な差し迫った話の内容だったのかもしれない。仕事から急いで駆け付けてコートを脱ぐ間もなく話さなければならなくなったのかもしれない、ことなどが事情。(髙橋正子)

1月27日(1句)

★咳をする人を数えり深夜バス/弓削和人
深夜バスは外の景色が見えない分、バスの車内に関心がいく。静かな車内で咳をする人があそこの席、こちらの席と数人はいるようだ。風邪が流行る時期の深夜バスの様子がよく詠まれている。(髙橋正子)

1月26日(1句)

★待春の巡礼道を辿りけり/多田有花
暖かい春がくると巡礼に出かける人が多い。春を待ちつつ、巡礼ではないが、巡礼の道を歩いてみた。巡礼をしている気持ちがするだろう。(髙橋正子)

1月25日(1句)

★間道の社のたもと探梅行/弓削和人
「間道」は主な通りを外れた道のこと。ひっそりと佇む社のたもとに梅の木がある。梅の花はまだかと、訪ねてみる。仰々しい探梅行ではなく、ひとり楽しむささやかな探梅行もまたいいものだ。(髙橋正子)

1月24日(1句)

★夕空に茜残りぬ日脚伸び/多田有花
私もこのような景色を、ここ2,3日の内に見ている。日が落ちてすぐに真っ暗になっていたのは、ついこの間まで。大寒と言う寒さにもかかわらず、夕空はきれいな茜色で、日は暮れず、日脚が伸びたことを実感する。(髙橋正子)

1月23日(1句)

★竹藪まで届く日差しや梅早し/廣田洋一
日脚が伸び、小暗い竹藪に日差しが差し込むようになった。早くも梅が咲き始め、春の訪れに心があかるくなる。「梅早し」が効いている。(髙橋正子)

1月22日(1句)

★冬空に園児の列はまっすぐに/弓削和人
この俳句は、寒い冬の空の下で、園児たちがまっすぐに整列している様子を描いています。弓削和人の詩情がよく表れた一節ですね。
一つのコメントですが、冬の空という背景が、清らかで澄んだ感じを与え、園児たちの純粋さや無邪気さをさらに引き立てているように感じます。冬の冷たさの中でも、園児たちの元気さや規律正しさが、心温まる印象を与えてくれますね。(AIによるコメント/引用責任髙橋正子)

1月21日(1句)

★雪原の若やぐ朝や鳥の声/小口泰與
雪原が若やいだ印象は読み手に任されるが、雪原に朝日が差し、雪原が明るく輝いて広々とした情景が想像できるだろう。そんな雪原に鳥の声が聞こえ、寒さのなかにも生き生きと、また溌溂とした世界が感じられる。(髙橋正子)
コメント (9)
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1月21日~1月31日

2025-01-22 00:15:37 | Weblog
1月31日(5名)

小口泰與
寒風に木木の鳴りけり山の沼★★★
人の世のああ儚きやはかなきや★★★
冬木立つ沼へ夕日の当たりたる★★★

多田有花
お出かけの計画話し春を待つ★★★
眩しさや枯れの極まる野の光★★★★
湯たんぽに布団に残る夜の温み★★★

廣田洋一
春を待つ夕星高く光りおり★★★★
手を上げて渡る園児や春近し★★★★
裸木のすっくと伸びる青き空★★★★

桑本栄太郎
塵出しの霙まじりの小雨かな★★★
干しものの風に躍りぬ一月尽★★★
底冷えや寝床の背ナのつめたきに★★★

弓削和人
冬将軍比叡おろしに襟の盾★★★
鳶鳴けり大杉跨ぎの鳶も鳴き★★★★
鳰潜る波の揺れなき冬湖畔★★★

1月30日(5名)

小口泰與
吹き募る赤城颪や厩橋★★★
森の朝鴛鴦盛装の娚(めおと)かな★★★
山の沼冬翡翠に偶然に★★★

多田有花
ボールペン不意にインクの尽きて寒★★★
強風に寒の茜の色冴える★★★
寒風や面をあげて歩きけり★★★

廣田洋一
熱燗もワインも飲みてクラス会★★★

更地の測量終えて春近し(原句)
字足らずが気になりました。(髙橋正子)
測量を終えし更地や春近し(正子添削例)

青空に縄飛唄のにぎにぎし★★★
「青空に縄跳唄」はとてもいいです。(髙橋正子)

