◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

4月11日~4月20日

2023-04-12 17:10:46 | Weblog
4月20日(4名)

小口泰與
春ばらの風になびきし鳥の声
「なびきし」は「鳥の声」にかかっています。

河原鶸聴きて野原の快楽かな★★★
山径を歩き疲れや河原鶸★★★

多田有花
<グラバー園三句>
つつじ咲く海ひたすらに青さ増す(原句)
つつじ咲き海ひたすらに青さ増す★★★★(正子添削)
春暑し木陰に舐めるソフトクリーム★★★
快晴のグラバー園の八重桜★★★

廣田洋一
体感の温度下げたり春の風★★★
江ノ電の窓を開けたり春暑し★★★★
春の風今日は優しく包まれて★★★

桑本栄太郎
覚めても夢の何処かに春の雷★★★
午後からは日射し極むる穀雨かな★★★
山藤の一木被い垂れにけり★★★★

4月19日(4名)

小口泰與
渓音に育つ若鮎空は蒼(原句)
「渓音に育つ若鮎」と「空は蒼」の関係がばらばらです。(髙橋正子)
若鮎の育つ渓空あおあおと(正子添削)

水槽の死する諸子魚やひとつ星★★★
渓流に影走りける上り鮎★★★

廣田洋一
霞立ち彼方の海を塗りつぶし★★★
霞立ち冨士道消える高尾山★★★
杉林花粉撒き終へ鎮まりぬ★★★

多田有花
<出島>
春深し阿蘭陀冬至の続きおり★★★
<グラバー園二句>
うららかや長崎湾に船が入る★★★★
巡りゆく洋風建築のどけしや★★★

桑本栄太郎
道に沿いつつじ燃え居りバス通り★★★
メゾンなるエントランスや花みづき★★★
紅花まんさくホテルの前の垣根かな★★★
 
4月18日(5名)

小口泰與
地虫出づ影をともない出にける★★★
文机に春の苺の置いてあり★★★★
村里の火の見櫓や風光る★★★

多田有花
稲佐山展望台から春の夜景★★★
春長けてなんと小さき出島かな★★★★
平戸つつじ旧神学校脇に★★★

桑本栄太郎
からからと風の奏づる春落葉★★★
春風や幼児たんたん歩き初む★★★★
新駅の低き樹高や花みづき★★★★

廣田洋一
春大根厚めに切りて斎の膳★★★
霊気満々長寿を誇る杉の花★★★★
願ひ込め智の輪くぐれり春の昼★★★

弓削和人
春山や白山裾野満たしけり(原句)
白山の裾野を満たし春の山(正子添削)

対岸の家のあかりや春の湖★★★★
角館垂れ桜の武家屋敷★★★

4月17日(4名)

小口泰與
天つ日をたまわる棚田つばくらめ★★★★
奥利根の峡田の畔の黒黒と★★★
蝶蝶の吹き飛ばされし田圃道★★★★

多田有花
眼鏡橋を眼鏡にしたり春の川★★★
カラフルな路面電車よ春の街★★★
長崎にちゃんぽん食べる春の夕★★★

桑本栄太郎
バス停へ急ぐ坂道つつじ燃ゆ★★★
咲き初めて青き愁いや著莪の花★★★
竹林の産みの熱とや竹の秋★★★

弓削和人
春寒や小雨寄りたるキャンプ場(原句)
「寄りたる」が分かりにくいです。(髙橋正子
春寒や小雨降り来るキャンプ場(正子添削)

バス停の時刻を見上げ春の鳥(原句)
バス停の時刻見上げて春の鳥(正子添削)

春惜しみ湖のさざ波まったりと(原句)
「惜しみ・・と」に理屈があります。俳句では、こういう理屈はよくないです。
春惜しむ湖のさざ波まったりと(正子添削)

4月16日(5名)

多田有花
春深き長崎へ向かうふたつ星★★★
「春深き」と「ふたつ星」の関係をもう少し整理するといいと思います。
(髙橋正子)
春の海彼方に雲仙普賢岳★★★
車両とは思えぬ意匠春の旅★★★

小口泰與
つばくろの軒営巣続きけり★★★
軒下の汲み置く水へ春の鳥★★★★
ふらここや大利根の渓越え行ける★★★

廣田洋一
永き日の四方山話はづみけり★★★
天を突く武蔵の塔の影朧★★★
診療所迎へて揺れる桜草★★★★

桑本栄太郎
鈴蘭の園の花壇や日曜日★★★★
花虻の爆音なりぬ棚の下★★★
石垣の風に煽らる春の茱萸★★★

弓削和人
田沢湖や霞たなびき山白し★★★
春寒の飛沫や岩に弾け引き★★★
春雨や対岸の湖藍深し★★★


4月15日(4名)

