『ヤーズ・アウト』のライヴ盤を発表した後、デッカレコードと袂を別れ、独自の”ローリング・ストーン・レーベル”を設立する。
その記念すべきアルバムが!『ステッキー・フィンガーズ』(1971年)なのである。
『ベガーズ・バンケット』から『レット・イット・ブリード』そして本作は、どれもロック史上
に輝く作品集であり、ストーンズを代表するアルバムで、演奏も一番ノッテいた時期である。
特に、この『ステッキー・フィンガーズ』から全面的に”ミック・テイラー”が合流し、主にリード・ギターをブルージーになおかつ渋く演奏しているので、ギター・ファンならたまらない1枚でもあると思います。
A面
1曲目<ブラウン・シュガー>ストーンズがより高いギア―にチェンジした1曲!B.KETAESのsaxが素晴らしい。
2曲目<スエイ>気だるいイントロから濃厚な音の塊が押し寄せる!ピアノはニッキ―・ホプキンス。やはりテイラーのリード・ギターが冴えわたる。
3曲目<ワイルド・ホーシーズ>カントリーの悲しい曲である。ザ・バーズのグラム・パーキンズに関した曲だそうだ。名曲とは、こんな曲を言うのだろう?
4曲目<キャント・ユー・ヒアー・ミイ・ノッキング>後半から、ボビー・キーズのsaxソロが凄い!コンガも良い!それからのミックのギター・ソロが悶絶ものである。チャーリーのドラミングも負けてないぜ!
5曲目<ユー・ガッタ・ムーブ>この曲を聴けば、三郎先生の”与作”を思い出すのです。土の匂いがする曲で、ビル・ワイマンはエレクトリック・ピアノを弾いています。
B面
1曲目<ビッチ>ギターリフの強烈なイントロ!Saxとトランペットのブラス・アンサンブルもカッコいい!プロデューサーのジミー・ミラーもパーカッションで厚みを加え、テイラーのノリノリのギターが華を添えてます。
2曲目<アイ・ゴット・ザ・ブルース>どっぷりスローのブルース!名曲である。間奏のオルガンは、ビリー・プレストン!
3曲目<シスター・モンスーン>ライ・クーダーのスライド・ギターが全編を覆っている。なんで?ライ・クーダーなのか、どうやら、『レット・イット・ブリード』からのアウト・テイクみたいです。(納得)
でも、この曲での、ミック・ジャガーの魂のボーカルは聴きどころですよ、凄味があります。
4曲目<デッド・フラワーズ>カントリーの軽快な曲ながら、ミックのドスの聴いたヴォーカルが聴きどころです。
”花は枯れる”そのむなしさを歌にしているのでしょうか?これもテイラーのギターソロにやられます。
5曲目<ムーンライト・マイル>琴をつまづいたようなイントロ!どこか雅な京都の町を旅しているような曲です。
アルバム・アートは、アンディー・ウォホール!(さすがに”ジッパー”まではCDでは再現できないのでは?)

そして、ベロ・マークの快進撃もこのアルバムから始まったのである。