桑本栄太郎
白きもの思い出すかに風花す★★★
凍雲のはるか嶺の端白きかな★★★
こきこきと竹林揺るる寒の風★★★

上島祥子
虎落笛一人になればさらに鳴き★★★★
小雪舞う命日の花自転車に★★★★
配達夫寒さを問えば雪と答う★★★★

1月29日(6名)

多田有花
春隣る大樹は空を友として★★★
寄せ植えに小さき葉牡丹のありぬ★★★
午後の日はすでに翳りて花八手★★★

小口泰與
浮子の影くいっと散りし冬の沼★★★
空っ風吹き荒る用意怠らず★★★
鴛鴦の二羽にて日の出伝えけり★★★

廣田洋一
早梅や紅き光を放ちおり★★★
早梅の白きを供う慰霊碑かな★★★
蕊光り日を返したる寒椿★★★

土橋みよ
  藤本観音山古墳にて
冬日差す古墳に足止め風を聞く★★★★
春の風古墳の食器時を超え★★★

桑本栄太郎
夜もすがら虎落笛聞き目覚めけり★★★
山容のくつきり見ゆや寒の風★★★
冬ぬくし背ナに日差しの厨かな★★★

弓削和人
寒椿落ちゆくならば淡海★★★★
冬銀河鳰の湖へと流れけり★★★★
鳰の湖浪の音を背に寒桜★★★
景色はとてもいいですので、もう少しまとまるといいです。(髙橋正子)


1月28日(6名)

小口泰與
枝垂れ木に群れて糞する寒雀★★★
一羽発ち次は瞬時や寒雀★★★
吹きよどむ赤城颪の治まりし★★★

廣田洋一
冬温し手をつなぎ行く老夫婦★★★
時々は口を開けたり寒の鯉★★★
街角の花屋をのぞく春隣★★★

多田有花
布の干支小さきストーブの上に★★★
春近しシフォンケーキにクリームを★★★
蝋梅に寄れば雀のぱっと発ち★★★

桑本栄太郎
枝先の日を受け艶に冬木の芽(原句)
枝先に日を受け艶に冬木の芽(正子添削)

寒風や鴉の声の嗄れいたる★★★
ふるさとの野山を想う寒波かな★★★

土橋みよ
     矢場川神明宮にて
短日や寒さに耐える守り神(原句)
「短日」と「寒さ」が二つがテーマになっています。「短日の寒さ」にし、テーマは一つにします。(髙橋正子)
短日の寒さに耐える守り神(正子添削)

春を待つ鯉に乗る仙人(ひと)夢馳せる★★★
山茶花の小径を歩く雀かな ★★★

上島祥子
主治医との面談コート着たままに★★★★
寒犬の揺れる尻尾や散歩の子★★★
寒犬の揺れる尻尾」と「散歩の子」の関係をはっきりさせるとよいと思います。(髙橋正子)
欲しくとも買えぬ訳有り桜草★★★

1月27日(5名)

小口泰與
冬の日や幼き竹に小さき葉★★★
山風の吹き治まりて冬の雷★★★
冴ゆる日の噴煙我に降り注ぎ★★★★

多田有花
裸木の大樹骨格の新た★★★
紅白の山茶花咲かせ巡礼道★★★
水彩画版画を並べ春を待つ★★★

廣田洋一
電気行火強火にしたる夜明け前★★★
諫暁の朝刊配る靴の音★★★
子供らのボール蹴り合う大枯野★★★

桑本栄太郎
太陽のにじみ真上やしぐれ雲★★★
ふるさとを想い歩むや枯野行★★★
海鳴りの頻りに聞こゆ懸大根★★★

弓削和人
夜の更けて気になる仕事に湯ざめかな★★★
咳をする人を数えり深夜バス★★★★
バスを待つわずかなりしも日向ぼこ★★★★


1月26日(4名)

小口泰與
雄心をすくし寒風摩擦かな★★★
男盛りをとうに過ぎたり枯薄★★★
吹きよどむ赤城颪も治まりし★★★

廣田洋一
白き枝ぴんと伸びたる冬の空★★★
寒晴れや透かし見えたる川の底★★★
青空に富士山白き春隣★★★

多田有花
待春の巡礼道を辿りけり★★★★
寒中の青空映す池の面★★★
開運の干支一月の神社かな★★★

桑本栄太郎
凍雲の疾く走り居り朝歩き★★★
雲奔り日差しまぶしき春隣★★★
枯蔓の金網塀にすがりけり★★★

1月25日(4名)