小口泰與
つばくらや奇岩屹立妙義山★★★
河原鶸地より秀つ枝に翔けにける★★★
頬白や滝雲渓へ流れける★★★

廣田洋一
永き日のいつもの店や駅近し★★★
永き日や雑談続く喫茶店★★★
やはらかな風を生みたる春の草★★★★

桑本栄太郎
菜種梅雨窓の明かりに推敲中★★★★
くもりいて早も若葉の寒さかな★★★
山吹の雨のひと日に七重八重★★★

弓削和人
花冷えて出かけ間際や雨に傘★★★
湖風に辛夷の花や踏ん張りぬ★★★★
春寒に遠くの湯舟を恋しかな(原句)
「遠くの湯舟」の「遠く」はどこですか。表現に少し無理があります。「恋しかな」は「湯舟を恋し」となっているので、「恋し」の部分は動詞です。したがって「恋うるかな」となります。(髙橋正子)
春寒にわが家の湯舟恋うるかな(添削例)

4月14日(4名)

小口泰與
上枝より下枝にすいと河原鶸★★★
頬白や木道の背を渡り行く★★★
雨雲や飛燕せわしく袈裟斬りに★★★

廣田洋一
藤の房ゆらゆら揺れる道の端★★★
体感の温度下げたる春の風★★★
花筏岸に寄せられ厚み増し★★★★

桑本栄太郎
藤棚の下で語らう二人かな★★★
紅白の揃い団地に花みずき★★★
信号のテールランプや躑躅燃ゆ★★★

弓削和人
いとざくら園庭に垂れ日影添え★★★
青空へ軽トラ白しいとざくら★★★★
園庭を眺める垂れ桜かな★★★

4月13日(4名)

小口泰與
秀つ枝より周り見まわす河原鶸★★★
鶯の声のみ聞ゆ大樹かな★★★
すいすいと下枝上枝と河原鶸★★★

廣田洋一
知らざりし土筆の先に杉菜とは★★★
切株の割れ目に光る春の草★★★
門燈をつけ忘れたる日永かな★★★

弓削和人
車窓見ゆ風にゆだねる春の鳥
「車窓見ゆ」は「車窓が見える」の意味です。字余りでも「車窓に見ゆ」とすべきです。あるいは五音になるように、他の表現を考えるとか。(髙橋正子)

一面の畑に浮かぶ耕運機(原句)
「耕運機」は季語ではありません。「浮かぶ」の情景がわかるような表現が欲しいです。俳句の基本は写生(描写)です。(髙橋正子)
耕運機春の畑のあちこちに(添削例①)
かぎろいて畑に浮かぶ耕運機(添削例②)

ひとい終え帰りの電車春の宵★★★

桑本栄太郎
棚上を見上げ爆音虻の昼★★★
花楓葉先の風のうすみどり★★★★
つちふるや今日は定期の検診日★★★

4月12日(4名)

小口泰與
背びらより朝日差しけり上り鮎★★★
遠き祖を訪ね諏訪湖や忘れ霜★★★
春灯や盛り塩崩れ仕舞いける★★★

廣田洋一
立話また一人増え日永かな★★★
黒き土覆ひつくせる杉菜かな★★★
尾の長さ整へ揚げる凧★★★★

桑本栄太郎
雨にぬれどさつと眼前に椿落つ★★★
飛花落花雨に濡れたる鋪道かな★★★
すかんぽの茎の伸びたる雨一日★★★★

弓削和人
春湖のたゆたう波やあおみどり★★★
みちのくの空うばい合う百千鳥★★★
アザリアのピンクやピンク数知れず★★★

4月11日(4名)

小口泰與
源流の宿の廃れや上り鮎★★★
辛夷咲く洞より出でる獣かな★★★
百本の春ばら咲くを待ちにけり★★★

廣田洋一
星影の時々消えて朧かな★★★★
マンションの窓の潤みて街朧★★★
春の草引き抜く力入れずとも★★★

桑本栄太郎
しべ赤くしがみつきたる残花かな★★★
春闌くや庭の梢の森めきぬ★★★★
嶺よりの夕日葉を透く遅日かな★★★

弓削和人
まさおなる分校の空黄水仙★★★★
廃校の跡に虎杖芽吹くかな★★★
湿原に白みひかるや水芭蕉★★★
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自由な投句箱/4月1日~4月10日

2023-04-02 15:40:31 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之
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今日の秀句/4月1日~4月10日

2023-04-02 15:40:00 | Weblog
4月10日(1句)

★ぜんまいの渦巻きゆるまず湖の風/弓削和人
「ぜんまいの渦巻きゆるまず」がまさ寒さの残る空気感を感じさせてくれる。湖とぜんまいの取り合せがいい。(髙橋正子)

4月9日(2句)

★オルガンの音色戸外へ復活祭/桑本栄太郎
「オルガン」に教会を思う。復活祭の教会からもれてくるオルガンの音色は、明るい。(髙橋正子)

★花冷えや一指を象牙の鍵盤に/川名ますみ
象牙のピアノの鍵盤はいまではとても貴重。花冷えと同じように静かに冷えているのだろう。一指を落として響いた音は。聞いてみたい。(髙橋正子)

4月8日(2句)

★朝寝して鴉の声に起こさるる/小口泰與
朝寝をして、鴉のとぼけたような鳴き声に起こされるのも、のどかでいい。(髙橋正子)
 
★花冷えやおもわず遠く歩きたり/弓削和人
花冷えの中は、どんどん歩きたくなる。歩いて寒すぎることもなく、暑いこともない。「おもわず遠く」がいい。(髙橋正子)

4月7日(2句)

★盛岡や朝寝うつつに旅立ちぬ/弓削和人
盛岡から新幹線に乗るのか。朝寝のうつつのままに旅立つ。仕事の旅であっても、どこかのどか。(髙橋正子)

★さっぱりと花終わらせる雨の降る/多田有花
「さっぱりと花終わらせる」は、有花さんらしい。さっぱりとしたいい気性の有花さんならではの句。(髙橋正子)

4月6日(2句)

★花辛夷獣穴の笹倒れおり/小口泰與
山には辛夷が咲いて、獣穴の前の笹が倒れている。笹を踏んで穴を出入りしていることは容易に知れる。山の春は、獣が身近なのかもしれない。(髙橋正子)

★清明や入念に拭く古机/廣田洋一
「清明」。日はほがらかになって、気持ちがいい。使い込んだ古い机を入念に拭いた。きれいにさっぱりとなり、机上の仕事も捗ろうというもの。(髙橋正子)

4月5日(3句)

★雪柳素直に咲いて山の風/小口泰與
「雪柳」が「素直に咲いて」は雪柳の本質を言い得ている。納得の一句。(髙橋正子)

★花吹雪高層階まで届きおり/多田有花
地上の桜の花びらが、こんな高さまで舞い上がることよ、の感嘆の句。高層階も花びらに彩られるとは。(髙橋正子)

★山吹の堰水囃す黄色かな/桑本栄太郎
川堰の水が落ちるとき山吹の黄色が揺れる。また逆に、堰水は山吹に囃されるようにどんどん落ちて流れる。そんな川辺の景色が春らしい。(髙橋正子)

4月4日(2句)

★送電線峰より里へ花の雲/桑本栄太郎
送電線が峰から里へと張られいる。その間を埋め尽くすかのような花の雲。(髙橋正子)

★花曇青の自転車赤のバギー/川名ますみ
花曇なので、自転車のピカピカの青。バギーの赤は特に印象的。青と赤の思い切りの良さ。思い切りよい表現が快い。(髙橋正子)

4月3日(1句)

★土筆煮てきたと広げる花の下/多田有花
お花見弁当に煮た土筆がある。四季折々のくらしに野のものを味わう楽しさ。きどりのない素敵な花見。(髙橋正子)

4月2日(1句)

★軽やかな足音聞きつ朝桜/廣田洋一
「聞きつ」の「つ」には気を付けなればいけない。この句では、「聞き(連用形)+つ(近い過去)」と解釈した。
句意は「さっき、軽やかな足音を聞いた。目を遣れば、朝の桜が咲いている。」朝の桜の清潔で透明感のある姿に、人の軽やかな足音が絶妙に配置されている。(髙橋正子)

4月1日(1句)

★風に舞う桜を追いて笑う子ら/友田 修
そのままの情景を句に詠んでいて、多くの人たちも、私も見たことのある光景。花が散るのを楽しそうに、笑いながら追いかける。遊びでもあるが、子どもは、子どもの心で桜を楽しんでいる。(髙橋正子)