小口泰與
籠り居の赤城颪を肌に聞く★★★
井の底に冬満月の煌煌と★★★
枯木山日影小暗き山の端★★★

多田有花
寒中に汗光らせて長距離走★★★
城までの道まっすぐに寒霞★★★
寒ぬくしロードサービスを呼びぬ★★★

桑本栄太郎
覆うもの皆うらがえり風凍つる★★★
雲出でて日射し遮る寒波かな★★★
明暗の頻りに替わる障子越し★★★

弓削和人
新春や天満宮の祈願絵馬★★★
猿曳の猿励まされ空を舞い★★★
間道の社のたもと探梅行★★★★

1月24日(4名)

多田有花
寒卵ゆでる間に散歩する★★★
寒中の森の奥より鳥の声★★★
夕空に茜残りぬ日脚伸ぶ(原句)
「残りぬ」、「日脚伸ぶ」はどちらの言い切って切れが生まれています。どちらを中心にしますか。(髙橋正子)
夕空に茜残りぬ日脚伸び(正子添削)

小口泰與
マスクして目は笑い居る人なりし★★★
しとしとと続く冬雨詫住い★★★
天を割り冬雷の顔を出す★★★

廣田洋一
プールより空を見上げて日脚伸ぶ★★★
母子にてボール蹴り合い日脚伸ぶ★★★
夕星を一つ浮かべて寒茜★★★

桑本栄太郎
人はみな何かに縋る霜夜かな★★★
太陽のにじみ明るき冬ぬくし★★★
徐州へとすすむ軍馬や蘆平忌★★★

1月23日(5名)

小口泰與
登り来る若き炎帝太氷柱★★★
ゆうらりと雲湧く度に雪浅間★★★
風よりも僅かに軽き枯葉かな★★★

廣田洋一
神主が先頭に立ち初笑い★★★
冬薔薇の小さく咲きて青き空★★★
竹藪まで届く日差しや梅早し★★★★

多田有花
反故紙へ書きつけいろいろ冬の夜★★★
階段を上り下りして春を待つ★★★
寒中の日差し背に受け歩きけり★★★

桑本栄太郎
山膚のうす紫よ冬がすみ★★★
溝川の音のやわらぎ春隣る★★★★
ろうばいの葉の見当たらぬ花の色★★★

土橋みよ
柿の実を食べ尽くされて誰が為★★★
食育のカレンダー手に冬の味★★★
冬の幸添え書き綴る手止まらず★★★

1月22日(5名)

小口泰與
別れては一人一人の冬芽かな★★★
友人のさらばと別る冬の駅★★★
刻限をわきまう赤城颪かな★★★

廣田洋一
天気予報三寒四温そのままに★★★
河原の石広くせり出し冬の川★★★
門前の日溜り占めて冬薔薇★★★

多田有花
蝋梅の香りの中に踏み入りぬ★★★
瀬戸内よ冬青空の眩しき地★★★
大根を豚ばら肉と煮て夕餉★★★

桑本栄太郎
寒晴といえど冷たきもの頬に★★★
晴れいても枯葉まといぬ櫟かな★★★
寒菊の傾ぎて尚も濃むらさき★★★

弓削和人
冬空の園児の列はまっすぐに(原句)
「冬空の園児の列」の「の」の使い方に注意です。(髙橋正子)
冬空に園児の列はまっすぐに(正子添削)

冬の鳩餌を求めつつ足の元★★★
冬の店たこ焼をつく女学生★★★
 
1月21日(5名)

小口泰與
たまに浮きあとは水底冬の鯉★★★
冬の日や日向日陰を木木分かつ★★★
雪原の若やぐ朝や鳥の声★★★★

廣田洋一
冬薔薇赤くとんがる蕾かな★★★
句の主の名乗りを聞きて初笑★★★
早梅の一樹を囲む女学生★★★

多田有花
鳥の影窓を横切る寒の午後★★★
熟睡の山を見上げて伸びをする★★★
浮かびくることのいろいろ反故紙へ
季語を入れたほうがいいです。(髙橋正子)

桑本栄太郎
久女忌のあおぞらに添い田道行く★★★
グランドのおらび声聞く春隣★★★
枝上に我を見下ろす寒がらす★★★

上島祥子
寒晴や病院までの遠き道★★★
お下がりの兎のマフラー母見舞う★★★
茜さす紫の雲春隣★★★

コメント (2)
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