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4月1日~4月10日

2023-04-02 15:37:29 | Weblog
4月10日(4名)

小口泰與
うららかや俳句とカメラ我が生計★★★
チューリップ片花びらの風の中★★★
雨上がりばらの蕾のほこほこと★★★

廣田洋一
ドラマ一つ見終えて気づく日永かな★★★
句座終えてお茶会となる日永かな★★★
桜貝今日も探して由比ヶ浜★★★★

桑本栄太郎
天空は風のあるらし春の雲★★★
バス道の並木通りや躑躅燃ゆ★★★
風光るバスの車窓のまぶしけり
「まぶしけり」は間違いです。「まぶしかりけり」とするか、「まぶしかり」とします。

弓削和人
水芭蕉昼下りから森静か★★★
春風や湖やわらかに瑠璃の波★★★
ぜんまいの渦巻きゆるまず湖の風★★★★

4月9日(5名)

小口泰與
山里のせせらぎ芹を育てそめ★★★
田畑の燕やせちに反転す★★★
庭も狭に百本の薔薇芽吹きおり★★★

多田有花
花過ぎの南へ向かう旅支度★★★★
イカタコもクラゲも見るや春の夢★★★
鶯の夜明け知らせる声がする★★★

桑本栄太郎
オルガンの音色戸外へ復活祭★★★★
就労の支援施設や花みづき★★★
うぐいすの頻りに誘う藪の中★★★

廣田洋一
桜散る供養の太鼓鳴りにけり★★★
藤の房池に映りて香り立ち★★★
のどけしや参道埋める骨董市★★★

川名ますみ
病牀に今日も長閑という遊び★★★★
曇天に泡立つようにさくら咲く★★★
花冷えや一指を象牙の鍵盤に★★★★

4月8日(5名)

小口泰與
背ぐくまる釣り人の手に春の魚★★★
朝寝して鴉の声に起こさるる★★★★
一望の背向の丘の落花かな★★★

廣田洋一
あちらかと思へばこちら鶯や★★★
松の芯ぴんと伸びたる青き空★★★★
真っ黒な畑に緑杉菜かな★★★

多田有花
足首に音叉当てられ散る桜★★★
風雨再び花完全に終わりけり★★★
ボサノバを部屋に流して春嵐★★★

桑本栄太郎
春月の朝日に沈む西の空★★★
虚子の忌やまた訪ねたき文学館★★★
愛らしき図柄玉子や復活祭★★★★

弓削和人
花冷えやおもわず遠く歩きたり★★★★
くまざさや家移りたる春の苑★★★
鳥ぐもり子の一人暮らしの事始★★★

4月7日(5名)

小口泰與
上枝にて二回三回鳥交る★★★
すべからず山は雪解や鳥の声★★★★
南面は蒼黒きひだ雪解山★★★

弓削和人
紅梅やわびしき納屋に沿いて咲き★★★
木蓮の白く吹かれつ時雨駅★★★
盛岡や朝寝うつつに旅立ちぬ★★★★

多田有花
清明の午後より雨の降り出しぬ★★★
さっぱりと花終わらせる雨の降る★★★★
たんぽぽやコンクリートのひとすみに★★★

廣田洋一
連凧を競ひて揚げる河川敷★★★
新築のビルの狭庭に杉菜かな★★★
アスファルト小さき割れ目に杉菜噴く★★★

桑本栄太郎
淋しさの何時も独りや放哉忌★★★
放れては又寄り添いぬ花いかだ★★★
おちこちの野辺の明かりや菜種梅雨★★★

4月6日(4名)

小口泰與
咲きみちて落花急かせる野鳥かな★★★
花辛夷獣穴の笹倒れおり★★★★
スイートピーそこはかとなくにおうかな★★★

廣田洋一
清明や入念に拭く古机★★★★
入口に敷き詰められし芝桜★★★
雑木林鳥の巣箱の賑はへり★★★

桑本栄太郎
満天星の花の小粒や鈴なりに★★★
くもり来て三つ葉つつじの雨催い★★★★
期日前投票終わり春の雨★★★

弓削和人
雨だれに艶めく桜咲きにけり★★★
盛岡や新幹線は花を越ゆ★★★★
曇り来し湖畔の空き家蕗の薹★★★

4月5日(5名)

小口泰與
豆ほどの畦の蛙や鳥の声★★★
雪柳素直に咲いて山の風★★★★
日輪を跳ね返しおり牡丹の芽★★★

多田有花
花を見てのち天神様に参る★★★
花吹雪高層階まで届きおり★★★★
山桜のともしび山より消えてゆく★★★

廣田洋一
清明の湯煙白し露天風呂★★★★
犬ふぐり玄関前に人を待つ★★★
道の端燃え立つ如き躑躅かな★★★

桑本栄太郎
清明の朝より曇り雨催い★★★
道の辺の片方(かたえ)に淡き花の屑★★★
山吹の堰水囃す黄色かな★★★★

弓削和人
遠山につづく畦道物芽かな★★★
春耕や湖面に映ゆる夕の空★★★
春日を惜しんで急ぐ家路かな★★★

4月4日(6名)

小口泰與
山里のお玉杓子のすだきける★★★
白壁へすじちがいに射す春日かな★★★
渓音に散り込んでくる落花かな★★★★

廣田洋一
桃咲きて歓声上げる女の児★★★
校庭を駆けまわる子ら桜散る★★★
丸き球少し欠けたり八重桜★★★

多田有花
桜咲く彼方に見える播磨灘★★★
穏やかな風あり花びらちらほらと★★★
新幹線満開の花のむこうから★★★★

桑本栄太郎
送電線峰より里へ花の雲★★★★
植込みの紅花金縷梅ホテルまえ★★★
山吹の花の枝垂れや川べりに★★★

川名ますみ
花曇青の自転車赤のバギー★★★★
花明り動物園の格子越し★★★
糊利きし白衣四月の病院に★★★★

弓削和人
若草やひやりと風の吹きすさぶ★★★★
湖を望む畔なり風光る★★★

連なりぬ/真白き山や/蕗の薹(原句)
句が3つに切れています(二段切れ)。これは避けます。
連なれる真白き山や 蕗の薹★★★
「連なれる(連体形)」にして、「(真白き)山(体言」に繋げます。(髙橋正子)

4月3日(5名)

小口泰與
頬白や裾廻の径を猫車★★★
坂道を乱舞の落花夕間暮れ★★★
小綬鶏やシェアハウスなる恋の家★★★

廣田洋一
虚子の忌を忘れず開く紫木蓮★★★
玄関前ぼってりと咲く桃の花★★★
遅き日やレッスン終えて茶を喫す★★★

多田有花
日笠山へ花の弁当提げてゆく★★★★
花見かな塩で栄えし町抜けて★★★
土筆煮てきたと広げる花の下★★★★

桑本栄太郎
花冷えや風に舞いたる花の屑★★★
山吹の七重八重なり植込みに★★★
ひと風の花の吹雪に立ちつくす★★★★

弓削和人
葉柄をかくす濃き葉や座禅草★★★
葉柄をかくす濃き葉座禅草(後)

汀線の紫みやこ忘れかな★★★
ぬくし土つくしんぼうの起きはじめ★★★

4月2日(4名)

小口泰與
飛んで来て枝から枝へ松毟鳥★★★
畦道に忽と鋭声や雉の声★★★
春の丘肩へ舞い下る野鳥かな★★★

廣田洋一
茜色さめ行く空に朝桜★★★
軽やかな足音聞きつ朝桜★★★★
白にも濃淡ありと花辛夷★★★

桑本栄太郎
何処までも赤き垣根や新芽立つ★★★
大正の母想い居り紫木蓮★★★
花蘇芳炎と燃ゆる垣根かな★★★

多田有花
遅咲きの梅も咲きおり土手の道★★★
公園を満開の花が取り囲む★★★
シーソーの上に落花始まるか★★★★

4月1日(4名)

小口泰與
一斉に頬白追いしカメラマン★★★
晴鷽や墓の仏花に来たりける★★★
河原鶸赤城の風に身を丸め★★★★

友田修
寝転びて見る青空と桜かな★★★
見おろせば白くたなびく桜雲(原句)
「桜雲」は普通「おううん」と読み、「さくらぐも」と読みません。五音にしたければ、「花の雲」を使う場合がほとんどです。
見おろせば白くたなびく花の雲★★★(正子添削)

風に舞う桜を追いて笑う子ら★★★★

桑本栄太郎
仰のけに蜜を吸いをり春の鵯★★★
道の辺の脇に小さくすみれ咲く★★★
夕日透き更に色濃くにはざくら★★★

多田有花
花時や陽のあるうちに湯に入りぬ★★★
チューリップいつも並んで咲いている★★★★
桜淡し大宇宙も素粒子も★★★
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